倦怠感と吐き気があるのはなぜ?原因と症状 |

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倦怠感と吐き気があるのはなぜ?原因と症状

取れない疲労感や倦怠感、吐き気の原因

疲労感や倦怠感で体がだるく、吐き気を感じて困っていませんか?

疲れやすい

倦怠感と吐き気を感じるのは、体の疲れが原因となっている肉体的な原因と、ストレスなどの精神的な原因が関係していると考えられます。

 

肉体的原因

仕事が忙しく働き過ぎてゆっくりと休息が取れなかったり、睡眠不足の状態が続くと疲労が蓄積するため、だるさや倦怠感が起こります。また、生活のリズムが不規則の場合、その状態が続くことによってだるさや倦怠感があらわれることがあります。

精神的原因

倦怠感は、肉体的な原因ばかりでなく、精神的な原因によっても起こることがあります。例えば職場の人間関係や家庭のことで問題があったり、引っ越しや入学、就職、結婚などで環境の変化があったりすると精神的にストレスがかかります。

そのような精神的なストレスが積み重なることによって、体のだるさや倦怠感を感じることがあります。精神的なストレスは急に悪化するわけではないので、大したことがないからとそのまま放置しておくと、うつ病などの精神疾患につながる可能性もあるのです。


倦怠感と吐き気に微熱やめまいを伴う病気

倦怠感と吐き気があるばかりでなく、微熱やめまいがあるととても辛いですよね。

このような症状は、自律神経の乱れによって生じていることがあります。また、深刻な病気の可能性もあるので注意が必要です。

吐き気とめまいは密接な関係

めまいが起きる時は、吐き気や嘔吐、冷汗、微熱などの症状も一緒にあらわれることが多いようです。これは自律神経の乱れによるものと考えられ自律神経症状と呼ばれています。

自律神経とは、交感神経と副交感神経から成りたっており、人間が生命を保つために欠かせない働きをしています。自律神経は、内臓や血管、分泌腺などに広がり、体のさまざまな器官の動きをコントロールしている神経で、とても重要な役割をしています。

この自律神経と、平衡感覚を脳に伝える前庭神経は深く結びついています。そのため、前庭神経系にトラブルが起こると自律神経系にも影響を与えるため、めまいとともに吐き気があらわれるのです。

メニエール病の可能性も

メニエール病の最初の発作は何の前触れもなく突然起こり、自分や周囲がぐるぐる回る回転性の激しいめまいと、どちらか一方の耳にだけ起きる耳鳴り、特に低音が聞こえににくくなる難聴の3つが同時に起こり、症状は数分から数時間にわたって続きます。

そして、多くの場合吐き気や嘔吐をともない、冷や汗、顔面蒼白などが起こることもあります。過労やストレスが引き金になることがあり、放置すると耳鳴り・難聴が進行するため、医師の診断が必要になります。


ストレスからくる倦怠感と吐き気は自律神経失調症?

自律神経失調症とは、精神的なストレスや過労などが原因となって自律神経が乱れ、心や体に不調があらわれた状態のことを言います。

現われる症状は人によって大きく違うのが特徴で、代表的な症状としては、不安や緊張、抑うつ、吐き気、多汗、全身の倦怠感、頭痛、肩こり、手足のしびれ、冷え、動悸・息切れ、不整脈、めまい、不眠、食欲不振、情緒不安定などがあります。

自律神経失調症では、その他にも次のようないろいろな症状が出現することがあります。

  • 瞳孔の調節をうまくできず、光がまぶしくなる。
  • 副交感神経の機能が低下するため涙が出にくくなるドライアイや、理由もなく涙が出てしまう。
  • のどに違和感があり、食べ物を飲み込みにくくなったり口の渇きを感じる。
  • 女性ホルモンのバランスが乱れて月経不順や月経痛、不妊症になる。
  • 集中力が低下し仕事でミスが増える。
  • 両手や体全体がしびれる。
  • 交感神経が過度の緊張状態になり、怒りなどの感情を抑え込もうとして微熱が出る。

特に更年期の女性はホルモンバランスの乱れにより、自律神経に影響を与えるので不快な症状が出やすくなります。


吐き気と倦怠感を伴う自律神経失調症の治療法

吐き気と倦怠感を伴う自律神経失調症の治療法ですが、残念ながら「これをしたらすぐに治る」と言うような治療法はありません。ただし、薬物心理療法による対症療法で、不快な症状を和らげ改善させていくことができます。

また、薬を使わずに症状を和らげて心と体をリラックスさせる理学療法や、健康的な生活習慣をつけることができるようにするための生活指導によっても改善が期待できます。

薬物や心理療法

ダイレクトに自律神経失調症を治す薬はないのですが、薬によってそれぞれの不快な症状を和らげて、自律神経失調症の原因となっているストレスを軽減する効果が期待できます。

薬の副作用が気になる人もいるかもしれませんが、副作用が少ないとされる漢方薬が処方されることもありますし、日常生活を健やかに送るためにも、時には薬の力を借りることも大切です。

自律神経の乱れは精神面にもさまざまな症状があらわれるため、ストレスや心のケアをすることも大切です。うつ症状がある場合には抗うつ剤、不安感が強くあらわれている際には抗不安剤が処方されることがあります。

また、心の問題は専門医による心理療法を受けることも大切です。心理療法には、ストレスや心身症、神経症などに効果的とされている「自律訓練法」や心理的な手段を用いて心身に働きかける「精神療法」などがあります。

