喉・口のかゆみはスイカアレルギー?
夏になると甘くてみずみずしいスイカは多くの家庭で食べられていますが、このスイカにもアレルギーがあるのを知っていますか?
スイカなどによる果物アレルギーは、別名「口腔アレルギー症候群」といわれています。スイカを食べた15分~30分以内に、口の中や舌・唇・喉が腫れたり、喉がかゆいといった症状がでることがあります。
このような症状に心当たりがある場合には、一度検査をした方が良いでしょう。スイカアレルギーの症状は軽い人もいれば重い人もいます。スイカは甘くて夏の名物として愛されていますが、スイカに潜むアレルギーについても知っておきましょう。
症状が出たらすぐに食べるのをやめて!
スイカを食べているときに、なんだか喉の調子がおかしい、口の中や皮膚が痒いな、といった症状が表れはじめたらすぐに食べるのを止めましょう。スイカアレルギーだと気づかずに食べ続けると、より症状が悪化して命を危険に晒してしまうことがあります。
スイカを食べて、こういった症状が表れた場合にはいったん食べるのを止めて症状が治まるのを待ちましょう。また症状が重い場合には病院に連絡し、受診するようにしてください。
スイカアレルギーによる症状は口腔内の異常だけでなく、重症だとめまいや吐き気、呼吸困難などの症状も引き起こします。
目のかゆみ、鼻水、くしゃみがでることも
スイカアレルギーでは口腔内の痒み、腫れといった症状のほかにも花粉症に似た目のかゆみや鼻水、くしゃみが出ることもあります。
夏になるとクーラーの効いた部屋で過ごしながらスイカを食べることもあるでしょう。しかしそうした環境内でスイカを食べてくしゃみや鼻水がでると「風邪を引いたかな?」「少し部屋が寒いかな?」くらいにしか思いませんよね。
こうした環境もスイカアレルギーに気づかない要因です。スイカを食べたあとは目のかゆみや鼻水が止まった、などの場合にはスイカアレルギーの可能性があるので、スイカを食べる時期にはスイカアレルギーの症状がでていないかをよく確認してみましょう。
吐き気や腹痛も?スイカアレルギー
アレルギーとひとことで言っても、症状はひとそれぞれ。痒みを訴える人もいれば腹痛や頭痛、くしゃみなどの症状を訴える人もいますよね。
アレルギーといえば、花粉症もアレルギーです。そんな花粉症の人の10人~20人に1人は、果物アレルギーを発症しているといわれています。これはアレルギーを引き起こす原因であるアレルゲンが似ているからです。
そのため普段から花粉症だ、と自覚している場合にはスイカアレルギーも疑ってみましょう。すべての花粉症持ちが果物アレルギーを持っているわけではありませんが、自分はそうでないと言い切れませんからね。
ブタクサ花粉アレルギーは注意!
花粉が飛ぶ季節って嫌ですよね。花粉は種類によって飛ぶ季節が異なりますが、ブタクサの花粉が飛ぶ夏~冬にかけてアレルギー症状がでる人は要注意です。
実はブタクサ花粉によるアレルギー症状がでる人は、ウリ科の植物(スイカ・メロン・きゅうり)を食べるとアレルギー症状が出やすいといわれています。
そのためスイカの美味しい夏の季節にブタクサによる花粉症で悩まされていると、なかなかスイカアレルギーに気づきません。しかしスイカを食べると明らかに口の中に異常を感じる、くしゃみが増えるといった場合にはスイカアレルギーを疑いましょう。
腹痛など分かりにくい症状がでることも
夏になると、どうしても暑さから冷たいものを食べ過ぎたり飲み過ぎたり、冷房の効いた部屋で過ごしますよね。そうすると腹痛や吐き気、嘔吐、下痢など、冷えによる症状に悩まされることもあるでしょう。しかしこういった症状もスイカアレルギーの可能性があります。
これだけ冷たいものや水分を摂っていれば、多くの人はスイカが原因だと思わないでしょう。スイカアレルギーは夏によく起こる諸症状を引き起こすので、スイカのせいでアレルギー症状が出ていると気づきにくいんですよね。
蕁麻疹が!スイカアレルギーの危険な症状
食べ物によるアレルギーといえば、まず蕁麻疹が思い浮かびますよね。
スイカアレルギーも他のアレルギー同様に、重症化すると蕁麻疹(じんましん)や喘息、呼吸困難、アナフィラキシーショック症状などの激しい症状が起こる場合があります。
症状が出現するまでの時間は短く、アナフィラキシーショックで命が危ぶまれることもあるので注意が必要です。万が一症状が表れた場合には、すぐに病院で診てもらうようにしましょう。
アレルギー専門医がいる耳鼻咽喉科で受診
スイカによるアレルギー症状が出たら、アレルギー専門医がいる耳鼻咽喉科を受診しましょう。診療で大きな問題がない場合は抗アレルギー薬やステロイド剤などの内服薬が処方されます。また症状が重い場合には点滴治療や、経過観察を要することもあります。
最初は軽い症状でも、スイカを食べ続けることにより症状が悪化することも考えられるので、症状が出たときは迷わず受診するようにしましょう。
意識障害などの神経症状はすぐ受診を!
