空腹が老化を防ぐ?断食で働くサーチュイン遺伝子の効果
誰もがいつまでも若々しくいたいと願っていることでしょう。私だっていつまでも若々しく、メイクやおしゃれを楽しみたいと思っています。
その若々しさのカギを握るのが「サーチュイン遺伝子」です。サーチュイン遺伝子とは若返り遺伝子や長寿遺伝子とも呼ばれています。この遺伝子は細胞内でスイッチがオンに切り替わることで活性化され、細胞を若返らせる「オートファジー機構」を働かせます。
このサーチュイン遺伝子のスイッチがオンに切り替わるのは「空腹時」といわれています。正しく断食を行うことで、痩せるだけでなく若返られるならやってみたいですよね?そのためにもサーチュイン遺伝子の効果をよく知っておきましょう!
空腹時に活動し、古くなった余分な物質が排除され活性酸素を除去
サーチュイン遺伝子のスイッチがオンに切り替わり、活発化されるのは「空腹時」と考えられています。サーチュイン遺伝子によって働かせられる「オートファジー機構」は主に細胞内で要らなくなった老廃物を飢餓に備えて分解・洗浄する働きを持っています。
サーチュイン遺伝子がオンになると、栄養を自分で作れるミトコンドリアを生成します。このミトコンドリアによってオートファジー機構が動き、自食作用で細胞が生き返るというわけです。
オートファジー機構がサーチュイン遺伝子の活性化に伴い働きだすと、古くなった余分な物質・老廃物は排除され、活性酸素も除去されます。体を老けさせる活性酸素が除去されることで身体が若々しくなるといわれています。
またオートファジー機構が働きだすと活性酸素が除去されるだけでなく、脂肪を燃焼しやすくなったり糖尿病や動脈硬化といった病気を防ぐ効果もあります。つまり空腹時(身体の活動に危険が迫っているとき)ほど身体の機能を維持しようとする働きが活発になるのです。
ホルモン分泌活性化や脂肪燃焼によるダイエット効果
断食で痩せるというダイエット法があるように、断食で空腹状態を作ることによってサーチュイン遺伝子とオートファジー機構が活発化します。互いが活性化されると、身体の機能を維持しようと必要なホルモンを分泌させたり、エネルギーを作ろうと脂肪を燃焼させます。
当然食事で必要となるエネルギーを取っていないので、使われるエネルギー源は身体にあるものから使用されます。だからダイエット効果が望めるんですね。
便秘改善・予防、加齢によるシミ・しわ改善や糖尿病などの予防にも
断食ではオートファジー機構の効果の他にも便秘解消効果が期待できます。入ってくるものがないので、身体は消化や排出に専念できるようになり、身体に溜まっている老廃物を排出しようと働きかけます。
また普段働かせっぱなしの胃腸を休めることもできるので、胃腸が体力を取り戻し正常に働くようになり、便秘の予防にもなります。他にも自食作用によって活性酸素が除去されると、細胞の老化で起こっていたシミやしわなどが改善します。
細胞から老廃物が排出されるので、病気の原因となるものも一掃され表面だけでなく体内からも健康になります。
運動でカロリー消費することでも活性化
サーチュイン遺伝子は運動で約25%のカロリーを消費することでも活性化されるといわれています。ダイエットには運動も欠かせないですよね。
断食・運動と、サーチュイン遺伝子をオンにする方法は2種類あるので、断食が無理なときには運動でサーチュイン遺伝子をオンにしましょう。しかし運動では25%ものカロリーを消費しなければいけません。
有酸素運動と筋トレなど、効率よくカロリーを消費できる運動を組み合わせてサーチュイン遺伝子をオンにしてみましょう。
サーチュイン遺伝子を活発にさせる断食ダイエットの方法
サーチュイン遺伝子をオンにしたい!と思っても、正しい方法で行わなければ効果はありません。
また普段大量に食べていた人が、いきなり断食を始めると体調を大きく壊す要因にもなるので、まずは普段の食事量を減らすことから始めてみましょう。断食に耐えられる状態であれば、軽い断食から始めてサーチュイン遺伝子を活発にしていきましょう。
朝食は抜いて、夕食は8時までに
断食なんて簡単!と思ってはいけません。普段からバランスよく食べている場合も、大量に食べている場合も、断食に慣れていない人が何十時間も断食をするのはとても危険な行為です。そのため手軽に始められる断食としてプチ断食から身体を慣れさせていきましょう。
