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江戸時代の飛脚や人力車夫の強靭な体力の源は、玄米だった!?そのパワーを解説

玄米や麦を食べていた飛脚・人力車夫のパワー


江戸時代の飛脚という仕事は、現代でいう「郵送」の仕事のことです。この飛脚は数十キロ、時には百キロもの荷物を、江戸から遠く離れた京都まで約60時間以内に配達しなければいけないと決められていました。



そんな長い距離を重たい荷物を持って移動するなんて、現代ではとても考えられませんよね。そんなパワーを持つ飛脚のご飯を思い浮かべると、お肉やお米など筋肉が付きそうな食事をイメージするでしょう。


しかしそんな豪華な食事とは反対に、当時の飛脚の食事といえば「玄米」が主食でした。玄米=粗食、とネガティブなイメージを抱きますが、実はこの玄米に飛脚のパワーの秘密が詰まっているんです!


当時の飛脚の食事メニュー


当時の飛脚の食事は一日二回、玄米と漬け物を食べて移動していました。そして普段の食事もムギ入り玄米と漬け物、みそ汁、魚の塩焼きと、質素な食事だったことが記録に残っています。こうしてみると食事からでは大きな力を作るような要素が見つかりませんよね。


しかし当時のこの食事こそが飛脚のパワーの源です。実はそれを見た西洋人が飛脚にさらにパワーがでるように肉を食べさせたら、飛脚は肉を食べていないときよりも早くバテてしまったとの実験記録もあります。


長距離も平気な体力


現代では筋肉をつけるためにはタンパク質を摂らなければならないと考えられ、お肉を多く食べ、米のような炭水化物は控えることが多いですよね。


しかし当時の飛脚はそんな食事とは正反対といっていいほど、質素なものです。そんな食事でも長距離でも平気な体力が生まれていました。どこに秘密があるかといえば、まず玄米とそのご飯の量です。


現代では通常の人であれば一日一合半、しかし当時の人は一日に五合ものご飯を食べていたそうです!現代では大食いでない限り一人でこんなに食べられませんよね。しかし当時のお米はあっさりとしていたため、これだけの量でもペロリと食べてしまっていたそうです。


現代のお米は美味しさを求めて品種改良されるうちに味や栄養素も次第に変わってきています。そうした「違い」が当時の食事でも現代よりも大きな力の源になっている証拠です。



飛脚が食べていた玄米飯・玄米の栄養


飛脚は当時、白いお米ではなく玄米飯を食べていました。玄米とは籾米(もみごめ)からもみ殻だけを取り除いた状態のお米です。私たちが普段食べている白飯になるには、この玄米をさらにぬかと胚芽を取り除く必要があります。



単純に言ってしまえば、玄米とは精米されていないお米です。しかしこの玄米には白米とは違う栄養素が豊富に含まれています。この栄養たっぷりの玄米にも飛脚のパワーの理由が詰まっているんです。


玄米はビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含んでいます。食物繊維にいたっては白米の約8倍もの量を含んでいて、玄米は人間が健康でいるために必要な栄養素をほとんど含んでいることから「完全栄養食」ともいわれています。


よく食事では一日三十品目は食べましょうといわれていますが、これは主食が白米の場合です。主食を玄米に置き換えると、玄米には栄養素が豊富に含まれているので、昔の人のように一汁一菜であっても、健康な体が保たれたのです。


ただ玄米は消化に時間がかかるためよく噛まないと食物繊維の力をもってしても便秘や消化不良になるので注意が必要です。



力のひみつは飛脚の食事・腸内環境も整えるすごすぎる玄米の底力


玄米にはビタミンB1、B2、ビタミンC、ビタミンE、タンパク質、ミネラル、食物繊維、炭水化物、脂質、パントテン酸、リンなど豊富な栄養素が詰まっています。


玄米 和食 ご飯

これらの栄養素によってさまざまな健康効果が生まれるため、当時の人は現代と比べて粗食であっても健康な体を保つことができました。当時の人は自然とともに暮らしていたのでさまざまな抗原に触れて生きてきました。


そのため高い免疫力を持ち、粗食であったために腸内環境・細菌も正常に働いていました。現代人は食品添加物などによって体に異常を発生させています。現代人と昔の人では腸内環境から体の作りまでほぼ違っていたことが分かりますが、この玄米も当時の人のパワーの源です。


スタミナ・体力増進


玄米は肉類に比べて消化に時間がかかるため腹持ちがよく、エネルギー源として優秀です。白米と比べるとカロリーは同等なのに、他の栄養素が約2倍以上含まれているので有効なエネルギーを引き出しスタミナ・体力増進に役立ちます。


