早めの改善を 肝機能を低下させる原因とは
健康診断で指摘されるまで、肝機能の異常に気を付ける事ってあまりないですよね。でも肝機能が低下してしまうと、疲れやすかったり代謝が落ちてしまったりするので注意が必要です。
- 暴飲暴食や偏食
- アルコール
- ストレス・睡眠不足
- 喫煙
- 便秘
などが肝機能低下の原因となるので、具体的な改善方法をご紹介していきます。はつらつとした生活を送るために大切な事ですよ!
肝機能の改善には生活習慣の見直しが必要
肝臓は、一部が傷ついてしまっても他の部分で機能を補う事ができる強い臓器です。
自分を回復させる能力も高く、生活習慣の見直しで劇的に機能が改善できる可能性もあるんですよ。
食事内容と食べる量の見直し
肝臓にとって負担になる脂っこい食事、間食での糖分の取りすぎは控えましょう。また、バランスが良くても消化が追い付かなければ肝臓に負担がかかってしまうので、腹八分目で抑えるようにしましょう。
お酒やたばこをひかえる
アルコールが体内に入ると、肝臓は他の栄養素の代謝を後回しにしてアルコールを分解します。肝臓が疲弊してしまうだけでなく、代謝しきれなかった糖分、脂肪分が肝臓に蓄積されてしまうので、できる限りアルコールは控えましょう。
また、たばこは血管を収縮させ血流を悪くします。代謝に必要な酸素や酵素が肝臓まで届かず、肝機能低下の原因となるので控えたほうが良いでしょう。
適度な運動をする
運動をしてエネルギーを消費すると「血中の糖分→肝臓に蓄えられたエネルギー→皮下脂肪」の順に消費されます。内臓脂肪が多く、肝機能が低下している人は軽い運動を継続するだけで劇的に改善するケースが多いです。
運動によって体内の血流が増えるので、肝機能をサポートできるのも嬉しいところ。
質の良い睡眠をとる
睡眠をとると肝臓も代謝を控えて休み、肝臓自身の回復モードに切り替わるそうです。また横になると、肝臓への毛流も増加し、肝機能の回復が促進されます。
しかし、満腹のまま眠ってしまうと肝臓や胃腸にかえって負担となってしまうので、寝る3時間前には食事を終わらせるのが理想です。
肝機能を改善する食事方法とは
肝機能を改善する生活習慣のうち、食生活はかなりのウエイトを占めます。
健康診断前の駆け込みだけでなく、一生付き合う食生活として意識してみてくださいね。
規則正しい時間になるべく食べる
朝、昼、晩、と毎日同じ時間に食事をしていますか?肝臓も代謝のペースを毎日同じにしてあげると、効率よく働くことができるそうです。
昼食まで時間が短い朝ごはんは少な目、昼ごはんは日中のエネルギーになるためしっかり、睡眠前に消化してしまいたい夕食は軽めに、と食事量の調整を加えるとベストです。
腹八分で食べ過ぎないのがミソ
次の食事までに肝臓がエネルギーを代謝できないと、どんどんエネルギーが肝臓に蓄積されてしまいます。食事は「お腹いっぱい」にならないよう、腹八分目でとどめてくのがベスト。
お付き合い等でたくさん食べてしまったら、次の食事や翌日の食事量を控えて満腹にならないよう調整してみてください。
豊富なビタミンやミネラル含むメニューを
肝機能が低下している人は、通常の人より2~3倍のビタミン、ミネラルを摂取しなければいけないと言われています。蓄積されたエネルギーを代謝するのに必要なのはもちろん、肝臓自身の回復にも欠かせない栄養素がビタミン、ミネラルです。
添加物が入ったサプリメントはかえって肝臓の負担になる事があるので、なるべく食事から摂取するように心がけましょう。
ゆっくり噛んで食べる
食事を良く噛んで食べると、胃腸の負担が減るのはもちろん、肝臓でのエネルギー代謝もスムーズになります。食べ過ぎ防止にも有効なので、1口20~30回噛む事を意識してみてください。
肝機能改善に効果的なおすすめ食材とレシピ
それでは、肝機能を改善するのに役立つ食材をご紹介していきましょう。
前述のビタミン、ミネラルを豊富に含む食材はもちろん、肝臓のもととなるアミノ酸を多く含んだ食材がおすすめです。
緑黄色野菜(ブロッコリー、かぼちゃ)
脂質や糖質の代謝を助けるビタミンB群、免疫力を高めるビタミンCが多く含まれる緑黄色野菜。ビタミンB,Cは水溶性ビタミンと言って、体内に長くとどまることができません。なるべく毎食、こまめに摂取するようにしましょう。
ビタミンB,Cは調理で流れてしまいやすいので「ブロッコリーのレンジ蒸し」や「かぼちゃのポタージュ」等の栄養素ごと摂取できるレシピがおすすめです。
魚介類(牡蠣、いか、たこ、あさり)
魚介類は肝臓に良い栄養素が豊富。あさりに多いビタミンB12は脂質の代謝を補助してくれ、シジミのオルニチンは肝機能を促進してくれるアミノ酸です。いかやたこに多く含まれるタウリンは肝臓の解毒作用を促進してくれます。
牡蠣に含まれる亜鉛は肝臓が解毒をするのに欠かせないミネラル。食事からはなかなか取りづらい栄養素なので、積極的にチョイスするようにしましょう。
大豆製品
ビタミンB群が豊富で高たんぱくである大豆は肝臓の心強い味方です。大豆の水煮や豆腐、味噌、あげ、豆乳等、使いやすい食品が多いのも嬉しいところです。
特に納豆はほかの大豆食品よりビタミンB2が豊富で、脂質と糖質の代謝に優れた食品です。ナットウキナーゼという、血液をサラサラにする成分も豊富なので、積極的に食べたい食品です。
鶏ささみ、豚肉赤身
高たんぱく、低脂質の食品をとるのも大切です。お肉を食べるなら、鶏ささみや豚ロース等の脂肪分が少ない部位を選びましょう。特に豚肉には脂質の代謝を助けるビタミンB12も多く含まれるので、おすすめです。
海藻、ナッツ類
海藻類やナッツ類に多く含まれるのがビタミンE。抗酸化ビタミンと呼ばれ、疲れたり代謝で発生した活性酸素を除去する役割があります。美肌や健やかな髪の毛の為にも、こまめに食べておきたい食品です。
肝機能改善におすすめの果物
朝、昼、晩の3食に気を付ける事ができたら、間食にも気を配ってみませんか?
