血糖値を下げるのに効果的な運動は?タイミングや種類まとめ |

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血糖値を下げるのに効果的な運動は?タイミングや種類まとめ

どれぐらい血糖値が高いと下げるために運動するの?

糖尿病で治療中の人はもちろん、健康な人でも、血液検査の結果が出たら気になっちゃうのが「血糖値」ですよね。何も言われなかったんだから大丈夫…と思いつつも、自分の血糖値って安心できるくらいの数値なの?って思う人も多いはず。

血糖値には糖尿病診断の基準になっている数値がありますが、「食事してからどのくらい経って採血したか」基準値は違ってきますので、自分がいつ食事をしたのかを思い出しつつ参考にしてみてください。ここでは日本糖尿病学会の治療ガイドを参照しています。

【空腹時血糖値は110mg/dL未満が正常型】

空腹時血糖値とは、最後に食事をしてから9時間以上経っている時の血糖値です。健康診断の時に「前日の夕食の後はなにも食べないでください」と言われて朝食抜きで採血するのはこれを測るためです。

126mg/dL以上になると糖尿病型として確実に指導が入りますが、110mg/dL以上126mg/dL未満の場合は「境界型」といって、糖尿病ではないけれど正常値でもない、いわゆる経過観察の要注意状態になります。

この「境界型」に入ってしまったら、運動をして血糖値を下げたほうが良い数値ですので、どの血糖値でも正常値より高くなったら運動を取り入れることを考えましょう。

【75gOGTT2時間値は140mg/dL未満が正常型】

75gOGTT2時間値とは「75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値検査」といって、空腹時血糖を測った時の状態に75gのブドウ糖を摂取して、2時間経った時の血糖値です。食後の血糖値だったらこれを参考にすると良いでしょう。

【HbA1c(ヘモグロビンA1c)値は6.0%未満】

HbA1c(ヘモグロビンA1c)値とは、血中のヘモグロビンとブドウ糖がくっついているものがどのくらいの割合あるかの数値です。このくっついたものは、簡単に離れたり急に増えたりする事がないので、ここ1~2カ月の血糖値が平均して高かったか・低かったかを見る事ができます。

もし検査前だけ色々頑張って血糖値を下げてたとしても、これが高いと「平均して血糖値が高かった」とバレてしまうわけですね。逆に検査日だけたまたま高かったとしても、これが低ければすぐに「糖尿病です」とはならないのです。

他の血糖値検査値として『随時血糖値』がありますが、こちらは食事とは関係なく測定した時の血糖値が200mg/dL以上だと糖尿病型と診断されます。たまたまやった血液検査でもこの数値が出てしまった時は、運動より先に専門の病院を受診してくださいね。


血糖値を下げるために運動が効果的な理由とおすすめの種類

血糖値が高くなると医師から「食事療法」「運動療法」の指導が入るわけですが、食事が血糖値に影響するのはわかるとしても、運動が血糖値にどう影響するか…と聞かれると『なんとなく良い』とか『言われたからやってる』という人もいるのではないでしょうか。

運動で血糖値が下がるのにはちゃんとした理由があって、なんでもやれば良い…というわけではありません。なぜ運動が良いかという理由と、どんな運動をどうやってやれば良いかがわかれば、モチベーションも効果も変わってきますよ。

運動が効果的な理由

血糖値が高い状態というのは、血液の中にブドウ糖がたくさん溢れてしまっている状態ですので、血糖値を下げるためにはこのブドウ糖をどうにかしなくてはいけません。

健康な人なら、すい臓から「インスリン」が出てきてブドウ糖を細胞にとりこんでくれるので、血液中のブドウ糖が減って血糖値が下がるのですが、糖尿病の人はこのインスリンの量が少なかったり働きが悪いので、いつまでたっても血糖値が高いままになってしまうのです。

それならどうするか?そこで「運動」です。運動の、特に有酸素運動をすると、筋肉がたくさんのブドウ糖をエネルギーとして使ってくれます。そうすると、体の中のブドウ糖が減るので自然に血糖値が下がる…というわけです。

さらに運動を長期間続けていけば、インスリンが良く出るようになったり、インスリンが効きやすくなる…といった効果もあるので、運動した時だけでなく普段の生活でも血糖値が下がるようになるのです。

血糖値を下げるには有酸素運動をどれぐらいすれば良い?

