女性の眠れないほどのストレスの原因は?
女性は環境や状況の変化とともに、様々な人と関わり合いを持ちながら生活をしているため、人間関係でストレスを抱えがちになります。また、仕事を持ったり、結婚や子育てでお付き合いをする相手も変わっていきます。
中でも、日常にお付き合いのある人間関係でトラブルが起こってしまうと、逃れられない状況にいた場合、大きなストレスがかかり、睡眠にも悪い影響を与えてしまいます。女性にとって眠れないほどストレスになる原因はなんでしょうか。
ママ友問題
ママ友問題もストレスの原因の一つです。ママ友同士のトラブルが原因で、心理的に不安定になり、睡眠障害にまで発展するケースがあります。特に初めてのお子さんならば、ママも少し神経質になりやすいですね。
理想は、つかず離れずの関係を築くのが後々も維持しやすいので、割り切ってはじめからおつき合いしていくのが良いでしょう。
大人同士のお付き合いならば、気が合わない場合には、ある程度距離を置くことができるのですが、保育園や幼稚園に通う頃になると、子供にもお友達ができるようになり、母親同士も無関係ではいられなくなります。適度な関係を保つようにするのが良いでしょう。
ママ友同士は悩みの多い子育て時期に、心強い支えにもなってくれる存在ですが、ほとんど毎日、顔を合わせる相手でもあり、何かトラブルがあったときは、なかなか厄介なものですね。
嫁姑問題
昔から嫁姑問題は尽きませんが最近では、お友達のような関係を保つ嫁姑もいるようです。しかし、相手次第でもあるので、やはり適度な関係を保ち、つかず離れずを意識するほうがいいですね。
もし何か問題があった場合、言いたいことを言えずに我慢するのは、お嫁さんの方が多いし、遠慮が続くとストレスとなり、眠れない原因となってしまいます。いいずらい部分は旦那様にそれとなく言ってもらって助け舟を出してもらいましょう。それとなく距離をを置いておくのがコツです。
会社での人間関係
社会に出ると様々な人がいて、自分の苦手なタイプの人とも、上手に付き合っていかなければならない状況になることがあります。会社では苦手な人とも、うまく仕事をしていかなければならず、大きなストレスを抱える原因となってしまいます。
上司との関係、同僚や先輩、後輩との関係、そして仕事の相手先との関係など、常に気を使わなければならず、心休まることが無いので、心身ともに疲労を感じやすくなってしまいますが、やはり適度な距離を保ち、上手に交わすのが仕事にも影響を受けずに済みやすいでしょう。
何事も温度調節をしながら社内の人とおつき合いしましょう。
旦那への不満
仕事を終えて帰ってくる旦那さんにとって、家庭はリラックスする場所であっても、主婦にとって家庭は、多くの仕事をこなさなくてはならない場所でもあります。
旦那さんが家事や育児に協力的ならば、ストレスも少ないケースが多いですが、理解が無い場合はイライラが募り、眠れない原因となってしまいますね。まず、冷静になって怒りを鎮めてから旦那さんに自分の気持ちをゆっくりと伝えるように努めましょう。
また、二人の共通の趣味の話をしながら、楽しい気持ちになってから話すと理解をしてもらいやすくなります。
妊娠
妊娠中には、昼間が眠くて仕方がないのに、夜になったらなかなか眠れないという症状になるケースがあります。妊娠したことによって、生活のリズムが変わったり、妊娠に対する不安もあったりとホルモンバランスの崩れにもよります。
あまりひどい場合は、かかりつけの婦人科で軽い安定剤を処方してもらったほうがいいこともあるので、気になるときは相談してくださいね。
更年期
女性の更年期はホルモンバランスの乱れによって、体に様々な影響を与えます。更年期障害の症状に、身体のほてりや寝汗、手足の冷え、そして頻尿などのトラブルがあげられますが、これらの症状が睡眠障害を更に悪化させてしまう要因にもなります。
特に、ホットフラッシュの症状がある方は、せっかく眠りについても途中で起きてしまう中途覚醒が起こることが多いようです。
ストレスがあるとなぜ眠れないの?
