ドーパミンとセロトニンの関係とは?
私たちが興奮したときに分泌される「ドーパミン」、リラックスしたときに分泌される「セロトニン」。
どちらも私たちの健康を維持するために欠かせない脳内のホルモンです。この2つのホルモンの働きを知って、より穏やかで豊かな生活を送りましょう!
ドーパミンは人の快楽を司る物質
ドーパミンは分泌されると幸福を感じます。減少すると、それまで楽しんでいた趣味やスポーツへの興味が無くなるなど、喜びを感じにくくなります
http://www.myclinic.ne.jp/hidefumi55/pc/free3.html
ドーパミンが分泌されるとモチベーションがアップします。普段のやる気はもちろん、スポーツ終盤の苦しいときに分泌されることが有名で「もっと快楽を得たい!」と体が感じて頑張れるようになります。
セロトニンは精神を安定させる役割が
セロトニンの主な働きは、喜びや快楽を司る「ドーパミン」や 恐怖や不安に対しての興奮を司る「ノルアドレナリン」などの働きをコントロールして、気持ちを安定させるというものです。
http://kenko.rcc.jp/ikiiki/sp/lectures/ohiruna/entry-3038.html
セロトニンは感情をコントロールしたり、精神を安定させる働きがある重要な脳内物質。ストレスに対して心を守ったり、体内時計を調整する役割もあるので、不足すると「意欲低下」「不眠」「うつ」などの症状が現れてしまいます。
また、ドーパミンの分泌量を制御しているので、セロトニンが不足することによってドーパミンが分泌されすぎてしまう事もあります。ドーパミンの量が増えすぎてしまうと「ランナーズハイ」のような、過度な活動状態になってしまいます。
ドーパミンとセロトニンの増やし方
私たちの精神安定に欠かせないドーパミンとセロトニン。一度分泌量が減少してバランスが崩れてしまうと、なかなか正常な分泌量に戻りません。
なるべくドーパミンとセロトニンがたくさん分泌されるために、日常生活で意識したいことをまとめてみました。
セロトニンが不足すると情緒不安定・不眠などの症状が
不足すると「不眠」「うつ」の症状が表れる可能性があるセロトニンは、トリプトファンという必須アミノ酸の1種が原料となっています。私たちの体内で生成することができないので、食品やサプリメントで摂取する必要があります。
トリプトファンを多く含む食品は下記のとおり。
トリプトファンを多く含む食品
- 赤身魚
- バナナ
- チーズやヨーグルトなどの乳製品
- アーモンドやくるみなどのナッツ類
- 大豆や小豆などの豆類
他にも肉の赤身や穀類など、幅広い食品に含まれているので3食バランスの良い食事をしていれば不足することはありません。セロトニンの分泌を促すビタミンB6も欠かせない栄養素です。豚肉や大豆製品に多く含まれるので、こちらも欠かさないようにしましょう。
ドーパミンのレベルが低いとやる気がおきない
不足すると「意欲低下」「何事にも興味を持てない」などのモチベーション低下に繋がるドーパミン。セロトニンが不足したり、ドーパミンのもととなるチロシンが不足することによって分泌量が低下してしまいます。
チロシンは私たちの体内でも生成できる非必須アミノ酸ですが、食品からも摂取できるので下記の食品から積極的に摂るようにしましょう。
チロシン多く含む食品
- チーズ
- ナッツ類
- 大豆製品
チロシンはメラニン生成にも欠かせないアミノ酸なので、意識して摂取することで白髪予防になるという研究結果もありますよ。セロトニン同様、ビタミンB6が分泌を促してくれるのでサプリメントや食品で補っておくと安心です。
ドーパミンとセロトニンだけじゃない!アドレナリンとノルアドレナリンの関係
ドーパミンやセロトニンを始め、脳内には様々な神経伝達物質が存在しています。代表的なものは「興奮」を司るアドレナリン・ノルアドレナリンです。
体を興奮させることでストレスから私たちを守ってくれるこの2つのホルモンも、セロトニンが分泌量を制御してくれています。
ノルアドレナリンが多くなるとキレやすくなる?
ストレスや飢餓状態で「体が危険を感じる」と分泌されるアドレナリン・ノルアドレナリン。血管を収縮させたり臓器を活性化させるアドレナリンに対し、ノルアドレナリンは脳に作用し精神的に興奮させる働きがあります。
ノルアドレナリンが分泌されることで「怒り」「興奮」「不安」などの感情が湧いてきます。一見すると厄介なホルモンに感じてしまいますが、危険を回避するためには欠かせない感情ですね。
ノルアドレナリンによる興奮をセロトニンが鎮静
普段、アドレナリンやノルアドレナリンはドーパミンと同じくセロトニンに制御されています。セロトニン不足でノルアドレナリンが過剰に分泌されてしまうと「キレやすい」「不安感が常にある」などの精神的に不安定な状態になりやすくなります。
ドーパミンとセロトニンのバランスが大切!統合失調症
セロトニンとドーパミンのバランスが崩れることによって発症すると言われているのが統合失調症です。
「ドーパミン」が統合失調症の発症に深く関与しているのではないかと考えられています。ドーパミンが過剰に分泌・生産されることによって、情報伝達に混乱をきたし、幻覚や妄想の症状が出現しやすくなることが知られています。そのため実際の治療に際しては、ドーパミンの働きを抑制する薬物(抗精神病薬)を投与すると、急性期の症状が改善することがわかっています。
http://www.dr-maedaclinic.jp/dt0300.html
またドーパミンの分泌が過剰になり、麻薬のように興奮を求める「依存症」にも注意が必要です。アルコールやギャンブルなどの依存症は脳の病気とも言われているので、更にバランスが崩れないうちにクリニックを受診しましょう。
オキシトシンで幸せに!ドーパミンとセロトニン
セロトニンは精神を安定させる作用があるので「幸せホルモン」とも呼ばれています。セロトニンは日の光を浴びたりストレスを感じない環境にいると活発に分泌されると言われています。
実はもう一つ「幸せホルモン」が脳内に存在していることをご存知でしょうか?それはオキシトシンという脳内物質で、赤ちゃんや異性と接したときに幸福感を与えてくれるホルモンなんです。
オキシトシンでストレスホルモンが減少
私たちがストレスを感じた時に分泌される「ストレスホルモン」というものがあります。代表的なものはコルチゾールという物質で、免疫力を低下させて炎症を抑えたり、血糖値を上げて脳のエネルギーを確保する役割があります。
身体を守るために必要なコルチゾールですが、分泌されすぎると「生活習慣病」「慢性疲労」などの原因となります。そんなストレスホルモンを減少させる役割があるのがオキシトシンやセロトニン。上手にストレスと付き合うために欠かせないホルモンですね。
オキシトシンはスキンシップで増える?
日の光を浴びたり、代謝によって生成されるセロトニンに対し、オキシトシンは自らどんどん増やすことができます。一番有効なのがスキンシップで、異性や赤ちゃん、ペットなどと触れ合うことによって分泌されます。
パートナーがいる場合は、1日10分でもいいので相手の体に触れる時間を持つと良いでしょう。頭をなでてもらったり、ハグ、手をつなぐなどでもOK。やさしく触れてもらって、どんどん幸せホルモンを分泌させちゃいましょう!