その腰痛は反り腰が原因かも?
女性の腰痛の原因のひとつと考えられる反り腰をご存じですか。反り腰とは、骨盤が前傾して体の重心や軸が後方に移動して、過剰に腰が前方へわん曲している状態をいいます。
反り腰で起こりやすい症状として、しゃがむと腰が痛い・長時間立ったり座ったりしていると腰が痛くなる・あおむけで寝ると腰が痛くなるなどという症状があげられます。そのまま放置してしまうと腰痛やヘルニアになる可能性が高くなります。
また見た目の印象も上半身と下半身がアンバランスで、ぽっこりお腹になる・お尻がおおきくなる、お尻が垂れるなど主に下半身への影響が表れます。
壁に背中を付け腰にこぶしがいれられる人は反り腰の可能性
壁に後頭部・お尻・かかとをぴったりとつけたとき、壁と腰の間に手の平をまっすぐ伸ばして腰のすきまにちょうど入るのが正常です。こぶしが入るぐらい隙間があると反り腰です。
また、あおむけに寝たとき、腰の後ろに手の平が余裕で入るほどの隙間がある場合も反り腰の可能性が考えられます。
スマホや運動不足、ヒールを常時履く人はなりやすい
外出時、ハイヒールなどかかとの高い靴をよく履く方は反り腰になりやすいです。ハイヒールを履くと一見、姿勢良く見えるのですが、つま先に体重がかかるのでバランスを取るために腰を反らせ、実は腰に負担がかかる姿勢になっているのです。
スマホやパソコンを座って長時間操作していると猫背になりがちです。猫背は頭や肩の重心が前に傾き過ぎて腰に負担がかかりやすい姿勢です。また、うつ伏せの姿勢でスマホを使うと腰が反った状態が継続してしまいます。
運動不足で筋力が低下すると、姿勢が悪くなったり骨盤の歪みが生じて反り腰になります。普段から適度な運動やストレッチをして体にバランスのいい筋肉を保つのが大切です。
腰が反ることで骨盤の歪みも生じ下半身太りにつながる
反り腰の状態が継続すると骨盤も歪んできます。お腹・ももの裏・おしりの筋肉が縮まったまま固まってしまい、太もも全体が太く、お尻が出ているような下半身太りの見た目になります。きれいなボディラインを維持するためにも反り腰を改善していきましょう。
反り腰による腰痛の治療や治し方
反り腰による腰痛の改善は、毎日ストレッチや腹筋を鍛えるなどの取り組みが必要です。
また、整体で骨格の歪みを矯正してもらうのも1つの方法です。
整体やストレッチなどで体の歪みを治す
反り腰改善にはストレッチや腰に負担がかからないトレーニングが良いでしょう。縮んだ筋肉を伸ばしてあげるのが大切です。無理のない範囲で実践してみてください。
また、反り腰で腰椎が歪んでいると体全体の骨格も歪んでいます。整体で腰椎の歪みを矯正して楽になっても、他の骨格の歪みでまた元に戻ってしまうことが多いので、ストレッチと併せて整体で治療、矯正してもらいましょう。
体全体の骨格と腰椎が矯正されていくと、徐々に腰痛が改善されていきますよ。
腹筋と腹横筋、大殿筋を鍛えるのが有効
腹筋・腹横筋・大殿筋を鍛えると体の前と後ろの筋肉バランスが良くなるので、正しい姿勢を維持できるようになり、反り腰の改善につながります。
反り腰だと腹筋や大殿筋は使わず、太ももの前面とふくらはぎなどの筋肉を酷使するので、太ももやふくらはぎが太くなって、下半身が大きくなってしまうのです。日頃の運動不足を解消し、筋肉のバランスを保つのが大切です。
痛みがなければ筋トレとストレッチを1日置きに行うのも効果的
背骨は本来、ゆるやかなS字カーブになっています。反り腰になると姿勢が崩れるので腰痛や肩こりなど痛みが出るようになります。日常生活で凝り固まった体をほぐすのに、ストレッチと筋トレは効果的です。
一日の終わりなどにストレッチをしてから筋トレを毎日行うと、正しい姿勢へと体が変化していきます。特にももの前面、アキレス腱、腹筋、背筋のストレッチをしっかり行ってください。
その後に太ももを90度以上上げるもも上げ運動や、腹筋のトレーニングなどを無理のない範囲で行いましょう。痛みをどうにかしようと、揉んだり押したりするとかえって筋肉を硬くしてしまいますので注意してくださいね。
