脇汗の臭いはエクリン腺が原因?
脇の汗はエクリン腺とアポクリン腺という部位から出ています。一般的にエクリン腺から出る汗は無臭に近い臭い、アポクリン腺から出る汗はエクリン腺から出る汗より臭いが強いといわれています。
エクリン腺の汗はサラサラとしているため臭いはほぼ無く、アポクリン腺から出る汗は粘ついており白っぽいため臭いがキツイのが特徴です。主にこの2つの腺から出る汗が脇汗の臭さを左右します。
エクリン腺からの汗は本来は無臭
エクリン腺から出る汗は本来は無臭です。エクリン腺の汗の成分が水分とミネラル分なので、触ってもサラサラした汗なので特に臭いも気になりません。
一方アポクリン腺から出る汗はエクリン腺から出る汗とは違いタンパク質や脂質などの成分を含んでいるため白く粘っています。
主に臭いといわれるのはアポクリン腺から出る汗の方ですが、エクリン腺・アポクリン腺から出た汗が皮脂腺の汗と混ざり合うことでワキガのような強烈な臭いへと変化してしまうのです。
臭いはエクリン腺が衰えているため
脇汗のニオイを臭くさせないためにはエクリン腺から出されるサラサラな汗にする必要があります。普段から汗をかかない生活をしていると、このエクリン腺が衰えてしまいサラサラな汗をかきにくくなるためアポクリン腺の方から臭い汗が出てしまいます。
普段からエアコンの効いた部屋で仕事をしている、部屋に籠りっぱなしだという場合には特に衰えやすい環境なので、運動をして脇の汗腺を鍛えるなどしてサラサラの汗をかけるようにしなくてはいけません。
脇汗の臭いを抑える対策
脇汗の臭いにおいを抑えるには脇の汗腺を鍛えて汗をかきやすくし、サラサラな汗にすることです。サラサラな汗の方が臭いが少ないため、次第に脇汗の臭いも抑えられていきます。
また、肉類などの動物性タンパク質を多く食べていると汗が臭くなることもあるので、食事内容の見直しをする必要があります。
定期的な運動で汗をかく
定期的な運動をすることで汗をかくようになるので汗腺を鍛えることができます。汗腺が衰えると汗の中にアンモニアなどクサい臭いを放つ成分が排出されてしまうため汗が臭くなってしまうので、定期的にウォーキングやジョギング、スクワットなどをして汗をかくようにしましょう。
べたつくような汗ではなく、汗をかいても気にならないようなサラサラ汗なら、汗腺も鍛えられてきている証拠です。
ぬるめのお湯に20分浸かる
ぬるめのお湯に20分ほど浸かってよく汗をかくのもおすすめです。汗をかくことで汗腺も鍛えられますし、血行も良くなるので冷えも改善し代謝が良くなり、痩せやすい身体にすることもできます。
汗をかくことで体内の老廃物も排出されるようになるので運動が続かない人はお風呂で汗をかくようにしましょう。
肉類の食べすぎも刺激臭が出やすい
肉類の食べ過ぎも汗臭さに繋がってしまうため食べ過ぎないように気をつけましょう。また臭いの強い食べ物も汗の臭いを強くしてしまいます。汗の臭いが気になるときは控えた方が良いでしょう。
肉中心の生活をしているなら野菜を増やしたりしてバランスの良い食事に見直してみましょう。
服を洗濯しても臭い!脇汗対策
汗をかいたとしても、すぐにその洋服を洗濯すればある程度の汗は洗い流されるので臭いが気になるほどではありませんが、中には服に汗臭さが付着して取れないこともあります。
汗の臭いが取れないからと何度も洗ってしまうと服も傷んでしまうので、汗臭さが取れない時は洗い方を変えてみましょう。
酵素系漂白剤や酢水・重曹に30分浸ける
漂白剤にはいくつか種類がありますが、汗の臭いや汗染みを取り除きたいのであれば酵素系漂白剤で浸けおきしておきましょう。もし自宅にあるもので済ませたい場合には酢水や重曹でも効果があります。
水に溶かして使うよりもお湯に溶かした方が皮脂の汚れも落としてくれるので、余裕があれば50℃くらいのお湯に浸けおきしておきましょう。
酵素系漂白剤は色物や柄物に使うと脱色させてしまうものもあるため、新品の洋服や大切な洋服をつけ置きする場合には洗濯表示や様子を見ながら行いましょう。
皮脂を落とすためにお湯で洗う
通常洗濯機で洗う場合には水で洗濯されますが、それでは水分である汗は流せても脂分である皮脂までは十分に洗い流すことができません。お湯で浮かして落とした方が皮脂も落としやすくなるので、洗濯機にお湯を溜めて洗ってみましょう。
蛇口からお湯が出る場合は楽ですが、もし無理なようであれば、洗面器にお湯を溜めて洗濯機に溜めるようにします。残り湯を使うのであれば、お風呂が終わったあとに洗濯機の汲み取り機能を使うのも良いでしょう。
スーツや制服はアイロンのスチームを当てておく
スーツや制服など洗濯機で洗えないようなものはスチームアイロンを当てておきましょう。特に脇の部分などは裏返してしっかりと水蒸気を当てておきます。
