こわい!ドーパミン不足の症状とは
ドーパミンは神経伝達物質で、快感や意欲、運動機能の調節に関係するホルモンです。脳内から分泌されるドーパミンですが、不足すると意欲や気分に大きな影響があるんですね。
快楽物質として有名なドーパミンですが、出すぎても足りなくてもさまざなま症状が出てしまいます。なんとなく最近、意欲ややる気がなくなるとか、無気力や無関心になっているなあと思ったら、ドーパミンが不足してしまっているかもしれません。
ドーパミンが不足する症状の特徴について紹介します。
パーキンソン病もドーパミンが関係している
アルツハイマーの次に高齢者に多い病気であるパーキンソン病は、ドーパミンとも関係しています。中年以降に発症することが多いパーキンソン病は、脳の黒質と呼ばれる部分に異常が起きドーパミンの分泌量が減って発症するといわれているんです。
パーキンソン病を発症すると姿勢の維持が難しくなったり、手足の震えなど運動機能の調節が難しくなるといった症状が起きてしまいます。
ドーパミン不足でむずむず足症候群に?
ドーパミンの不足によって発症するのではないかといわれている病気に、むずむず足症候群というものもあります。むずむず足症候群は、足に気持ち悪い感覚があって睡眠不足になったり、長時間座っていることが難しくなる病気です。
むずむず足症候群は、足に異常があるのではなく脳のドーパミンが関係していると言われていますが、いまだはっきりとした原因は分かっていません。
原因不明の病気であっても、ドーパミン不足で、こんな症状になるとしたら、怖いですね。普段からドーパミンが不足しないように注意していきたいものです。
不調の原因かも?ドーパミン不足
ドーパミン不足になってしまう原因として、過度なストレスがあります。
毎日仕事に追われていたり、忙しくてあまり寝れていない人は自律神経が乱れやすくなっています。自律神経の乱れは、ドーパミンの分泌をも鈍くしてしまいます。
人の感情に大きな影響を与えるドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンは、自律神経との関係が深いんです。普段から不規則な生活で睡眠時間もバラバラ、寝る時間も起きる時間も毎日バラバラというような人は注意したほうがいいでしょう。
規則正しい生活を送ることで、自律神経を整えて脳の働きも正常になり、ドーパミンの分泌もスムーズになり、体調が整えることができます。
加齢によりドーパミンが減っていく
不足すると病気の発症や体の不調を起こしてしまうドーパミンですが残念なことに、加齢とともに減ってしまう物質でもあります。20歳をピークとして、10歳ごとにおよそ10%も減少していきます。
腸内環境の悪化がドーパミンを減らす
腸内環境を整えることで、病気を予防することができると腸活する人も増えてきていますよね。腸内細菌はドーパミンの合成にも関係しているんです。ドーパミンの前駆体L-ドーパは、腸内細菌がたんぱく質を分解したときに作られます。
セロトニンも腸管で90%合成されるために腸内環境を改善することは、心の健康にも良い影響をもたらすんですね。
ドーパミン不足でうつや病気になる?
