カルシウムの吸収にマグネシウムは必要!
骨のためにもカルシウムが大切だという話はよく聞きますよね。
でもカルシウムの摂取と同じように、マグネシウムも身体にとってとても大切なミネラルなんです。カルシウムだけを積極的にとっていても、マグネシウムが足りなければ上手く効果を発揮できません。
日本人はカルシウムを食事からしっかりととれていないといわれていますが、カルシウムをとるときには、マグネシウムも一緒にとりましょう。なぜ、カルシウムとマグネシウムを一緒にとるのが大切なのか、その働きについて紹介していきますね。
吸収に大切な役割
カルシウムを摂取するのなら、マグネシウムも一緒に摂取しましょう。カルシウムだけをたくさんとっても、マグネシウムとのバランスが良くなければ骨からカルシウムが溶けだし骨粗しょう症の原因になってしまうこともあります。
バランスが崩れると
カルシウムは食品から摂取できずに体の中で不足してしまうと骨から溶け出して、血液や筋肉に送られ不足分を補おうとします。そのときにカルシウムが血管の壁に付着すると動脈硬化の原因となってしまったり、血管の筋肉細胞に沈着すると、高血圧の原因になってしまうこともあるんです。
また、関節部へのカルシウム沈着は、関節炎の原因にもなるためカルシウムの不足には注意が必要です。 マグネシウムはカルシウムの沈着を防いだり、カルシウムが血管を収縮させるのを抑える働きを持っていて、カルシウムの代謝をコントロールしているんです。
ですので、カルシウムをたくさん摂取するときはマグネシウムも一緒に摂りバランスを考えるということが大切になります。
マグネシウム:カルシウムの黄金比率
カルシウムとマグネシウムをとる割合は、カルシウム2に対してマグネシウム1が黄金比率です。
ミネラルやビタミンは、体に摂取されるとお互いにうまく影響しあい、効果が発揮されます。ですので、バランスよく摂取するのが体にとって大切で、片方だけ多くても上手に効果を発揮することができません。
マグネシウムとカルシウムの相乗効果
マグネシウムとカルシウムが骨にとって大切な栄養素であることは分かりましたが、ミネラルやマグネシウムの効果はそれだけではありません。
カルシウムやマグネシウムの効能について紹介していきます。
筋肉の働きを調節
マグネシウムには血管にカルシウムが沈着するのを防ぐといった役割のほかにも、エネルギーの代謝を促進したり筋肉の働きを調節し、筋肉痛を和らげるといった作用があります。
カルシウムは筋肉を収縮させるのですが、マグネシウムはカルシウムを弛緩させる働きがあるので筋肉の働きを上手に調節しているんですね。
マグネシウムが不足すると筋肉が痙攣してしまったり、細胞に水分が取り込まれ過ぎてむくみの原因となることがあります。そのほかにも、心臓病や動脈硬化の危険が高まってしまいます。
高血圧を予防
カルシウムが不足すると骨から溶け出して筋肉や血液中に送られるのですが、このときカルシウムが細胞に沈着すると高血圧の原因となります。
ですので、カルシウムが不足しないようにカルシウムを補うということと、カルシウムの沈着を防ぐためにマグネシウムをバランスよくとることで高血圧の予防になります。
イライラを改善
カルシウムにはイライラを改善する働きがあるのは良く知られていますよね。でも、神経を安定させるには血液中のマグネシウムとカルシウムのバランスが大切なのです。
ですのでやはり、カルシウムはマグネシウムと一緒にバランスよくとると様々な効果が得られやすくなるんですね。
マグネシウムとカルシウムが多く含まれる食品
マグネシウムやカルシウムの働きについて説明してきましたが、2つのミネラルが多く含まれる食品について紹介していきます。
女性はホルモンの関係で、骨粗しょう症になりやすいといわれているので、カルシウムやマグネシウムが含まれる食品について知っておくと意識的に食事からとることができますね。
Mg・Ca豊富な食品
カルシウムは牛乳やチーズといった乳製品や海草類、小魚に多く含まれています。水道水にもカルシウムが含まれていることもあり、昔と比べるとカルシウム不足の人は減っています。
一方でマグネシウムは大豆や海藻、ナッツに多く含まれています。豆腐に使用されているにがりにはマグネシウムが多く含まれているので、特にマグネシウムがたくさんとれる食品です。
インスタント食品や加工食品を多くとっている人はマグネシウムが不足しているかもしれません。マグネシウムは和食に多く含まれています。食事内容を見直してみましょう。
牛乳の飲み過ぎはNG
牛乳といった乳製品には、カルシウムが豊富に含まれているのですがやはり飲みすぎには注意が必要です。カルシウムを過剰に摂取してしまうと亜鉛や鉄の吸収を妨げてしまうので、1つの食品を多く大量にとるのはあまり健康にもよくありません。
やはり大切なのはバランスなので、たくさんの食材から多くのビタミンやミネラルを摂取するというのが基本ですね。
マグネシウム&カルシウム+亜鉛で睡眠の質を上げる
仕事が忙しくてイライラして寝つけなかったり、睡眠の質が良くないなと感じている人はいませんか?
そんな人はカルシウムとマグネシウムのほかにも亜鉛の働きに注目してみましょう。
ストレスを和らげるMg・Ca
ストレスを和らげてくれるカルシウムやマグネシウムですが、神経を鎮めるために寝る前の状態を整えてくれます。またマグネシウムには筋肉を弛緩させる働きがあるので、緊張がほぐれて眠りにつきやすくなります。
良質な睡眠に亜鉛
亜鉛は寝ている間に成長ホルモンの働きを促進して細胞を修復したり、活性酸素を除去してくれます。そのために疲労回復が早まったり、新陳代謝が活発になり良質な睡眠をとることができるんです。
しっかりと身体を休めるにも、カルシウムやマグネシウム、亜鉛といったミネラルが必要なんですね。
マグネシウムが体からなくなると死に至ることも!?免疫力との深い関係
カルシウムをもっととりましょうと言われることはあっても、マグネシウムをもっととりましょうと言われるケースはほとんどありませんよね。
カルシウムをたくさん摂取したら、カルシウムの量に匹敵するだけのマグネシウムもとらないと健康を害するおそれがあるということなんです。
マグネシウムが足りないのにカルシウムが過剰になると、このカルシウムは悪玉カルシウムの状態になり、リン酸カルシウムといってモルタルのように血管壁に沈着します。そうすれば、動脈硬化や心臓病の原因となる可能性が高くなります。
ほかには心筋梗塞、腎臓や尿管では結石のリスクまであり、不整脈を起こす原因にもなりかねません。健康維持のつもりで、カルシウムを積極的にとっても、マグネシウムという栄養素も意識して摂るようにしましょう。
やっぱりバランスが大切!
普通の食事をしていると摂りすぎることはあまりありませんが、カルシウムの過剰摂取は、鉄分や亜鉛の吸収を阻害してしまったり高カルシウム血症の原因となります。
喉の渇きや便秘、下痢といった症状を起こし、重度の場合は危険を伴います。やはりカルシウムも摂りすぎには注意が必要なんです。
マグネシウムも過剰摂取はあまり考えられませんが、マグネシウムも摂りすぎると高マグネシウム血症という症状を引き起こしたり、下痢の原因になったりします。腎機能が低下している人は注意が必要です。
30歳〜49歳の女性では1日に650mgのカルシウムと、290mgのマグネシウムの摂取が推奨されています。
参照元:http://www.glico.co.jp/navi/e07-3.html
不足しがちなミネラルであっても、過剰摂取は体に良くありません。ですので、やはり基本はバランスの良い食事を心がけることですね。