肩こりの原因は悪い姿勢が大きな原因の一つ
肩が張る…肩が痛い…首や肩が動きにくい…そんな症状に悩まされていませんか?これらは肩こりの代表的な症状です。
普段はやらない運動や動きをした時にも肩こりは起こりますが、特に何もしていないのに毎日肩が凝っている…そんな人は姿勢の悪さが肩こりの原因かもしれません。
成人の頭の重さはスイカ1個分ぐらい
スイカといっても色々な大きさや種類がありますが、ここでのスイカは小玉スイカじゃありません。スイカ割りで使うあの大玉スイカです。
頭だけの重さを正確に測るのは難しいですが、私たちの頭の重さは標準的な体形の人で体重の10%前後、およそ4kg~7kgだといわれています。
普段の生活でお腹の脂肪の重さは気になっても、頭の重さを気にする人は恐らくいないでしょうが、細い首の上には持ったらズシッとくるくらいの結構な重さが乗っかっているのです。
頸椎と背骨のカーブで重さを分散させている
そんな重い頭が一番上に乗っているのですから、普通に考えたら重力に引かれて漬物石のように下に影響を与えてしまうような気がしますが、その重さをうまく逃がしているのが首の骨と背中の骨のカーブです。
首の骨から背骨を合わせて「脊椎(せきつい)」といいますが、私たちの脊椎は真っ直ぐではなく緩いS字カーブを描いています。このカーブがスプリングやサスペンションのような役割をして頭の重さを分散させ、筋肉や骨を重さから守っているのです。
悪い姿勢は常に肩、首の筋肉が緊張した状態になる
筋肉というのはご存じのとおり伸びたり縮んだりして体を動かしています。どこかが伸びればどこかが縮み、バランスよく動いているのが普通の状態です。
しかし姿勢が悪くなり首や肩が体の中心より前に出てしまうと、一部の筋肉は頭の重さや腕の重さで引っ張られ、伸ばされたまま縮むことができなくなります。
縮もうとしても縮めない筋肉は、常に緊張状態で疲れて硬くなってしまいます。すると血管を圧迫して血流が悪くなり、筋肉に栄養や酸素が届かず、疲労物質である乳酸は流れず溜まったままに…。
そうなってしまうとさらに筋肉が硬くなるという悪循環が生まれ、これが「肩こり」という状態になるわけです。ようするに肩こりは筋肉がずっと緊張して硬くなっているという事なんですね。
猫背になりがちなパソコンや勉強の姿勢が肩こりにつながる
「悪い姿勢」というのは立っている時だけではありません。デスクワークで長時間パソコン作業をしている時や、勉強をしている時はどうしても悪い姿勢になりがちです。
パソコン作業や勉強をしている時には、キーボードをうったり字を書いたりするために手を前に持ってくる必要があります。そうすると肩は前にひっぱられ背中が丸まります。
首は机やパソコンモニターを見るために下を向いた状態になり、首は前にでてしまいます。これが「猫背」の原因になっているのです。
真面目に長時間、一所懸命に集中して仕事や勉強をしている人ほど、猫背の時間が長く肩こりになりやすい…という事になってしまうわけですが、なぜ猫背が肩こりの原因になるのでしょうか?
前のめりの姿勢は肩と首に負担をかけている
猫背とは、あごが前にでて背中が丸まっている状態なわけですが、そうすると頭を支えていた脊椎だけでは重さを支える事が出来ず、首から肩の筋肉がサポートすることになります。
これが長時間続くと首や肩の筋肉はどんどん疲れていってしまうわけです。おまけに肩甲骨もひらいた状態のままになってしまうので、肩甲骨まわりの筋肉にも負担がかかり繋がっている肩も動かしにくくなります。
つまり猫背で前のめりの姿勢になってしまうと、頭や肩が本来ある位置ではなくなってしまうので筋肉に負担がかかり、緊張して硬くなるので肩こりになる…というわけなのです。
腰痛の原因にもなる
前のめりの姿勢で負担がかかるのは首と肩だけではありません。脊椎のS字カーブは腰にかかる負担も分散させています。
猫背になると体の重心が前にずれてしまいますが、この状態は腰に大きな圧力がかかります。常に猫背なってしまうということは、常に腰に大きな負担がかかるという事です。負担がかかれば当然腰痛の原因にもなってきます。