女性の生活環境は多くのストレスを抱える原因になることがわかりましたが、なぜストレスがあると眠れないのでしょうか?ストレスが体にどのような影響を与えるのか見てみましょう。
自律神経が乱れる
自律神経とは、脈拍や血圧、発汗、消化運動などの調節をしている神経で、活動的なときに優位に働く交感神経と、リラックスしているときに優位に働く副交感神経が、バランスを取りながら交互に働いています。
しかし、ストレスを受けると自律神経が乱れ、交感神経が高ぶり、副腎髄質からのアドレナリン分泌が促進されることによって、体を休めたい夜にもかかわらず、脳は覚醒反応を起こし眠れない状況を招いてしまいます。
交感神経が緊張状態
ストレスを受けると、刺激が視床下部へと伝わり、副腎皮質ホルモン(=抗ストレスホルモン)が分泌され交感神経を刺激して体が緊張状態になって、目が冴えて眠れなくなります。
睡眠不足などで脳が疲れると、ストレスを余計に感じやすくなってより一層眠れなくなってしまいます。
睡眠の周期を乱れさせる(体内時計)
人間には1日周期の体内時計が備わり、意識しなくても日中は活動モードになり、夜は休息モードに切り替わります。また、睡眠には浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠があり、約90分の周期で一晩に一定のリズムで繰り返されます。
このレム睡眠の役割は、記憶を整理し、心のメンテナンスをすることなのですが、ストレスが多くなれば、その分メンテナンスをしなければならない記憶の量が増え、浅い睡眠であるレム睡眠が増えることになります。
このようにストレスは、深い眠りであるノンレム睡眠を少なくし、睡眠の周期を乱れさせる原因となってしまうのです。
ストレスによる体の不調で眠れない
ストレスがたまる事によって体の不調を起こすと、更に体の不調が原因でストレスがたまっていくという悪循環を引き起こし、眠れない原因を増やしていくことになります。
ストレスによって、自律神経の一つである交感神経が刺激されると、呼吸が浅く早くなり、十分な酸素を体に行き渡らせることが難しくなります。そうすると、呼吸をする事が大変になってしまい、体調は悪くなる上に、更にストレスを増やしていく原因となってしますのです。
眠れない原因はイライラしてるから?基礎体温でストレスがわかる!
正常な基礎体温表は、以下のような条件を満たしています。
・低温期と高温期にしっかり分かれている
・低温相と高温相の差が0.3~0.5℃以内
・排卵日を境に、1日~2日で高温期に一気に上昇
・高温期は10日~14日間
ところが、ストレスがある時に基礎体温表をつけると、本来ならばきれいな二層に分かれるはずの基礎体温グラフが、ガタガタ状態になってしまうのです。
これは、仕事による過労やダイエットなどのストレスが原因と考えられ、無排卵を起こしているケースです。このように、基礎体温表を付けることによって、ストレスを受けているかどうかがわかります。
一方、基礎体温グラフがきちんと二相を描いており、排卵も確認できるのに、体温のグラフがガタガタという状態が続く場合は、無排卵の原因になったり、女性ホルモンのバランスが乱れたり、自律神経失調症などにつながっていくので注意が必要です。
妊娠中や臨月にストレスで眠れない原因や対策
女性は妊娠すると、女性ホルモンのバランスが変化することによってストレスを受けやすくなります。特に臨月が近くなるとお腹も大きくなり、体にも大きな変化が起こり眠れない原因となります。
妊娠中を快適に過ごすために、眠れない原因について知っておき、元気な赤ちゃんも産むためにも、対処法を知っておきましょう。
ホルモンバランスが大きく変化している
妊娠初期は、女性ホルモンのプロゲステロンが大量に分泌され、ホルモンバランスが変化する時期でもあります。妊娠時のこのような女性ホルモンの大きな変化が、睡眠に影響しているのではないかと考えられています。
また、プロゲステロンの分泌量が増加すると、便秘や頭痛、ほてり、むくみなどのさまざまな症状が現れることがあります。このような症状と、つわりが重なると更にストレスにつながってしまいます。
また、臨月が近づくと、子宮が大きくなり膀胱が圧迫されるので、トイレに行く回数が増え、夜中に目が覚めやすくなります。また、臨月を迎える頃になると、エストロゲンの分泌量が増加することも、夜にゆっくり眠れない要因となります。
妊娠中眠れないときの対処法は?
妊娠中に激しい運動は禁物ですが、日中に軽い運動をすると適度に疲れて、夜に眠りやすくなります。日常の家事など、できる範囲で体を動かすことを意識し、軽いウォーキングなどがおすすめです。
妊娠中に眠れないときの対処法として、夜はゆっくりとくつろぐ時間を確保しリラックスを心がけましょう。湯船にゆっくり使ったり、マッサージをしたりと、優しく体をいたわるようにしましょう。
眠れない人が眠れる!睡眠ホルモンであるメラトニンでストレス知らず
睡眠ホルモンと言われるメラトニンには、どのような働きがあるのでしょうか?メラトニンを分泌させて心地よく眠りにつき、ストレスから解放されましょう。
メラトニンとは?
