原因を探って対策しよう 敏感肌とは
敏感肌とは肌のバリア機能が低下してしまい、洗顔や化粧水などによる少しの刺激でもピリピリと痛みやかゆみを感じてしまう肌の状態のことをいいます。
医学的に敏感肌というものはないのですが、刺激に非常に弱い肌と認識するとよいでしょう。
乾燥した敏感肌は顔の赤み、ニキビ、しみの原因になる
肌が乾燥するとバリア機能が低下します。そのため、乾燥することで敏感肌の症状がさらにひどくなってしまうのですが、乾燥を気にするあまり油分の多いスキンケア商品を使ってしまうとニキビができてしまうこともあります。
また、敏感肌の人は外からの刺激を受けやすいだけでなく、肌のターンオーバーが乱れやすいのでシミや赤みなどもできやすいです。敏感肌は様々な肌トラブルの原因となってしまうのです。
敏感肌の原因1 内的要因
敏感肌になってしまう原因は様々ですが、まずは内的要因から見ていきましょう。
不規則な生活をしていたり、子供のころから肌が弱い人などは内的要因による敏感肌の人が多いです。
アレルギー体質
アレルギーとはアクセサリーなどの金属や衣類の繊維、花粉や動物の毛など特定のものに体が過敏に反応してしまう状態です。体がアレルギーを起こしやすい体質だと様々な物質に反応しやすいため、敏感肌になりやすいです。
偏った食事や不規則な生活
食事は内側から健康な肌を作り出すためにもとても大切です。普段からご飯を食べる時間がバラバラだったり、インスタント食品ばかりを食べていたり、野菜を全く摂らないような食生活を続けていると肌の健康状態が悪くなり、敏感肌になってしまいます。
タンパク質、ビタミンB2、ビタミンB6、カルシウムは肌のバリア機能を高めてくれます。積極的に摂り入れながら3食しっかりとバランスの良い食事をとりましょう。毎日同じ時間に食事をするよう心掛けるのも重要です。
睡眠不足
肌は非常にデリケートです。睡眠は体だけでなく、肌の健康のためにもとても大切です。睡眠が足りていないと肌が休まることもできず、修復も行われませんので肌の状態が悪くなり敏感肌になってしまいます。
夜は最低でも4~5時間は寝るように心がけ、朝は起きたらしっかりと朝日を浴びましょう。
ホルモンバランス
女性ホルモンは美しい肌を保つためにとても大切です。エストロゲンはコラーゲンなどの生成を助け、肌のキメを整えますし、プロゲステロンは皮脂の分泌を活発に行い、肌の乾燥を防ぎます。
生理前になると肌荒れしやすくなるのはホルモンバランスの崩れによるものです。ホルモンバランスを整えるためにはバランスの良い食事と規則正しい生活がとても大切です。また、大豆に含まれるイソフラボンを積極的に摂取するのも効果的です。
便秘
便秘に悩む女性は多いですが、便秘も敏感肌の原因となってしまいます。腸内に便が溜まってしまうと悪玉菌が増え、大量の毒素を排出します。この毒素が毛穴に溜まってしまうとニキビができます。
また、毒素が肝臓や腎臓の機能を低下させ、血流が悪くなると代謝が落ちます。体の代謝が落ちることによって肌のターンオーバーも低下しますので肌の表皮が薄くなったりバリア機能の低下します。
敏感肌の原因2 外的要因
外的要因は日ごろのスキンケアなどによって肌にダメージを与え、敏感肌の原因をつくってしまっていることです。
日ごろから肌を優しくいたわってあげましょう。
間違ったスキンケア
毎日行うスキンケアが敏感肌の原因になっているのは非常に多いパターンです。洗顔のし過ぎや、刺激の強いクレンジングを使い続け、肌を守っている皮脂を取り除いてしまうと乾燥肌を招きます。
乾燥肌になってしまうとバリア機能が低下しますので、敏感肌になってしまいます。
紫外線
紫外線はコラーゲンを破壊したり、肌の機能を低下させて乾燥を引き起こします。また、天然の保湿成分やセラミドの生成も遅らせてしまうため、敏感肌に傾けてしまいます。
夏にしっかりと紫外線対策をする方は多いですが、紫外線は年中降り注いでいますので季節を問わず紫外線対策を心掛けるようにしましょう。
季節の変わり目による環境変化
普段は敏感肌ではないのに、季節の変わり目になると刺激に反応しやすい敏感肌になってしまうという方も非常に多いです。この状態をゆらぎ肌といいますが、主に春先に起こりやすいといわれています。
