どうしてヨーグルトで免疫力が上がるの?
免疫力とは風邪を引きにくくしたり体を強く保つために必要となるものですが、この免疫力がヨーグルトで上がるといわれています。これはヨーグルトに含まれる菌が免疫細胞を活性化してくれるからです。
免疫細胞はたくさん種類がありますが、どれも免疫システムによって人間の体に侵入してきた「自己ではないもの」を認識し攻撃をしてくれます。つまりこの免疫細胞が弱ければ弱いほど私たちは風邪を引いたり病気になりやすくなってしまいます。
免疫細胞を活性化させることは健康を保つために必要なことです。ではヨーグルトに含まれる菌によって免疫細胞が活性化されるのはなぜでしょうか?
腸内の善玉菌を増やす
ヨーグルトに含まれる菌が腸内で善玉菌を増やしてくれるので、腸内環境を良くしてくれます。悪玉菌が多いと私たちの腸内は荒れて病気にもかかりやすくなり、がんのリスクも上がります。
ヨーグルトを食べることによりそれに含まれる善玉菌が悪玉菌を退治し、善玉菌を増やす手助けをしてくれます。
免疫細胞NK細胞を活性化させる
免疫細胞NK(ナチュラルキラー)細胞とは免疫細胞やシステムの中で重要な役割を持っている免疫細胞の一つです。この免疫細胞は体にウイルスや害のあるものが侵入してくると最初に攻撃を始めてくれる細胞です。
このNK細胞の働きが弱まっていると風邪を引きやすくなったり病気にかかりやすくなり健康とは程遠い体になり体が弱体化します。NK細胞は体にもともと備わっている自然免疫の一つで、私たちの体を24時間守ってくれています。
ヨーグルトに含まれる菌で腸内を整えてあげることでこのNK細胞が働きやすくなるため、NK細胞の力も増し風邪やウイルスに負けない体へと導いてくれます。
免疫細胞マクロファージを活性化させる
マクロファージも自然免疫の一つで、この免疫細胞は他の仲間の細胞に風邪菌やウイルスなどが侵入してきたことを知らせる伝達係・指令係です。しかしマクロファージ自体も侵入してきた細菌やウイルスを捕らえて消化する働きを持ちます。
ヨーグルトによって整えられた腸内で活動が活発化するため、免疫細胞が強化され免疫力が向上します。
インターフェロンを増加させる
インターフェロンにはウイルスの増殖を抑制したり免疫力を活発化させる働きがありますが、ヨーグルトを食べるとこのインターフェロンが増加するといわれています。
ヨーグルトに含まれる菌によってインターフェロンの増加を助けるものと他の働きを助けるものなどが違うので、その目的に合うヨーグルトを食べる必要があります。
免疫力を上げるヨーグルト種類別 風邪におすすめ
ヨーグルトによって、含まれている菌が違うのは知っていますか?よく知られているのは、LB81乳酸菌やBB536、ガゼリ菌、ビフィズス菌などです。
ヨーグルトを食べるなら、どんな効果を得たいのかを考えて、含まれている菌で選ぶようにしましょう。以下のヨーグルトは主に風邪やインフルエンザに効果が期待できるので、日々の健康のためにもヨーグルトで免疫力向上を目指しましょう!