当てた後は少し湿っている状態なので、しっかりと乾かします。半渇きだとカビなどを繁殖させる原因になるため、今度は脇汗の臭いよりもカビ臭くなってしまいます。
脇汗の臭いを防ぐ!制汗剤とデオドラント剤
脇汗の臭いを防ぎたいなら、洗濯とあわせて制汗剤やデオドラント剤を使うようにしましょう。
よくスーパーなどで制汗剤とデオドラント剤は同じコーナーで売られていますが、どちらがどういった役割を持っているか知っているでしょうか?制汗剤は主に汗の分泌を止めるもので、デオドラント剤は殺菌や消臭が目的として作られています。
商品によって効果が違うので、見た目だけに騙されずに、商品内容をきちんと確認してから買うようにしましょう。
汗の分泌を止めるのは制汗剤
汗の分泌を止めたいのであれば制汗剤を選ぶようにしましょう。制汗剤でなぜ汗が止まるのかというと、汗腺を収れんさせるからです。収れんとは毛穴を引き締めることで、簡単に言ってしまうと汗腺に制汗剤でフタをするのです。
しかし制汗剤を使用しても、かいてしまう汗が多い場合にはその効果も薄れてしまいます。汗のニオイを抑えたいのであれば、汗腺にフタをするのも良いですが、サラサラで臭くない汗をかくようにしましょう。
効果はスプレー<ロールオン<スティック<クリーム
制汗剤やデオドラント剤を購入するときに形状にも気をつけるようにしましょう。汗が多い場合にはスプレーものよりもクリームの方が効果が高いです。
効果の高さで選ぶのであればクリームですが、クリームはスプレーと違いベタベタしやすい、服にくっつきやすいなどのデメリットがあります。
効果で選ぶなら収れん剤と汗吸収剤配合のクリーム
クリームでもさらに効果の高いものが良いのであれば、収れん剤と汗吸収剤が配合されているものを選びましょう。
成分名でいえば、収れん剤はクロルヒドロキシルアルミニウムやミョウバン、吸収剤は酸化チタンが有名です。制汗剤やデオドラント剤を買う前にどんな成分が配合されているか一度確認してから買うようにしましょう。
ポリエステルは注意!脇汗の臭いはインナーで解決
スポーツウエアなどポリエステル素材でできている洋服は臭いが繁殖しやすい環境です。繁殖要素である水分、温度、栄養が揃いやすいため細菌が繁殖しやすく臭いをよりきつくします。
汗の臭いを抑えたいのであれば吸水性の良いインナーを着用するようにしましょう。
綿や麻のインナーがお勧め
ポリエステル素材のインナーを着ている場合には綿や麻のインナーに替えるようにしましょう。綿や麻はポリエステルに比べて吸収性に優れているため汗の臭いを抑えられます。
ただ汗染みしやすい素材なので、汗染みが気になる場合にはサテンやメッシュなどの素材のインナーを選びましょう。
消毒液のオスバンで浸けおき洗いが効果的
雑菌の繁殖を抑えたいのであれば、薬局で売っている「オスバン」という消毒液を薄めて浸けおき洗いをしましょう。浸けおきなんてめんどくさいと感じるかもしれませんが、洗濯洗剤と同時に使用しても効果が無くなってしまうといわれています。
そのため洗濯洗剤と一緒に選択したとしても除菌どころか洗浄もできないことになるため、多少手間でも浸けおきしてから通常のように洗濯機で洗うようにしましょう。またオスバンを使う際は、必ず注意事項を守るようにしましょう。
浸けおきの場合は400~1000倍に薄めたオスバン液に約2時間ほど浸けおきしてから一度すすぎ、通常洗濯の流れで除菌と洗浄ができます。
脇汗の臭いの根本的対策とは!?
根本的に脇汗のニオイを改善したいのであれば皮膚科や美容整形での治療が最も効果的です。しかし他の方法に比べて時間や費用がかかってしまうので、余裕がある場合のみ試すようにしましょう。
治療方法は手術をするものや塗り薬だけでの治療、注射での治療とさまざまです。病院によっても治療方法が変わってしまうので、「皮膚科だから」と安易に決めるのではなく、どんな治療をしているか確認し予約を取って行くようにしましょう。
ボトックス注射で脇汗を抑える
ボトックス注射とは脇に注射をすることでエクリン腺からの汗を抑える治療法です。治療時間も約5分~10分と短いため時間を取らないので会社帰りでも治療が可能です。しかし効果が永続的ではないので効果が切れたらまた注射、と何回か繰り返す必要があります。
ボトックスとはボツリヌス菌から摘出されたタンパク質のことで、あまり馴染みがありませんが、他にも眼科や神経内科の治療に使われています。
臭いの原因エクリン腺とアポクリン腺を除去
汗のニオイの原因であるエクリン腺とアポクリン腺を除去してしまう方法もあります。手術となってしまうため、高い費用がかかることと、病院によって取り除き方が違うためよく説明を聞いておく必要があります。
手術内容によりますが安くても15万~20万、高くて40万前後かかるので費用や時間、自分のコンプレックスなどと相談して治療内容を決めるようにしましょう。