春先は生活の変化が多く様々なストレスがかかりやすいです。また、日によって寒かったり暖かかったりと気温の差が激しいです。このような様々な変化に肌がついていけず、バリア機能が低下し、季節の変わり目だけ敏感肌になってしまうのです。
ストレスが敏感肌の原因になって赤みやかゆみがでる
敏感肌は体の中の状態によって引き起るものと、外からの刺激によって引き起るものがあると紹介しましたが、ストレスなど精神的な問題も原因となります。
人はストレスを受けると自律神経のバランスが乱れます。これにより免疫力が低下し、肌が外部からの刺激に抵抗できなくなってしまうため、かゆみや痛みなどを引き起こします。
敏感肌の改善には原因別の対策が必要
敏感肌になってしまう原因は人によって様々ということが分かりました。
敏感肌を改善するためには自分が敏感肌になっている原因を突き止め、その原因を排除するのと、規則正しい生活と正しいスキンケアを心掛けるのが大切です。
しっかり保湿をする
敏感肌の大きな原因は乾燥によるバリア機能の低下です。化粧水には保湿効果の高いセラミドを配合しているものを選ぶようにしましょう。また、刺激になる成分(アルコールや香料など)が出来るだけ入っていないものを選ぶのも大切です。
まず、化粧水を手で軽く温めてから顔全体を覆うように手のひらでつつみ、ゆっくりと顔になじませます。そのあと乾燥しやすい部位にもう一度化粧水をなじませましょう。刺激になってしまいますから、叩くように化粧水を塗ることは絶対に避けてくださいね。
化粧水をつけたらセラミド入りの美容液で保湿をするのがおすすめです。セラミドは肌に水分を保持させるために必要な成分ですから、乾燥による敏感肌の改善にはとても有効です。
スキンケアを見直す
敏感肌の人の場合、スキンケア用品は保湿成分がしっかりと入っていて(セラミドが望ましい)低刺激性なものを選びましょう。また、毎日行うクレンジングや洗顔用品選びにも注意が必要です。
クレンジングはクリームタイプ、ミルクタイプ、バームタイプを選ぶようにしてください。オイルやシートのタイプは肌への刺激が強すぎますし、必要な皮脂まで落としてしまうので敏感肌の人には合いません。
洗顔はシンプルな固形せっけんがおすすめ。洗顔用のネットでしっかりと泡を立てて優しく洗いましょう。天然成分を使用し、余計なものを一切含んでいないせっけんを選ぶとよいでしょう。
しっかり紫外線対策をする
敏感肌だから、刺激の強い日焼け止めが使えないとお悩みの人もいるでしょうか。しかし、紫外線は肌を乾燥させてバリア機能を低下させるので敏感肌をさらにひどくしてしまいます。そのため、敏感肌の人に紫外線対策は必須です。
敏感肌の人の日焼け止め選びのポイント
- 紫外線吸収剤を使用していないものではなく、紫外線散乱剤を使用しているノンケミカル製を選ぶ
敏感肌の人は紫外線吸収剤でアレルギー反応を起こしてしまう人が多いです。紫外線吸収剤フリーやノンケミカルと記載のあるものを選ぶと安心でしょう。 - 普段使い用であればSPF値10~30程度のものでOK
SPFの値が高いものの方が紫外線を防ぐ効果は高いですが、その分肌に与える刺激も大きいです。真夏であったり、レジャーに使う場合以外はSPF値が低いものを使う方が肌への負担は少なくて済みます。PAは++で十分です。 - ナノ化していないものを選ぶ
紫外線散乱剤のネックは白浮きしやすいことです。そのため、成分をナノ化することで白浮きを防ぐ方法がとられている日焼け止めが多いのですがナノ化してしまうと皮膚に吸収されやすかったり、肌を酸化させてしまいます。 - 石油由来の成分を使用していないものを選ぶ
石油由来の成分は肌への刺激が非常に強いです。合成ポリマーやシリコンといった成分を使用していないものを選ぶようにしましょう。 - 石鹸で落とせるか、使い心地の軽さ、油分の配合量などもチェックする
敏感肌の人は肌の皮脂が少ない状態となっている人が多いため、洗いすぎには注意が必要です。できるだけダブル洗顔をしなくて済むように、石鹸で落とせるタイプを選ぶと良いでしょう。また、クリームタイプや乳液タイプは肌への刺激が少ないので敏感肌の人におすすめです。