明治 プロビオR1ヨーグルト
プロビオR1ヨーグルトには1073R-1乳酸菌が含まれています。風邪やインフルエンザに強いといわれている乳酸菌で、年中通してコンビニやスーパーで売られています。
赤い容器が目印で、高い効果を持つので風邪やインフルエンザにかかりたくないときやシーズン初めに飲む(または食べる)と良いでしょう。この1073R-1乳酸菌は特にNK細胞に働きかけてくれるので免疫力向上を目指すなら摂っておきたい乳酸菌の一つです。
商品詳細⇒http://www.meiji.co.jp/dairies/yogurt/meiji-r1/
小岩井 プラズマ乳酸菌ヨーグルトKW乳酸菌プラス
名前の通りプラズマ乳酸菌とKW乳酸菌が含まれているヨーグルトです。プラズマ乳酸菌は免疫細胞の司令塔(システム)に直接働きかける唯一の乳酸菌で風邪の症状の緩和などの効果があります。他にも動物実験ではロタウイルスや花粉症の緩和なども報告されています。
KW乳酸菌はKW3110株とも呼ばれ、腸まで生きて届く特徴があり、免疫細胞が乱れた際に作用し、正常へと導いてくれます。風邪の引き始めに食べると症状を緩和してくれたり、弱くなった免疫力の補修を手伝ってくれる効果が期待できるヨーグルトです。
商品詳細⇒http://product.koiwaimilk.com/product/yogurt/plasma_kw.html
フジッコ カスピ海ヨーグルト
クレモリス菌FC株が含まれているヨーグルトで、菌が生きて腸まで届いてくれます。クレモリス菌FC株にはウイルスの感染を予防し免疫力を向上させる効果が期待できます。
クレモリス菌FC株はとても小さい菌なので腸のひだの間まで入り込みその効果を発揮します。また大腸まで届く菌としてとても重宝されており、ヨーグルトの他にもサプリメントなどで使われる乳酸菌です。
雪印 ナチュレ恵megumiヨーグルト
ビフィズス菌とガゼリ菌が含まれているヨーグルトで、どちらもSP株と名が付きますが、このSPは雪印が発見した菌ですよという現れです。世界で初めて乳酸菌が生きて腸に届くことが認められたヨーグルトです。
ガセリ菌SP株は小腸で働く乳酸菌で、正式名をラクトバチルス・ガセリ2055といいます。免疫力を向上させる他内臓脂肪にも作用してくれるます。ビフィズス菌SP株は大腸にもともと存在する菌ですが、O-157の予防や免疫力向上効果がある乳酸菌です。
このヨーグルトの中にガゼリ菌SP株は5億個以上、ビフィズス菌SP株は10億個以上含まれています。特定健康用食品で、食中毒シーズンや便秘、肥満解消をしたい人におすすめのヨーグルトです。
商品詳細⇒http://www.meg-snow.com/products/detail.php?p=megumi
免疫力を上げるヨーグルト種類別 花粉症におすすめ
ヨーグルトには風邪だけではなく花粉症の予防や軽減に効果があるといわれています。
花粉症が始まる前に食べると良いとされているので、できるだけ花粉症シーズンが到来する前に食べておくようにしましょう。
森永 ビヒダスヨーグルトBB536
ビフィズス菌BB536株が配合されているヨーグルトで、この乳酸菌は世界各国で認められ、使われています。この乳酸菌は生きて腸に留まるので酢酸や乳酸を作り出し悪玉菌を退治する手助けをしてくれます。
またビフィズス菌BB536株は大腸のリスク菌と呼ばれるETBF菌(毒素産生型フラジリス菌)を除菌する効果もあるので大腸を健康に保つ手助けもしてくれます。
商品詳細⇒http://bifidus.jp/about/index.html
タカナシ おなかへGGヨーグルト
プロバイオティクスLGG乳酸菌が配合されています。この乳酸菌も生きたまま腸へと届き、善玉菌を増やし悪玉菌を減らしてくれます。特定保健用食品(トクホ)の商品の一つで、1商品あたりにLGG®乳酸菌140億個以上が含まれている、乳酸菌の多いヨーグルトです。
腸内環境の改善の他、便秘の解消にも良いといわれています。
商品詳細⇒http://www.takanashi-milk.co.jp/products/p_hakkou/yoghurt_lgg.html
カルピス 守る働く乳酸菌L92
L-92乳酸菌配合のヨーグルトで、このL-92乳酸菌はカルピス独自の機能性乳酸菌です。L-92乳酸菌はアトピーや花粉症に効果があると期待されているため花粉症シーズン前やアトピーの症状を軽減させたいときに飲むと良いでしょう。
胃腸を整えて、内から強くしてくれる効果があるとされています。さらっとしているので子どもでも飲みやすい味です。
商品詳細⇒https://www.asahiinryo.co.jp/products/milkybeverage/mamoru_hataraku/
オハヨー おいしく果実飲むヨーグルト
果実入りの飲むヨーグルトで乳酸菌はL-55です。主に花粉症やアトピー、アレルギーに効果があるといわれています。もともと腸の中に存在する菌なので胃酸などに対する耐性が強く、lgE抗体量(アレルギーの元になるもの)を減少させる効果があります。
味も常に4種あり、季節限定商品などが発売されているので、アレルギーの対処で飲みつつ味を楽しむのも良いでしょう。
商品詳細⇒http://www.ohayo-milk.co.jp/products/yogurt_d/
免疫力アップに効果的 ヤクルト400とR1ヨーグルトの比較
飲むヨーグルトといえばヤクルト400とR1ヨーグルトが有名ですが、この2つの違いは一体なんでしょうか?
