更年期の生理は長引く?周期の乱れや頭痛などの症状と対処法を解説 |

この記事が気に入ったらシェアしよう!

更年期の生理は長引く?周期の乱れや頭痛などの症状と対処法を解説

更年期に生理が長引くなどの不順が起こる理由

50代60代のいわゆる更年期の年代(閉経前後およそ10年間)になると、生理不順が起こったという声をよく耳にします。

自律神経失調症

生理が来ない月があった、生理の期間が普段より長かった、など症状は人によって様々です。いざ自分にその症状が起こった時に慌てず、しっかり対処ができるよう更年期の生理の変化を理解していきましょう。

卵巣の機能が低下

更年期になると、閉経に向けて卵巣の機能が低下していくと言われています。今まで周期的に排卵し、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンを分泌していた卵巣の機能が、年齢とともに衰えていきます。

女性ホルモンの乱れ

エストロゲンの分泌をコントロールするのは脳の視床下部にある下垂体です。45歳を過ぎるころから、下垂体が「分泌」の指令を出しても、卵巣機能の衰えによってエストロゲンは出にくくなります。

その結果、ホルモンバランスが乱れ月経周期の乱れが生じます。また、自律神経をコントロールもしている視床下部が混乱することでイライラ、動悸、頭痛、めまいなどの更年期症状もひき起こされるのです。

閉経前

更年期に起こる生理不順は閉経の前兆とも取れます。閉経へ向けての生理不順は人によって様々なパターンがありますが、下記のような経過が多いと言われています。

・生理周期が短くなる
・経血量の減少、生理が早く終わる
・生理周期の間が空く(数ヶ月に1回など)
・生理が来なくなる(閉経)


更年期に多い周期や量に関係する生理不順や異常

更年期では、下記のようなパターンの生理不順が起こる場合があります。


稀発月経

稀発(きはつ)月経は下記のような特徴があります。
・生理周期が39日以上
・年に数回しか生理が来ない

原因としては、卵巣機能の低下により排卵が無かった場合や、排卵があっても女性ホルモンの乱れにより生理周期が乱れることが挙げられます。

過多月経

過多(かた)月経とは、女性ホルモンの乱れにより生理時の出血の量が異常に多くなる症状です。

・ナプキンが1時間もたないほど経血量が多い
・経血にレバー状の大きな血の塊が混ざることが多い
・量の多い出血が8日以上続くなど

1回の生理での出血量は個人差はありますが20~140mLです。
上記の項目にあてはまるなど、明らかにそれ以上の出血の場合は過多月経の可能性があります。

過少月経

過少(かしょう)月経とは、過多月経の逆でホルモンの乱れにより生理時の出血の量が異常に少なくなる症状です。1回の生理での経血量が20mL以下(おりもの程度の量)の場合は過少月経が疑われます。

低用量ピルを服用している場合、過少月経の症状と似た経血量になる場合があります。脳がすでに妊娠していると錯覚し子宮内膜が厚くなることを抑えるため出血量が少なくなります。この場合は、過少月経ではないので心配いりません。


更年期に生理周期が早いのは異常?

「閉経前の年代で、生理周期が短くなる(頻繁に生理が起こる)のは異常?!」そんな心配は不要です。

閉経前に多い生理不順のパターンとして、経血の減少や生理周期が遅くなるとご紹介しましたが、起こりうる閉経前の生理不順は人によって様々です。卵巣機能の低下による女性ホルモンの乱れは、生理周期を長くも短くもする可能性があります。


更年期の生理は頭痛がひどいことも!理由と対処法

更年期になると以前より生理時の頭痛がひどくなったという声もあります。

更年期障害

原因はどんなことがあるのでしょうか。

頭痛だけじゃなく腹痛や腰痛もひどい場合がある

また、頭痛のみではなく、生理痛で多い症状の1つである腰痛や腹痛も悪化したという声もあります。女性ホルモンの乱れにより、月経前症候群(PMS)の症状が大きくなることがあるのです。

エストロゲンの減少

更年期によるエストロゲン分泌機能の低下で、エストロゲンの分泌命令を出す視床下部が混乱し自律神経が乱れます。その結果、月経前症候群の症状が大きくなると言われています。

・脳への血行不良→頭痛
・血行不良による冷え→子宮周りの冷え、腰痛の悪化

更年期特有の冷え

ホットフラッシュという言葉を聞いたことがありますか?ホットフラッシュとは、更年期障害特有の「急に顔がほてる、のぼせる、大量の発汗が起こる」などという症状のことを言います。

