ストレスで免疫力は低下する?その原因とは?
健康に欠かせないのが体をウイルスなどから守る免疫力ですが、季節の変わり目や生活習慣によっては低下してしまうことも。
まずは免疫力が低下する原因について紹介していきます。
加齢
免疫力は残念なことに年齢とともに低下していきます。免疫力は20歳でピークを向かえ、40歳では50%も低下するため年齢とともに感染症やがんといった病気が多くなるといわれています。
食生活
年齢といった自然現象だけではなく、食生活によっても免疫力は下がってしまいます。インスタント食品が中心の食生活や野菜不足により体に必要な栄養素が不足すると体が本来持っている抵抗力が正常に働かなくなるのです。
ストレス
育児や仕事などの過度なストレス状態は、交感神経が優位になりすぎるために自律神経が乱れてしまいます。自律神経が乱れると冷え性や不眠、食欲不振といった症状もあらわれます。
体は1℃でも体温が下がると30%も免疫力が下がるといわれているので自律神経が乱れている人は免疫力にも注意が必要です。
免疫力が低下するとどんな症状が出るの?初期症状はこれ!
年齢とともに低下する免疫力ですが、ストレスや食生活とも大きな関係があるんですね。
体を守っている免疫力が低下すると、実際にはどのような症状があらわれるのでしょうか。免疫力が下がったときにあらわれる体の変化について紹介していきます。
風邪を繰り返したり悪化する
人は日頃から空気中にあるウイルスや細菌といった病原体に晒されています。そんな病原体が体内に侵入した場合、ウイルスを攻撃をしてくれるのが自己免疫なのですが、何度も風邪を引くというのは免疫力が下がっているのかもしれません。
全身倦怠感やだるさがとれない
寝ても疲れがとれないといった症状や、全身がだるくて体が重く感じるといった場合も免疫力の低下や内臓疾患の可能性が考えられます。また、自律神経の乱れもだるさを引き起こすことがあるため、体が不調を起こしているサインだと考えておきましょう。
口内炎
口の中に口内炎や口唇ヘルペスができると、食事がとりづらくて億劫ですよね。口腔内はウイルスが入りやすい場所ですが、もともと300種類を超える常在菌も存在しています。
免疫力が低下すると口の中の常在菌のバランスが崩れるため、口内炎や口唇ヘルペスが起こることもあるのです。
何が免疫力低下の原因?起こりやすい病気とは?
免疫力が低下すると大きな病気を引き起こしてしまうこともあります。
免疫力とかかわりが深いといわれている病気について紹介していきます。
アレルギー症状
皮膚の湿疹や、花粉によるアレルギー、じんましんなどは免疫力の低下によって起こり易いといわれています。例えば、花粉症はヘルパーT細胞という細胞が、花粉を有毒な物質だと勘違いしたことで起こります。
ヘルパーT細胞は免疫力の低下によって正常に働かなくなることもありますので、アレルギー症状と免疫力の関係は深いのです。
カンジダ
カンジタは常在菌の一種でもともと人の体内にいるのですが、体の抵抗力が弱ると増殖してしまい性器カンジダ症といった症状を引き起こします。
女性の5人に1人は経験したことがあるといわれる病気ですが、普段から風通しの良い下着を身に着け、免疫力を高めることで予防しましょう。
免疫力の低下を招く原因かも?抗生物質やステロイドも要注意!
抗生物質やステロイド剤を長く服用している人は、免疫力が下がることがあります。
ただ、免疫力が下がる可能性があるからとすぐに服用を中止するのではなく、副作用をきちんと確かめたうえで正しく薬を服用することが大切です。
抗生物質は使いすぎず!
抗生物質は炎症に効くといった効能があるのですが良い菌も殺してしまうことがあり、抗生物質の効かない菌が繁殖してしまう恐れがあります。
使用期間を誤ると耐性菌ができるといったリスクもあるため、処方された薬は用法・用量を守って服用し、医師の指示に従ってください。
ステロイド使用は短期間に
ステロイド剤は長期間使用すると正常な細胞を傷つける場合があり、免疫力の低下を引き起こすことも。用法・用量を守って使用しましょう。
ステロイドには免疫を抑えるという効能があるため、抵抗力が下がり風邪やインフルエンザに罹りやすいといわれています。こちらも、前にもらった薬を自分の判断で使うといったことはせず、医師の指示に従って正しく使うようにしてください。
過剰な筋トレは免疫力を低下させる?
過剰な筋トレや運動のやりすぎも免疫力を低下させます。
体によいといわれている運動ですが、かえって健康を害してしまうこともあるって知っていましたか?
運動しすぎて風邪を引きやすくなることも!
プロのアスリートたちは一般の人よりも風邪などの感染症にかかる頻度が数倍も高いというデータがあります。フルマラソンをすると、その後の2週間以内に5割から7割の選手が風邪の症状が出ているという報告もあり、これは免疫力が下がっているのが原因ということです。
人の体力には2種類あり、一つは「行動体力」と呼ばれ、もう一方は、「防衛体力」と呼ばれます。行動体力は、筋力や持久力などを言いますが、防衛体力は、病原体や疲労、ストレスなどから体を守る鍵でもある免疫力のことです。
「激しい運動をすると筋肉が損傷し、それを修復しようとして免疫細胞が働く。この結果、腫れや痛みといった炎症が起こる。だが、日常的に過酷なトレーニングを続けていると、体はなるべく炎症を起こさないように免疫反応を抑えるようになる。こうして、感染症に弱い状態が生じる」と鈴木准教授。
グルタミンが鍵
筋トレをすると免疫を担当する細胞のエネルギー源であるグルタミンという物質を消費してしまうため、免疫機能を低下させることがあります。適度な運動は体の免疫力を高めますが、疲労がなかなか回復しないような極度な運動は控えるようにしましょう。
免疫力低下は血液検査で分かる?医師に相談・早期解決!
自分の体調の変化は意外にも見落としがちですが、免疫力の低下は血液検査でもわかることがあります。
血液検査の数値でわかる免疫力について紹介していきます。
白血球
免疫力を司っている免疫細胞は血液の中に含まれている白血球が主体なので、免疫力が低下すると白血球の数値が低下してしまいます。逆に白血球の数値が多いと、体の中で炎症が起きていたり、感染症に罹っているといった可能性が考えられます。
赤血球
赤血球も血液の中に存在し、全身に酸素を運ぶ役割を担っています。赤血球の数値が下がっていれば、肌にも元気がなくなり、口内炎や免疫力が低下してしまうこともあります。他にも貧血を起こしていたり痔や子宮筋腫といった病気が疑われることもあります。
ヘモグロビン
ヘモグロビンは赤血球の主な構成物質で、基準値を下回ると貧血や鉄分不足が疑われます。ヘモグロビンが低下すると、体が低酸素状態となり、動悸がするといった症状が起こります。
内科で診てもらうこと
白血球や赤血球、ヘモグロビンといった数値は一般的な血液検査で調べることができます。体の不調を感じたら内科で相談し検査を受けることも大切です。
検査の数値については個人よって差がありますので、基準値を少し下回ったり上回ったからといって神経質になる必要はありません。ですが、疲れやすいといった症状や、貧血、風邪を引きやすいと感じる人は一度検査をしてもらうと安心ですね。