ゼロカロリー飲料で虫歯になる?歯磨き後に摂取を控えたほうが良い理由 |

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ゼロカロリー飲料で虫歯になる?歯磨き後に摂取を控えたほうが良い理由

ゼロカロリー飲料で虫歯になる?

甘くておいしい炭酸飲料。ノドへの刺激もたまりませんよね。でも、意外とカロリーの高いものが多いので、ダイエット中だと泣く泣く我慢しなければなりません。

そこで登場するのがゼロカロリー飲料です。ゼロカロリーということは、糖分とか一切入ってないよね?と思い込んでいるあなた、それはちょっと違います。しかも、糖分入ってないから虫歯にもならないよね?と思っていると思わぬ落とし穴が!

ゼロカロリーはカロリーゼロではない

食品の成分表示は「健康増進法」に基づいています。この法律の栄養表示基準では、【カロリーゼロ、ノンカロリー、カロリー無し、0kcal】などと表示できる基準が定められており、食品100g(飲料100ml)当たり、【熱量(エネルギー):5kcal未満・脂質:0.5g 未満・飽和脂肪酸:0.1g 未満・コレステロール:5mg 未満・炭水化物:0.5g 未満・ナトリウム:5mg 未満】の全てを満たしていれば、カロリーがあっても【カロリーゼロ、ノンカロリー、カロリー無し、0kcal】と表示することが認められているのです。なぜゼロでなくてもゼロと表示できるように定められているのかというと、厚生労働省によると「成分を検出する際の誤差を考慮したため」とのことです。これは日本に限らず国際基準も同じ考えに基づいて定められています。

参照元:https://www.ringo-sika.com/caloriezero.html

ペットボトル500mlなら24kcalまで、1.5lなら74kcalまでが、ゼロカロリーと表示できるというわけです。微量とはいえ、ゼロカロリーの表示があっても信用してはいけないということなんですね。

炭酸、特にコーラに注意!口の中が酸性になると虫歯に?

口の中では、虫歯菌(ストレプトコッカス・ミュータンス)が酸を産生して唾液を酸性にします。そしてpH5.5以下の酸性になると歯のエナメル質(ハイドロキシアパタイト)を構成するカルシウムとリン酸が唾液に溶け出してしまうのです。これを脱灰(だっかい)といいます。

炭酸飲料、とくにコーラはpH2.1で、酸性の強い飲みものです。液体なのですぐに口を通り抜けるとはいえ、酸性の強い飲みものには注意が必要です。


ゼロカロリー飲料に使われる人工甘味料は虫歯の原因?

ゼロカロリー飲料って甘くないのかな、と思いきや、意外としっかりした甘さもあっておいしく飲めます。これは人工甘味料のおかげなんです。

人工甘味料は合成甘味料ともよばれていて、食品には存在しない成分を人工的に合成した甘味料です。

砂糖を基に甘さを感じやすくした人工甘味料

人工甘味料は、舌の味蕾にある甘味受容体に結合できる化学物質で、自然な砂糖に似た甘みを感じるように合成されています。カロリーはゼロか極めて少ないものなので、ダイエットや健康ブームにのって広く使われているのです。

人工甘味料が直接虫歯の原因とはならない

キシリトールなどの人工甘味料は虫歯の原因となる’酸をつくりません。又、歯磨き後にキシリトールガムなどを噛むことで虫歯予防の効果を期待することができます。ただし、砂糖や水飴が少しでも含まれるとその効果がありません。

参照元:http://www.118ndc.net/category/1309257.html

虫歯菌は砂糖の原料となるショ糖をエサにして活動しています。人工甘味料は砂糖ではないので、それが直接の原因で虫歯になるとは考えられません。

キシリトールは虫歯になりにくい環境を作る

キシリトールは虫歯の原因となるプラークが歯に付くのを抑制し、さらに歯の再石灰化を促す作用があります。また、虫歯の原因菌とされるミュータンス菌の活動を弱める作用もあります。この『対虫歯菌能力』はキシリトール特有のものです。

参照元:http://www.amies-dental.com/diaryblog/2016/11/post_7.html

ガムとして売られているものもあって、身近に手に取ることができるキシリトールですが、虫歯予防で使用するなら100%のものを選びましょう。中にはキシリトール以外に、虫歯の原因となるショ糖が含まれているものもあります。


虫歯にならないゼロカロリー飲料に入ってるアスパルテーム

アスパルテームは1gあたり4kcalの熱量で、砂糖の200倍の甘味をもつ人工甘味料です。また、タンパク質を構成するアミノ酸であるアスパラギン酸とフェニルアラニンという成分がエステル結合してできた化合物です。

フェニルアラニンは必須アミノ酸の一つですが、ごくまれに『フェニルケトン尿症』という、それを代謝する機能が十分にはたらかない病気があるので、食品衛生法によってフェニルアラニンを含むということを表記しなければいけないことになっています。