血糖値を下げるための運動は、そんなに何時間もする必要はありません。最低15分でも効果はあります。運動の種類や運動の強度にもよりますが、30分もやればじゅうぶんな効果が得られます。

どの運動でも共通するのは、運動中に会話ができるくらいでちょっと汗ばむ程度にやるということです。息切れして話もできないくらいでやってしまうと疲れすぎてしまいますし、鼻歌まじりでおしゃべりに夢中になれるくらいでは軽過ぎて効果がありません。

特に重要なのは、無理なく続けられるということです。すごい運動を三日坊主でやるよりは、できる運動を毎日続けるほうが断然良いですよ。体調が悪い時に無理をする必要はありませんが、まずは3カ月を目安に続けてみてください。

ウォーキング

いまや有酸素運動代表といっても過言ではなく、あちこちで「良い」といわれているウォーキングですが、血糖値を下げる運動としてもやっぱり効果があります。お手軽で万能なんて嬉しいですよね!

歩く時は背筋を伸ばして腕を大きく振ります。歩幅は大きく早歩きでおこなうと効果が高いです。ウォーキングシューズを用意できれば、楽に歩けて足や体への負担も軽くなるのでおすすめです。

ジョギング

ウォーキングじゃ軽すぎる…という人におすすめなのはジョギングです。といってもこちらもガンガン走るのではなく、話しながら走れるくらいのスピードで15分~20分以上やりましょう。

体を前に倒す力でちょこちょこ走る「スロージョギング」なら関節や心臓などへの負担も少なく、ウォーキングよりも消費カロリーが上がるのでおすすめです。

水泳

有酸素運動が良いとわかってはいても、足や腰が痛いときにウォーキングとかジョギングは無理…という人には水泳がおすすめです。ザブザブ泳がなくても水中ウォーキングで効果はあります。目安は20~30分で、それ以上やる時は休憩をはさみましょう。

浮力があるので足腰への負担は少ないですが、水の抵抗があるので消費カロリーはジョギングよりも高いという良いとこどりです。難点はいつでもどこでも…というわけにはいかないところですが、温水の市民プールがある地域ならば値段もお安く冬でも利用できます。


血糖値を下げるためのウォーキング・効果的な運動の時間帯やタイミングは?

いくつか有酸素運動を紹介しましたが、手軽に試せるのはやっぱりウォーキングですよね。「ほんとに運動で血糖値が下がるの?」と疑っている人でも、歩くだけならタダですし、健康に良い効果があるのはお墨付きです。

でも「血糖値を下げる」のが目的でウォーキングをするなら、ダイエット目的のウォーキングとはちょっと違った歩き方をしたほうがより効果が高くなります。

効果的な時間帯は午前中

これはダイエットでも言える事ですが、午前中にウォーキングをすると血流が良くなりその日1日基礎代謝が上がります。エネルギーを燃やすためのスイッチが早く入る感じですね。

日が高くなってくると、紫外線や気温の上昇など気をつけなければならないことも増えてきますので、午前中のウォーキングは9時くらいまでに終わらせるのがベストです。

ただし昼や夕方のウォーキングに効果がないわけではありません。生活時間帯もありますし、無理なく続けられる時間帯が一番です。ちなみに起きた直後や朝食前のウォーキングは低血糖になってしまう可能性がありますので、おすすめできません。

効果的なタイミングは食後

これがダイエット目的のウォーキングと一番違うところです。ダイエットの時は脂肪を燃やすことが目的ですので、脂肪をエネルギーとして使いやすい「食前」に行いますが、血糖値を下げる目的では断然食後がおすすめです。

食事をするとブドウ糖によって急激に血糖値が上がりますが、ここで運動をすることで血糖値を早く下げる事が出来ます。食前に運動した時よりも、食後に運動した時の方が血糖値と中性脂肪の数値が下がった…という研究結果もあるくらいです。

さらに、まとめて長時間運動したときよりも、毎食後15分のウォーキングをした時のほうが血糖値には効果があったという調査結果もありますので、今まで運動で血糖値が下がらなかった人も、タイミングを食後に変えてのウォーキングを試す価値はあるでしょう。