セロトニンの不足によってうつ病になりやすいといいますが、ドーパミンの不足によっても心の不調が起きることがあるんです。
不規則な生活や頑張りすぎる生活は、健康にあまり良くありません。ドーパミンの役割を知ることで、適度な休息をとりリフレッシュするようにしたいですよね。
ドーパミンが減少するような生活習慣に注意
ストレスの多い環境にいるとドーパミンは消費され、不足しやすくなってしまいます。ストレスホルモンは、ドーパミンの分泌を抑制することもあります。ドーパミンが出ているときは、ストレスホルモンが分泌されなかったりとお互いに影響しあっているんです。
人の感情に影響を与えるドーパミンといった神経物質は消費すると減ってしまいますが、規則正しい生活をしてしっかりとバランスの取れた食事をすることで適切に分泌されます。不規則な生活で自律神経が乱れてしまうとドーパミンが正しく分泌されなくなってしまいます。
ドーパミンは出すぎてしまうと、ギャンブル依存症や過食といった問題を引き起こします。たくさん出ればいいわけではなく、正しく分泌されて消費される状態が理想なんです。
規則正しい生活をして自律神経を整え、ストレスを溜めないという生活習慣を心がけることが大切ですね。
ドーパミンを増やす食事をとろう
年齢とともに減少してしまうドーパミンですが、ドーパミンの原料をとることで増やしやすくすることはできます。ドーパミンの原料はフェニルアラニンやチロシンといわれる成分です。
フェニルアラニンやチロシンはたんぱく質の一種なので、肉や魚、豆といった食品に含まれます。肉や魚、豆はセロトニンの原料にもなります。
動物性たんぱく質や植物性たんぱく質をしっかりととっていれば、あまり不足することはないといわれていますがダイエットなど食事制限をしている人はちょっと気をつけてみましょう。
ドーパミン不足はセロトニンで解決
ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンは三大神経伝達物質と呼ばれていて、相互に関係しあっています。
例えば、ドーパミンが過剰になったり不足したりすると、残りの神経物質にも影響を及ぼしてしまうのです。
ドーパミンの分泌をコントロールして暴走を抑える
セロトニンやドーパミンのバランスが崩れると、気分にも大きな影響があるんです。セロトニンはドーパミンやノルアドレナリンの暴走を抑える働きがあります。
人のやる気や快楽に影響を与えているドーパミンですが、暴走しすぎると人は「満足感」を得られなくなってしまいます。3つの神経伝達物質は、相互に関係しあっていてどれかが過剰に分泌してしても、足りなくても心や行動に異常が出てしまいます。
ドーパミンの分泌が過剰だと統合失調症につながることも
統合失調症では、脳の一部の神経経路でドーパミンが過剰に分泌されることで幻覚症状や妄想といった症状が出ると考えられています。
また、違う神経経路でドーパミンが不足するとやる気がなくなったり鬱症状が出てしまうため、幻覚症状や妄想、意欲の減退といった症状が統合失調症の患者さんにはみられます。
そのために統合失調症の治療にはセロトニンやドーパミンの働きをコントロールする薬が使われているんです。
ドーパミン不足はノルアドレナリンも不足する?
ドーパミンは、ノルアドレナリンとも深い関係があります。
ドーパミンはノルアドレナリンを合成する前駆体になるので、ドーパミンが不足してしまえばノルアドレナリンやアドレナリンも減少し、交感神経系の興奮を保つのが難しくなります。
そうすることで自律神経系のバランスが崩れてしまい、うつ病や自律神経失調症といった病気を招いてしまうこともあるんです。
ノルアドレナリンは別名「怒りのホルモン」とも言われる
ドーパミンと関係の深いノルアドレナリンは、別名怒りのホルモンと呼ばれています。多くの動物にも分泌される原始的な神経伝達物質で、ストレスに反応し緊張感や集中力を生み出すことからストレスホルモンの一種として分けられています。
ノルアドレナリンは不足してしまうと注意力がなくなってしまったり、意欲が低下してしまうこともあります。また交感神経とノルアドレナリンとはかかわりが深く、正しく分泌されないと朝起きられないといった症状や低血圧を引き起こすこともあります。
適度に分泌させるとパフォーマンスが高くなる
ノルアドレナリンはストレスホルモンの1つですが、適切に分泌されることで判断能力が上がり、ストレスに負けないマインドを常に維持できるようになるのです。
程よい緊張感やストレスは、人のやる気や向上心、集中力に良い影響を与えるので、ノルアドレナリンも大事な役割となってきます。ノルアドレナリンが増えすぎても少なすぎてもよくない効果があるので、安定させることが大切です。
セロトニンを増やしたり乱れた生活リズムを整えて分泌バランスを安定させましょう。