肩関節周囲炎は五十肩の原因?
五十肩は医学的には肩関節周囲炎と呼ばれます。
肩関節周囲炎の原因はまだはっきりとわかっていないですが、加齢に伴って骨・軟骨・靭帯(じんたい)・腱(けん)の働きが弱まり肩の関節組織が硬くなったり縮んだりすることで炎症や痛みが起こると考えられています。
五十肩の原因は肩の石灰化?
五十肩の原因はいまだにはっきりと解明されていません。
似たような症状の病気もあるため、気になる症状がある場合は医師の診断を受けましょう。
筋肉の内部が石灰化する「石灰化腱炎」
石灰化腱炎は肩の筋肉(腱板、棘上筋(きょくじょうきん))に炎症を起こす作用の強い炭酸アパタイトが生じることで発生します。
五十肩と症状が似ていますが、五十肩の場合は以前から肩に違和感や痛みがあり、様子を見ていたところ痛みが悪化したという症状が多いのですが石灰化腱炎はいきなり強い痛みを感じる場合が多いです。
ストレスなどが重なると発症しやすい
五十肩は加齢が原因となりますが、普段の偏った生活習慣やホルモンバランスの乱れ、ストレスなども原因となります。これらの行動は血行不良を招くため五十肩を発症しやすいです。
五十肩の原因と症状とは?
五十肩になってしまっても、痛みは数週間から半年、長くても1年半でおさまります。
肩も楽に動かせるようになりますが、動く範囲が狭くなってしまうこともあります。
猫背の人はなりやすい?
猫背の人は背中が曲がり、頭が前になっている状態です。そのため肩の動きが制限され、筋肉の使われ方が大きく変わります。試しに猫背になって腕を上げてみてください。肩が上げにくいことを実感できると思います。
猫背になっていると日常生活で肩にかかる負荷が大きくなってしまうため、五十肩になりやすくなります。
痛みが繰り返し起こる場合は要注意
痛みが繰り返し起こったり、60歳を超えてから五十肩の症状が出たり、腕が震えるほど痛みが強い場合は注意しましょう。五十肩とは違う病気が潜んでいる可能性があります。
五十肩の痛みの特徴と原因
五十肩は発症し始めに強い痛みを感じ、徐々に痛みが弱まっていきます。
時期によって生活の仕方も変わりますので注意しましょう。
「急性期」は激しい痛みが
五十肩は発症するとするどい痛みが発生し、指先までしびれるような強い痛みが数日~数週間続きます。この期間を急性期といいます。無理に肩を動かすのは絶対にやめてください。痛みが治まるまでは安静にするようにしましょう。
痛みが強い場合の対処法としては患部を冷やすのがおすすめです。
「慢性期」は痛みが軽くなる
急性期が落ち着くと肩が動かしづらい慢性期に突入します。痛みは鈍いものに変わりますが、肩を自由に動かせません。痛みが引いたら積極的に肩を使うようにしましょう。
筋肉の動きが少なくて冷えやすいため、ゆくりお風呂に入ったり温感湿布などを使って肩を冷やさないよう注意しましょう。
痛みの原因は?五十肩の治療と対処法
肩に激しい痛みを感じ、五十肩になってしまったと感じたら無理に動かすのはやめましょう。
できるだけ安静に過ごし、痛みが引いてくるのを待ってください。痛みがひどい場合は鎮痛剤を飲むのもいいでしょう。
「薬物療法」と「運動療法」で治療
五十肩は自然に治ります。しかし、放っておいたら治るわけではありません。時間の経過と共に痛みは感じなくなりますが、肩の動きは元に戻りません。痛みをとりつつ、肩の動きを正常に戻すために適切な治療を受ける必要があります。
薬物療法は痛みを取り除くための対処法で急性期に行われる治療です。主に飲み薬が処方されますが、痛みが強い場合は注射で痛みを取り除きます。慢性期に入ったら肩の動きを回復するための体操やストレッチを行います。
筋肉の緊張をほぐす「物理療法」
温熱、電気刺激、低周波線などを用いて行う治療法で、血液循環を改善したり筋肉の緊張や痛みを取り除きます。筋肉を運動しやすい状態に整え、運動療法と併用して行われます。