ただし「食後」といっても食べ終わった直後ではありません。「すぐが良い」という話もありますが、食べ終わってすぐの運動は心臓に負担がかかりますし、血糖値が一番高くなるのは食後1時間あたりですので、それに合わせて食後30分~1時間にウォーキングを始めましょう。

1日30分

1回30分ではなく「1日30分」なので、効果が出る15分のウォーキングを2回でもOKですし、効果の高い毎食後に10分ずつウォーキングをするのもアリです。続けやすい方法を選びましょう。

血糖値を下げる運動量として推奨されているのは1週間で150分以上ですので、毎日やれば210分で楽々クリア。お天気が悪くて2日できなくても150分やれる計算ですね。

週に3~4回は歩こう!

ウォーキングはもちろん毎日行うのが1番効果的ですが、風邪をひいたりして体調が良くない時だってありますし、大雨や雪でとてもウォーキングができない日もありますよね。仕事が忙しくてウォーキングする暇がなかった…なんて日もあるでしょう。

そんな日に無理やりウォーキングをしても体調が悪化してしまう可能性や体を壊してしまう可能性がありますし、なにより楽しくない!苦痛なウォーキングでは効果も半減です。

そんな時には…実は「無理して歩かなくても大丈夫」なのです。なぜかというと、ウォーキングをして『インスリンが効きやすくなる』という効果は、ウォーキングをやらない間も3日間続いたという研究報告があるからです。

ただし1週間たってしまうと完全に効果がなくなってしまうので、あまり間はあけすぎない方が良いでしょう。ウォーキングで血糖値を下げるには、最低でも週に3~4日歩いた方が効果がありますよ。


血糖値を下げるには筋肉を増やして脂肪を減らすのも大切!

血糖値でなんで筋肉??と思うかもしれませんが、血糖値にとって筋肉はとても大事な存在です。それは筋肉が「糖の貯蔵庫」の役割を持っているからです。

筋肉の量=糖を取り込める量…ということになりますので、筋肉を収納Boxに置き換えてみると、たくさん筋肉があれば大きい収納Boxにたくさん糖をしまっておけるのですが、少ない筋肉だと小さい収納Boxになってしまうので、しまいきれなかった糖が溢れかえる…というわけです。

筋トレで筋肉を増やすと、糖をしまえる量が増えていきますので血糖値は上がりにくくなります。くわえて筋肉が増えたぶん基礎代謝もあがりますので、エネルギーを消費しやすい体になり肥満の予防にも繋がります。

筋トレで脂肪を減らすと血糖値が下がる理由

なんとなく「太っていると糖尿病になりやすい」というイメージがありませんか?これはある意味正解で、ある意味間違っているとも言えます。

脂肪には「皮下脂肪」と「内臓脂肪」がありますが、血糖値と大きくかかわっているのは内臓脂肪です。これは見た目が太っている、いわゆる肥満の人はもちろんですが、見た目は痩せていても内臓脂肪が多い人もいますので、痩せていても安心はできないのです。

血液のなかには『アディポネクチン』というホルモンがあるのですが、このホルモンは糖質の代謝をうながしインスリンの働きを助ける役割があります。しかしアディポネクチンは内臓脂肪が増えると減ってしまうことがわかっています。

内臓脂肪が増える→アディポネクチンが減る→インスリンの働きが悪くなる→血糖値が上がる

というわけなんですね。逆をいえば、内臓脂肪を減らせばアディポネクチンが増えてインスリンの効きが良くなり、その結果血糖値が下がる…ということに繋がるのです。

家でできるおすすめの筋トレ方法

「筋トレ」というとちょっと苦手意識のある人もいると思いますが、最初は無理のない程度に少ない回数でも効果はありますので、ちょっとした空き時間に取り入れてみてくださいね!

