緊張で脇汗をかく理由・体温調節の汗との違い
緊張すると手汗だけでなく、脇からも汗が出てきます。緊張していると、脇汗は手汗に比べて気づきにくいかもしれません。ですが、脇を見てみると汗で湿っていたという経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
通常、汗は暑い時にかくことが多いですよね。緊張しているだけで暑くもないのに、汗が出るのは不思議です。一体なぜ、緊張で脇汗をかいてしまうのかについて、具体的な理由を見ていきます。
まず、緊張でかく脇汗は、普段の汗とは違います。精神的発汗と暑い時にかく体温調節の汗は別物なのです。緊張すると、人間の体では交感神経が優位になります。交感神経は、興奮を引き起こす神経で、交感神経が過剰に反応すると高い興奮状態が続きます。
興奮すると、交換神経と副交感神経から成る自律神経のバランスが乱れます。このバランスが乱れることで緊張すると汗が出るのです。自律神経が不安定になると、緊張のコントロールや発汗作用のコントロールも不安定になります。
普段暑い時に出る汗は、体内で上がりすぎてしまった体温を下げるために出るものなので、両者の汗は違うということがわかりますね。
緊張の脇汗を止めるには自律神経を落ち着かせる!
緊張で汗をかくのは、自律神経のバランスが乱れることが原因です。
ですから、緊張の汗を止めるためには、自律神経を落ち着かせて、バランスを整えてあげることが大切です。自立神経を落ち着かせる方法をいくつか紹介します。
心を落ち着かせる
緊張すると自律神経が優位になり、体は興奮状態なので、まずはリラックスしましょう。緊張をほぐして、心を落ち着かせます。自立神経の乱れは、心が落ち着くと改善します。
具体的な方法としては、深呼吸(腹式呼吸)をする・瞑想をする・リラックスする香りをかぐ、などがあります。自分にあった、心が落ち着く方法を身につけておくと、緊張した時にすぐに対処できるのでおすすめです。
筋肉をほぐす
心を落ち着かせたら、体も落ち着かせましょう。体も興奮状態にあるので、ストレッチなどで筋肉をほぐして、自立神経の乱れを改善します。この時、激しすぎる運動をしてしまうと、さらに体が興奮してしまうので、軽めの運動量にしてください。
固まってしまった筋肉を柔らかくするイメージで、ゆっくりストレッチをしましょう。筋肉がほぐれてくると、自然と心も落ち着いてくるでしょう。ストレッチをしながら、呼吸も意識してゆっくりするようにすると、効果がアップします。
緊張の脇汗がストレスになる場合は病院で相談もおすすめ
もしも、緊張すると毎回脇汗をかいてしまってストレスに感じるのであれば、病院で相談してみるのもおすすめです。脇汗は、皮膚科や心療内科、外科で相談することができます。精神面の場合は、心療内科が良いです。
自律神経の乱れを治す薬を処方してくれる場合もありますし、カウンセリングによって解決法が見つかることもあります。また、皮膚科では汗自体を止めてくれる塗り薬や内服薬もあります。
緊張の脇汗対策には汗取りパットがおすすめ
緊張で汗をかいてしまい、手をあげると汗が服に染みて困るという場合には、汗取りパッドがおすすめです。脇汗対策商品として有名なので、使ったことがある人も多いでしょうが、これがあるだけで安心感が大きく違います。
スーパーやドラッグストア、通販などで購入することができます。汗をかいてしまっても、汗取りパッドをしていれば汗取りパッドが吸収してくれるので、服に染みることがなくなります。汗取りパッドと一緒に速乾性のインナーも着れば完璧な汗対策ができます。
とくに、汗染みが目立ちそうな服の場合は対策しておくと安心ですね。
緊張の脇汗で臭いも気になる場合の対策
緊張で脇汗をかくと、臭いも気になりますよね。臭いで脇汗をかいていることに気づくという人も多いです。
汗取りパッドや速乾性インナーは汗を隠せても、臭いは隠せません。ここからは脇汗の臭いの対処法を見ていきましょう。
制汗剤で臭いも解消
臭いを消す一番簡単な方法は、制汗剤を使用することです。夏になると、ドラックストアやコンビニなどで多く陳列されていますが、年中売っているので手軽に買うことができます。無臭のものから、甘い香り、爽やかな香り、なかには香水のような芳醇な香りの商品もあります。
制汗剤は汗を減らすだけでなく、汗の臭いも消してくれるので使用するとすぐに効果があらわれます。携帯用に小さめのポーチに入るくらいのサイズも販売されているので、カバンに1ついれておくと安心ですね。
食べ物やタバコが臭いの原因になることも
制汗剤の使用は、一時的に臭いを消す方法ですが、臭いを根本的になくしたい場合は、食事を変えてみるのも方法の1つです。食べたものによって体臭がきつくなることがあるからです。
例えば、辛い食べ物、にんにく、にら、肉類、牛乳、チーズ、などは脇の臭いがきつくなる食べ物です。欧米人は体臭がきつい人が多いのですが、これは肉類や乳製品の摂取量が多いからです。
キムチやカレーなどの辛い食べ物は食べると汗をかきやすくなり、汗が雑菌と混ざって臭いの原因になります。にんにくは、体内に入ると「アリルメルカプタン」という物質に変わり血液をめぐり、皮膚から排出されるので臭いがきつくなります。
また、タバコも臭いの原因になることがあります。喫煙すると、タバコに含まれる「ニコチン」が汗の分泌を促します。これは、ニコチンが体温調節中枢を刺激するからです。汗が出やすくなるので、臭いが強くなります。
そして、タバコにはニコチン以外にも多くの有害物質が含まれています。有害物質が肺に入ってそこから血液に溶けて全身を巡ります。汗をかくときに一緒に皮膚から排出されるので、タバコを吸っている人は独特の汗の臭いがするのです。
脇汗の臭いを消したいという場合には、食べ物を変えてみる、タバコをやめてみる、など対策をしてみるのもおすすめです。
緊張で脇汗がひどすぎる場合は皮膚科を受診
緊張で脇汗の量がひどすぎる場合は、病気の可能性もあります。もしも、汗の量が多くて気になるようでしたら、皮膚科を受診してみてください。
病名は、「緊張性多汗症」です。これは、名前の通り、緊張した時に発汗してしまう症状のことです。緊張すると、多少の汗をかいてしまうのは誰でもあることです。ですが、その量が多すぎる場合は、多汗症の可能性があるのです。
緊張性多汗症では、緊張する場面の前から大量の汗が出るのも特徴です。皮膚科では、発汗の検査ができるので、診断してもらうといいでしょう。検査をしてもらって、体質的なものであればそのまま皮膚科で塗り薬や内服薬で簡単に治る場合もあります。
もしも、体質ではなく、メンタル面からくるものであればその後、心療内科をすすめてくれるでしょう。この病気は、治る病気です。一人で悩まずに一度受診してみることをおすすめします。