40代の生理不順とは?正しい生理周期の見分け方や原因・解決方法まで解説 |

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40代の生理不順とは?正しい生理周期の見分け方や原因・解決方法まで解説

40代になって生理周期が遅れるように…これって生理不順?

女性の体は30代後半から女性ホルモンの分泌が減りはじめて、卵巣機能も低くなりはじめます。そして、40代になると女性ホルモンの分泌と卵巣機能の低下はさらに進むので、生理周期が乱れやすくなります。

生理不順

普通なら、女性ホルモンは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と、黄体ホルモン(プロゲステロン)が生理から次の生理前日まで、排卵をはさんでバランスよく働いて、生理周期をコントロールしています。

生理周期は、エストロゲンが多く分泌される前半の卵胞期と、プロゲステロンが多く分泌される後半の黄体期に分かれています。

でも、ホルモンバランスが乱れて卵巣機能が低くなると、本当なら月に一度あるはずの排卵が起こらなくなってしまいます。そこで、排卵があるかどうかが、生理不順の見分け方ではポイントになります。

稀発月経

生理周期とは生理が始まった日から、次の生理が始まるまでの間隔のことです。正常な生理周期は25日~38日で、1周期ごとの変動が6日以内とされています。

40代 生理不順

39日以上生理が来ないことを稀発月経(きはつげっけい)と呼びますが、体質的に生理周期が長めの人もいるので、多少生理が遅れていても、排卵がされていれば問題ありません。

でも、40代の後半になると、卵巣で作られる卵胞の数が急に少なくなるので、生理のたびに起こっていた排卵の回数が減っていき、生理周期が遅れやすくなります。

頻発月経

頻発月経(ひんぱつげっけい)は、生理周期が24日以下の生理のことです。頻発月経は、ストレスや体調不良が原因のこともあるので、最初は様子を見ましょう。もし、次の月以降も生理周期が短ければ、頻発月経の可能性があります。

普通なら、前半の卵胞期と後半の黄体期の期間は、排卵をはさんでだいたい同じくらいの期間です。でも、40代を過ぎて排卵が起こりにくくなると、卵胞期と黄体期の期間がそれぞれ少しずつ短くなります。

また、卵胞期は卵巣の中で卵胞が育つ時期ですが、不規則な生活でホルモンバランスが乱れると、卵胞が成長するための時間が短くなるので、頻発月経になりやすいという理由もあります。


40代になって生理の期間が短い…これって生理不順?

長い?短い?

女性ホルモンが乱れて排卵が少なくなると、生理の期間が短くなったり、長くなったりします。または、生理周期が今までどおりでも、排卵が起こらなくなると、生理の期間が変わることもあります。

過長月経

正常な生理の期間は6~7日以内ですが、8日以上続く場合を過長月経(かちょうげっけい)と呼びます。長い人では、約2週間から1ヶ月続くこともあります。

生理が長くても出血が少なければあまり心配する必要はありませんが、少ない出血が続いていたのに、急に出血の量が多くなった時には注意が必要です。

そして、ドロドロの血ではなくサラッとしたきれいな血が続くときは、子宮や卵巣の病気の可能性がありますので、早めに病院へ行きましょう。

過短月経

生理が2日以内に終わる、短い生理期間のことを、過短月経(かたんげっけい)と呼びます。

女性ホルモンのエストロゲンには排卵を促したり、妊娠の準備を整えたりするために子宮の内膜を厚くする働きがあります。そこで、女性ホルモンの分泌が少ないとエストロゲンの働きが悪くなって、出血が少ない短い生理期間になります。

または、甲状腺の病気の可能性や、子宮内膜炎になったことがあればその後遺症の可能性もあります。ちなみに、排卵があって1、2日で生理が終わるようなら、妊娠の超初期症状の可能性もあるので、見分け方がはっきりしなければ、産婦人科で相談してみましょう。


40代に生理不順がおこる原因

40代は、30代の頃よりもさらに女性ホルモンが減って、閉経の準備を本格的にはじめる大切な時期です。女性ホルモンが減っているのに、ストレスや生活習慣の乱れが重なると、生理不順が起こりやすくなってしまいます。

ストレス

40代になると、子供が自立したり、親の介護が始まったりと、生活環境が大きく変わる人もたくさんいますよね。さらに、職場の人間関係や仕事の忙しさが加わると、ストレスがたまりがちです。

