血管がブドウ糖だらけに!血糖値の急上昇
食事をとったあとに集中力が低下したり、急に強い眠気や空腹感を感じたことはありませんか?
もしかしたらそれは血糖値スパイクかもしれません。
怖い!血糖値スパイク
血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急上昇してしまう症状を言います。
通常、空腹時の血糖値は109mg/dl以内に収まり、血糖値が上がる食後であっても140ml/dlを超えることはほとんどないのですが、血糖値スパイクはこの140ml/dlを優に超えてしまいます。別名を食後高血糖といいます。
無症状で血管を傷つける
血糖値スパイクの怖いところは自覚症状がないこと。自分が気づかないうちに体中の血管が傷めつけられ、突然死やがん、認知症などを引き起こす原因となります。
すい臓や腎臓もダメージを
血糖値が急上昇すると、血糖値を抑えるための物質であるインスリンを分泌するすい臓が疲れてしまい、インスリンが分泌されなくなったり効きが弱くなることで糖尿病になります。
また、体内で吸収しきれなかったブドウ糖が尿に混ざってしまうことで腎臓への負担も増え、慢性的な腎臓障害を引き起こすこともあります。
血糖値の急上昇が細胞を傷つける
血糖値が上昇すると体内に活性酸素が大量に発生することが分かっています。
また、血糖値を下げるための物質であるインスリンが過剰に分泌されることで様々な病気のリスクが上がってしまいます。
大量の活性酸素が発生
血糖値が急上昇すると細胞から大量の活性酸素が発生します。活性酸素には体の中に存在する菌類を排除する役割があり、細胞の健康のために必要不可欠なのですが増えすぎてしまうと細胞にダメージを与え、体をサビさせてしまいます。
動脈効果が進む
血糖値が急激に変動することで活性酸素が増え、血管の壊死や炎症を引き起こします。その傷を治すために免疫細胞が集まることで動脈硬化を引き起こしてしまいます。
認知症・がんのリスクも増大
血糖値の急上昇を頻発すると、脳の血管内にアミロイドβという物質が蓄積します。このアミロイドβは認知症を引き起こす原因といわれています。認知症の症状が見られる人のなかで血糖値スパイクを起こしている人は、健康な人の1.5倍もいるそうです。
また、血糖値を下げるために分泌されるインスリンですがこれには細胞を増やす働きがあります。がんは細胞が悪性に変異したもの。つまり、インスリンの過剰分泌によってがん細胞も増やしてしまうのです。
その症状、血糖値の急上昇が原因?
血糖値スパイクによって急激に血糖値が変化することで体に様々な不調を引き起こします。これをそのまま放置して糖尿病を発症してしまうと、一生に渡って投薬治療や食事療法が必要になります。
症状に身に覚えがあれば、一度専門機関に相談してみましょう。
食後の異常な眠気
血糖値の高さと眠気には密接な関係があります。血糖値が高くなると脳内ホルモンのひとつであるオレキシンという物質の分泌が低下します。
オレキシンには眠い状態と覚醒状態の切り替えをするスイッチのような役割があり、血糖値が急上昇してオレキシンの分泌が減ってしまうことで急激な眠気に襲われるのです。
喉が渇き大量に水を飲む
血糖値が上がると血液の浸透圧が高くなり、細胞内の水分が血液に取り込まれてしまいます。それにより体内の細胞の水分が減少し、のどが渇くのです。
食欲があるのに痩せる
食べているのに痩せるというのはかなり症状が進行している可能性があります。糖尿病は体内で吸収・消化しきれなかったブドウ糖を尿と共に排出するのですが、症状が進行すると体に必要な栄養までも排出してしまうようになります。
そうなると、食べても食べても栄養が吸収されず垂れ流し状態になってしまい体は栄養不足に陥ります。生命を維持するためにはエネルギーが必要ですから、それを体内に蓄えられた脂肪や筋肉から得ようとするわけです。それによって、どんどんと痩せていってしまうんですね。
倦怠感・疲労感
血糖値が高い状態が長く続くと血液がドロドロになってしまい血流が悪くなります。そのため全身に栄養や酸素が十分に行き渡らなくなり、身体の機能が低下するので倦怠感や疲労感を強く感じるようになります。
また、尿中に糖が一緒に排出されるようになるとミネラルも共に排出されてしまいます。ミネラルは歯や骨、血の材料となるカルシウムや鉄分をはじめとし体の機能を保つために非常に重要な栄養素です。ミネラルが欠乏することで様々な不調を引き起こしてしまいます。
果糖も血糖値に影響!急上昇を抑える食べ物
健康診断で異常がなかったり、痩せている人でも血糖値スパイクの方は多くいます。血糖値スパイクは糖尿病の予備軍。
日々とっている食べ物を改めて見返してみましょう。
果物の果糖にも注意!
果物に含まれる果糖は血糖値に影響せず、GI値(ブドウ糖の数値100を基準とし、血糖値の上昇スピードを数値化したもの)も低め。ですので、日々の食事に摂りいれるのはいいのですが、人体は果糖を多く消化できません。
そのため摂り過ぎると消化不良を起こし腹痛などを引き起こしますので摂り過ぎには注意しましょうね。
食物繊維を多く摂る
食物繊維は血糖値が急激に上昇するのを抑える働きがあり、糖質を効率よくエネルギーに変える手助けをしてくれます。
特保のお茶で血糖コントロール
特保のお茶に含まれている難消化性デキストリンは消化しにくいデンプンのことで水溶性食物繊維の一種です。
デンプンはブドウ糖が結合したものですので、体内で消化されると通常はブドウ糖にまで分解されるのですが、難消化性デキストリンはブドウ糖にまで分解されないため血糖値が上がらないのです。
ダイエットにも効果的!血糖値を急上昇させない
血糖値スパイクを回避するためには、摂取する糖質の量を制限することが一番手軽で確実なのですが、それができていれば苦労しないですよね。
また、血糖値が上がりインスリンが大量に放出されると脂肪をため込みやすくなります。これを防げばダイエット効果も期待できますので、ぜひ以下の方法を試してみてくださいね!
野菜→肉→ごはんの順番で
食事の順番に血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。まずは野菜から食べ、血糖値に影響しないタンパク質(肉や魚)の次に炭水化物を摂るのが理想的です。
また、食べ物をきちんと噛まずに飲み込むのも血糖値を上げてしまう原因となりますので、ゆっくりとよく噛んで食べることも大切なポイントです。
食べてすぐに動くのが効果的
血糖値は食後に上昇するのですが、食後に運動することで上昇を緩やかにすることができます。手や足を動かすことで血液が胃に集中するのを防ぎ、糖質を吸収するスピードを緩やかにします。食後15分はまめに体を動かすと良いでしょう。
1日3食きちんと食べる
食事を抜くと血糖値は急上昇しやすくなります。朝食や夕食を抜くダイエットもありますが、これは方法を間違えると太りやすい体にしてしまう危険も。忙しくても、毎日3食を規則正しく摂ることが大切です。