メラトニンとは、脳内の松果体から分泌されるホルモンで、眠りを司るホルモンとも呼ばれています。メラトニンは体内時計からの指令によって、睡眠と覚醒の脳内モードを切り替え、眠りに誘う働きをしています。
体内時計がメラトニンの分泌を止める指示をすると、14~16時間の活動時間を経過した後、再び体内時計からの指令によりメラトニンが分泌されていきます。
メラトニンの分泌量が上がっていくと、体温がゆっくりと低下し、休息するのにちょうど良い状態へと誘導してくれる仕組みになっているのです。
メラトニン不足の人が大量に分泌するには?
メラトニンは脳の松果体で分泌され、太陽などの強い光の刺激が目から入ると、その光の刺激が松果体に伝わり、メラトニンを分泌するスイッチのような働きをしてくれるので、メラトニンを分泌させるには、朝日を浴びることが必要です。
夜型の生活リズムや、ストレスもメラトニンが減少するきっかけとなるので、規則正しい生活と、リラックスできる環境作りが大切です。
ストレスで眠れない夜を過ごさないために!対処法を紹介
夜はゆっくり休んで快適な朝を迎えるための対処法をいくつかご紹介します。ご自分に合ったものを見つけて、ストレスで眠れない夜を過ごさないために、ぜひ参考になさってくださいね。
温かい飲み物を飲む
眠くなる食べ物や飲み物として良く知られている、乳製品にはトリプトファンというアミノ酸が含まれ、夜になるとメラトニンという眠りを誘うホルモンに変化します。
牛乳にはトリプトファンが多く含まれているので、寝る前に温かい牛乳を飲むとお腹にも優しく、眠くなる効果があります。
トリプトファンは、大豆製品にも多く含まれているので、温かい豆乳を飲むのも効果的です。豆乳にはイソフラボンも含まれており、美肌効果も期待できるので、女性には特におすすめです。
温かいハーブティーには、心身をリラックスさせる効果があるものもありますが、中には便がゆるくなったり、子宮が収縮しやすくなったりする成分を含むものもあり、お腹の赤ちゃんに悪い影響があるかもしれません。
そのようなことが起こらないように、妊娠中にハーブティーを飲むことは避けるようにしましょう。
ゆっくりお風呂に入ってリラックス
ゆっくりとお風呂に入ってリラックスすると、血行もよくなり緊張していた筋肉もほぐれ、ストレスを和らげるのに役立ちます。また入浴をすると、程よく体に良い疲れをもたらしてくれるので、眠りにつきやすくなります。
入浴をする際には、熱いお湯で体の表面だけを熱くするのではなく、体の内部がよく温まるように、少しぬるめのお湯でゆっくり浸かるようにしましょう。
ストレッチで体を伸ばす
眠る前には、ストレッチをして体を伸ばすのもおすすめです。ストレッチをして、体の凝りがほぐれてくると、呼吸に関係する筋肉もゆるみ、呼吸も深くなり、副交感神経が優位に働くのです。
ストレッチをすることによって、体の余計な力が抜け、眠りやすい状態に整えてくれます。
好きな音楽を聴く
音楽にリラックス効果があるのは良く知られていますね。眠る前には、好きな音楽を聞いて脳を休め、リラックスするのも、眠りにつきやすくする方法としておすすめです。
ですが、音楽を眠りながら聞いてしまうと睡眠の妨げになることもあるので、寝る時には静かにして眠る方がよいでしょう。
ストレスを持ちこさない(日記を書く)
ストレスが重なると更にストレスを感じる要因ともなり、睡眠に悪影響を及ぼしてしまうため、嫌なことはその日のうちにすっきりさせることが大切です。
イライラしていた気持ちを文字にして、自分の気持ちに向き合うことによって、折り合いが付き、悩みが解消したり、気になることを全部吐き出してスッキリさせることができます。一日の終わりに日記を書いて、ストレスを持ち越さないようにしましょう。
体内時計を意識した生活も
現代社会では、夜型生活に傾きやすく、体内時計を乱しやすい環境になりがちです。体内時計の乱れが続くと、睡眠覚醒リズムが乱れて不眠が引き起こされ、健康的にもよくありません。
質の良い睡眠を確保するには、朝はいつも一定の時間に起きて朝日を浴び、夜はゆっくり過ごせるように調節し、体内時計を意識した生活をすることが大切です。すっきりした目覚めを得られるように、規則正しい生活習慣をつけるようにしましょう!