更年期に大きな影響!エストロゲンの作用
女性ホルモンであるエストロゲンは、妊娠や生理周期に大きな影響を与えるホルモンとして知られていますよね。
でも、エストロゲンの作用は女性らしい体をつくるだけではありません。病気を緩和したり、健康な毎日を過ごすためにも大事なホルモンなんです。エストロゲンの働きを知り、年齢にともなう体の変化を理解して体調管理をしっかりとしていきましょう。
抗酸化作用で活性酸素の発生を抑え、血管収縮を抑制
卵巣から分泌されるエストロゲンは、抗酸化物質でもあります。エストロゲンの抗酸化作用は活性酸素を除去して、老化や病気を防ぐという働きも持っています。
また、エストロゲンは血管を広げて血流を良くすることも知られています。年齢とともにエストロゲンが減ってしまうと老化を早めてしまったり、冷え性や肩こり、むくみといった症状を感じやすくなるんですね。
悪玉コレステロールを抑制し善玉コレステロールを増やし動脈硬化を防ぐ
女性は悪玉コレステロールが溜まりにくく、高脂血症や動脈硬化になりにくいといわれているのですが、これもエストロゲンのおかげなんです。
エストロゲンは、肝臓にある悪玉コレステロールを取り込む受容体を増やし、善玉コレステロールの合成を促すので脂質の代謝がスムーズになります。悪玉コレステロールが減り、善玉コレステロールが増えることで、動脈硬化を予防することできます。
40代からのエストロゲン減少が更年期障害に
女性の健康に欠かせないエストロゲンですが、40歳を迎えると徐々に減少し更年期障害の原因にもなってしまうんです。卵巣が老化することによって、エストロゲンを出すのが難しくなるからです。
そんな状況でも脳は、卵胞刺激ホルモンをたくさん出して、卵巣にエストロゲンを出すように命令します。卵胞刺激ホルモンが増えているのに、エストロゲンが増えないためにホルモンのバランスが崩れてしまい、更年期障害が起きるんです。
更年期障害は、ホルモンバランスの変化だけではなくストレスや生活環境によっても引き起こされます。更年期障害の症状としては、ほてりやのぼせ、めまい、イライラなど心と体の不調を感じることが多くなります。
不足のみならず過剰になってもトラブルが起こる
悪玉コレステロールを減らしたり、血行を改善するエストロゲンですがたくさん分泌されればいいというものでもありません。足りなくても多すぎてもトラブルを抱えてしまいます。エストロゲンが増えすぎた場合、ニキビが増えたり生理痛が重くなったりすることもあります。
エストロゲンがどんな時に増えるかというと、肝機能が低下しているときです。肝臓にはエストロゲンを代謝するという機能があるので、肝機能が弱るとエストロゲンを処理しにくくなるんですね。
また、睡眠不足によってもエストロゲンは過剰に分泌されてしまうなど、生活環境や体調によってもホルモンバランスは大きく左右されます。
エストロゲンの骨への作用と骨粗しょう症
年齢とともに骨密度が減ってしまう骨粗しょう症ですが、この病気もエストロゲンと大きく関係しています。
エストロゲンが骨に与えている影響についても知っておきましょう。
骨代謝のバランスを保ち、骨粗しょう症予防に大きな役目
人の骨も実は新陳代謝をしていて、一度作ったら変化がないわけではないんです。骨を壊す破骨細胞と骨を新しく作る骨芽細胞という細胞がバランスよく働いているおかげで、強くて丈夫な骨を保つことができるんですね。
エストロゲンの減少が骨代謝のバランスを崩す
閉経後には骨密度の検査をしましょうといわれることがあります。これは閉経後にエストロゲンが減少すると、骨を壊す破骨細胞が活発になりバランスが崩れてしまうからなんです。加齢とともにエストロゲンが減ると、骨粗しょう症のリスクが上がってしまうんですね。
エストロゲンの作用とカルシウム
骨の代謝にかかわるエストロゲンですが、骨を強くするカルシウムとも関係しています。
エストロゲンは、健康な骨を作るのにはとっても大切なホルモンなんですね。
骨からカルシウムが溶け出すのを防ぎ、血中濃度を一定に保つ
せっかくとったカルシウムも骨から溶け出してしまうとうまく定着することができません。エストロゲンは、骨からカルシウムが溶けだしてしまうのを防いでくれるんです。また、カルシウムの血中濃度を保つという役割もあります。
女性は男性よりも、骨量が少なくホルモンの変化もあるために、閉経後は特に骨の健康にも気を配る必要があるんですね。
吸収力の弱まった状態でカルシウム剤を摂ると過剰摂取で動脈硬化に
骨を丈夫にするために必要な栄養素であるカルシウムですが、閉経後に骨密度を高めようとして、カルシウムをたくさん取り過ぎるのも問題です。
エストロゲンの減少によって、カルシウムの吸収力が低下しているためカルシウムをとっても吸収されにくい状態になっているからです。
また、サプリメントなどのカルシウム剤は、食事でとるよりも摂取しやすくなってしまいます。カルシウムを摂り過ぎると動脈の石灰化が進んでしまい動脈硬化や心疾患のリスクが上がるんです。
骨を形成する上でカルシウムは大切な成分ですが、摂り過ぎには注意したいですね。
エストロゲンの作用が血圧と血栓に関係?