また、腰痛は腰を反らせて楽になるタイプと前屈すると楽になるタイプがあります。後者のタイプが腰を反らせるストレッチや腰に負荷がかかるトレーニングをすると、腰の症状を悪化させてしまいますので避けましょう。
反り腰や腰痛を予防するには
自分が反り腰になっていると気付いたら、日常生活で常に姿勢を意識して生活してみましょう。
自分に合う椅子やマットレスを探すことも改善につながります。立ち上がったとき、鏡を見たときなどに意識して背筋を伸ばすのを習慣にしてみたり、人に協力をお願いして反り腰になっているとき注意してもらうなど、意識改革をしていくのも良い方法です。
椅子に座る時は深く腰掛け背骨がまっすぐになるように
椅子の背もたれが背中にフィットしているかを必ず確認しましょう。椅子に深く腰掛けて、背骨がまっすぐになっているかどうかで腰にかかる負担が変わります。
姿勢を良くしようと胸を張ると腰を反らせている場合が多いので、背筋を上から引っ張られているイメージで伸ばしてみましょう。
適度な運動で筋力をつけ、腹筋と背筋を意識し正しい姿勢を保つ
人はもともと前方に重心があるので、それをしっかり支えて重心を体の中心にするために筋力が必要です。筋力があると、きれいな姿勢を保てます。
姿勢を保つ筋力がないと、前に傾いた上半身のバランスを保つために下半身は後ろに持っていこうとするので、反り腰になってしまいます。正しい姿勢を維持するために、適度な運動を毎日行って筋力を高めていきましょう。
反り腰による腰痛をマットレスと寝方で改善
反り腰の方は、硬すぎるマットレス・柔らかすぎるマットレスを使用すると症状の悪化を招いてしまいます。人は人生の3分の1を寝て過ごすと言われています。寝具や寝姿勢など、一度あなたの寝方を見直してみましょう。
硬すぎるマットレスは腰が浮いたままの状態になり、腰の筋肉が緊張したままの状態が続いて、体が反り腰の状態を記憶してしまいます。また、柔らかすぎるマットレスは寝返りがしにくく、寝ながらにして反り腰の状態を維持してしまうので良くありません。
寿命は約6年、高反発マットレスが歪みに効果的
今あなたが使用しているマットレスにへこみや凹凸はありませんか?それはマットレスが寿命を迎えているということですので、そのまま使い続けると腰痛の原因になります。
また、マットレスの素材にもよりますが、3カ月に1回のローテーションで、表・裏・足・頭の位置ををひっくり返すという作業が必要です。
このローテーションをしないとマットレスの寿命が短くなる可能性が高いので、きちんとやっている前提で、使い続けられる期間は8~10年といわれているのです。柔らかめのスプリングは4~5年でダメになってしまうものもあります。
反り腰には高反発マットレスがおすすめです。適度な反発で寝返りもしやすいので、寝ている姿勢を矯正する作用が高いのが特徴です。
高反発マットレスを選ぶ際も、よほどの筋肉質や体重の重たい人でなければ、女性なら100~150ニュートンぐらいの硬さがちょうどいいでしょう。
100ニュートン以上のものが高反発マットレスを指します。体重の目安は下記を参考にしてください。
・50kg・・・100~150N(ニュートン)
・50~80kg・・・120~160N
・80~100kg・・・140~180N
・100kg・・・160~200N
中にはアスリート向きモデルで170~190ニュートンの非常に硬い商品がありますが、反発が強すぎて肩こりや腰痛、手足のしびれを引き起こす場合もあります。自分にあったマットレスを選ぶのが大切ですね。
抱き枕などで膝を曲げた横向き姿勢が〇、うつぶせ寝は逆効果
反り腰改善の寝方として、横向きで軽く膝と背中を丸めた状態で寝るのが良いです。その際、抱き枕を使用すると安定して寝やすいでしょう。無理をしてあお向けで寝たり、うつ伏せで寝るのはおすすめしません。
寝返りを打つことでゆがんだ体をほぐし腰痛予防に