女性ホルモンはストレスの影響を受けやすいので、ストレスをいつも感じているとホルモンバランスが乱れやすくなります。40代になって若い頃よりも体の機能が下がりがちな上に、ストレスが追い打ちをかけるので、生理周期や生理期間の不順が起こりやすくなります。

更年期

40代なかばから50代にかけて、女性ホルモンの分泌と卵巣機能はかなり低くなって、女性は更年期をむかえます。更年期には、病院で検査をしても異常が見つからない、体や心の不調が起こりやすくなります。

この体や心の不調が、更年期障害です。もし検査をしてみて、内臓に異常がなければ、生理不順は更年期障害が原因の可能性もあります。実は、生理不順は更年期障害の代表的な症状のひとつなんですよ。

不規則な生活

昼夜逆転生活や夜ふかしといった不規則な生活は、女性ホルモンの働きを乱しやすくなります。女性ホルモンが乱れると、女性ホルモンと深く関係がある自律神経も乱れてしまいます。

自律神経が乱れると、不眠や睡眠の質が悪くなって寝不足となり、慢性疲労の原因にもなります。慢性疲労は女性ホルモンの大敵のストレスにも大きなつながりがあるので、規則正しい生活を心がけましょう。

ダイエットや肥満

甘いものやあぶらっこいものを普段からたくさん食べているのに運動不足だと、糖質や脂質を分解する肝臓に脂肪がついてしまい、太りやすくなります。肝臓に脂肪がつくと代謝が悪くなるので血のめぐりも悪くなり、子宮や卵巣にも大きな影響がでます。

だからと言って、無理なダイエットは栄養不足となって、女性ホルモンの分泌の減少に追い打ちをかけてしまい、最悪の場合は生理が止まってしまいます。そして、生理不順以外の不調も現れやすくなるので厳禁です。

病気

40代の生理不順は、生活習慣が原因で起こりやすくなりますが、子宮や卵巣の病気がひそんでいる可能性もあります。

普段は正常な生理周期や生理期間でも、生理周期や生理期間が乱れることがあれば、放っておかずに、一度病院で検査を受けてみるのもおすすめです。


40代の生理不順の見分け方、こんな症状があれば更年期が原因かも?

女性ホルモンと自律神経は密接につながっているので、女性ホルモンが少なくなると自律神経のコントロールも乱れやすくなります。そして、生理不順以外にも、いろいろな不調が現れます。

更年期の症状には個人差があり、違和感がないまま、いつのまにか更年期が終わっていたという人もいれば、生活に影響するので治療が必要な人もいます。

ほてりや発汗がある

体温調節機能がうまく働かず、特別暑い日でもないのに体がほてったり汗をかいたりすることを、「ホットフラッシュ」といいます。ホットフラッシュは更年期障害の代表的な症状で、症状が出る確率は約40~80%とされています。

ホットフラッシュは更年期の始まり頃に起こり、1年~数年にわたって続きます。

よくイライラする

更年期に入ると、イライラしやすくなったり、抑うつ気分になって、何もする気にならないという症状もよく起こります。この症状は卵巣機能が低くなって、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が少なくなることが原因です。

また、更年期症状ではなく、精神的な不調の場合もあるので、見分け方が難しいときには病院で相談してみてもいいでしょう。

疲れやすい

年をとると、若い頃よりも代謝が落ちて、老廃物が排出されにくくなるので、疲れがとれにくくなります。さらに、強いストレスを感じ続けていると、自律神経が乱れて、寝る前に脳が興奮して眠れなくなったり、睡眠の質が悪くなって慢性疲労につながります。

自律神経は女性ホルモンとつながっているので、最近疲れやすくなったと感じたら更年期症状の可能性もあります。

めまいがする

更年期症状で起こるめまいの症状は、ホルモンバランスが崩れると自律神経が乱れる以外にも、若い時よりも全身の機能が低下していることが原因で起こります。

更年期症状のめまいなら少し安静にしていれば自然に落ち着きますが、激しいめまいや吐き気は脳や耳鼻科系の病気の可能性もあるので、その時は病院に行きましょう。

肩こりや腰痛がある

肩こりや頭痛は、ホットフラッシュとともに、日本女性がなりやすい更年期障害といわれています。

女性ホルモンが減少すると筋肉への血流が悪くなり、冷えやすくなって筋肉も硬くなりやすいです。さらに、若い頃よりも肩や腰の筋力は下がっているので、更年期には肩こりや腰痛が起こりやすくなります。

とはいえ、肩こりや腰痛は、パソコンやスマホで目が疲れていたり、デスクワークで長い時間同じ姿勢で座っていたりすることも原因なので、更年期の症状ではないこともあります。


40代の生理不順は閉経の兆候

閉経した?

