血糖値スパイクとは?原因・症状からチェック方法・予防・対策まで |

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血糖値スパイクとは?原因・症状からチェック方法・予防・対策まで

その眠気、糖尿病かも!血糖値スパイクとは

あなたは食後に強い眠気や倦怠感を覚えることがありませんか?その症状、糖尿病の入り口とも呼ばれる「血糖値スパイク」かもしれません。

血糖値スパイクとは、食後の血糖値が基準を超えて急上昇し、その後急に下がるという、血糖値の急激な上がり下がりが日常的に起きている状態のことを言います。別名グルコース・スパイクとも呼ばれ、糖尿病になりやすい症状なので注意が必要です。

乱高下する血糖値

健康な人であれば血糖値の上がり下がりに大きなふり幅はあまり見られません。食事をとるともちろん血糖値は上がりますが、食後30分ほどで緩やかに下降します。

ところが、血糖値スパイクの症状がある人の血糖値は、食後2時間後からいきなり跳ね上がり、その後急激に降下するのです。

普通の健康な人がゆっくりとした電車に乗っているとすれば、血糖値スパイクが起きてしまっている人はジェットコースターに乗っているという感じです。

健康な人はゆったりとした気分で生活ができますが、血糖値スパイクが起こっている人の身体では目まぐるしく血糖値の上がり下がりが行われているのです。

食後2時間で急上昇

血糖値は通常食事をした後にゆっくりと上昇し、2時間経つころには食べる前と同じくらいの値まで下がります。健康な人であれば、このサイクルの繰り返しとなりますが、血糖値スパイクが起こっている人は別です。

本来ならゆっくりと上がるはずの血糖値が食後2時間で急上昇します。すると、血糖値を下げようとしてインスリンが大量分泌されるため、急上昇した血糖値は一気に急下降します。この様がジェットコースターに例えられる理由です。

急降下すると低血糖状態に

急上昇した血糖値はインスリンの大量分泌の働きにより急降下を始めます。そうなると血糖値は低い値まで下がってしまいます。血糖値の値が低いことを低血糖といい、低血糖状態になるとめまいや手の震え、頭痛などの症状が表れます。

低血糖状態は血糖値が70㎎/dl以下になると症状が表れだし、50㎎/dlを下回る頃から意識障害や認識力低下などの症状が出てきます。低血糖状態を放置すると昏睡状態に陥り、最悪の場合命を落とすこともあるため、血糖値が高くても低くても、身体にとって悪い状態なのです。

血糖値スパイクの原因と症状

血糖値スパイクを引き起こしてしまう原因ははっきりとしているため、食事内容や食事方法を改善することで予防や対策ができます

通常であれば食後2時間経過するとインスリンの働きで血糖値が下がってきますが、血糖値スパイクを引き起こしていると血糖値の急上昇・急下降により食後強烈な眠気が襲ってくることもあります。

食後に強い眠気に襲われるという場合は、隠れ糖尿病の危険性も。検査を受けた方が良いといえます。

炭水化物の多い食事

普段から炭水化物の多い食事をしている人は血糖値スパイクを引き起こす確率が高いといえます。血糖値を上昇させる、インスリンを分泌させるのは「糖分」しかないからです。

また朝食を抜いていて、昼食にドカ食いをすることも血糖値スパイクを引き起こしやすいので止めた方が良いでしょう。

食事時間が少ない場合も注意が必要です。早食いも血糖値を急激に上昇させる原因となるため、しっかりとよく噛んで時間をかけて食べるようにした方が血糖値の上昇は緩やかになり、血糖値スパイクを引き起こす可能性も低くなります。

ストレス・喫煙も

ストレスや喫煙も血糖値と深い関係があり、血糖値に悪影響を与えてしまいます。

まずストレスですが、過度のストレスや疲労などの体調不良は血糖値を上昇させやすい状態になっています。そのため、その状況で糖分を過剰に摂取してしまうと血糖値を急上昇させることになります。

また喫煙している人は、喫煙していない人に比べてインスリンに対して抵抗性が高くなっています。インスリンに対する抵抗性が高いと、インスリンの働きが悪くなり血糖値を下げることが難しくなります。高血糖状態を改善したいのであれば禁煙をおすすめします。

空腹時の発汗・動悸

血糖値スパイクを引き起こしているときの特徴的な症状は、空腹時の発汗や動悸です。他にも頭痛や震え、頭がボーっとするなどの症状が表れる場合もあります。

強い眠気・イライラ

他にも強い眠気やイライラに襲われることもあります。通常なら眠気に襲われても食後2時間ほどで解消されるのですが、血糖値スパイクを引き起こしているといつまでも強い眠気に襲われたままで一向に改善しない場合もあります。