理学療法や生活指導

理学療法には、指圧、マッサージ、鍼、灸、温熱療法などがあり、そのうちの指圧・鍼・灸などは歴史のある東洋医学にもとづいた理学療法の代表的なものです。

理学療法は、体をほぐして不快な症状を和らげ心身をリラックスさせる治療で、血流やリンパの流れを良くし新陳代謝を活性化させることによって健康増進にも効果的です。

生活指導は自律神経失調症となった原因が、毎日の生活習慣にあるという考えから行われます。主に、食生活、睡眠、仕事、人間関係、たばこ、お酒など、生活のあり方を改善し、健全な生活習慣をつけていくように指導するものです。


倦怠感と吐き気に嘔吐や下痢を伴う場合

下痢や嘔吐を伴って起こる倦怠感や吐き気から考えられる病気には、腹痛や発熱なども伴う急性胃腸炎や、ウイルスが原因となって引き起こされる嘔吐下痢症などがあります。


急性胃腸炎

急性胃腸炎の主な症状は、腹痛、発熱、全身倦怠感、激しい下痢や水みたいな下痢(水様便)、そして嘔吐などです。急性胃腸炎になる原因は、ウイルスに感染して発症するものがほとんどだったのですが、近年ではストレスによる胃腸炎も増えてきました

人はストレスを感じると胃酸が過剰に分泌されてしまうため、胃の粘膜が溶けて胃が荒れてしまいます。その状態で食べ物やアルコールを胃の中に入れることによって、胃の粘膜がさらにダメージを受けて急性胃腸炎の症状が出てしまうのです。

嘔吐下痢症

下痢になる原因は、暴飲暴食や、冷えストレスなどによる過敏性腸症候群、細菌やウイルスへの感染、食中毒など、さまざまなことが考えられますが、そのうちのウイルスによる感染症胃腸炎は、「嘔吐下痢症」と呼ばれ嘔吐と下痢を伴います。

吐き気と下痢があるときには、まずはお腹を空っぽにして胃の負担を無くすことが大切です。吐き気が落ち着いてきたら脱水症状に気を付け、水分を少しずつ摂るようにしましょう。

ただし、刺激のある炭酸飲料やコーヒー、アルコール、脂肪の多い牛乳などは摂らないように気を付けましょう。


倦怠感と吐き気、上記以外の症状がある病気

倦怠感と吐き気に伴って起こる様々な症状のある病気についてご説明してきました。

それ以外の症状を伴う場合に、可能性のある病気がまだたくさんあるのです。

鉄欠性貧血

貧血の中で最も多い疾患である鉄欠性貧血は、体に必要な鉄分が不足するために起こり、鉄分不足の食生活や、胃潰瘍などの胃腸疾患の出血でも起こります。

主な症状としては倦怠感や頭痛、めまいや息切れなどがあらわれます。また、唇や爪の色が青白くなったり、爪が反り返ったりすることもあります。

「その他、倦怠感などに伴って起きる病気と症状」

  • 風邪やインフルエンザ・・・発熱やだるさ、頭痛、頭重感、鼻水、鼻づまり、咳などの呼吸器症状などがあらわれます。
  • 肝炎・・・A型、B型急性肝炎の感染初期は風邪に似た症状があらわれます。その後高熱、頭痛、横になっていてもつらく感じるほどの倦怠感などの全身症状や腹痛、下痢、吐き気などの消化器の症状があらわれます。このような症状が1週間程度続いた後、黄疸があらわれ目の結膜や顔の皮膚が黄色くなります。
  • 更年期障害・・・不眠の他に疲れやだるさ、肩こり、のぼせやほてり、イライラや気分の落ち込みなどがあらわれます。
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)・・・睡眠時間を十分とっても疲れがとれない、だるさが残るなどの症状があらわれます。
  • 慢性疲労症候群(CFS)・・・全身の疲労感、倦怠感の他に筋肉痛、睡眠障害、思考力の低下などがあらわれます。
  • うつ病・・・食欲の減退、睡眠障害、集中力の低下をはじめ、体の動きが鈍ったり、逆にイライラして焦る気持ちが強くなったり、疲れが激しくなるなど、心と体の双方に症状があらわれます。
  • 潜在的ビタミンB1欠乏症・・・体のだるさや倦怠感、足のむくみ、動悸、息切れなどの症状があらわれます。
  • 糖尿病・・・糖尿病が進行すると、だるさや倦怠感、のどが渇いてたくさん水分をとるために尿の量が増えるなどの症状があらわれます。
  • 腎不全

    腎不全とは、腎臓の機能が著しく低下することによって、尿として排泄されるはずの水分や電解質、有害物質が血液中に増加する病気です。

    腎不全によって臓器や脳に障害が発生すると尿毒症の症状を引き起こし、全身のだるさや吐き気、嘔吐、下痢、むくみ、頭痛、けいれん、幻覚、昏睡などの症状が起こります。

    さらに症状が進行すると有害物質が脳にも影響を及ぼし、けいれん、意識障害、昏睡状態などを起こして危険な状態になる場合もあります。


    倦怠感と吐き気だけでも気になるなら受診を

    倦怠感と吐き気だけの症状でも、気になるようなら病院に行くことを考えてみましょう。その場合にはかかりつけの主治医の診断を、めまいや耳鳴りを伴う場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。

    また、吐き気は脳卒中や腸閉塞、心筋梗塞などが原因で起きる場合があります。激しい頭痛や胸痛、腹痛、意識障害を伴う場合や、頭部を強く打った後に吐き気が起きた場合などは、大変危険性が高いので救急車を呼び、一刻も早く病院へ行くようにしましょう。

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