肩こりはタオルで解消!原因と治し方
肩が痛い…肩が張る…そんな症状に悩まされていませんか?これらは「肩こり」の典型的な症状です。肩こりは男性よりも女性に多く、20代~50代女性の6割以上が症状を自覚しています。
それでは「肩こり」とは具体的にどんな状態のことをいうのでしょうか?その原因と治し方、そして何故タオルが解消に役立つのかを具体的に解説していきます。
筋肉が緊張した状態
肩こりとは、簡単にいうと「首や肩の筋肉が緊張して硬くなっている状態」です。首から肩・そして背中の筋肉は、体重の10%にもなる頭を支えているので常に緊張しています。
さらに首や肩の筋肉には血管や神経がたくさん通っているのですが、緊張が続いた筋肉は疲れて硬くなり、血管や神経を圧迫して血液循環やリンパの流れが悪くなってしまいます。
血液循環が悪くなると筋肉に酸素や栄養が行きわたらなくなり、疲労物質である乳酸もたまってさらに筋肉が硬くなります。これが「肩こり」といわれる状態です。
男性よりも女性に肩こりが多いのは、女性のほうが筋肉量が少ないからで、頭を支えるために筋肉がたくさん頑張っているのでより負担が大きいのです。
デスクワークは特に注意
最近のデスクワークではほとんどの仕事がパソコンでできてしまうので、1日中パソコンの前から動かずずーっとパソコンモニターとにらめっこ…という人も多いでしょう。
しかしこの作業のしかたは肩こりの大きな原因になります。パソコンを操作する時は腕を前に出し肩が前に出た状態になりますが、この姿勢は頭を支える肩から首の筋肉に負担になります。
さらに同じ姿勢のまま作業をしていると、筋肉を包んでいる「筋膜」が変な位置で固まったまま戻らなくなってしまい、これも肩こりの大きな原因になります。
パソコン作業が原因の肩こりでは「目の疲れ」も忘れてはいけません。まばたきの回数が減りドライアイになったり、モニターを凝視して目の周りの筋肉が疲れて固まってしまうと、首から肩の筋肉にも影響して肩こりを引き起こしてしまうのです。
肩周辺の筋肉を動かす
肩こりの治し方としてまず第一にあげられるのは肩や首・背中など周辺の筋肉を動かすことです。筋肉が固まって血行が悪くなっている部分を動かすことで、血流が回復し肩こりを改善させます。
なぜ「肩の筋肉」ではなく「肩周辺の筋肉」なのかというと、肩こり解消には肩や背中の筋肉のバランスが重要だからです。
肩こりで硬くなっている筋肉は「僧帽筋」といわれる背骨と肩甲骨・鎖骨をつなぐ筋肉ですが、僧帽筋とバランスをとっている「広背筋」という筋肉があります。これは背骨と骨盤・二の腕をつなぐ筋肉です。
この二つは片方が伸びれば片方が縮む…という間柄です。ですので一見関係なさそうな骨盤と二の腕をつなぐ広背筋がきちんと伸び縮みできないと、肩がうまく動かせず肩こりになってしまいます。
また「大胸筋や小胸筋」といった胸の筋肉もデスクワークなどで肩が前にでた状態が続くと縮んで硬くなる筋肉です。肩を動かすだけでは肩こりが解消しないのは、肩こりには色々な筋肉が影響しているからなんですね。
とはいえすでに凝り固まってしまった筋肉を自分一人で動かしほぐすのは大変…。そこで活躍するのがタオルです!タオルを使えば一人でも簡単に肩こり解消に効果がある体操やストレッチをすることができますので、のちほど詳しく紹介します。
温めて血行促進
慢性の肩こりを治すには、首や肩を温めるのもおすすめです。温めることで血管をひらき、血行を良くすることで肩こりを解消します。最近では蒸気で肩周辺を温めるシートや、首・肩用の湯たんぽも販売されていますので、肩こりで悩む人にはメジャーな改善方法ですよね。
この方法の難点は、多少の初期投資が必要なこと。蒸気シートは1枚売りではありませんし使い捨てです。湯たんぽは使い捨てではありませんが、人によっては湯たんぽの重さで逆に肩がこる…ということもあります。
自分の肩こりが温めで良くなるかわからないのに、それにお金をかけるのは…という人にはやはりタオルがおすすめです。タオルと電子レンジがあれば簡単に温熱療法の気分が味わえます。
この方法もあとで詳しく紹介しますが、痛みが強く炎症を起こしている時や片頭痛のあるときには温めるより冷やす方が良いので注意してくださいね。
タオル体操で肩こり解消!使うのはタオルだけ
タオルを使った体操はテレビでも紹介され、ネットでも話題になりました。愛媛県今治市で行われている「今治タオル体操」は、体操を指導した150人弱の人へのアンケート調査で約9割の人が「肩こりが改善された」という結果がでています。
タオルを使って体操することで、なにも持たない状態より筋肉を上手に、より正確にストレッチすることができます。ここでは簡単に出来るタオル体操を2つご紹介いたしますね。用意するのは「フェイスタオル」これだけです!