普段から玄米食を食べていれば豊富な栄養素が体質も改善してくれます。


食物繊維が便通改善


玄米には白米に比べると豊富な食物繊維が含まれています。腸内環境が改善され、便秘も解消します。


但し玄米はかたく、消化に時間がかかるので良く噛んで食べないと消化不良となり胃腸に大きな負担をかけます。玄米の効果を得るためにも玄米を食べる時はよく噛んで食べるようにしましょう。


脚気(かっけ)予防


脚気とはビタミンB1不足によって心不全や末梢神経障害を引き起こす病気です。玄米には豊富なビタミンB1が含まれているため、ビタミン欠乏症の一種である脚気を防止することができます。


ビタミンB1は玄米に多く含まれますが、精米するときに多くのビタミンB1が失われてしまいます。より豊富な栄養素を得たいなら白米より玄米の方がビタミンも多く含まれています。


ビタミンEが老化防止


ビタミンEには抗酸化作用があるため老化防止が期待できます。またぬか部分には豊富なリノール酸が含まれているので動脈硬化を防止してくれます。ビタミンEもビタミンB1と同様に白米にすることで多くが失われてしまいます。


自律神経の改善・うつの予防にも


玄米に含まれている油にはオリザノールという自律神経を整える物質が含まれています。そのため自律神経の改善やうつなど精神病の予防にもなります。普段から自律神経の乱れが気になる場合には白米から玄米に変えてみると良いでしょう。


黒髪を守り白髪防止


アンチエイジング効果が高い玄米ですが、髪にも効果があるのです。セレニウムという微量のミネラルの効果によって白髪から黒髪を守ると考えられています。他の栄養素に比べると含有量は少ないですが、体を老化から守るために玄米はとても魅力的な食べ物です。



飛脚が食事を替えたら・玄米の日本食から高タンパク質の肉食


江戸から明治と時代が変わると外人が日本にさかんに訪れるようになり、日本人の食事にも変化がみられるようになりました。



そんなとき、海外の医師が飛脚の食事を見て、お肉を食べた方がもっと力がでるのでは?と実験を行ったと記録されています。玄米から白米、野菜や魚から肉食へと変化することで、日本人の体にどんな変化が起きたのでしょうか?


実験内容には、一人には従来通りの玄米に芋、栗、魚や漬け物などの高炭水化物で低たんぱく、低脂肪の食事。もう一人には洋食である肉中心の食事をさせて同じ距離(40㎞)を毎日走らせました。ふたりは同じ体重(80kg)の人です。


すると洋食である肉食を中心に食べた人は3日ほどですぐに疲労困憊となり、従来の食事をしている人に比べて早く疲労を訴えたそうです。この実験結果から、日本人には日本食の方が合っているということが分かりました。



玄米の力で走り続けた飛脚・江戸時代白米や洋食が広まったことの弊害


玄米には豊富な栄養素が含まれていましたが、白米に精米することで多くの栄養素が失われてしまいます。しかし江戸時代から白米や洋食が広まったことで、栄養状況が変わってしまい、日本人の体調面・体力面でさまざまな弊害が生まれました。


疲れやすい

現代では洋食が流行って食生活も豊かになりましたね。しかしその一方で栄養が不足してさまざまな病気が蔓延しています。手軽に食事を摂れるようになった一方、偏った食事により栄養素も不足し、至る所で栄養不足を心配する声があがっています。


増加した病気


玄米から白米に変わったことで多くの栄養素が失われ、特にビタミンB1不足により脚気やスタミナ不足が多くみられるようになりました。また自律神経を整えるオリザノールやビタミンEなども多く失われるため、精神疾患や活性酸素によるがんなどの病気が増えました。


生活習慣病の蔓延


玄米に含まれる栄養素が白米に変わる過程で多く失われ、かつ肉食中心の洋食文化が栄えてくると生活習慣病である糖尿病や肥満、高血圧、心臓疾患などが蔓延し始めました。食生活が豊かになる反面、こうした病気が増えてしまったのです。


しかし肉食が悪いという訳ではなく、適度に食べることは体に良いメリットをもたらします。生活習慣病も普段の自分の意識で防げる病気なので、偏った食事ばかりとらず、栄養バランスを考えた食事中心の生活を心がけましょう。


江戸時代の飛脚には劣りますが、より健康的に過ごすためにも豊富な栄養素を持つ玄米を食卓に並べてみましょう。

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