敏感肌も乾燥肌も改善方法は同じ?
洗顔後や化粧水をつけるとお肌がヒリヒリしたり赤くなったりする敏感肌に悩まされてはいませんか?外からの刺激(化粧品・洗顔料・紫外線など)に弱い敏感肌の症状に、およそ70%の女性が悩んでいるといわれています。
敏感肌になると、いつも使っていた化粧水なのに突然かゆみなどの刺激を感じるといった症状が出る人もいます。この敏感肌とは、どういったことが原因で引き起こされるのでしょうか。
敏感肌は乾燥肌の延長線上にある
健康なお肌の状態とは、水分と皮脂のバランスが整っていて、外側の刺激からお肌を守るバリア機能が働いています。しかし、何かの理由でお肌の水分と皮脂が減って乾燥してしまうと、この肌バリア機能が低下してしまうので刺激に対して敏感な肌になってしまいます。
つまり乾燥肌で肌バリア機能が弱まって、それがさらに進行してお肌が敏感になっているのが敏感肌なのです。
先天的タイプと後天的タイプ、あなたはどちら?
敏感肌を引き起こす原因は「お肌の乾燥」ですが、その乾燥の原因も大きく分けて2つのタイプがあります。生まれつきお肌が弱かったり、アレルギー体質である先天的タイプと、何らかが原因でお肌が乾燥し敏感肌になった後天的なタイプです。
敏感肌を改善するにはまず原因から知るべし
先天的にお肌が弱いタイプと後天的に敏感肌になったタイプでは原因が違います。それぞれ何が原因なのか説明します。
自分の敏感肌の原因を知って、改善のため今後のスキンケアの参考にしてみてください。
先天的な敏感肌はアトピーやアレルギー体質の人
食事や生活習慣に気をつけていても敏感肌に悩まされてしまうという方は、幼い頃からかぶれやすいなど、もともとお肌が弱いのが原因であったり、アトピーなどアレルギー体質が原因であったりします。
アレルギー成分を含まないアイテムを選んでケアするのが大切ですので、両親がアレルギー体質・食品などでじんましんが出るなど、アレルギーの可能性に心当たりのある方は、アレルギー反応を引き起こす成分を皮膚科を受診して特定しておきましょう。
先天的な敏感肌タイプの方は、お肌に負担をかけないことが大切です。クレンジング不要のメイクや低刺激の化粧水を使うなど、メイクの方法や化粧品などもお肌のトラブルを軽減させるアイテムを選びましょう。
後天的な敏感肌はストレス・間違った生活習慣などが原因
もともとは敏感肌ではなかったという方でも、間違ったスキンケア・食事のバランスが悪い・睡眠不足・過度のストレスなどが原因で敏感肌になってしまいます。また、女性は出産や生理などホルモンバランスが変化します。この変化で敏感肌になることも人によってはあります。
しかしこの場合の敏感肌は一時的なので、リラックスして過ごしたり化粧水などスキンケアの方法を敏感肌用に変えるなどして様子を見るのもひとつの方法です。
赤みやニキビ・肌荒れも敏感肌と一緒に改善したい
敏感肌なのに脂性肌でニキビ・赤みや肌荒れなどに悩まされる場合もあります。
敏感肌の原因を把握せずに刺激の強い洗顔料や化粧水を使用するとさらに悪化させてしまいます。自分に合っているケアアイテムを使って、正しいスキンケアをすればお肌のトラブルは改善していきます。
クレンジングと洗顔は合わせて1分半以内で洗いすぎ予防
メイク落としや洗顔は摩擦や刺激に注意して、お肌に負担がかからないようにするのが大切です。
- 熱いお湯で洗顔
- ゴシゴシこすり過ぎる洗顔やタオルで顔ふきの摩擦
- 一日に何度も洗顔
- 刺激が強いクレンジング剤や洗顔料を使う
- 保湿をしない
上記のような行為はお肌の乾燥を招き、敏感肌の原因にもなります。
メイク落としはオイルタイプやシートタイプなどは洗浄力が高く刺激が強いので避けましょう。クリームや乳液、バームタイプのものがお肌への負担が少ないのでおすすめです。クレンジング剤がお肌についてから40秒以内にすすぎます。
洗顔はぬるま湯で行うと必要な皮脂まで落とし過ぎるのを防げます。刺激の少ない天然成分の固形石けんがおすすめです。しっかり洗顔料を泡立ててこすらないように優しく洗い、40秒以内にすばやくしっかりすすいでください。
洗顔後のタオルも毛羽立ってないもの・柔らかく肌触りの優しい繊維のものを使用し、ゴシゴシこすらないように注意して拭きましょう。
保湿にはセラミド配合のものでバリア機能を回復
乾燥したお肌に保湿はとても重要です。ニキビがあって脂っぽくても皮膚の角質層は乾燥している場合があります。洗顔後はお肌の水分がどんどん蒸発してしまうので、すばやく敏感肌用の化粧水を手に取り、温めてから優しく顔全体を覆うようになじませます。
乾燥しやすい部分には更に化粧水を手に取って、指でなじませましょう。お肌に手の平が吸い付くようになるまで化粧水をなじませます。化粧水で水分補給したら保湿をします。敏感肌の方にはセラミド配合のクリームや美容液が保湿力が高いのでおすすめです。
睡眠は6時間以上、生活習慣と食事の見直しも改善につながる
乱れた生活習慣はそのまま敏感肌となって表れてしまいます。睡眠は6時間以上とり、規則正しい生活習慣を心がけましょう。適度な運動などでストレスを発散・解消するのも大切です。
また偏った食生活はお肌に影響しますので、なるべく同じ時間帯にバランスのとれた食事を心がけましょう。
アトピーも後天的敏感肌と同じように改善できる?