この症状は冷えとは無関係のように見えますが、実は体の芯が冷えて血行が悪くなっていることを体が修正しようとして起こる症状なのです。

ホットフラッシュが起こったからといって、薄着や冷たい飲み物を飲むなど体を冷やす行動は逆効果です。改善のためには、体を冷やさない・温めるようにすることが大切なのです。

更年期症状の1つ

生理痛以外でも更年期の症状で頭痛が起こることもあります。こちらもホルモンバランスの乱れにより、脳への血液の供給が不安定になり起こると言われています。

更年期障害の場合、下記の種類の頭痛が多くみられます。
・緊張型頭痛
頭全体をしめつけられているような痛み
・片頭痛
頭の片側がズキズキと響くような痛み

冷えには漢方がおすすめ

冷えからくる痛みはどうにかしたいものですよね。副作用が少なく、優しく作用すると言われている漢方薬も対処法としておすすめです。

・イライラなどがあり、更年期障害の方に加味逍遙散(かみしょうようさん)イライラ、不眠症などの中高年女性の神経症状によく用いられます。また、自律神経を調整し、イライラやのぼせを鎮めて、血行も促進します。

参照元:http://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/product/symptom/menopause/


更年期だけが原因じゃない!生理が長引いたり大量だと病気の可能性も

更年期が原因で生理期間や経血量に変化が起こることがありますが、あまりにも生理がだらだらと長引く場合は注意が必要です。

他の病気が隠れている場合もあるため、下記の症状に心当たりがあれば婦人科への受診も視野に入れることをおすすめします。

子宮筋腫

子宮筋腫は、30代女性の発症が多いと言われているエストロゲンの働きにより増大する良性の腫瘍です。過多月経や下腹部痛などの症状が現れることがあります。

更年期になると筋腫はエストロゲンの減少とともに縮小すると言われていますが、悪性の子宮肉腫は縮小しません。月経のタイミングに関わらず不正出血や下腹部の痛みが起こる場合が多いと言われています。

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内腔以外の場所で生理を起こす疾患です。近年では20代から40代の女性を中心に急激に増えていると言われています。

症状としてわかりやすいのは月経痛で、だんだん痛みがひどくなるのが特徴です。下腹部の痛みや腰痛の悪化、経血の増加、頭痛や吐き気、嘔吐、発熱などが起こることもあります。また、性交時に痛みが出ることもあります。

子宮がん

子宮がんは子宮体がんと子宮頸がんの二種類があり、どちらも初期にはほとんど自覚症状はありません。不正出血や下腹部の痛み、茶褐色や悪臭のするおりものがある場合は、進行している可能性があります。

どちらのがんも、定期的な検診を受けることによって早期発見が可能な疾患です。また、医学の進歩によって、早期発見と早期治療できれば治りやすい疾患と言われています。


更年期の生理不順を改善する方法

このように、日常生活に支障をきたしかねない更年期症状ですが、改善・緩和をすることは可能だと言われています。

大豆イソフラボン

自律神経を乱す原因の1つに「ストレス」があります。自律神経の乱れにより生理の不調を引き起こさないためにも、日頃からストレスをためないことが大切です。

自分にぴったりのストレス解消法を生活の中に取り入れていきましょう!
・アロマを焚いてリラックス
・好きな音楽を部屋に流す
・美味しいものを食べに行く など

体を温める

体を温めることで血流が良くなり、自律神経の安定や子宮まわりの機能の向上が期待できます。体を温める生活習慣をつけていきましょう。

・お風呂は湯船に浸かる
・冷たいものより温かい飲み物を選ぶ など

イソフラボンを積極的に摂取

「イソフラボン」という名前を聞いたことがありますか?女性ホルモンに似た働きをする成分であり、更年期症状の緩和や美肌効果、メタボリックシンドロームの改善などに役立つと言われています。イソフラボンを多く含む大豆製品を意識して摂るようにしてみましょう。

・味噌
・大豆
・豆腐 など

漢方を使ってみる

更年期の生理不調対策として漢方薬を生活に取り入れてみるのもおすすめです。上部でご紹介したように、副作用が比較的少なく優しく作用するため習慣化しても安心です。

・加味逍遙散(かみしょうようさん)など

この記事が気に入ったらシェアしよう!

フォローする