古代穀物スペルト小麦がアレルギーだけでなく体にいい理由
普段からグルテンフリーを心がけている人も、ときには小麦製品が食べたくなりますよね。そこで紹介したいのが「スペルト小麦」です。
スペルト小麦とは現在使われているパン小麦の原種にあたる小麦のことです。品種改良など人の手がほとんど加わっていないため、アレルギー持ちや糖尿病患者でも食べられると話題です。
とはいえその根拠が分からないと、耳慣れない食品は口にしたくないですよね。まずはスペルト小麦の特徴を知ってください。だんだんとスペルト小麦が良いものだと分かってきますよ。
85-90%の小麦アレルギーの人が食べても発症しにくい
スペルト小麦はパン小麦(現代で普通に使われている小麦)の原種として知られています。品種改良されていない古代穀物のスペルト小麦はグルテンの含有量がパン小麦よりも少ないので小麦アレルギーを持つ85~90%の人が食べても発症しにくいといわれています。
ただしグルテンフリーの食品というわけではなく、グルテン含有量が少ないというだけなので、小麦アレルギーを持つ人は食べる前に医師に相談しましょう。
しかし多くの割合で発症しにくいと聞けば、食べたかったパンやサンドイッチ、ハンバーガーが食べれられるかもしれません。
血糖値の急激な上昇を抑え糖尿病患者にも安心
パンなどの炭水化物は糖質が気になる、という人もいるでしょう。しかしスペルト小麦は低GI値食品(食後の血糖値上昇が少ない)に分類されるので、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。
糖尿病患者に血糖値の急激な上昇は危険なものですから、こうした低GI値食品は心強い味方ですよね。通常の小麦と比べるとゆっくりと消化されていくので、血糖値は緩やかに上昇します。
ただし急いで食べるとその効果も半減するので、低GI値食品であっても早食いは禁物です。
抗酸化作用でアンチエイジングや活性酸素を除去
スペルト小麦の香りはフェノール化合物という成分によるものですが、このフェノール化合物が体内に入るとポリフェノールに変化してそれと同様に働いてくれます。ポリフェノールには抗酸化作用があるので、活性酸素を除去してアンチエイジング効果が期待できます。
品種改良されている通常のパン小麦ではこうした働きがないので、食べながら美肌を目指したい人にもおすすめの食品です。
血流改善や免疫力アップ、生活習慣病予防にも
そもそもスペルト小麦はどんな悪天候であれ人の手をあまり加えずとも育つ強い植物です。通常のパン小麦よりも厚い皮殻を持っているので土壌汚染にも強く、その内側に多くの栄養を蓄えています。
スペルト小麦の内側には銅や鉄、亜鉛、ビタミンなどの栄養素が豊富に含まれています。そうした豊富な栄養素が血流を改善させたり、免疫力をアップさせて生活習慣病の予防にも効果を発揮してくれます。
現在パンなどに使われている品種改良された普通小麦は大量生産できるようになった半面、ミネラルなどの栄養素が半減してしまったともいわれています。
そのままの形を保っている古代穀物だからこそ、その内側には古くから人を支えてくれる栄養素が豊富に含まれているんですね。
ドイツではディンケルと呼ばれ幅広く活用されています
スペルト小麦は世界で安全性が高いとして広く利用されています。
中でも小麦にこだわるドイツでは、スペルト小麦の多様な活用方法に注目して多くの人から選ばれています。スペルト小麦はドイツではディンケル、他にはイタリアでファッロ、スイスではスペルツと呼ばれています。
ドイツでは美容食品とも紹介されることが多いので、美容にこだわるならぜひドイツの人にならって食べてみましょう!
スペルト小麦のパスタやコーヒーも!
ドイツではスペルト小麦を色々な食品にしています。パンだけでなく、パスタやコーヒーにも使ってしまうんだから驚きですよね。
スペルト小麦で作られたパスタやコーヒーはネットでも販売されています。またスペルト小麦をローストして作られたコーヒー(100%もの)はカフェインレスとして妊婦さんなどに人気があります。
コーヒーのような味…というわけではないと口コミで声が上がっていますが、体に良い・美味しいと人気なので試してみてはどうでしょうか?
