間違った食事が慢性胃炎の原因に(萎縮性胃炎・逆流性食道炎)
繰り返す胃の不調は、体質と思って諦めてしまいがちですよね。でも、慢性胃炎はストレスだけが原因じゃないんです。普段何気なくとっている食事にも、胃痛の原因は潜んでいます。
慢性的な胃の不調を断ち切るには、毎日の食事もとっても大切です。胃の不快感を感じている人は、食事にも気をつかってみましょう。
絶食したり急に食べたり・・
絶食したり急に食べ物をたくさん食べたりするのは、胃に大きな負担がかかるので避けましょう。普段から腹8分目ほどを心がけて、暴飲暴食はしないというのが基本です。また、胃痛を感じるときは、何も食べたくないかもしれませんが絶食してしまうのはNGです。
胃痛を感じているときは、胃酸が多く出ていることが多いので、食べ物がないと胃酸が胃を刺激してしまいます。胃痛を感じるのなら消化のよい食べ物を食べて、安静にするようにしましょう。
刺激の強い食材や胃腸に悪いメニュー
冷たい食べ物や飲み物を一気に食べたり、刺激の強いものをたくさん食べるというのはもちろん胃腸によくありません。食物繊維もお通じによいといわれていますが、消化に悪いので胃痛を感じるときは食べない方がいいんです。
香辛料たっぷりの食事や脂っこいものは避けて、日本食を食べるように心がけましょう。アルコールも飲みすぎると胃の粘膜を剥がしてしまいます。胃の調子が悪いときは、お酒を我慢してくださいね。
萎縮性胃炎や逆流性食道炎かも
長引く胃痛や胃の不快感があるとつらいですよね。慢性的に胃の調子が悪い場合は、萎縮性胃炎や逆流性食道炎の可能性があります。
萎縮性胃炎は、胃酸を分泌する胃腺が小さくなってしまい胃の粘膜が薄くなってしまう病気です。委縮性胃炎が悪化すると、癌になってしまうこともあるので注意が必要です。慢性的に胃炎を起こしていると萎縮性胃炎になる可能性があります。
逆流性食道炎は、強い酸性の胃液が食道に逆流して胸やけを感じる病気です。自覚症状が少ない人もいるので、胃の不快感や、のどの違和感を感じる人は病院で相談してみましょう。
逆流性食道炎は、胃のぜん動運動が低下したり、脂肪分やタンパク質を食べ過ぎても起きる病気です。脂肪分の多い食事は胃酸を増やしてしまうので胃液が食道に逆流しやすくなってしまいます。
慢性的な胃炎も放置すると、大きな病気に繋がるので一度病院で検査してもらうと安心ですね。
慢性胃炎の食事で積極的にとりたいもの
胃の調子がすぐれない時は、何を食べていいのか迷ってしまいますよね。消化の良い食べ物を食べるというのが基本ですが、どのような食べ物がいいのかしっかり覚えておきましょう。
胃炎のときに食べるとよい食事をしっかり覚えて、早く胃痛を治しましょう。
温かい飲み物
胃の調子の悪いときは温かい飲み物を飲みましょう。特に、牛乳をホットにして飲むのがおすすめです。牛乳は胃の中で膜を作って、胃酸から胃を守ってくれるので胃痛を感じるときに飲んでみてはどうでしょうか?
