運動中や睡眠中に足のふくらはぎがつる原因は?
運動中や寝ているときに「突然足がつった!」という経験はありませんか?あの痛みときたら…大人でも悶絶するほど!つった直後はしばらく動くこともできません。
そもそも、この「足がつる」という現象はなぜ起きるのでしょうか?また、運動中につる場合と寝ているときにつる場合とでは、その原因に違いがあるのでしょうか?
ミネラルの不足
足がつる、という症状は足の筋肉が痙攣を起こしている状態のこと。どんなときに痙攣をおこすかというと、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが、体内に不足してしまったときです。
スポーツ中に足がつってしまうのは、汗と一緒に体の中のミネラルが流れ出てしてしまうからなのです。
水分の不足
ミネラルだけではありません。大量に汗をかくと、当然水分も不足してしまいますね。これも足がつる原因です。筋肉の痙攣を予防するためにも、運動中はこまめな水分補給を心がけてください。
筋肉の疲労
一方、寝ているときに足がつって目が覚めた!という場合の足の痙攣は、筋肉疲労が原因です。筋肉がひどく疲労していると神経が誤作動するのです。
血流の低下
たとえば足に動脈瘤があったり、ひどい貧血だったり。筋肉への血流が不十分になると、運動時も寝ているときも足がつりやすくなります。これはもともと患っている病気が原因の二次的な症状なので、病状が回復すれば自然に治まるでしょう。
足のふくらはぎがつる主な原因は栄養不足 ミネラルとは
足が痙攣する理由のひとつである「ミネラル不足」。
そのミネラルにはどういうモノがあり、どんな働きがあるのでしょうか。そして、なぜ不足すると足の筋肉が痙攣するのでしょう?
カルシウム・マグネシウム・ナトリウム
ミネラルとひとことで言っても、その種類は約100種類ととても多く、その中で人の体に必要な必須ミネラルは16種類あります。さらにその必須ミネラルの中で、足がつる、という症状を引き起こすのがカルシウムとマグネシウム、ナトリウムとカリウムの不足です。
筋肉や神経の働きを調整する
カルシウムは筋肉の収縮を司り、神経伝達をスムーズにするという働きがあります。そしてこのカルシウムの量をしっかり調節してくれるのがマグネシウムです。
ナトリウムとカリウムは電解質と呼ばれ、筋肉の収縮そのものに使われる栄養素。不足してしまうと当然、筋肉の収縮自体が行えなくなり、足がつるのです。
ちなみにカルシウムの1日あたりの目安の摂取量は800mg、マグネシウムは270㎎~340㎎。これは特別偏った食生活でないかぎり、日々の食事から補える量なので、大量に発汗して一時的に欠乏してしまうケース以外は心配ないでしょう。
汗をかくと流出する
上記の必須ミネラル4種はすべて、汗をかくと体外に流出します。運動中にいきなり足がつってしまうのはこのためです。
また、寝ているときに足がつる主な原因は筋肉の疲労、と述べましたが、寝ているときに大量の寝汗をかく人もいます。この場合は寝ていてもミネラル不足に陥っている可能性大です。
原因をふまえた、足がつったときの対処法
原因がわかったところで、次は実際に足がつってしまったときに何をしたらいいかを説明しましょう。
足がつっている、というのは筋肉が萎縮している状態なので、ふくらはぎを伸ばすストレッチが有効です。足をのばして座った状態で、まずは壁に足の裏がつく場所まで移動して、以下の順序で伸ばしてあげましょう。
- 膝を伸ばして足首をたてる
- つま先をつかんで体のほうへ引き寄せる
- ゆっくりと戻す
- 膝を伸ばして足裏全体を壁におしつける
足がつった直後は痛くて動けない!というときは、しばらく安静にして痛みが少し治まってから実践してくださいね。
原因をふまえた、足がつる人がとりたい予防策
足がつりにくい体質になるために、日頃からできることもあります。
原因が判っているので意外と簡単に改善できます。
カルシウム・マグネシウムを積極的に補給する
運動中に足がつるのは汗と一緒にミネラルが流れ出てしまうから。スポーツをする人は水分補給の際に「水」よりも「スポーツドリンク」などを摂ることをおすすめします。スポーツドリンクには、水分だけでなくミネラルも豊富に含まれていますから。
また、必須ミネラルが普段の食事からじゅうぶんにまかなえていない、と感じる場合はサプリメントを利用するのもひとつの手です。ミネラル不足を解消してくれるサプリメントには、以下のようなものがあります。
コムラナイト 初回1980円2回目以降3980円
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こむらくだ 初回 980円2回目以降 4550円
http://www.rakudashop.jp/
カフェインの摂取を控え、水分をしっかり補給する
コーヒーを飲むとトイレに行く回数が増える、という人は多いのではないでしょうか?
これはコーヒーに含まれるカフェインに利尿作用があるからです。汗と同じように体の中のミネラルを尿と一緒に外に出してしまい、結果ミネラル不足に陥るというわけです。
ちょっとひと息入れたいときに飲む1杯はたまりませんね。でも、健康を害さないためにも1日3杯ぐらいにとどめておきましょう。また、喉が渇いたと感じたらまめに水分を補給することも忘れずに。
運動や就寝前にストレッチをする
足がつることが多いのは「運動時」と「就寝時」なので、運動の前と寝る前にしっかりストレッチを行って、ふくらはぎの筋肉をほぐしておきましょう。
①足を前後に開き、後足の膝は伸ばしたままで前足の膝を少しずつ曲げる。
②後ろ足のふくらはぎの腱が伸びてきたら痛くないところで止め、その姿勢しばらくキープ。
これを両足ともに行いましょう。注意する点は、息を止めないことと反動を使わずゆっくり伸ばすこと。壁に手をつくか、何かにつかまって行うとより安定します。
動画もあるので参考にしてください。
冷えを解消する
ミネラル不足と筋肉の疲労が「足つり」の大きな原因だと述べてきましたが、実はもうひとつ、間接的ですが影響を及ぼしている原因があります。それは“冷え”です。身体が冷えるとミネラルが全身に行き届かなくなります。
また、人の体は冷えると疲労が蓄積して、痙攣が起こりやすい状態になるのです。つまり体が冷えていると、いくらカルシウムやマグネシウムを補給しても効果がない、ということになってしまいます。冷え性の人は、まずは体質改善を。
足が頻繁につるなら原因は病気かも
「足がつる」のは、健康な人にも起こることなので問題はありません。
ただ、しょっちゅう足がつる、という人は要注意!「病気」が潜んでいるかもしれません。足がつるという症状の他に、以下のような症状が現れていませんか?
- 糖尿病
- 脳梗塞
- 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症
- 閉そく性動脈硬化
喉が渇く、手足がしびれる
左右どちらかの手足が麻痺している、ろれつが回らない、言葉がもつれる
慢性的な腰痛
歩行障害、両足を上げて足首を曲げ伸ばしすると、片方だけが白くなる
ひとつでも思い当たる項目があれば、すぐに医療機関を受診してください。
足がつる原因を知って予防と対策を
つったときの対処法も、つらないようにするための予防法も、とにかくふくらはぎの腱を伸ばすストレッチを実行することが重要です。
運動の前はもちろん、寝る前やお風呂上りなど時間を決めて習慣にしてしまえばムリなく続けられます。そして、大量に汗をかくようなスポーツをするときはこまめに水分とミネラルを補給すること。
この2つを心がけるだけで、「足がつる」頻度と痛みの度合いは、かなり軽減されるでしょう。