睡眠時の寝返りはとても重要です。寝返りの効果は、睡眠時の血流やリンパの流れを整える作用、寝姿勢を矯正する作用があります。体の歪みや緊張をほぐし、老廃物が流れていくので、肩こりや腰痛の予防、改善の大きな手助けになります。
反り腰による腰痛をストレッチで改善
腰が反っていると背中の筋肉が常に緊張して血行が悪くなります。すると疲労物質を取り除く体の機能の効率が悪くなるので肩や腰に痛みを感じるようになります。
ストレッチをして血行を改善し、つらい腰痛の症状を緩和させていきましょう。
腰痛改善のウィリアムス体操
前屈して腰が楽になるタイプの方のための体操です。痛みが出ない範囲で行います。
1.仰向けに寝て、膝を抱えます。
2.2秒かけて顔を抱えた膝にくっつくように引きつけ、背中を丸めます。
3.1と2を1分の休憩をはさんで10回繰り返します。これを1日3セット行います。
お尻歩きは骨盤矯正とシェイプアップの一石二鳥
下半身ダイエットはお尻歩きが効果的です。お尻歩きのメリットは上半身の体重を下半身にかけるので、しっかり骨盤矯正できるからです。
骨盤の歪みを整えると、使う筋肉のバランスが良くなってある部分だけの筋肉を使いすぎるということがなくなるので、下半身が全体的に引き締ります。
お尻歩きの方法
1.両手を前に伸ばして姿勢よく床に座ります。
2.手を前に伸ばしたまま、お尻を前後に動かして前に進みます。この時、お尻と手は同じ方向を前に出しましょう。(お尻が右なら手も右を前へ)
3.つま先や足があまり浮かないように注意して進んだら、今度は同じように後ろへ下がります。
1日10分でも効果が表れますので、無理のない範囲で毎日続けましょう。
筋肉をほぐすキャットポーズと腹筋を鍛える船のポーズ
ヨガのポーズは筋肉の緊張をほぐし、血行をよくする効果があります。自宅で手軽にできるので、毎日続けてやってみましょう。
キャットポーズ(猫のポーズ)は背骨や肩甲骨の周辺を柔軟に動かして背中の筋肉をりらっくすさせる効果のあるポーズです。背中を丸める、反らすといった一連の動きで腰回りの筋肉もほぐれるので、背筋や腹筋のインナーマッスルも鍛えられます。
1. 床に四つんばいになります。両手を肩の真下に下ろして腕が床に垂直になるようにします。両手の指はしっかり開きましょう。足は、太ももが床に垂直になるようにして床につけ、足の甲を床につけてリラックスします。目線は両手よりも少し前を見ます。
2息を吐きながら、猫が背伸びをするイメージでお腹をへこませ、背中を丸めます。目でおへそを見るように頭を下げます。このままゆっくり深呼吸を3回くらいして30秒ほど姿勢を保ちます。
3.息を吸いながらゆっくりとあごを上げて背中を反らせます。目線は天井を見ます。ゆったりと深呼吸をして30秒ほど姿勢を保ちます。体が痛くなるところまで反らないように注意しましょう。
この1、2、3の動作を5~8回行います。
https://twitter.com/yoga_ohana/status/916274462323908608
船のポーズは腹筋を鍛えるのに効果的です。
1.膝を曲げて、体育座りの姿勢でお尻に重心をおきます。2つの座骨を意識しましょう。
2.息を吸ってゆっくり足を床からはなし、床と並行な位置まで足を持ち上げていきます。
3.腰は手前に引き背筋を伸ばして胸を開きます。このとき背中が丸くならないよう意識してください。
4.手を前に伸ばして足と同じ方向にのばします。
5.腹筋に力をいれて状態をおこし、背中を丸めないようにして、目線は指先、アゴは少し引きます。
6.1~5秒ぐらいその状態でキープして、身体をゆるめます。1~6を繰り返します。
https://twitter.com/howtwo_tv/status/923882488921018368
反り腰による腰痛を少しでも改善するために
反り腰は問題が美容面だけでなく、腰痛やヘルニア、ぎっくり腰や坐骨神経痛、さらに子宮や膀胱に圧力がかかって婦人科系の病気や頻尿などの原因になる場合もあります。
体が歪んでいるとさまざまな影響が考えられますので、反り腰は放置せずに少しずつでも改善していくことが大切ですね。