「背伸びの運動」
1:背筋をのばし、両足は肩幅にひらいて立つ
2:フェイスタオルを肩幅と同じ長さになるように両手で持つ
3:タオルをピンと張ったまま両腕を出来る限り上に持ち上げる
4:ゆっくりと腕をおろす
これを2回繰り返します。呼吸を止めたり反動をつけて勢いよく上げ下げしたりせず、ゆっくりしっかり正しい姿勢で行うのがポイントです。
「上体倒し腹筋」
1:フェイスタオルを体の後ろにまわし、後ろ手に持って足を開いて立つ
2:タオルを張った状態で腕を上げ、顔は前に向けたまま上体を前に倒す
3:あごを引いて膝を曲げながらゆっくし上体を起こす
4:背筋を伸ばし真っ直ぐに立つ
これも2回繰り返します。体を倒す時と起こす時に、肩や背中が丸まらないように注意しましょう。どこの筋肉に効いているかを意識するとより効果があがります。
猫背・二の腕にも効果が!
猫背とは背中が丸まり頭や肩が前にでてしまっている状態です。パソコンやスマホを見ている時やデスクワークで特になりやすく、肩こりや頭痛・息苦しさの原因になります。
肩こりで首・肩・肩甲骨まわりの筋肉が硬くなると、それに繋がっている腕の筋肉の血流も悪くなり腕の動かせる範囲が狭くなります。代謝と血流が悪くなると運動の効果も低くなり、痩せにくい二の腕になってしまいます。
毎日こまめにタオル体操をすることで肩周辺の筋肉が柔らかくなり、血行が良くなり冷えも解消されて痩せやすい二の腕を作ることができます。
それだけでなく、タオル体操で普段使っていなかった筋肉を使い筋力をアップさせると、猫背の改善にも効果が期待できます。普段体を丸めている筋肉とは逆の方向にひっぱる筋肉が働くようになるからです。
タオル体操はここでご紹介した簡単な体操の他にもいろいろな体操があります。9割の人に効果があったという「今治タオル体操」も含めYouTubeなどの動画サイトでは詳しいやり方を見る事ができますので、自分に合った体操を見つけて参考にしてみてください。
タオルストレッチで肩甲骨をほぐす!タオルで肩こり解消
肩こりを語るうえで外せないのが「さびつき肩甲骨」です。肩甲骨は他の骨と違い鎖骨でつながっているだけなので、上・下・捻りと本来は自由に動く骨です。
しかし長時間のデスクワークなどで腕や肩が体の前にくる状態が続いてしまうと、本来背骨側によっているはずの肩甲骨が体の外にひらいたまま固まってしまい、動ける範囲が狭まり血行も悪くなります。これが「さびつき肩甲骨」です。
さびつき肩甲骨は肩こりや猫背の原因になるのはもちろん、背中にぜい肉がつきやすくなったり、バストやお尻・顔のたるみにもつながるなど、女性の気になる見た目にも悪い影響がでてしまいます。
この肩甲骨がさびついた状態を改善するのが話題の「肩甲骨はがし」です。肩甲骨をはがす…といっても実際にベリベリはがすわけではありません。肩甲骨周りの筋肉をほぐし、張りついたように動きの悪くなった肩甲骨の動きを良くするストレッチを肩甲骨はがしと呼ぶのです。
肩甲骨はがしには色々な方法がありますが、タオルストレッチにも一人で簡単に肩甲骨はがしができる方法がありますので紹介します。このタオルストレッチも用意するのはフェイスタオルだけなのでとってもお手軽です!