しっかり睡眠をとる
健康な肌を手に入れるためには質の良い睡眠が大切です。しっかりと睡眠をとれていないと、肌がもつ再生能力が低下してしまい、外的刺激からも弱くなってしまいます。
スキンケアをいくら頑張っても敏感肌が改善されないという方は一度生活習慣を見直してみましょう。夜更かしを控え、毎日6時間の睡眠をとるように心がけるだけでも肌の状態は劇的に変化するはずです。
腸内環境をととのえる
腸内環境が悪化すると肌にも悪い影響を与えます。腸内環境を悪化させる原因の悪玉菌は活性酸素を排出するため、肌に必要なビタミンB群の合成を阻害し、シミやシワの原因ともなります。
正しい食生活を心掛けることで腸内環境の悪化を防ぎ、肌も健康になります。毎日3食をしっかりと食べ、バランスの良い食事を心掛けましょう。間食を控えるようにするのも効果的です。
栄養不足も敏感肌の原因!肌の抵抗力を高める食材
健やかな肌を保つためには日ごろの食生活がとても大切です。
肌の抵抗力を高め、敏感肌を改善させる効果のある食材を意識的に食べるようにしましょう。
動物性タンパク質
タンパク質は皮膚を作り出すために必要です。肉や魚、卵、乳製品などの動物性たんぱく質を意識して食べるようにしましょう。
玄米や雑穀
雑穀には乾燥肌の対策になる栄養素や美肌作りに役立つ栄養素がたっぷりと含まれています。白米に雑穀を混ぜて炊いたり、玄米を普段の食事に取り入れるようにするといいですね。
ビタミンAやC
ビタミンAは皮膚の細胞の若返りに関係するといわれています。また、抗酸化作用も高いためシワやシミの予防に効果的です。トマトやカボチャなどに多く含まれます。
ビタミンCは肌の酸化を防止し、メラニン色素の沈着を防ぐためシミに非常に有効で美白ビタミンとも呼ばれています。キウイやイチゴなどフルーツに多く含まれています。
カルシウム
カルシウムは肌と関係ないと思われがちですが、そんなことはありません。カルシウムには肌のバリア機能を強化したり、新陳代謝を促進する効果があります。また、肌のうるおいを保つためにも必要なので敏感肌の改善には欠かせない栄養素です。
牛乳やチーズなどに多く含まれていますが、カルシウムは吸収率の悪い栄養素です。ゴマや大豆製品に多く含まれるマグネシウムを一緒に摂取すると吸収率が上がるので出来るだけ一緒に摂るようにしましょう。また、ビタミンDの同時摂取もおすすめです。
アトピーと敏感肌の原因と治療の違いとは
肌が敏感な状態である人にアトピーという肌質の人もいますが、アトピーと敏感肌は違うものです。
アトピーは幼少期から発症する人が多いです。
アトピーは、敏感肌にアレルギー反応が加わったもの
敏感肌は肌のバリア機能が低下した状態をいいますが、アトピーはバリア機能の低下にくわえてアレルギー反応を起こしてしまっている状態の肌をいいます。顔だけではなく、全身の皮膚に症状が出るのも特徴で、ひどい赤みやかゆみを伴います。
アトピーは、薬の力を借りよう
アトピーの場合、何もしていなくてもひどい炎症やかゆみが出るため、日常生活に支障をきたします。そのため、薬の力を借りて炎症やかゆみなどの症状を抑えてあげる必要があります。
敏感肌の湿疹、かぶれ対策には原因追求が大切
湿疹は肌の過剰な免疫反応によって起こります。敏感肌はバリア機能が低下しているため、様々なものに肌が敏感に反応してしまいます。そのため、少しの刺激で湿疹やかぶれを引き起こす危険性があります。
湿疹やかぶれを引き起こす原因は紫外線、ウイルス、ダニ、ほこりなど様々です。普段気にしていないものが原因となっている場合もありますので、湿疹の原因を見つけできるだけ除去するようにすることが大切です。
合わせて、普段のスキンケアや生活習慣を見直して敏感肌の改善に努めましょう。
体の内と外から原因対策をして敏感肌を治そう
敏感肌を引き起こしている原因は乾燥によるバリア機能の低下です。自分の敏感肌のタイプを見極め、原因が分かったら改善に向けて努力をしましょう。
普段の生活に気を使うことで肌の状態は格段に良くなりますし、メイクも楽しめるようになります。生活習慣の見直しとスキンケアの徹底で、脱・敏感肌を目指しましょう!