年齢とともに血圧の悩みを持つ人が増えてきますが、エストロゲンは血圧や血栓とも関係しています。
エストロゲンが、血圧や血栓に与える影響について紹介していきます。
ホルモンバランスの乱れから血圧がコントロールできなくなる
40歳ごろから高血圧になってしまう人は多く、更年期高血圧症と呼ばれています。更年期に起こる高血圧は、ホルモンのバランスも影響しているんです。エストロゲンが減少し、自律神経が乱れることで血圧のコントロールが難しくなってしまうのが主な原因です。
ピルに含まれるエストロゲンは血液凝固作用があり血栓症リスクが上がる
月経前症候群の改善や生理痛が酷い場合に使われるピルには、エストロゲンに似た成分が含まれています。このため、副作用としてごくまれに血栓ができることがあるんです。
エストロゲンには血液凝固作用があるために、ピルを服用している人の方が服用していない人と比べると血栓ができやすくなります。
生活習慣改善や適度な運動で改善することも
ホルモンのバランスの変化や年齢とともに高血圧を感じてる人は、薬に頼るだけではなく生活習慣の改善や運動によって血圧を下げる努力をしてみましょう。
高血圧は遺伝によるところも大きいのですが、飲酒やストレス、塩分の取り過ぎや肥満、カリウムやカルシウム不足も原因のひとつなのです。
規則正しい生活をして、暴飲暴食を避け適度な運動を心がけましょう。軽度な高血圧の場合であれば、運動や食事の改善で改善することができます。
精油でエストロゲン作用を外から取り入れる
年齢とともに減少していくエストロゲンですが、エストロゲンに似た働きをする精油というものも市販されています。
エストロゲンと似た精油とはどのようなものなのでしょうか?
エストロゲンに似た働きをする精油
白やピンク、紫といった花を咲かせるクラリセージという植物は、更年期障害や月経不順に効果があります。クラリセージの効果を実感するためには、アロマテラピー用に抽出したクラリセージの精油を使用するのが一般的です。
このクラリセージには、スクラオレールという成分が含まれていてエストロゲンに似た働きをしてくれます。
ease アロマオイル エッセンシャルオイル クラリセージ 10mlAEAJ認定精油
高濃度ではなく芳香浴やお風呂に数滴いれるなどが安全
クラリセージの精油はお風呂に数滴入れたり、アロマとして芳香浴に使うのがおすすめです。化粧水やマッサージオイルとして使う方法もありますが、お肌が弱い人は直接つけるとかぶれてしまうこともあります。
ですのでまず、芳香浴やお風呂に入れて香りを楽しんでみましょう。クラリセージにはストレスの緩和や抗菌作用もあるのでリラックスしたいときにもぜひ活用してみてください。
100%天然のものを使用し妊産婦、ガン疾患・乳腺症などには使用しない
クラリセージの精油を選ぶときは、100%天然のものを選ぶようにしましょう。妊産婦はお産を早めてしまう可能性があるので避けてください。また月経中の利用や、ガン疾患や乳腺病のある人も使用するのは辞めておきましょう。
エストロゲンの作用を知って更年期もコントロール
生理や妊娠といった女性らしい体を作る以外にも多くの役割があるエストロゲンですが、年齢とともに減少してしまいます。ホルモンバランスは、生活習慣や食生活でも大きな影響を受けるので、注意が必要ですね。
閉経が近くなって、体調に不安がある人は骨密度の検査を受けたり、産婦人科に相談しましょう。日常生活の中でもアロマや運動を取り入れて、ストレスをコントロールし更年期を快適に過ごすよう心がけたいですね。