栄養素をまるまる摂取できる果物は、間食としてとても優秀。なかでも、肝機能の向上に役立つ果物を紹介します。
りんご
肝臓の解毒機能が弱まって、皮膚や白目が黄色くなる黄疸に効くとされるりんごは、昔から肝臓に良い食べ物として有名です。りんごに含まれるペクチンという成分が解毒作用を高め、肝臓に脂肪がつくのを抑えてくれます。
ベリー
いちごやラズベリー、ブルーベリーには有機酸という血糖値の上昇を抑えたり、脂肪の燃焼を促進してくれる栄養素が豊富に含まれています。整腸作用のあるヨーグルトと一緒にミキサーにかけ、スムージーとして取り入れると効果がアップします。
紫のぶどう
紫色のぶどうはマスカットや色の薄いぶどうに比べて抗酸化成分のレスベラトールが豊富に含まれています。色が濃いほど肝臓の疲労回復に効果が高いので、意識して選んでみてください。皮のまま食べられるものももちろんOKです!
肝機能改善に食事やサプリメントでとりたい栄養素
普段から食生活に気を付けている方は、プラスしてサプリメントも検討してみてはいかがでしょうか。
普段なかなか取りづらい食品に多く含まれる栄養素は、サプリメントに頼るのも一つの手です。
グルタチオン(牛レバー、ブロッコリー)
グルタチオンは私たちの体内、特に肝臓に多く存在する栄養素で、解毒を行う栄養素の一つです。アルコールや脂っこい食事を日常的に摂っていると、肝臓内のグルタチオンが急激に減ってしまい、肝臓の働きが弱まってしまいます。
ブロッコリースプラウトやアスパラガス、レバーに多く含まれていますが、毎食食べるのが難しいときはグルタチオン含有のサプリメントを検討してみてくださいね。
メチオニン(まぐろ、かつお)
メチオニンとは、必須アミノ酸のひとつで、食事から栄養分として摂取しなければならない成分です。硫黄を含んだ含硫アミノ酸で、肝機能を高めたり、アレルギーの原因となるヒスタミンを抑える働きがあります。不足すると利尿能力が低下するため、むくみが生じます。
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/methionine/
肉類、魚介類、乳製品、ナッツ類に広く含まれていますが、日々の食事では十分なメチオニンを摂取できていないと言われています。
タウリン(貝類、イカ)
貝類やいか等に含まれるタウリン。前述のとおり、肝臓の解毒作用を促進してくれる働きがあります。日常的に摂取できている方は問題ないですが、あまり料理に使わない、食材が高い、という方はサプリメントや栄養ドリンクに頼ると良いでしょう。
セサミン(ごま)
抗酸化作用のある成分はたくさんありますが、中でもごまに多く含まれるセサミンは肝臓までしっかり届くのが特徴です。効果を得るには、かなりの量のごまを摂取しなくてはいけないので、サプリメントに頼った方が良いとされています。
肝機能改善に効果的なお茶
せっかくなら、普段の飲み物でも肝機能の向上を目指してみましょう!
普段甘い飲み物ばかり飲んでいる人は、飲み物を変えるだけで体調がよくなるかもしれませんよ。
高濃度のカテキンが脂肪燃焼を促す
緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶等に多く含まれるカテキン。お茶の苦み成分で、糖質、脂質の吸収を抑制したり、肝臓内での脂肪分解をサポートしてくれる万能選手です。濃いお茶ほど効果が高いと言われているので、日常的に飲みたい飲料です。
鉄分の過剰摂取を防ぐ
ミネラルの1種である鉄分は、摂りすぎると肝臓に蓄積して働きを弱めてしまうと言われています。摂りすぎた鉄分と吸着し、排出を促すのもカテキンの働きの一つです。貧血気味の方には逆効果なので、体調と相談しながら飲んでくださいね。
クルクミンを含む「ウコン茶」
ウコンは様々な肝機能向上商品に含まれていて、肝臓に良いとされる食品の代表格です。クルクミンという成分が胆汁の生成を促進し、肝臓での代謝を促進してくれると言われています。
そんなウコンを粉末にしたウコン茶は、肝機能の向上に効果的です。しかし、鉄分も多く含まれる為、飲みすぎには注意しましょう。
ベタインを含む「クコ茶」
古くから中国で使われてきたクコに含まれるベタインは血中コレステロールを減少させたり、肝臓への脂肪を蓄積しにくくする働きがあると言われています。
特に葉を使うクコ茶は老化予防にも大変効果的とされていて、中国ではメジャーな飲み物です。ベタインは月経促進や妊娠中絶の作用があるため、妊娠中は控えるようにしましょう。
食事療法で肝機能を改善しよう
肝機能の低下をそのままにしておくと、脂肪肝や肝臓がんにまで進行してしまう事があります。しかし、肝臓はタフな臓器。食生活の改善で見違えるほど改善する可能性があります。
日々の食生活に気を配り、いつまでも健康な肝臓で過ごせるように心がけましょう!