生理不順が起こり始めた時期は生理周期が短くなりますが、40代後半になると1ヶ月に1回だった生理周期が遅れはじめて、数ヶ月に1回、半年に1回、と生理周期がだんだん長くなり、最後の生理開始日から1年以上たっても生理がこなくなると、閉経となります。

ちなみに、閉経の前後には、生理かどうかわかりにくい出血が起こることもあります。生理と生理の間が開いているときに、突然出血があったら子宮や卵巣に異常があることもあるので、念のため婦人科に相談しましょう。


40代の生理不順の解決方法

40代は女性ホルモンの乱れや卵巣機能の低下が原因で生理不順が起きやすくなりますが、解決方法もあります。そこで、普段の生活習慣を見直して、女性ホルモンの乱れを正常に近づけましょう。

しっかり睡眠をとる

しっかりと睡眠をとって、規則正しい生活をすることは自律神経のバランスを整えるので、自律神経と関係の深い女性ホルモンのバランスを整えることにもつながります。

特に、夜の10時~夜中の2時の間は体をしっかり休ませると、細胞の生まれ変わりをうながす成長ホルモンがたくさん分泌されて代謝がよくなり、全身の血行がよくなるので、子宮の働きが正常に近づきやすくなります。

バランスの良い食事をとる

女性ホルモンの乱れを整えるには、バランスのとれた食事を1日3食、ちゃんと食べることが大切です。特に、大豆製品に多く含まれているイソフラボンは、女性ホルモンに似た働きがあるので、積極的にとりましょう。

大豆製品は加工しても成分があまり変わらないので、納豆や豆腐といった大豆製品をいつもの食事にプラスすることがおすすめですよ。そして、女性は生理で血が失われるので鉄分不足になりがちです。そこで、鉄分がたくさん含まれているひじきやわかめなどの海藻類も、積極的にとりましょう。

ストレスをためない

ストレスとホルモンは深いつながりがあるので、ストレスがたまると女性ホルモンのバランスが乱れやすくなります。

また、ストレスがたまるとそれを補うために、女性ホルモンをたくさん分泌するようになります。女性ホルモンには体温調節機能もあるので、女性ホルモンがたくさん消費されると体が冷えて、生理不順やひどい生理痛の原因につながり悪循環になります。

ストレスがたまっていると感じたら、お風呂にゆっくりつかって半身浴をしたり、癒し効果のあるアロマやお香をたいたりして、癒しの時間を作りましょう。

サプリメントを飲む

生理不順の解決方法には栄養バランスのとれた食事は欠かせませんが、食事だけで一日に必要な栄養素をとるのは難しいこともありますよね。そこで、足りない栄養素を補うために、サプリメントの力を借りるのもおすすめです。

サプリメントなら、一粒に必要な栄養素がつまっているので簡単に栄養素をとれます。でも、サプリメントは栄養補助食品なので、バランスの良い食事にプラスするような感覚で飲んでくださいね。

病院に行く

生理不順で悩んでいる人には、病院でホルモンバランスを整える治療をしてもらうのもおすすめです。ホルモン治療は、閉経してから起こりやすい骨粗しょう症にも効果的です。

もし、ホルモン治療が合わない体質だったり、生理不順以外の不調があったりする人は漢方薬を処方してくれる病院で治療を受けられます。漢方にはホルモンバランスを整えて生理不順をやわらげるだけでなく、女性ホルモンの乱れから起こる全身の不調にも効果的です。

どちらも健康保険が効くことが多いので、辛い時にはプロを頼ってみてくださいね。生理不順になると心配になってしまいますが、体の変化のためには避けて通れない道ともいえます。

でも、生活習慣や食事の見直しで、対策できることもたくさんありますよ。生理不順の解決方法を自分でも試してみて、時にはプロの力も借りて、体の変化とうまく付き合っていきましょう。

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