アトピー性皮膚炎は先天的なものが一番の原因ですが、ストレスや間違ったスキンケアなどが原因の後天的な大人のアトピーも近年増えてきました。
アトピーや敏感肌、どちらも乾燥によるお肌のバリア機能が低下していて、外からの刺激を受けやすく炎症が起きやすい状態なので、お肌を充分に保湿することが重要です。
特にアトピーは乾燥が激しく肌バリア機能がとても弱い状態です。汗や皮膚の雑菌が原因でさらに炎症が引き起こされますので、お肌を清潔に保ち保湿をすることが重要です。
正しい洗顔方法と保湿の重要性は先天的も後天的も同じ
アトピーのお肌は清潔が鉄則だからといっても、ゴシゴシと洗いすぎるのはよくありません。敏感肌のお手入れと同様にぬるま湯を使い、優しく洗顔します。水で落ちる程度の汚れならば洗顔料は必要ありません。洗顔後は速やかに保湿しましょう。
お肌が敏感になっているときのお手入れは、お肌に負担をかけないこと・保湿をしっかりすることがとても大切です。
保湿剤は成分表の前3つに刺激になるものがないかチェック
敏感肌、乾燥肌改善のためにお肌の刺激となる成分が保湿剤に含まれていないかチェックしてみましょう。
- エタノール・・・溶剤で乾燥促進剤。蒸発によってお肌を乾燥させる。
- PG(プロピレングリコール)・・・溶剤で保湿剤だが、経皮吸収を促すことによる刺激が懸念されたため、昨今では配合が控えられている。
- DPG(ジプロピレングリコール)・・・溶剤で香料、保湿にも使用される。目やお肌に刺激を感じる場合がある。
これらの成分は敏感肌に使用するとかゆみや赤み、刺激を感じたりします。保湿剤を購入する際は、刺激の原因となる成分が入っていないか必ずチェックしましょう。
敏感肌改善に効果的な食べ物や食事
食事時間が不規則、食事内容が偏っていてインスタント食品や清涼飲料水を多量に摂取するなどが原因でも敏感肌を引き起こします。
敏感肌を改善するには、お肌の抵抗力を高める栄養素を摂取するのが効果的です。栄養が偏らないように食事はバランスよく摂取しましょう。お肌の抵抗力を高める栄養素はタンパク質・ビタミンB2、B6・カルシウムです。これらを含む食材を積極的に摂取しましょう。
糖分の多い食事は肌の抵抗力を下げる
注意したいのは、糖分の過剰摂取です。糖分の摂り過ぎはお肌の抵抗力を下げるので皮膚が炎症を起こしやすく、治りにくくなります。
白米より胚芽米や玄米がおすすめ
胚芽米や玄米はビタミンやミネラルを白米より多く含み栄養価が高いです。また食物繊維も豊富なので腸内環境を整え便秘を改善し、デトックス効果で美肌作りに効果的な食品です。
タンパク質、ビタミンBで肌の抵抗力を上げる
タンパク質は赤身肉・魚・乳製品・たまごに多く含まれています。コレステロールを気にして控えてしまいがちですが、お肌のハリに関係する栄養素ですので、毎日適量を摂取しましょう。
ビタミンB2は乳製品・納豆・レバーなど、ビタミンB6は魚・バナナ・大豆・ナッツ類などに含まれています。ビタミンB群は免疫力を高めたり、お肌を丈夫に保つためには欠かせない栄養素です。
特に納豆は植物性タンパク質やカルシウムも豊富に含まれています。大豆製品に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似たはたらきがありますし、免疫力アップにも効果的な食品です。ビタミンBは水溶性で、体内では合成できません。毎日の食事でしっかりと摂取しましょう。
ビタミンAやCで肌のターンオーバーを促進
美肌作りに欠かせない栄養素はビタミンCです。野菜や果物に多く含まれ、コラーゲンの生成を助け、免疫力を強化するはたらきがありあます。水溶性のビタミンで体内合成できませんので、毎日の食事で摂取しましょう。
ビタミンAは皮膚やお肌の粘膜を強くするはたらきがあります。うなぎやレバー、緑黄色野菜に多く含まれています。お肌を乾燥しにくくするはたらきや、ターンオーバーを促進させたりします。
敏感肌の改善は体の内と外から
原因を知って正しく対処していけば、敏感肌は改善されます。
敏感肌の原因は
- 正しいスキンケアができていない
- 不規則な生活や食生活・睡眠不足
- ホルモンバランスの変化(生理や妊娠など)
- 先天的な原因(生まれつき肌が弱い・アレルギー体質)
などがありました。改めて日々の生活を見直しつつ、お肌に負担をかけないスキンケアを行っていきましょう。