首こりを解消する簡単ストレッチ
ストレートネックや姿勢の悪さ、自律神経の乱れと首こりの原因は実にさまざまです。ストレス社会の現代では、首こりが慢性化しているという人もいるでしょう。
そこで、日頃首こりに悩んでいる人が簡単にできるストレッチ法をいくつか紹介します。とても簡単にセルフケアできるので、無理をせずにゆっくりと呼吸をしながらストレッチしていきましょう。
また首こり解消には鎖骨や肩甲骨のつまりをほぐすことが大切です。力いっぱい押したり叩くことがないように、少し痛気持ちいいと感じるくらいの力でストレッチ・マッサージをしましょう。
鎖骨→肩→首のストレッチ
まずは鎖骨のもみほぐしからはじめ、徐々に肩や首へと頭の方向へ上がっていくストレッチです。
- 鎖骨のもみほぐし・・・鎖骨を指で沿ってもみほぐしながら移動します
- 両肩の上げ下げ運動・・・両肩を垂直に上げ下げします。リラックスするようにストンと肩を下ろしましょう
- 首の横たおし・・・右手を頭の上から左耳にあて、腕の重みを利用して首を右へ倒し5~10秒キープします。左も同様に行います
無理に力を込めて行うと痛いだけなので、気持ちいいと感じるくらいの力をキープしながら行います。両肩の上げ下げは勢いよく行うと肩を痛めることがあるので、ゆっくり上げてストンと力を抜くように肩を降ろしましょう。
首の横倒しは肩こりにも良いといわれています。首こりだけでなく肩の運動にもなるので、湯船に浸かりながら行うと血行も良くなりさらに温まります。
肩甲骨のストレッチ
次は肩甲骨のストレッチです。上半身を伸ばすようなイメージで行ってみましょう。座りながらもできますが、立ちながらの方が体がかがみやすいです。
- 肩甲骨離し・・・手を胸の前で組み、大きなボールを抱えるように手と胸をゆっくりと離します
- 肩甲骨寄せ・・・両手を後ろで組み、体をかがめて組んだ両手をまっすぐ天井へ上げる。組んだ手を離さないように注意しましょう
寝ながらスマホをいじったり、本を読んだりしていると自然と肩甲骨は寄り気味になります。そのため肩甲骨離しのストレッチで寄ってしまった肩甲骨を離すようにしましょう。
肩甲骨周り全体が息苦しいと感じているときにはセットで行い、肩甲骨周りの筋肉を刺激してあげましょう。
首こりを解消するタオルを使ったストレッチ
首こりの原因として首がまっすぐに歪んでしまう「ストレートネック」という症状があります。ストレートネックは健康な状態に比べて頚椎の生理的前湾角度が30度以下しかありません。
ストレートネックには4つ折りにしたバスタオルをくるくると丸めたバスタオル枕が有効です。バスタオル枕を首のくぼみに当て、後頭部が若干浮くぐらいの状態で寝ると首元がすっきりして寝起きも良いです。首こりに悩んでいる場合には試してみると良いでしょう。
また首こりにはタオルを使ったストレッチも有効です。タオル一枚あればどこでもできるストレッチなので、お風呂上りや運動の後など体が柔らかくなっているときに行ってみましょう。
タオルストレッチ1
後頭部と首の境目に細くしたフェイスタオルを当てます。そのまま仰向けになり、顎を少しあげてキープしてみましょう。寝ながらでも立ちながらでも行えます。
頭を上げるというよりも、タオルで後頭部を上に持ち上げるような感覚で行うと境目あたりに良い刺激が生まれます。ひじを若干閉じるように行うとやりやすいです。
タオルストレッチ2
次はバスタオル枕を使ったストレッチです。首の下にバスタオル枕を入れて仰向けになり、天井に向けて手を組みます。その手を大きく円を描くように回すだけの簡単ストレッチです。ゆっくりと組んだ手を回し左右10回繰り返しましょう。
次にお腹の上で10回、頭の上で10回を繰り返して終了です。首の下にバスタオル枕を入れると若干斜め上を向くようになりますが、視線はそのままで肩・首がリラックスした状態で行いましょう。
タオルストレッチ3
このストレッチもバスタオル枕を使います。肩の下にバスタオル枕を入れて仰向けになり、左手で右肩をおさえながら右手は天井にあげます。上にあげようとする力と下に押さえつけようとする力が拮抗するように意識しながら行い、左も同様にストレッチします。
拮抗するといっても押さえつける力の方が強いと肩を痛めることがあるので、あげようとする力と同じくらいの力を意識しましょう。
タオルストレッチ4
次はフェイスタオルを使います。細くしたタオルを肩幅に持って座ります。腕を伸ばして真上にあげ10秒キープ、胸の位置まで下げて10秒キープしましょう。できるなら20秒くらいキープしてもいいですね。
また首の後ろで上にあげる、腕が下がるところまで下げてみるのも首こり・肩こりに有効なストレッチです。首だけでなく背中まで伸ばしたいときには首の後ろでタオルをゆっくり上げ下げしてみましょう。
首こりを解消する寝ながらできるストレッチ