中には食事をしながら眠ってしまう人もいるくらいです。

イライラも同様で、発散しているのにいつまでもイライラして落ち着かないなどの場合には血糖値スパイクを引き起こしている可能性が高いです。動悸や発汗、眠気などの他の症状も併発している場合には、早急に病院で受診しましょう。


食後高血糖?血糖値スパイクチェック

血糖値スパイクを引き起こしやすい人と言われているのは、細身の女性や食事時間が早い人、近親者に糖尿病患者がいる人などです。

通常血糖値は急激に上がり下がりすることはありません。しかし、生活が不規則だったり喫煙をしていたりと健康面に問題が多い人ほど血糖値のバランスが乱れやすく、血糖値スパイクを引き起こしやすいのです。

では自分が血糖値スパイクに陥りやすいのかチェックしてみましょう。

近親者が糖尿病である

糖尿病に遺伝性があるかどうかは賛否両論ですが、糖尿病の遺伝には民族性があると考えられています。そのため、近親者に糖尿病の人がいると、自分もかかりやすい傾向にあります。

自分は血糖値が正常だと思っていても、血糖値スパイクは検査でも引掛りにくいことが多いため悪化してから気づくケースが多いです。そのため近親者に糖尿病の人がいる場合には自分も糖尿病(予備群も含めて)の疑いがあると認識しておきましょう。

喫煙をする

喫煙者も血糖値スパイクを引き起こしやすいといえます。喫煙をすると体内でインスリンに対する抵抗性ができてしまうため、インスリンの働きが悪くなってしまいます。

インスリンは血糖値を下げる役割を持っているので、血糖値が下がらない状態が続けば糖尿病の危険性がグンと上がってしまいます。

太り気味でお腹が出ている

肥満状態が続いている場合も血糖値スパイクに気をつけましょう。太り気味でお腹がでている、いわゆる肥満傾向にあると、肥満細胞が悪玉化してしまいます。肥満細胞が悪玉化してしまうと、インスリンの働きを弱めてしまいます。

そのため血糖値が上がった状態から下げることができなくなるため、血糖値スパイクや糖尿病を引き起こしやすくなってしまいます。

高血圧である

普段から高血圧状態が続いている場合も血糖値スパイクや糖尿病の恐れがあります。糖尿病患者の約40%~60%は高血圧を併発しているといわれています。

血圧が上がるほど血糖値スパイクのリスクが高まるため、動脈硬化の他にも心筋梗塞、脳梗塞などの病気の危険性が他の人に比べて高くなります。また高血圧薬などを服用していると、血糖値を上昇させる場合があるため注意が必要です。

運動不足である

普段から運動をしていない場合も危険です。運動不足になると、体内に要らない脂肪が溜まっていきます。余分な脂肪が溜まれば溜まるほど、血管を圧迫していくため高血圧になりやすく、糖尿病リスクも上がります。

運動をしないと血糖値が上がりやすくなってしまうため、家事などちょっと身体を動かすことでも良いのでなるべく運動するようにしましょう。

また極度な運動(ベンチプレスなど筋肉や身体全体に強度の負荷をかける運動)は逆に血糖値を上昇させてしまうので控えるようにしましょう。


血糖値スパイクの予防と対策

血糖値スパイクを起こさないためには、自分で血糖値をコントロールする必要があります。

食事の内容や食べ方に気をつけるだけで血糖値は簡単にコントロールは簡単にできるので、さっそく今日から実践してみましょう。

ゆっくり食べる

食事はなるべく時間をかけて食べるようにしましょう。早食いをすると急な血糖値上昇を招き、血糖値スパイクを引き起こしやすくします。良く噛み、時間をかけて食べるのが理想です。

いつも食事のスピードを気にしていない場合は一度食べる時間を計ってみましょう。量にもよりますが、5分~10分で食べきってしまうのであれば、もう少しゆっくり噛んで食べることを意識してみましょう。

糖質を控えめに

炭水化物である糖質は控えめに摂るようにしましょう。炭水化物が多いと血糖値が急上昇します。炭水化物であるご飯は少なめに、おかずを多くするなどして糖質摂取を抑えるようにしましょう。

ただ、糖質は頭のエネルギーになるため、あまりに少ない量にしてしまうと身体のバランスが崩れてしまいます。血糖値の上昇が怖いからと極端に減らすことは止めましょう。

野菜を先に食べる

野菜を先に食べると野菜に含まれている食物繊維の働きで血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。食事をするときは野菜を先に食べるようにしましょう。