小麦栽培大国でスペルト小麦が選ばれる理由
ドイツって小麦栽培大国として有名ですよね。それこそ利益をあげようとするならスペルト小麦よりも品種改良し大量生産できるようにしたパン小麦の方が良い気もします。
しかし健康の面で考えると、品種改良されたパン小麦よりもスペルト小麦の方が断然いいんですよね。豊富なミネラルやビタミンに加えて農薬を使用せずとも育ってくれる。これほど人の体に良い小麦も珍しいでしょう。
確かに大量生産できるパン小麦に比べるとスペルト小麦は収穫量が少ないので値段は割高です。しかし健康はお金で買えないとドイツの人は分かっているので、高くても健康に良いものを取り入れているんですね。
アレルギーを起こしにくいスペルト小麦はグルテンフリー?
スペルト小麦は85~90%のアレルギー持ちが食べても発症しにくいと多くのメディアで紹介されていますが、ここで勘違いしてはいけないのがスペルト小麦=グルテンフリーではないことです。
スペルト小麦にも少なからずグルテンは含まれているので、高確率で発症しにくいといわれていても食べる際には注意が必要です。
グルテンフリーではないのでアレルギーの人は医師と相談を
そもそもグルテンとは何かを知っていますか?
グルテンとは小麦粉に含まれているたんぱく質の一種です。小麦粉に水を加えることで小麦粉に含まれるグリアジンとグルテニンが結びついてグルテンに変化します。このグルテンは体内に蓄積されると、人によってはアレルギーやグルテン不耐症を引き起こすことがあるのです。
スペルト小麦はこのグルテンがパン小麦よりも少ないため、アレルギー持ちの人でも食べられるといわれています。ただし「グルテンフリーではない」ので、小麦アレルギーを持つ人は必ず食べる前に医師と相談しましょう。
小麦アレルギーもすべての人に出ないわけではない
85~90%の人は発症しないといわれていても、小麦アレルギーがすべての人に出ないわけではありません。高確率だから、自分は平気だからと軽く考えるのはやめておきましょう。
自分がアレルギーにならないなんて保障はどこにもありませんから、グルテンフリー・アレルギーが発症しないと間違って覚えないようにしましょう。
アレルギー反応はスペルト小麦の品種改良が原因?
現代で多く使われている小麦は大量生産できるようにと品種改良されたものが多いです。
しかしこの品種改良によって小麦の本質が変化し、小麦アレルギーなどの危険を伴うようになったと考えられています。これに対しスペルト小麦は原種または原種に近い形を保っているので、安全性が高く信用されています。
多くの利益を得る代わりに、危険を伴うようになった品種改良小麦は、品種改良がアレルギーを引き起こすともいわれています。
品種改良種は、実は改良ではなくて改悪?
品種改良といえば遺伝子組み換え食品やお米などが頭に浮かびますよね。
品種改良はそもそも今までの作物よりも環境に強いものを、味の良いものを、大量に生産できるようになど色々な目的のもと行われるものです。しかし品種改良するまでに、色々な化学肥料や農薬、除草剤、殺虫剤などが多く使用されます。
こうした人間の体に良くないものが食品に含まれるようになり、アレルギーなどの危険を伴うようになったと考えられています。つまり一見便利になったように思える品種改良も、裏を返してデメリットを見れば改悪ともいえるのです。
しかし品種改良によって私たちの生活が豊かになったのも確かですから、一概に品種改良がすべて悪いというわけではありません。従来の小麦でアレルギーや不調が起こらない人は敏感になりすぎる必要はないでしょう。
スペルト小麦の安全性は?遺伝子組み換えは?
では気になるスペルト小麦の安全性ですよね。スペルト小麦が原種に近いものであっても、遺伝子組み換えはされていないのかと疑問に思うことでしょう。
スペルト小麦はどんな環境下でも育つ強い植物なので、オーガニック栽培に向いているというメリットを持っています。そのため遺伝子を組み換える必要がないので安全性は高いです。
アレルギーを起こしにくいスペルト小麦、試してみませんか
最近ではグルテンフリーを心がける人も増えてきましたね。それほどグルテンは体に毒というイメージが定着しつつある証拠でもあります。
アレルギーは単に体が痒くなったり酷い吐き気や嘔吐をするだけではありません。ときには命だって危険に晒します。特に小麦は発症する人によって条件が異なる特殊なものです。そんな小麦だからこそ、安心できるものを選んでいきたいですよね。
スペルト小麦はグルテンが少ない、栄養豊富、余計なものを使ってない等、良い特徴をたくさん持っています。健康志向の人は、ぜひ試してみてくださいね。