メラトニンを増やすと快眠できる?
大半の人が毎日決まった時間に寝て、起きてを繰り返していますよね。しかしその中でも毎日快眠できずに困っているということはありませんか?
快眠できない原因の一つに「ホルモンバランスの乱れ」が挙げられます。快眠に関わるホルモンはメラトニンといい、これは体内で作られるホルモンの一種です。メラトニンは脳の松果腺(しょうかせん)から分泌されます。
メラトニンを増やせれば快眠を得られるのですが、これが逆に減少してしまうと快眠から遠ざかってしまいます。
メラトニンは「睡眠ホルモン」
メラトニンは別名「睡眠ホルモン」と呼ばれています。メラトニンを増やすためには規則正しい生活が必要ですが、メラトニンの分泌は目覚めてから14~16時間後に始まります。
つまり起きてからこの時間以内に寝たり起きたりを繰り返していると、体内リズムが狂ってしまいメラトニンもうまく分泌されないのです。
メラトニンの分泌が減ると不眠の原因に
メラトニンの分泌が正常だと快眠を得ることができますが、不規則な生活リズムや運動不足、時差ボケ、ストレス、ブルーライトの浴びすぎ、自律神経の乱れといったさまざまな原因でその分泌量は減ってしまいます。
メラトニンの分泌が増えると快眠になるのに対し、反対に減ると不眠の原因になります。夜遅くまでスマホをいじっていたり、テレビを見ているなどの行為もメラトニンの分泌を減らし不眠の原因を増やします。
メラトニンは正常に分泌されていると、体内時計に働きかけ自然と眠くなるように眠気を促してくれます。しかし分泌が不十分だと眠気を感じなくなり、いつまでも寝られないといった不眠状態が続きます。
メラトニンを増やす方法とは?
メラトニンを増やすには生活リズムを整えることがとても重要です。寝る時間・起きる時間もバラバラだと、体内時計が狂いメラトニンが分泌される時間もバラバラとなり、眠りたいときに眠れなくなり不眠を悪化させます。
メラトニンは体内時計によって分泌が促されるので、体内時計を正常化するように太陽光を浴びたり就寝前にはリラックスできるような環境づくりが大切です。
朝起きたら太陽光を浴びる
朝起きても「すっきりしない」「まだ寝ていたい」と暗い部屋でうじうじとしてはいませんか?それでは体内時計がいつまで経っても正常化されません。晴れている日は朝起きたら太陽光を浴びて、体内時計をリセットしましょう。
太陽光を浴びると14時間~16時間後に松果体は再びセロトニンを分泌しようとセットされます。体内時計が正常化されると、朝起きやすくなったり夜すぐに眠たくなるなど生活リズムが整ってきます。
就寝前の刺激を避ける
体内時計を朝にリセットしても、就寝前に脳に刺激となるものを受けると体内時計が乱れてしまいます。光の刺激はもちろん、カフェイン入りの紅茶・お茶・コーヒー、熱いお風呂などは避けるようにしましょう。
他にもストレスが溜まっていると自律神経が乱れて体が休息状態に入りにくくなるので、なるべくリラックスするように心がけましょう。就寝前にはスマホやテレビといった刺激は避け、静かな音楽を聴いたりアロマなどの香りでリラックスすると良いでしょう。
メラトニンの分泌を増やす食べ物は?