食物繊維の働きにより、胃の中にいる時間が通常より長くなるため血糖値がゆっくりと上昇します。胃の中の滞在時間が長ければ長いほど腹持ちも良くなるため、間食も防止できてダイエット効果も期待できますよ。

食物繊維には2種類あり、血糖値の上昇を緩やかにしたいのであれば水溶性食物繊維の方を選択しましょう。水溶性食物繊維を含んでいる食材はリンゴ、柿、イチゴ、キウイ、モロヘイヤ、ゴボウ、豆類、海藻類などです。

低GI食品を選ぶ

GI値とはグリセミック・インデックス(GI)値の略称で、血糖値がどれだけ上がりやすいかという値のことです。低GI値なら血糖値の上昇は低め、高GI値なら血糖値の上昇は高くなります。

そのため血糖値を気にするのであれば低GI値食品を食べるようにしましょう。低GI値食品は米類なら玄米、麺類ならそばや中華麺、野菜ならタケノコ、ブロッコリー、ホウレンソウなど、果物ならイチゴや梨、リンゴ、サクランボなどです。

白米やじゃがいも、パイナップル、人参、そうめん、パスタなどは高GI値に分類されるため気をつけましょう。


健康診断じゃダメ?血糖値スパイクの検査

健康診断では問題ないのに血糖値スパイクを引き起こしている人はたくさんいます。それは、健康診断の血糖値の検査方法では検出しにくいからです。

血糖値スパイクが起きるとされている時間は食後2時間後ですが、健康診断の検査は空腹時に行なうことが多いため、医師であっても見落としてしまうのです。

実は家庭でも道具さえあれば血糖値をしらべることが可能で、食後1時間の血糖値が140㎎/dlを超えていなければ良いとされています。では健康診断では血糖値スパイクを見抜けない訳や家庭での検査方法を説明しましょう。

空腹時血糖ではわからない

血糖値スパイクが起こるのは食後2時間後です。そのため病院で検査する方法では見つけることが難しく、医師であっても検査結果が異状なしと出てしまえば見落としてしまうのです。

なぜかというと、健康診断で血糖値を調べる場合は食後2時間後ではなく空腹時の血糖値だからです。健康診断では他にも検査する項目があるため、食事を抜いてくるようにと指示されているはずです。

血糖値スパイラルは、空腹時の血糖値が正常な人が多く、食後2時間後に急上昇・急降下する現象なので、空腹時の血糖値を検査しても検査に引っかからないのです。

機器を使えば家庭でもチェック可能

では血糖値スパイクはどうやって見抜くのでしょうか?

それは自宅で血糖値を測るか、病院で血糖値スパイクが起きている可能性がある、と自己申告して検査してもらうかのどちらかです。血糖値測定器を使えば誰でも自宅で血糖値を測ることができます。

血糖値測定器は穿刺針(せんしばり)という針で指先を刺して使用します。針を刺すとほんの少し血が出るので、それを測定器用のチップに付け、測定器にセットすると血糖値が表示されるというものです。

本体からチップまで揃えると10000円前後です。針やチップは使い捨てなので、その都度買い替える必要があります。使用頻度によってはかなりのお金がかかりますが、もしご自分が血糖値スパイクを引き起こしているか心配な場合はぜひ使ってみてください。

血糖値測定器はネットや薬局で売られているので誰でも手にすることができます。


糖質を食物繊維でブロック!血糖値スパイクを防ぐ

血糖値を食事で改善したいのであれば、積極的に食物繊維を含んでいる食材を食べるようにしましょう。食物繊維には血糖値の上昇を緩やかにする効果があるので、血糖値の改善に良いとされています。

だだし、早食いはダメです!血糖値を下げることができないので、良く噛んで食べるようにしましょうね。

野菜や海藻が糖の吸収を防ぐ

水溶性食物繊維を含む野菜や果物、海藻を良く噛んで食べるようにすると、胃や腸の中で糖の吸収を抑えてくれます。水溶性食物繊維の方が粘度に優れているため、食物の移動速度や消化吸収速度を遅くしてくれます。

野菜や海藻類をたくさん食べ、食物繊維の働きを利用して血糖値上昇を抑えましょう。

食物繊維の入ったお茶を飲む

食物繊維は野菜や海藻類だけでなく、お茶にも含まれるようになりました。食物繊維が含まれているお茶は「特保(特定保健用食品)」が目印で、健康維持や改善に効果があるとされています。

薬ではないので誰にでも効果が表れるというわけではありませんが、食物繊維が含まれているので野菜嫌いならこちらのお茶で不足する食物繊維をカバーするようにしましょう。

現代社会では食物繊維を充分に摂れている人はごくわずかです。そのため食物繊維は意識して摂取するようにしなければ、必要量の摂取が難しいのです。

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