【スクワット】
1:足を肩幅ていどに広げて背筋を伸ばす
2:両腕を地面と平行になるように前に伸ばす
3:膝がつま先より前に出ないようにしながらゆっくり膝を曲げる
4:太ももが床と平行になるまでお尻を下げたらゆっくり戻る
※背中が丸まったり反ったりしないように注意しましょう。慣れないうちはここまでお尻を下げなくても大丈夫です。

【骨ホルモンを増やす「かかと落とし」】
1:背筋を伸ばして立ち、ゆっくりとかかとを上げる
2:骨に振動が伝わるようにストンとかかとを下ろす
※1日30回以上が目安です。洗い物中やお鍋の沸騰まちなどちょっとした時間でも出来るのでおすすめです。

 

ウォーキングができない時…血糖値を下げる室内でできる運動を紹介!

いくら毎日のウォーキングが良いといっても、梅雨時期で雨が続いてしまったり、仕事で外を出歩ける時間帯には余裕がない時もありますよね。そんな時には家の中でできる有酸素運動を取り入れてみてください。

普段ウォーキングをしている時間に取り入れることで、せっかくできた運動習慣を乱すことなく続けられます。猛暑や極寒でも室内なら温度調節ができるので、ストレスなく運動できますよ。

踏み台昇降

学生の時に体力テストでやった人も多いのではないでしょうか?あの踏み台昇降です。踏み台は専用の台を購入することも出来ますが、新聞や雑誌の束を使って作る事もできます。

自分の体力に合わせて、10~25cmになるようにガッチリ縛ってください。グラグラしなければOKです。

【やり方】
1:右足を乗せ、左足も乗せて台に立つ
2:右足を下ろし、左足も下ろして元に戻る
※ウォーキングと同じく会話できるくらいの早さ、同じくらいの時間行ってください。キツイ時には5分から始めて増やしていきましょう。

ヨガ

ヨガはゆったりとしたイメージがあるので、あまり有酸素運動という感じがしないかもしれませんが、負荷が軽く長時間続けられ、深い呼吸で酸素をたくさん取り入れられる運動ですので有酸素運動の仲間です。

ヨガではインナーマッスルが鍛えられますので基礎代謝が上がり、脂肪が燃えやすく痩せやすい体になります。さらにヨガの呼吸法は交感神経の緊張を和らげ、ストレスを緩和する効果がありますので、血糖値を上げるホルモンの働きを抑えます

ヨガはウォーキングよりも運動強度が低いので、最低でも20分~1時間くらいを目安に行いましょう。自分に合ったヨガDVDを見つけて流しながら行えば、20分はあっという間ですよ。

【ヨガの基本の腹式呼吸】
1:鼻からゆっくり息を吸い、横隔膜を下げるイメージでお腹に空気をためる
2:鼻からさらにゆっくり息を吐き、お腹をへこませて息を吐ききる
※最初は仰向けになりお腹に手を置いて息を吸うと感覚がつかみやすいです。

エアロビック

エアロビクスは知っているけど、エアロビックって何??という人がほとんどだと思いますので、日本エアロビック連盟の公式ページを覗いてみましょう。

エアロビックは、アメリカのケネス・H・クーパー博士の提唱による運動処方理論「エアロビクス」を起源とし、1980年代初頭に健康体力づくりのための運動プログラムの一つとして日本に紹介されました。このため、生涯スポーツ(健康スポーツ)として広い裾野を持っています。

参照元:https://www.aerobic.or.jp/about/aerobic/

これだけだとまだ良く分からないと思いますので簡単に説明しますと、エアロビックは「競技エアロビック」という本格的な体操競技から、「スローエアロビック」という高齢者や運動が苦手な人でも楽しんでできるものまで幅広い種類がある運動です。

音楽に合わせて楽しく運動する…というところはエアロビクスも同じですが、体力や体の状態に合わせて選べるので、動画サイトを参考にしてみてはいかがでしょうか?これは「スローエアロビック」の一例です。

参照元:https://youtu.be/45ZLJyJM5MI

血糖値を運動で下げるポイントは、毎日続けられる有酸素運動を取り入れることと、週2~3回の筋トレで筋肉をつけて脂肪を減らす事です。

ただし運動を始めたからといってすぐに効果が出るわけではありませんし、運動だけに頼って食事をおろそかにしてもいけません。バランスの良い食事をとって糖質は控えつつ、効果が見えなくても3カ月は続けて運動をしましょう。継続は力なり!健康は一日にしてならずです。

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