「肩甲骨はがし」やり方
1:フェイスタオルを肩幅よりこぶし1つ分ずつ外側になるように両端を持つ
2:タオルをピンと張った状態のまま両手を高く上げる
3:ゆっくり息を吐きながら、タオルが頭の後ろを通るように腕を下ろす
4:肩甲骨が寄る事を意識して、そのまま20秒キープ
5:ゆっくりと肘を伸ばし2の状態に戻す
通常は5~10回を1セットとして行います。肩甲骨はがしは立っていても座っていても出来ますが、どちらの場合も背筋はしっかり伸ばすことを意識しましょう。
痛みを感じたら休む
肩甲骨はがしは肩こりの解消にとても効果のあるストレッチですが、普段動かさない筋肉を動かしますので痛みを感じることがあります。「痛気持ちいい」くらいなら大丈夫ですが、強い痛みを感じた場合はストレッチを中止しましょう。
いくら効果があるストレッチでも、痛みがある状態でおこなうと痛みがひどくなってしまう可能性があり危険です。回数や動きも最初は無理のない程度にし、慣れてきたら回数を増やしたりストレッチの強度をあげるようにしましょう。
バストアップ効果も!
さびつき肩甲骨が体をたるませる原因になることはお話しましたが、逆をいえばさびつき肩甲骨を解消することでバストアップ効果が期待できるということです。
まず第一は猫背が改善され姿勢が良くなることで、上向きの形の良い綺麗なバストに見えるようになります。第二に血液やリンパの流れが改善することで代謝があがり、バスト周りの筋肉が活性化することでハリのある理想的なバストに近づくことが出来ます。
第三に血行が促進されることで女性ホルモンの循環がよくなり、バストのサイズアップも期待できます。他にも肩甲骨の歪みは骨盤の歪みにつながり、ぽっこりお腹の原因にもなりますので、健康と美容のためにぜひ毎日タオルストレッチをとりいれてみてください。
タオルをレンジでチン!肩こり解消
慢性的な肩こりは筋肉が硬くなり常に血行が悪くなっている状態ですので、温めて血行を促進することは肩こり解消にとても効果があります。
お風呂に入れば全身が温まりもちろん肩の血行も良くなりますが、気軽にいつでも…というわけにはいきません。そこでおすすめしたいのが「蒸しタオル」です。
フェイスタオルと電子レンジ、あとは水とビニール袋だけあれば簡単に蒸しタオルを用意することができ、いつでも手軽に「セルフ温熱療法」でコリを和らげリラックスすることができるのです。
「蒸しタオル」の作り方
1:フェイスタオルを濡らしよく絞る
2:ビニール袋に入れてレンジで30秒~1分温める
時間はお使いの機種によります。熱すぎない程度にして、タオルを取り出す時は火傷に注意しましょう。温まったタオルをひらいて、温めたい場所の大きさに合わせて折りたためば準備完了です。
まずは目の上に10分
目の疲れは肩こりの大きな原因になります。特にパソコンやスマホを頻繁に見ている人や、ゲームをよくする人は目を酷使していることが多く、蒸しタオルで目の周りを温めるととても効果があります。
やり方はとても簡単!仰向けに寝るか、椅子にリラックスした状態で座り、折りたたんだ蒸しタオルを目に当てて冷たく感じるまで10分程度置いておく。これだけです。
なぜせっかく温めたのに冷たく感じるまで置いておくのかというと、このほうが蒸しタオルの特性を活かして血流を改善できるからです。
最初に熱めにした蒸しタオルを乗せた時、筋肉は熱さでキュッと緊張し血管もあわせて狭くなります。蒸しタオルの熱が蒸気とともに下がっていくと、それに合わせて筋肉が緩み血管がひらく…というのが血流改善のカラクリです。
ですので時間の余裕があるならば、温めて冷えるを数回繰り返してください。よりポンプ効果を高めることができ、疲労物質や老廃物を流す効果もあがります。
次に首と肩を温める
目のコリをほぐしたら次は首と肩の番です。首は後頭部の下から首にかけて、肩はコリを強く感じる部分に蒸しタオルをあて、同じようにタオルが冷たく感じるまでおきます。これも3~5回繰り返すとより効果が得られます。
特に首には大きな血管がとおっていて、首を温めると温かい血液が全身を巡り冷えも解消することができるので、冷え性の人や冷えからくる肩こりの人には特におすすめです。
タオル枕でストレートネックと肩こり解消!