2つを比較することで自分にとってどちらが合っているのかが分かります。菌の種類や菌の数、砂糖の量などを比較してみましょう。
菌の種類のちがい
ヤクルト400に含まれている乳酸菌はシロタ株(L.カゼイYIT9029)といい、ヤクルトの創始者である代田博士から名付けられています。この乳酸菌も生きたまま腸へと届き、胃腸環境を整えてくれます。
R1ヨーグルトに含まれている乳酸菌は1073R-1乳酸菌で、多糖類(EPS)を作り出すことができる特徴を持っています。免疫力向上、風邪の症状の緩和、NK細胞の活性化などの効果があります。
菌の数のちがい
ヤクルト400に含まれているシロタ株の数は約400億個含まれています。トクホ商品の一つで、スーパーなどでは出回っておらず、ヤクルトレディからしか購入できない宅配専用商品です。
R1ヨーグルトに含まれている1073R-1乳酸菌の数は約20億個含まれています。お腹のバランスを整えてくれるのでお腹を壊しやすい人におすすめです。
砂糖量のちがい
ヤクルト400の砂糖量は角砂糖約2~3個分といわれています。カロリーで表すと約50カロリーで、あの小さな容器1本の割合なので、砂糖量を気にしている人にはあまりおすすめできません。しかし飲み過ぎなければ問題ない範囲なので神経質になる必要はないでしょう。
R1ヨーグルトにも砂糖が含まれていますが、他のヨーグルトとは違い糖の形を変えているため飲み過ぎて虫歯になることは稀です。歯にくっつきにくい形になっているので虫歯のリスクが少ないといわれています。
値段のちがい
1本あたりの値段はヤクルト400は約70円、R1ヨーグルトは約126円です。しかし手軽に買えるという点では、割高ながらもコンビニで買えるR1ヨーグルトのほうがいでしょう。ヤクルト400は配達専用商品なので受取や申込の手間があります。
それぞれ良い特徴があるものの、買いやすさではR1の方が勝ります。
免疫力を上げる 手作り豆乳ヨーグルト
ヨーグルトは自宅で作ることができます。今では手作りキットも発売されていますよね。
牛乳の替わりに豆乳でも作ることができるので、牛乳が苦手な人も安心です。豆乳ヨーグルト作りの手順を紹介します!