ゼロカロリー飲料のみならず砂糖代用としてさまざまなものに使用

アスパルテームはゼロカロリー飲料だけではなく、いろいろなものに使用されています。その他の清涼飲料水や菓子類などにもアスパルテームが使われていて、砂糖の代わりの甘み成分として役立っているんです。

味の素が販売している人工甘味料「パルスイート」もその一つで、低カロリーな砂糖の代用としてダイエット中の女性をターゲットにした売れ筋商品です。

砂糖の200倍の甘さ、カロリーは低いが安全性は疑問の声も

アスパルテームは砂糖の200倍の甘さな上に、カロリーはとても低いものです。ダイエットに使用されるのもうなずけますね。

しかし、一部では安全性に疑問の声もあがっています。血糖値の上昇や発がん性など、さまざまな症状を誘発する物質であるといった報告も寄せられていて、賛否両論なんです。


ゼロカロリー飲料は砂糖入りよりも虫歯にならない?

ゼロカロリー飲料はカロリーを抑えるために、少量で砂糖の甘さをこえる人工甘味料が使われています。人工甘味料には砂糖が入っていないので虫歯にはなりにくいのです。

しかし、他の要因で虫歯になってしまうことは十分に考えられます。当然のことですが砂糖の入っているものは虫歯になってしまう可能性も高くなりますので、歯磨きをするといった対処が必要になります。

細菌増殖や食べかすによるプラークのコントロールが虫歯を左右

プラークとは歯の表面に付着した黄色い粘り気のある物体のことで、歯垢ともいいます。歯垢は歯に残った食べかすが細菌となったものの塊で、毒素や酸を排出したり虫歯や歯周病の原因になってしまうんです。

また、プラークはそのままにしておくと石灰化して歯石になってしまいます。歯石になると歯ブラシでは落とせなくなるんです。

そうなる前にしっかりプラークを除去できるような歯磨きをして、虫歯菌が増殖できない環境を整えること(プラークコントロール)が虫歯予防の鍵となります。

ゼロカロリー500mlの砂糖含有量はスティックシュガー2本分

ゼロカロリー飲料は、実はカロリーがないわけではありません。健康増進法によれば、限りなくゼロに近いカロリー(100ml/5kcal未満)であればゼロカロリーやノンカロリーと表示することを許されているんです。

ということは、500mlのゼロカロリー飲料が24.9kcalだとしても『ゼロカロリー』と表示できちゃうんです。24.9kcalって、スティックシュガー2本分(6g)なので、ちょっと甘めのカフェオレを1杯飲むのと同じカロリーになってしまいます。

飲んだ後に「口の中を流す」ことが予防につながる!?

ゼロカロリー飲料と砂糖飲料、どちらを飲むにしても後からうがいをすることや、水を飲んで口の中のねばつきなどを流すことが虫歯予防につながります。もちろん歯磨きをするに越したことはありません。普段からの心がけが一番の予防といえますよね。


歯の石灰化で虫歯予防するにはゼロカロリー飲料は歯磨き前に

歯は一度虫歯になると自然治癒はできないといわれてきました。しかし、近頃の治療ではごく初期の虫歯に関しては、歯の再石灰化で自然治癒を待つという方法も選択されています。

口の中が飲食によって酸性になり、エナメル質が溶け出して虫歯が進行するのですが、飲食後30分ほど経過すると少しずつ中性に近い弱酸性に戻っていく唾液の作用で、溶け出したエナメル質の成分「カルシウム」と「リン酸」が再びエナメル質へと戻るのです。

唾液が多く出ると歯の再石灰化が促され虫歯予防に

唾液が少ないと虫歯菌は増殖し、口の中の酸性化が進んでエナメル質が溶け出す脱灰がおこってしまいます。逆に唾液の分泌が多いと口の中のpHコントロールがうまくいって歯の再石灰化は促されます。唾液にはとても大切な役割があるんですね。

正しい歯磨きや定期的な検診、決まった時間の食事なども並行で

なんといっても一番の虫歯予防は正しい歯磨きです。虫歯になりやすい人はもちろんのこと、そうでない人も、決まった時間に食事をして食後40分以上経過してから歯医者さんが推奨する方法で歯磨きをしましょう。(再石灰化を促すため、食後すぐの歯磨きは避けます。)

そして歯磨き後はなるべく飲食は控えてください。また、定期的に歯医者さんに行って検診を受けると虫歯の早期発見や予防につながります。歯医者さんて、なんとなく避けたくなりますよね。

でも、虫歯も「病気」だと思えば、早期発見してすぐに対処することが短い期間の治療で済むのです。せめて半年おきに検診に行きましょう。

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