また、猫背は骨盤にも影響してきます。骨盤はお腹や背中・お尻やふとももといった筋肉で支えられているのですが、猫背になると腹筋や背筋・太ももの筋肉が弱くなり、骨盤を支えるための筋肉のバランスが崩れてしまいます。
すると骨盤は前に傾いたり後ろに傾いたりと、歪んだ状態になります。骨盤が歪んでしまうと、バランスをとるために腰が反ってしまったり腰が丸まってしまったりして、これも腰痛の原因になるのです。
悪い姿勢は筋肉が衰え首のカーブも失われるので肩こりの原因に
悪い姿勢で問題になるのは猫背だけではありません。さきほど少しだけ触れましたが、筋肉が弱くなる原因にもなっています。
また、スマートフォンを使う人が増えるとともに問題になっている「ストレートネック」も姿勢が悪いことが原因で起こる症状です。
悪い姿勢は筋力低下の原因に
悪い姿勢というのは、言ってしまえば「楽な姿勢」です。イスにだらっと座ったり、重力に逆らうことなく力を抜けば、しゃきっと背筋を伸ばした状態より楽だと感じる人が多いと思います。
しかし筋肉というのは、使わなければ衰える一方です。筋トレなど特別なことをしなくても、本来なら姿勢を保つためにたくさんの筋肉が使われているのですが、それさえ使わなくなってしまったら全身の筋力低下は当然の結果といえるでしょう。
筋力が低下してしまえばさらに姿勢を正常に保つのは難しくなります。そうなってしまうと、姿勢が悪い→筋肉の衰え→さらに悪い姿勢に…という悪循環が生まれてしまうのです。
ストレートネックは肩こりや頭痛を引き起こす
ストレートネックとは、本来あるべき首のカーブが真っ直ぐになってしまった状態のことです。酷くなると真っ直ぐを通り越して逆にカーブしてしまうこともあります。
頭の重さはおよそ4kg~7kgというのは説明しましたが、首がにかかる負担がこの重さで済むのはあくまで真っ直ぐに立っている状態でのことです。
頭が5kgだったとしたら、首を15度前に傾ければ首にかかる負担は倍以上の12kgにもなります。姿勢が悪くなって首が傾けば傾くほど負担は大きくなり、60度ではなんと27kgもの重さが首にかかってしまうのです。
これだけの重さが長時間、しかも長期間首にかかってしまえば、本来後ろにカーブしている首の骨もどんどん下にひっぱられて、段々と真っ直ぐになってしまうのは仕方のないことでしょう。
ストレートネックになった人すべてに症状がでるわけではありませんが、首の骨が真っ直ぐになると頭の重さを上手く逃がすことができなくなるので、首や肩の筋肉に負担がかかって緊張状態になり、肩こりの原因になります。
ひどくなると首の椎間板が圧迫されて、頸椎症や頸椎ヘルニアと呼ばれる状態になり、頭痛や手のしびれ・めまいに吐き気にふらつき…といった日常生活に支障があるような症状が出る事もあるので、できればなりたくないですよね。
呼吸が浅くなり代謝も下がるので太りやすくなる
ご存じのとおり、肺は息を吸えば膨らみ、息を吐けば縮みます。肺が大きく膨らむためには、肺の外側を覆っている「胸郭(きょうかく)」という部分を膨らませなければならないのですが、姿勢が悪いと胸が縮んだ状態になるので胸郭が膨らみません。
おまけにストレートネックになると自律神経失調症のような症状が出るので、特に緊張する場面ではないのに交感神経が優位に働き、呼吸が浅く・早くなります。
悪い姿勢は、肺の状態と呼吸をコントロールする神経の両方に影響して、呼吸を浅く、息苦しくしてしまうわけです。
代謝とは、食事でとった栄養と呼吸で取り入れた酸素を使って、血液などを作ったり、心臓などの臓器を動かしたりしてエネルギーを消費することです。
ダイエットでは、よく「基礎代謝を上げよう」なんてフレーズを耳にすると思いますが、呼吸が浅くなれば体が取り入れる酸素量は少なくなってしまいますので、それだけでも代謝は下がってしまいます。
くわえて深く呼吸をしたときに動く「横隔膜(おうかくまく)」という部分が動かないことで内臓の動きが悪くなってしまうので、内臓が消費してくれるはずだったエネルギーも余ってしまい、太りやすい体質になってしまうのです。
姿勢矯正ベルトを使ったり深呼吸で肩こり改善!