蕁麻疹や吐き気、腹痛などの症状に加え、喘息やアナフィラキシーショック症状、意識障害などの神経症状が表れた場合にはすぐに受診をしましょう。症状はいつか治まると思っていても、神経症状だと命に関わる恐れがあります。
いつもと比べて症状が強い、重いと感じたらすぐに病院へ行きましょう。また家族や友人など、自分以外の人がスイカを食べて、発症したときも同じです。すでに意識がもうろうとしている、無いという場合にはすぐに救急車を呼び、対応しましょう。
スイカだけじゃなくメロンでもアレルギー?
果物アレルギーはオレンジやリンゴ以外にもスイカやメロンなども例外ではありません。
メロンアレルギーの原因はスイカと同じといわれていて、メロンに含まれる「たんぱく質」が原因です。メロンに含まれているたんぱく質が何らかの原因で、体内で異物と判断されてしまうと症状が表れ始めます。
またメロンアレルギーもスイカ同様に花粉と関係していて、メロンアレルギーに酷似した花粉である「スギ・カモガヤ・ブタクサ」などにはよく注意しましょう。花粉症と思っていたものがメロン・スイカアレルギーという場合もあります。
果物などの食べ物にはアレルギーの可能性があることを意識して、食べてから変わった症状が出たらアレルギー検査をしてみましょう。
妊婦さんは注意?スイカアレルギー
妊娠って実に長い期間、お腹で胎児を育てるので、夏を経験する妊婦さんも多いですよね。
妊娠中にはむくみはつきものといっていいほど、多くの妊婦さんが悩む症状です。そのためスイカが美味しい時期には、カリウムを多く含むスイカをむくみ対策で食べるという人もいるでしょう。
しかしスイカには利尿効果のあるカリウム、血圧低下作用のあるシトルリンが含まれている一方で、食べ過ぎるとアレルギーを発症する恐れがあります。
そのため妊娠中でも食べやすいとスイカを多く食べていると、子どものアレルギーに繋がることもあるのでよく注意しましょう。
子どものアレルギーに注意
スイカに限ったことではありませんが、アレルギー持ちの親がいると、子に遺伝するといわれています。乳幼児や子どもは特にアレルギー症状が表れると体力もないので重症化しやすいです。
そのため家族間でアレルギーを持った人がいる場合には、スイカを食べる前に医師に相談したり、事前にアレルギー検査をしておくことをおすすめします。
特に両親共にアレルギー持ちだと、子どものアレルギーの可能性は50%以上ともいわれています。必ずしも発症するわけではありませんが、用心するに越したことはありませんよ。
ダイエット中はスイカの糖質にも気を付ける
妊娠中といえば体重増加も悩みの一つですよね。そんな時にカロリー制限とスイカを食べる人もいるでしょう。
しかしスイカは1/8玉で炭水化物(糖質)33.3gもあるって知っていましたか?そのため水分が多いから大丈夫と多く食べてしまうと、簡単にカロリーオーバーの逆効果になるんです!
またスイカには水分が多いため、体を冷やしてしまう効果もあります。妊娠中は冷えにも気をつけたいところ。そのため体重制限のために食べていたスイカがマイナスになることがあるのでよく注意しましょう。
スイカは適量を食べるのが一番妊娠に良いです。食後に少量食べたり、つわりで何も喉に通らないときの水分補給用にするくらいの意識で食べるようにしましょう。また妊娠中に気になる症状が表れた場合には、食べるのを止めて、かかりつけの医師に相談してくださいね。