難消化性デキストリンで下痢や便秘になる?原因と対策 |

この記事が気に入ったらシェアしよう!

難消化性デキストリンで下痢や便秘になる?原因と対策

デキストリンで下痢?難消化性デキストリンとは

難消化性デキストリンは、食生活の欧米化によって現代人が不足しがちな食物繊維を補うために天然のでんぷんから人為的につくられた食品素材です。

整腸作用・食後の血糖値の上昇抑制・食後の中性脂肪の上昇抑制の3つの効果を持ち、特定保健用食品(トクホ)と呼ばれる製品の約30%に使用されています。

血糖値の上昇を抑制し、緩やかにしてくれる

食事から摂った糖質(炭水化物)は体内でブドウ糖に分解され、小腸で吸収されます。このとき、難消化性デキストリンの働きで糖の吸収スピードがゆるやかになることが分かっています。これにより、食後の急激な血糖値上昇を抑えることができます。

中性脂肪の吸収も抑える

難消化性デキストリンは食事に含まれる脂質の吸収を遅らせることも分かっています。

研究によると、難消化性デキストリンが脂質やコレステロールをとりこんだり、脂肪の分解に関わる胆汁酸と結合することで脂質が分解・吸収されることなく便として排泄されているのではないかと考えられています。

難消化性デキストリンの効果で下痢に?

難消化性デキストリンには水分を抱え込み、保持する性質があります。

その効果によって便のやわらかさを保ち便通を促す効果があるのですが、過剰に摂取しすぎると下痢になってしまうこともあります。

過剰に摂取するとお腹が緩くなる

難消化性デキストリンは、名前の通り体内での消化がされにくい成分です。ゲル状になったまま胃腸に留まり便として排出されるのですが、過剰に摂取しすぎると腸内の細菌のバランスや、腸内の水分バランスを崩し下痢をしてしまうこともあります。

一時的なもの、好転反応なら問題ない

必ずしも下痢が悪いというわけではありません。体内に溜まっていた悪い成分が下痢と一緒に排出されていることもあります。好転反応の場合、下痢は短期間でおさまりますので長期間下痢が続く場合は副作用と考えてよいでしょう。


副作用は便秘?難消化性デキストリンと下痢

難消化性デキストリンは優れた整腸作用により便秘を解消することができる成分です。

しかし逆に便秘がひどくなってしまう人もいます。

難消化性デキストリンが腸内の水分を吸収しすぎている

難消化性デキストリンは水分を吸収し保持する働きがありますが、腸内の水分を吸収しすぎることで腸内の滑りが悪くなり便をスムーズに排出することができなくなります。

悪玉菌が増えてしまった

難消化性デキストリンは腸内にいる善玉菌のエサとなるのですが、同時に悪玉菌のエサにもなってしまいます。これにより悪玉菌が増えてしまい、腸内環境が悪くなってしまうこともあります。


難消化性デキストリンに危険性はある?下痢との関係

難消化性デキストリンはとうもろこしやじゃがいもなどの天然のでんぷんからつくられる水溶性の食物繊維です。

WHO(世界保健機関)やFDA(米国食品医薬品局)などでは、1日の許容摂取量の制限を特に設けないなど世界的に安全性が認められています。摂取による危険性はほぼないと考えてよいでしょう。

副作用はほとんどが過剰摂取によるもの

難消化性デキストリンは非常に安全な食品で、副作用を引き起こすことは非常にまれですが、過剰に摂取しすぎると下痢や便秘などを引き起こす危険性があります。諸外国では許容摂取量を定めていませんが、日本では1日の摂取量目安は5~10gとされています。

遺伝子組み換えの可能性

たまに原料の欄で「遺伝子組み換えでない」という表記を見かけることがありますよね。この遺伝子組み換えとは、優れた品種を作り出すために人為的に植物や動物の品種を交配させることをいいます。

植物に関しては除草剤に対する耐性や殺虫性などをもつ遺伝子を人工的に組み替えることが多いです。しかし、遺伝子組み換えを起こった食品は健康を損なう恐れがあります。

日本国内では遺伝子組み換えの農産物を商業的に栽培することはしていません。そのため、国内産のもので遺伝子組み換えを行っている食品はありませんが、遺伝子組み換えを行ったとうもろこしやじゃがいもは海外からの輸入が認められています。

難消化性デキストリンの原料はとうもろこしやじゃがいもですので、原産地に対して注意を払うことが大切です。


便秘や下痢せず難消化性デキストリンを摂る方法

難消化性デキストリンは無味・無臭で水に溶けやすく粘度も低いので、粉末状のものを飲み物や食べ物に混ぜるのもお手軽でおすすめです。また、熱や酸にも強いため加熱したり柑橘系のジュースに混ぜても問題ありません。

また、そのような性質を生かして様々な食品や飲料に加工されていますので、そういったものからとりいれるのもおすすめです。

1日に5~10gを守る

難消化性デキストリンの効果を得られたとしても過剰に摂り過ぎるのは下痢や便秘などを引き起こすこともあるのでおすすめできません。1日5~10gの摂取量を守るようにしましょう。

食事中か、食事の直後に摂取するのがお勧め

難消化性デキストリンは食事から摂取した脂肪の吸収や排出を増加させる効果がありますが、これらの効果を得るためには食事と一緒に摂取することが最も効果的です。

時間が経ってから摂取したり、食前に摂取しても全くダイエットとしての効果は期待できませんので注意してください。