ケフィアヨーグルトの種菌を豆乳と混ぜる
ケフィアとは生きた乳酸菌と酵母入りのヨーグルトで、とても効果の高いものとして注目されています。しかし日本ではなかなか手に入らないため手作りするのが一番手っ取り早いともいわれています。
ケフィアヨーグルトを作るときはケフィアヨーグルトの種菌を用意します。通常は牛乳にこの種菌を混ぜますが、豆乳でも作れるので豆乳500mlに種菌1包を入れます。使う豆乳は無調整の豆乳を選ぶようにしましょう。
容器は耐熱性のある瓶などがおすすめです。ダマが無くなるように混ぜたら常温で24時間保管します。室温が25℃前後になるように保ち、動かさないようにしましょう。
最初はなかなか固まりませんが、できあがりに近づくにつれ急激に固まってくるので心配だからとフタを空けたり動かしたりしないようにしましょう。1日~1日半置いたら完成です。
豆乳500ml+飲むヨーグルト大さじ3杯+はちみつ少量
ケフィア種菌とかよく分からない…というなら市販の飲むヨーグルトと豆乳を混ぜたヨーグルトを作ってみましょう。用意するものは豆乳500mlと飲むヨーグルト大さじ3杯、はちみつ少量です。また保存できる密封容器が必要です。
- まず容器に豆乳500mlと飲むヨーグルトを大さじ3杯、はちみつを入れる
- よく混ぜる。ダマにならないように注意
- よく混ざったら常温で放置。動かさないようにします。夏で6時間程度、春秋で24時間、冬で36時間を目安に放置します
- できあがり
40℃前後のお湯で数時間放置するだけでできあがりも早くなるので、待てない方は様子を見ながら作ってみましょう!
雑菌が混入しないように注意する
耐熱容器や密封容器を使う時はフタをするときにティッシュやタオルを挟まないようにしましょう。また良く手を洗ってから作りましょう。雑菌が入ると発酵がうまくいかない他、最悪の場合作りなおすハメになり美味しいヨーグルトができません。
またできているか気になるからといって何度もフタを空けるのも雑菌が入る原因になるので止めましょう。
免疫力を上げるヨーグルトを食べる時の工夫や注意点
ヨーグルトはただ食べるだけでも良いですが、少しの工夫で免疫力をさらに上げることもできます。しかし逆に短期間だけ食べたり飲んだりするのは免疫力向上にはなかなかつながらないため毎日続ける意識が必要です。
風邪知らずな体作りのためにも、ヨーグルトの効果を引き出せるような食べ方・飲み方をしましょう!
- 100~200gを食後にとる
- バナナといっしょにとる
- イチジクといっしょにとる
- オリゴ糖やはちみつをまぜる
- 最低2~3か月はじっくり取り組む
乳酸菌の種類によりますが、主に乳酸菌は胃酸に弱いため食前に食べるよりも食後に食べる方が良いとされています。生きて腸に届くといわれている乳酸菌以外のヨーグルトを食べる時は空腹時や食事前は避け、食後に100g~200g食べるようにしましょう。
バナナには食物繊維や難消化性デンプンが含まれていて、こちらも整腸効果が期待できます。ヨーグルトと組み合わせることによりさらに整腸効果がUPします。またバナナに含まれるマグネシウムがカルシウムの吸収の手助けをしてくれます。
イチジクには植物性エストロゲンと呼ばれる成分の他、美肌効果や便秘解消効果があります。女性にとって嬉しい効果を秘めているイチジクとヨーグルトを一緒に食べれば便秘解消の他、美肌効果や女性ホルモンの安定に役立ってくれます。
オリゴ糖やはちみつを混ぜることにより乳酸菌の働きが活発化されるので免疫力向上などの効果がさらにUPします。
乳酸菌は食べ続けることで腸の中に定着し仕事をしてくれます。始めはなかなか効果が感じられなくても、続けているうちに乳酸菌も腸の中で増えその力を発揮してくれるようになるので、最低でも2~3ヶ月はじっくりと取り組むようにしましょう。
ヨーグルトで腸内環境を整えて免疫力をアップさせよう
ヨーグルトには腸内環境を整えてくれる効果があるので免疫力が上がり風邪を引きにくい体へと導いてくれます。しかしヨーグルトの食べ過ぎはお腹を壊す原因にもなるので、適量を食べるようにしましょう。
また同じ菌ばかり食べていると乳酸菌が今度は仕事をサボりだすため、ときどき食べる菌を変えるようにすると良いでしょう。とはいえ毎日食べる菌を変えてしまうと効果が出ないので、1ヶ月を目安に食べるヨーグルトを変えるようにしましょう。
美味しく食べて健康な体を手に入れましょう!