首こりを解消するストレッチはこれだけではありません。寝ながらできるストレッチもあるので、寝る前の10分など時間を見つけて行ってみましょう。寝る前のスマホなどは不眠だけでなく首こりの原因を作ります。
なるべく寝る前は刺激になるものを避け、体がリラックスできるようにストレッチしてみましょう。
寝ながらストレッチ1
寝ながらできる1つ目のストレッチは横向きに寝て、両手を伸ばして頭の上で合わせます。肺に向かって呼吸をするように意識してみましょう。腕は伸ばして肺に息を吹きかけるようなイメージです。
仰向けで行うと首の負担が大きいので横向きになって行った方がやりやすいです。
寝ながらストレッチ2
次のストレッチも横向きに寝て、上の手を肩に当てて、ゆっくりと肩の付け根から回すように行います。左右ともに行いますが、勢い良く回転させるのではなく、ゆっくりと肩を回して肩の筋肉をほぐすイメージで行いましょう。
最初は動画を見ながら行い、慣れてきたら寝る前に行ってリラックスしてから眠りにつきましょう。肩が何となく気持ち悪くて寝れない…といったときにも有効です。
寝ながらストレッチ3
最後のストレッチは仰向けになり、両膝を立てた状態で頬を床につけるように首を横にまげていきます。あまりに傾かない場合には少し腕の力で頬を押さえても良いですが、無理に行うと逆に首を痛めるので注意しましょう。
左右両方とも行い、10秒ほどキープできるようにしましょう。
首元を温めると、首こりストレッチの効果が高まる
首が硬いな、肩が冷えているな、というときにはストレッチをしても特にほぐれたという感覚がないですよね。
そうした場合には体が冷えているせいで筋肉が強張っているので、湯船に浸かったあとにストレッチをしたり、電子レンジで作った即席ホットタオル・暖かグッズなどを使って首元を温めるようにしましょう。
首元が温まるとその周りの血流が良くなって筋肉が動かしやすくなるだけでなく、ストレッチの効果自体が高まります。血行不良は冷えを引き起こし、首こりや肩こりの原因になるので、日頃から首元を冷やさないように気をつけましょう。
寒い冬などは首を守るためにタートルネックを着たり、マフラーやネックウォーマーで首を冷やさない工夫をしましょう。また暖房をつけていても、ずっと同じ体勢でいると血行が悪くなるので、少し首周りの筋肉を刺激してからストレッチしましょう。
首こりストレッチにセルフケアを加えると効果が高まる
首こりにはストレッチだけが有効なわけではなく、日頃のセルフケアを追加することでより解消していきます。
首こりは冷え性だけでなく、ストレスや長時間の同じ姿勢などによって引き起こされます。これらを事前に防ぐためにも、日頃から体をよく伸ばすように心がけたり、姿勢が悪くなっていないかセルフチェックするようにしましょう。
意識して深呼吸や伸びをおこなう
デスクワークが多いとずっと同じ姿勢を続けるので、体が強張ってしまいますよね。また仕事が忙しいと、呼吸しているという意識もなくただ黙々と机に向かっているでしょう。しかしこれでは首こりを悪化させるだけです。
そのため日頃から意識して深呼吸や伸びをするようにしましょう。ちょっと休憩でコーヒーを飲むときなどに、いっしょに体を伸ばしてリラックスしたり、深呼吸するだけでも筋肉の緊張をほぐすことができます。
適度に行うように意識して、ずっと同じ体勢でいることがないようにしましょう。
天柱や風池のツボをおす
首こりにはツボ押しも有効です。特に天柱・風池と呼ばれるツボが首こりに効きます。
場所は風池が首筋のすぐ横のうなじの窪み部分に、天柱は風池から指一本ほど内側よりの下にあります。ちょうど首筋をなぞるように下に移動すれば風池・天柱のツボがみつかります。痛気持ちいいくらいの力で指圧してみましょう。
壁を使って正しい姿勢を確認する
姿勢が悪いと壁に背を預けても前に傾いていることが分かります。
- 壁から30㎝以上前に一度立つ
- そのままを姿勢を崩さないように徐々に後ろに下がり、背中が軽く壁につくくらいまで移動する
- 壁と腰の間があるかどうかをチェックする
これだけの方法で姿勢が良いか悪いかを判断できます。壁よりも腰が離れすぎている・すき間が無いといった場合には猫背・反り腰の可能性が高いです。正常であれば手のひらが入るくらいのすき間しかできません。
自宅で簡単にセルフチェックできるので今日にでもやってみましょう!
簡単ストレッチで首こりを緩和しよう
首こりは普段から解消するようにストレッチやマッサージをしていないと、いつの間にか積み重なって簡単なストレッチでは解消できなくなってしまいます。そのため日頃のセルフケアやストレッチがとても重要で、それが痛みを左右するといっても良いでしょう。
首こり・肩こりが悪化すると仕事にも支障がでてしまうので、自宅で簡単にできるストレッチを行い早めに解消するようにしましょう。健康な体作りは自分の意識一つで実現できますよ。