お茶に含まれるタンニンは胃の働きを活発にするので、胃のぜん動運動が低下しているときはおすすめです。ですが胃酸の分泌が多いときには胃に良くないこともありますので、胃酸が多いときには牛乳やお白湯にしておきましょう。
飲み物の温度は、熱すぎず冷たすぎずで胃の負担がない温度のものを用意しましょう。
消化の良い食べ物
胃が痛いときは、どうやってバランスよく食事をとればいいのでしょうか?タンパク質では、卵やヨーグルト、プリン、豆腐や油の少ない鶏肉がおすすめです。糖質では、やわらかいご飯や、パンやうどんといった食品が胃に負担をかけません。
野菜や果物をとるときは、胃酸が出てしまう酸っぱいものや食物繊維が多くないものを選びましょう。カブや大根、ニンジン、リンゴ、レタスや小松菜といった食材がおすすめです。
慢性胃炎に優しい食事メニュー・レシピ
慢性的に胃が痛いと、なかなかしっかりと栄養をとることが難しいですよね。
でも、胃に負担をかけない食事を選び、体を健康にしていきましょう。胃の不調のときに食べたいレシピを紹介していきます。
玄米クリーム
玄米をクリーム状にしたものは、胃に優しくしっかりと栄養をとることができます。風邪を引いてしまったときや、食欲のない高齢者にもおすすめなのが玄米クリームです。
玄米クリームは、作るのに少し手間がかかってしまいますがパウチに入ったものが販売されています。市販のものは、食欲のないときにでも手軽に食べることができるのでおすすめです
外食のメニューは
胃の調子が悪くても、どうしても外食しなければいけないときはリゾットや雑炊がおすすめです。脂っこいものや香辛料の強い食事は避けるようにして、消化の良いものを選ぶようにしましょう。
五分粥食は胃に優しいレシピ
お家にあるご飯で、さっとできる五分粥も胃に優しいので試してみましょう。五分粥の作り方は、難しくないので体調のすぐれないときにも簡単に作ることができます。米を1としたら、お米の量の10倍の水を入れるのが五分粥です。
五分粥は重湯が多めで、胃に負担がかかりにくいのでぜひ作ってみてください。少しお塩や卵を入れて、食べやすくおかゆをアレンジしてもいいですね。青汁を飲んだり、豆腐、練りごまやネギを添えて栄養を補うとバランスもよくなります。
多くの方におススメの、一番基本のお食事です。
<1食分の内容>
・青泥(野菜70-100g分)、または青汁(1合)
・玄米五分粥 70g
・豆腐 半丁
・ねりごま 小さじ1
・昆布粉 小さじ1
・きざみネギ 少々
・塩 5-7g ・・・青汁、お粥、豆腐それぞれに必ずかけて食べる
慢性胃炎は食事で改善・食べ方・食事量と回数を制限
暴飲暴食や不規則な食事をしている人は、胃腸が絶えず動いていて胃に負担をかけているのかもしれません。
一度、胃を休ませるために、食べ方や食事の回数を工夫してみましょう。
食べ方・タイミング
毎日とっている食事ですが、消化、吸収、排泄には多くのエネルギーが必要で、およそ18時間もの時間が必要になります。その間、消化器官は常に動いているので、休まる暇がありません。夜食や間食を辞めて、胃を休ませる時間をとりましょう。
制限する食事メニュー
アルコール飲料や、濃いお茶、炭酸飲料は胃腸を刺激するので控えましょう。食物繊維の多い食事や、脂っこいものを控えて胃に優しいメニューを心がけてください。食物繊維が不足して便秘が心配な人はマグネシウムをとると便が柔らかくなります。
ノンカフェインでマグネシウムが豊富に含まれているルイボスティを飲んだり、便秘に気をつけながら食事を替えてみましょう。
食事量・回数
胃もたれを感じる人は、1日2食を実践してみるのもおすすめです。朝、食欲がない人は、体が食べ物を拒否している状態なので無理して朝食をとる必要はありません。内臓にも休息を与えて、胃を休めてみましょう。
慣れないうちは野菜ジュースやおもゆを1食として3食とり、様子を見るのもおすすめです。
食事以外の慢性胃炎の治療方法(生活・漢方・医療)
慢性胃炎では、食事以外にも気をつけることがたくさんあります。
胃の不調はストレスや自律神経の乱れから起きることも多いんです。毎日の生活でもしっかりと胃をケアしてあげましょう。
生活・睡眠では
胃の不調を治すには規則正しい生活が大切です。決められた時間に食事をしたり、しっかりと睡眠をとることで自律神経のバランスを整えることができます。できるだけストレスが溜まらないような生活を送るというのも大切です。
胃炎に優しい漢方
漢方薬を試したいときは、六君子湯(りっくんしとう)や半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)といったものがおすすめです。
年齢を重ねていて、慢性的に胃炎を感じる人に使用されるのが、六君子湯(りっくんしとう)です。食欲不振や胸やけがある人に、おすすめされることが多いです。
げっぷを良くしたり、吐き気が伴う慢性的な胃炎の人には、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)という漢方がおすすめです。空腹時に特に胃痛を感じる人は、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を試してみましょう。
感じている症状によっておすすめの漢方は違ってくるので、薬局の薬剤師に相談してみるのが確実です。
ピロリ菌の除去
慢性胃炎のほとんどは、ピロリ菌が原因ともいわれています。ピロリ菌の検査は、病院で行われていますので気になる人は受診してみましょう。内視鏡を使って胃の状態を見てもらったり、組織を分析することでピロリ菌がいるかどうかが分かります。
便や血液検査でもピロリ菌を発見することができます。ピロリ菌がいた場合は、飲み薬を処方されて除菌の治療が行われます。胃の痛みがなかなか治らない人は、我慢せず病院に行きましょう。