メラトニンは体内で生成されるホルモンの一種ですが、食事からも摂取することもできます。
主にメラトニンを含む食品にはケール、米、トウモロコシなどがありますが、含有量NO.1のケールであっても不眠を改善するほどの量を摂取することは難しいといわれています。
そのためメラトニンを増やす食品を摂取しつつも、太陽光を浴びて体内時計をリセットし、リズムを作るようにしましょう。
メラトニンのもとになるトリプトファンも摂ろう
メラトニンを含む食品の他に、メラトニンのもとになる「トリプトファン」という成分を含む食品も摂取するようにしましょう。トリプトファンとはアミノ酸の一種で、赤身の肉や魚、大豆、乳製品、ゴマなどに多く含まれています。
和食中心の食事を心がけていれば、自然とこれらの食品を使うようになります。
メラトニンサプリで足りない分を補給
食事からどうしても摂取が難しい場合には、メラトニンサプリを用いるのも一つの方法です。メラトニンサプリによって含有量は異なりますが、だいたい就寝30分~1時間前くらいに0.5㎎~5㎎、最大で10㎎程度の量が摂取できるようにしましょう。
ただしメラトニンは大量に摂取すると脳に作用し副作用を引き起こす恐れもあります。また日本では医薬品扱いとされているので、医師の処方箋がないと購入が難しいサプリメントです。
海外では普通に売られていますが、日本では個人輸入からの購入となるので、入手が難しいというデメリットがあります。使用する際は副作用の危険を理解し、かかりつけ医に相談してから服用することをおすすめします。
メラトニンとセロトニンの関係、快眠物質を増やす
メラトニンと関係のあるホルモンに「セロトニン」というものがあります。
このセロトニンはメラトニンとは正反対の働きを持っていますが、セロトニンはメラトニンを合成するのに必要な材料です。そのためセロトニンが何らかの原因で不足すると、それを材料にしているメラトニンの合成もできなくなり、不足してしまいます。
メラトニンとセロトニンは正反対の働きを持つにも関わらず、快眠物質を増やすためには必要なホルモンなのです。
メラトニンは夜にセロトニンは昼に働く
メラトニンは睡眠ホルモンなので夜に働きますが、セロトニンはメラトニンの反対で昼に働きます。セロトニンは「覚醒効果」によって日中の目覚めを制御しているので、セロトニンが十分に分泌されているときは、日中の眠気をあまり感じません。
メラトニンは催眠効果によって夜間の睡眠を制御していますが、日中のセロトニンの分泌が少ないと催眠効果が薄れてしまい夜に眠くなりにくく、不眠を引き起こします。
適度な運動がセロトニンを増やす
メラトニンの材料になるセロトニンは、ジョギングや階段の昇り降り、スクワットといったリズムのある運動をすることで活性化されます。他にも適度な運動はストレス緩和などリラックス効果をもたらし、快眠しやすくしてくれます。
運動は健康維持にも必要なものなので、お風呂前後など決まった時間にできる運動を日常に組み込むようにしましょう。
不眠症改善とメラトニンを増やすこと
不眠症は精神病と深い関係があるとされています。うつ病を患っている患者さんの多くが不眠症を合併していることから、セロトニンが不足が原因でメラトニンが不足していることが分かります。
他にも寝れないことによってストレスを感じ、改善できなくなりうつ病を発症するケースも多いです。精神病や不眠症改善にはまず生活リズムを整えメラトニンを増やすことが大切です。
メラトニンは発ガンを抑える働きが
メラトニンは睡眠ホルモンですが、最近ではメラトニンが免疫系に効き、発がんを抑える効果があることが分かっています。人体全体に関して、メラトニンが大きな役割を果たしているため、精神病だけでなく、健康的な体作りに必要なホルモンなのです。
メラトニンの分泌にはセロトニンが必要ですが、これには運動や食事以外にも生活リズムを整えることがとても重要です。毎日同じ時間に起きて、同じ時間に寝る。とても簡単なことですが、多くの人が実現できていない状況です。
健康的な体になりたい、毎日ぐっすりと寝たいと思うなら、まずは自分の生活リズムを見直してみましょう。
青色のパジャマや照明でメラトニン増量?
色は視覚効果をもたらすといわれています。例えば赤なら活動的に、緑ならリラックス効果などです。睡眠には青色が良いとされ、青色の波長はセロトニンの分泌を促し、メラトニンの生成をコントロールしてくれるといわれています。
家の照明を替えるのは難しくても、パジャマやタオルといった睡眠に関わるアイテムなら替えやすいですよね。ちょっとの行動でもセロトニンの分泌を促せるとしたら、やらないよりやった方が得です。
青色は気を静め、集中できるようにもなるので、より眠りにつきやすくなるでしょう。今までの睡眠がどう変わるか試してみましょう!