姿勢が悪いと体に様々な悪い影響があることはわかってもらえたと思います。それではどうやって姿勢を正していくのか?まずは意識することから始めてみてください。普段自分がどんな姿勢でいるのか?それを知る事がはじめの一歩です。
簡単に自分の姿勢を知るためには、壁にかかとをつけて立ってみましょう。この時お尻・肩甲骨・頭が全部壁についてますか?この時頭がついていなかったら猫背です。
壁に全部がついていたら、今度は壁と腰の間にどの位すき間があるかをみてみましょう。手が1枚~1.5枚はいるくらいのすき間なら正常ですが、手が2枚以上入ってしまう時には、腰や背中が反った状態になっている「反り腰」です。
正しい姿勢を横から見ると、耳・肩・大腿骨の横のでっぱり・膝・くるぶしが一直線になっています。自分ではよくわからない時には誰かに確認してもらうと良いでしょう。
次は「正しい姿勢の感覚」を覚えることです。骨盤を立てて…とか背骨は自然なカーブを…とか言われても、あんまりピンとこないですよね?そんな時は「膝立ち」をしてみましょう。下半身が安定するので自然と正しい姿勢がとれるはずです。
とはいっても、悪い姿勢というのは「癖になっている」事が多いので、実際に生活しているとついつい元の姿勢に戻ってしまう…ということも多いですよね。
長時間デスクワークや勉強をしていると、最初は「背もたれを使わない」とか「骨盤を立てて」と意識していても、いつの間にやら猫背に戻ってて「いつからこの状態だったの??」なんて事になって、ちっとも姿勢が良くならないまま月日だけが過ぎていく…。
そんな状態になってしまいそうなら、少々お金はかかりますが物の力を借りてしまいましょう!最近では姿勢を矯正するためのグッズも改良されて色々でていますが、やっぱり基本は姿勢矯正ベルトでしょう。
おすすめの姿勢矯正ベルト
【マジコ 姿勢サポーター 6,171 円(税込)】
商品参照元:http://item.rakuten.co.jp/nakayama-shiki/3720/
この姿勢矯正ベルトは、肩のベルトをリュックを背負うようにかけたら、お腹で下のベルトを固定し、さらに補助ベルトで補正力の強さを調整する事ができます。補助ベルトのおかげで色々な体形の人に合わせる事ができるのがポイントです。
最初は短時間しか使えなかったり、着けているうちに脇が痛くなってしまう事があるという難点もありますが、着けている時に姿勢が悪くなると苦しくなるので「姿勢が悪くなっている」というのがわかりやすく、常に正しい姿勢を意識する事ができます。
ベルトが苦手な場合は背筋矯正ブラがおすすめ
【アクティバランス ACTIBALANCE グンゼ/Tuche(トゥシェ) 2,268 円(税込)】
商品参照元:http://item.rakuten.co.jp/gunze/jb1003h/?s-id=review_PC_il_item_01
こちらはノンワイヤーのスポーツブラタイプですが、背中がクロスになっているので肩甲骨を意識することができます。
姿勢矯正ベルトのような補正力はありませんが、日常に取り入れやすく長時間の使用が出来るので、矯正ベルトの締めつけ感が苦手な人や、途中で外したりできずそのまま長い時間使いたい人におすすめです!
作業の合間に姿勢を正し深呼吸でリセット!
長時間同じ姿勢でいるのはダメ…といわれても、勉強や仕事をしないわけにはいきませんよね?そんな時は、30分に1回首をゆっくり後ろに反らしたり左右に倒したりして動かしましょう。肩も軽く動かし、深呼吸するのもおすすめです。
姿勢が悪くなっている時には胸郭を膨らませることができないので、自然と浅い呼吸になっています。逆にいえば、深呼吸ができれば自然と良い姿勢になっているのです。
深呼吸はできるだけ腹式呼吸を意識しましょう。実は肩が上がってしまう胸式呼吸ではあまり空気を取り入れることができません。いきなり「肩を上げずにお腹を膨らませて呼吸」と言われても難しいかもしれませんので、最初は肺が下にひろがるイメージで深呼吸してみてくださいね。
【おすすめの深呼吸方法】
1:背筋を伸ばし鼻からゆっくり5秒程かけて息を吸う
2:吸いきったところで少しだけ呼吸を止める
3:口から10秒~15秒かけて息を吐く
※肺から全部の空気を押し出すようにしっかり吐ききるのがポイントです!しっかり吐ききれば、次には大きく吸えるようになります。
大きく動いても大丈夫な環境であれば、ストレッチをして固まってしまった部分をほぐしましょう。毎日続ければ血行も良くなって肩こりも楽になります。
【肩を後ろに下げて胸をひらくストレッチ】
1:腕を体の後ろにまわし、手を組み合わせる
2:胸は張ったまま、ゆっくり腕を上下させる
【首のストレッチ】
1:右手は頭に、首を右に倒す
2:右手は軽く頭を引っ張り、左手は左下方向に引っ張って首を伸ばす
3:左も同じように行う
※ストレッチはゆっくりと呼吸を止めないで行いましょう
時間があれば、背もたれのあるイスに座った状態で、両手を大きく上げて体を後ろに反らしたり、背もたれを持って体を左右にひねるストレッチも取り入れると上半身全体がほぐされて気持ちが良いですよ。
姿勢が良くなると、肩こりや腰痛が改善されるだけでなく、バストアップ効果があったりと見た目も若々しくなります。普段の生活でもスマホは目線の高さに上げて見るなど姿勢が悪くならない工夫をして、猫背&ストレートネック脱却を目指しましょう!