プチ断食では朝食は抜いて、夕食は夜8時までに食べるという方法を取ります。食事による脂肪の取り込みを夜8時までに終わらせることでその後の断食時間を整えることができます。
空腹を感じたらしばらく我慢!30分から1時間後に食事を
空腹を感じたからといってすぐに食べるのは止めましょう。大体30分~1時間後に食事を摂るようにしましょう。なぜすぐに食べてはいけないのかというと、空腹を感じてすぐ食べてしまうと空腹状態に慣れることができません。
なるべく空腹を感じていてもやる過ごせるように身体を慣れさせていかないと、断食は難しいでしょう。
18時間食べない状態で効果が高まる
プチ断食では夕食から翌日の昼食までの時間が18時間空くように設定します。これは18時間食べない状態を作ると効果が高まるからです。18時間も時間が空けばそれだけ内臓も休みを取ることができます。
これにより宿便を排出し便秘を予防することもできますし、内臓が休むことで体温が上がり血行が促進し免疫力も向上します。
腹7分目食事スタイルを最低7週間
プチ断食ができたら次は腹7分目の食事スタイルを最低7週間続けられるようにしてみましょう。腹7分目にキープすることでサーチュイン遺伝子がオンになりやすく、若返りだけでなく痩せる効果も期待できます。
普段の食事で満腹になるまで食べている人は、腹7分目にキープするのは大変ですね。でも、普段より水分を多く摂ったり、咀嚼回数を増やすと満腹中枢が刺激されて腹7分目でも満足できるようになります。
満腹よりも腹7分目にキープした方が健康効果も高いという研究もされているので、よりサーチュイン遺伝子を活発にしたいなら腹7分目の食事スタイルに慣らしていきましょう。
短期ならば48時間以内、週末だけや1食だけなど
断食は短期間で終わらせるなら48時間以内が良いといわれています。48時間以上の断食はサーチュイン遺伝子がオンになる以上に、身体にとって危険な状況を作ってしまうので絶対にやめましょう。
短期間断食では食べ物は摂れず、水分だけを口にします。食べ過ぎた翌日や週末に行うのがベストで、どうしても食べたいときは1日1食だけ食べるようにしましょう。ただしその1食でも1日の必要カロリー数を上回るようなドカ食いをしては意味がありません。
自分のやりやすい方法で行うのが一番ですが、体調があまりにも悪くなった場合には一旦様子を見て後日また行うようにしましょう。また少しの体調不良であれば身体が良い方向へと向かっている証拠である好転反応が起きているだけなので続行しても問題はありません。
断食でサーチュイン遺伝子を動かすには食事のカロリー制限
断食でサーチュイン遺伝子をオンにするためにはカロリー制限が最も効果的です。
カロリー制限とは、つまり食べる量を減らせばよいだけですが、間違った方法で行うと単に体調を壊すだけです。そのため自分が普段どのくらい食べているかを知り、どのくらい減らせば良いのかを計算することが大切です。
普段から満腹状態まで食べている場合には、3割近くの量を減らすように調節しましょう。1日2000kcal食べているなら腹7分目の1400kcalまでカロリー制限してみましょう。
食事前にサラダやスープなどから摂り、よく噛む
カロリーを制限しても、それなりに満腹感を得るためには食物繊維の含まれているサラダや水分であるスープから口にするようにしましょう。そうすることでよりお腹が満たされ、少ない量でも満腹感を得ることができます。
また咀嚼回数を増やすのも満腹中枢を刺激させるので、少しの量でも満足できるようになります。カロリー制限をする際には食物繊維が豊富な食材を使用したり、スープを多めにするなど工夫してみましょう。
食事量をいつもより30%カットするだけでも効果的
食事量をいつもより30%カット…つまり腹7分目にするだけでも効果的といわれています。完全に空腹状態とまでいかなくても、サーチュイン遺伝子をオンにすることはできるんですね。そのため丸1日断食ができないときなどは、腹7分目を意識して食事をしてみましょう。
断食でオンになったサーチュイン遺伝子はダイエットの味方
断食には痩せるだけでなくアンチエイジング効果や健康効果があることが分かっています。
サーチュイン遺伝子をオンにすると、身体が生き延びようとするスイッチが入るので、細胞が生き返ろうとするんですね。しかし長い断食は単に身体の毒となりますし、普段から摂取カロリーが低い人がさらにカロリー制限をすると栄養不足に陥ります。
断食は自分が「健康である」と胸を張って言える場合にのみ、行う方が良いでしょう。