首の骨には本来、緩いカーブがあります。カーブがあることで重い頭を支え、衝撃を体に逃がしているのですが、このカーブがなくなりレントゲンで撮ると首の骨が真っ直ぐになってしまっているのが「ストレートネック」と呼ばれる状態です。
ストレートネックは自覚症状のない人もいますが、酷い人では椎間板が圧迫され、肩こりや頭痛・手の痺れや吐き気の原因になることもあります。
ストレートネックは事故やけがが原因でなることもありますが、近年では長時間のパソコン操作で姿勢が悪くなり首が前にいってしまう事や、スマホを長時間見る事で下を向いた姿勢が長くなっていることが大きな原因になっています。
ストレートネックを解消する方法としては、日頃の姿勢を良くすることと、姿勢が良い状態を保てるように首や肩周りの筋肉をストレッチでほぐすこと、そして真っ直ぐになってしまった首の骨にカーブを取り戻すことが大切です。
ストレートネックは現代病として広く知られているので、「ストレートネックに良い」というストレッチ用具や枕も売られていますが、出来たらお金をかけずに解消したい…というのが本音ですよね?
ここでも活躍するのがタオルです。ただしここでは枕にしますので、フェイスタオルではなく厚みや高さを調節できるバスタオルを使います。ここではバスタオルを使った簡単な首枕の作り方と、それを使ったストレッチ方法をご紹介いたします。
バスタオル首枕の作り方
1:バスタオルを縦1回・横1回の四つ折りにする
2:端からくるくると硬くしっかり巻いていく
3:丸め終わったらタオルの両端を紐やバンドで固定すれば完成!
首枕は自然な首のカーブに合わせて作ります。低すぎて潰れてしまっても効果はありませんし、高すぎて顎を引くような状態でも意味がありません。
低すぎる時はもう少し厚みのあるバスタオルを使い、逆に高すぎる時はもう少し薄いバスタオルや小さめのバスタオルを使うなどして上手に高さを調節しましょう。
首の下に入れてストレッチ
バスタオル首枕を首の下に入れてストレッチすることで、肩こりや首のコリを効果的に解消することができます。
1:仰向けに寝て首枕を首の下に入れる
2:手を胸の前で組み、そのまま天井にむけて高く上げる
3:手を組んだまま胸の上に円を描くように時計回りにゆっくり10回まわす
4:そのまま今度は反時計回りに10回まわす
5:お腹の上・頭の上でも同じく円を描くように10回ずつ回す
このストレッチも痛みがあるときは無理をしてはいけません。1回5分程度・起きてすぐと寝る前にやるだけで大丈夫ですので、効果を出そうと長時間やったり痛いのを我慢したりはせず、毎日続けることを目標にやってみてください。
寝る前に首の下に入れる
バスタオル首枕は寝る前に首の下にいれるだけでも効果が期待出来ます。首枕を頭が数cm浮く高さに調節すると、頭の重さで首が自然にカーブした状態になり、ストレートネックを解消してくれるのです。
慣れてきたらそのまま寝てしまっても大丈夫ですが、最初は真っ直ぐになっている骨を曲げることになるため痛みを感じることも多いと思います。
その時はやはり無理をせず、まずは5分間首の下にいれるところから始めてみてください。慣れてきて10分…15分と時間が延ばせるようになるにつれて、首のカーブもあるのが普通の状態になっていきます。
肩こりは肩だけの問題ではなく、繋がっている様々な筋肉や骨が影響して起こっています。全てに効果がある用具は探すのも揃えるのも大変ですが、タオルだけで肩こりが治せるのならば試す価値はありますよね!
タオルで肩こりを解消する際に気をつけなければならないのは、どの方法も1回で完全に肩こりが解消するわけではない…ということです。
凝り固まった筋肉や、クセになってしまった悪い姿勢は一朝一夕で戻るものではありません。毎日少しずつタオル体操やストレッチを続けて肩こりを根本から解消し、見た目にも若々しく美しい体を手に入れましょう!