花粉症やアトピーや食物アレルギーなど、人それぞれアレルギー源は違います。花粉症でくしゃみや鼻水がつらかったり、アトピーは乾燥すると肌が痒くなったりします。中にはアレルギーをおこす食品を摂って重症になる人もいます。
病院に行けば薬を処方してもらえるけれど、なるべく強い薬は使いたくないですよね。ビオチンを日常的に摂ることで、普段の生活に支障がでないくらいに症状が楽になるのであれば、強い薬も必要ないし気分的にもうれしいですね。
アレルギー・アトピー改善にビオチンの効果はあるのか
一般的にアレルギー、アトピーの治療は医療機関で行われます。薬物療法(抗ヒスタミン剤やステロイドの服用)や減感療法(原因物質を少量ずつ投与し、体を慣れさせる治療)で毎月通院している人も少なくありません。
軽度なアレルギーでも原因物質を避けるように生活したり、誤って摂ってしまった時の為に薬を持ち歩いていたりします。
日常生活に大きく影響するアレルギー体質の治療に、ビタミンの1種のビオチンが注目されています。手軽に摂取でき、副作用もなく、体質を根本から改善できるとして今話題の成分です。
ビオチンは抗アレルギー作用のあるビタミン
ビタミンの1種であるビオチンとはどのような成分で、体内でどのように働くかを紹介します。
ビオチンとは
ビオチンはビタミンB7とも呼ばれ、ビタミンB群の1種です。過剰摂取しても尿中に排出され、過剰症になることはありませんが、不足すると食欲不振、吐き気、うつ症状、乾燥鱗片皮膚炎、脱毛等が起こることがあります。
人体では生成することができず、食品から摂る事が必要です。腸内細菌によっても合成されますが、微量なので食品で補うことが重要です。
ビオチンの体内での働き・作用
ビオチンには脂質の代謝を促進する役割があります。特に、EPA(魚に含まれる脂肪酸)を代謝して生成される「プロスタグランジンE3」はアレルギー症状を抑えてくれるので、アレルギー体質の方には欠かせないビタミンと言えます。
ビオチンはアレルギーの原因ヒスタミンの過剰分泌を抑える
アレルギー症状に対しビオチンがどのように活躍するか紹介します。
アレルギーの原因ヒスタミンとは
アレルギー症状を引き起こす「ヒスタミン」とは、体内の脂肪細胞より排出される炎症性物質の一種で、体のあらゆる場所で炎症を引き起こします。アレルギーの治療によく用いられる「抗ヒスタミン剤」は、体内で生成された「ヒスタミン」を抑制する薬です。
ヒスタミンが過剰分泌される仕組み
アレルギー体質の人は特定の原因物質(花粉、動物、食物等)が体内に入ってくると、身体を守ろうと炎症を起こす物質をたくさん生成して分泌します。この時過剰に分泌されているのがヒスタミンです。
抗ヒスタミン剤の効能と副作用とビオチン
抗ヒスタミン剤は体内で生成されてしまったヒスタミンを抑える役割があります。ヒスタミンを抑制することで、体で起きる炎症を抑える効果があります。
病院だけでなく薬局でも気軽に買える薬ですが、長期間の服用により体が慣れてしまい効果が薄れてしまったり、他の薬との飲み合わせに注意しなくてはいけません。
副作用の心配がないのがビオチンです。過剰摂取しても尿に排出されるし、ヒスタミンに直接働く訳ではないので体が慣れて効かなくなる事もありません。
アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎はビオチン不足が原因
バランスの良い食事を心がければビオチンの摂取量が極端に少なくなることはありませんが、様々な原因で体内のビオチンは消費されていきます。
ビオチンはなぜ不足するのか
良くない食べ合わせとして、卵の白身が挙げられます。卵の白身に含まれる「アビジン」というたんぱく質がビオチンの吸収を阻害しますが、加熱すれば阻害効果はなくなります。
ビオチンは腸内細菌からも作られるので、腸内バランスが崩れると不足しがちになります。抗生物質を長期間服用している人や、小麦製品ばかり食べている人は腸内バランスが崩れ、ビオチンが不足するので注意しましょう。
ビオチンが不足するとなぜアレルギーになるのか
ビオチンは、アレルギーの原因となるヒスタミンを押さえる効果があります。不足すると原因物質が体内に取り込まれた時にヒスタミンが過剰分泌されて、アレルギー反応が起きてしまいます。
亜鉛と共に摂取する事により、体の細胞を規則正しく生まれ変わらせる役割もありますが、不足していると粘膜や皮膚が健康な状態を保てずアレルギー症状がひどくなります。
ビオチン不足が原因のアレルギー症状
アレルギーは様々な症状となって現れます。ビオチンが不足することで引き起こされる症状は、皮膚炎(主にアトピー性皮膚炎)や鼻炎(主に花粉症)が有名です。
つらいアレルギーを引き起こすビオチン欠乏症
アレルギー症状の無い人でも、ビオチン不足が続くと「ビオチン欠乏症」の症状が発生することがあります。
ビオチン不足の深刻化
ビオチンは様々な食品に含まれていますが、乱れた食生活、飲酒、喫煙、等で大量に消費されています。ビオチン欠乏症とはいかなくても、慢性的なビオチン不足になっている人が増えています。
先天性ビオチン欠乏症と栄養性ビオチン欠乏症
ビオチン欠乏症には、ごく稀に先天性のものと、生活習慣等で引き起こされるものの2種類に分けられます。先天性の場合、ビオチン欠乏症は遺伝子異常が原因で新生児期~乳児期早期に嘔吐、筋緊張低下、呼吸障害等で判明します。
もう1つは栄養性ビオチン欠乏症と呼ばれ、主に生活習慣や抗生物質の長期摂取で起こり、皮膚炎や鼻炎、倦怠感、うつ症状等があります。
ビオチン欠乏症を防ぐには
規則正しい生活とバランスの良い食生活を心がけていたら、基本的にビオチンが不足することはありません。飲酒、喫煙、コンビニで食事を済ませたりビオチン不足の原因となる生活をしている人は、サプリメント等で意識的に摂るように心がけましょうね。
日常的なビオチン摂取でアレルギー対策
アレルギー対策を目的としてビオチンを摂取する場合、効率よく摂取する事で効果が大きくなります。
ビオチンを多く含む食品
ビオチンを多く含む食品として代表的なものはレバー(牛、豚、鳥)、青魚、乳製品、ナッツ類が挙げられます。納豆や豆腐等の大豆製品にも多く含まれています。
食品やサプリでこまめに摂取
ビオチンは水溶性のビタミンなので、一度にたくさん摂取しても体外に排出されてしまいます。毎回の食事でこまめに摂るようにしましょう。
ビオチンは卵黄にも含まれますが、卵白に含まれるアビジンが吸収を阻害するので、なるべく過熱する事で阻害を抑えることができます。
アレルギー対策なら食品以外にサプリメントを
アレルギー症状を予防する目的なら、毎回の食事に加えサプリメントでビオチンを補うと効果的です。普段から皮膚や粘膜を健康に保ち、アレルギーの原因物質が体内に取り込まれても、ヒスタミンをすぐに抑えてくれます。
ビオチンで将来的にアレルギー体質が克服できる可能性はある?
「ビオチン療法」という治療法が注目されていて、体質を根本的に改善できるとして実践する人が増えています。アレルギーを引き起こす原因の治療には、減感療法でないと難しいかもしれません。
日常的にビオチンを摂取することで、アレルギーが日常生活に影響しない程度まで改善する可能性はあります。積極的にビオチンを摂取して、生き生きとした毎日を送りましょう!