4種類の猫背とは?
姿勢は正しくしなくちゃいけない…とは分かっていても、つい楽な体勢を取ってしまいますよね。
猫背って言葉はよく耳にしますし、実際に猫背だという人もいるでしょう。しかし自分がどういった「猫背」だか分かっていますか?
単に猫背といっても、曲がっているところや部位によって4つの種類に分けられます。また一見猫背には見られない人でも「隠れ猫背」と呼ばれるものもあります。猫背になると身体が歪み、血流が悪くなってさまざまな体調不良や病気を引き起こします。
猫背のせいで体調不良や病気を引き起こさないためにも、早めにセルフチェックして自分が猫背なのかを見極めましょう!そのためにもまずは猫背の種類について知っておきましょう。
首猫背
首猫背とは首の角度が真っすぐになっている(真っすぐに近い)状態で、横から見ると前に顔を出しているように見える猫背のことをいいます。
ストレートネックとも呼ばれていて、原因はデスクワークや長時間の下向き状態、またリュックなどの荷物を背負うなどもあげられます。通常の人よりも首の骨の角度が30度以下しかありません。ストレートネックになると首こり、肩こり、頭痛といった症状も現れ始めます。
背中猫背
背中猫背はよく耳にする一般的な猫背のことです。背中の中心が曲がっている状態なので、姿勢が悪いとよく指摘されますね。
姿勢を正すための筋肉が弱くなっているので、自然と背中が丸まってしまいます。また長時間のデスクワークや視力が悪いから顔を近づけるようにものを見ることもこの猫背を引き起こします。姿勢を意識して正さないと、筋肉が低下していくため猫背が余計に悪化します。
腰猫背
腰猫背は腰部分が曲がっている猫背で、畑仕事をする人や高齢者に多いです。またあぐらをかいて座ることが多い人、デスクワークが多い人によく見られます。
腰への負担が大きいので、長時間座っているのが苦痛に感じます。姿勢を伸ばすのが難しくなっている状態なので、無理に正そうとすると痛みを感じる人も多いです。腰回りや骨盤回りの筋肉が硬くなっているため、腰猫背が悪化するとヘルニアを発症することがあります。
反り腰猫背
腰猫背とは反対に、腰が前に反っている猫背です。お腹がぽっこりと前に突き出た姿勢になるので幼児体型に似ていますね。
女性に多い姿勢で、痩せているけどお腹だけがぽっこりと出ているならこの反り腰猫背を疑ってみましょう。姿勢を正さない限りいつまでもお腹のぽっこりが解消されないので、体型に悩みがあるなら今すぐ姿勢を治すようにしましょう。
猫背の種類の見分け方
猫背の4つの種類が分かったところで、今度は自分がどの猫背に当てはまっているかをチェックしてみましょう。
チェック方法
- 壁から30㎝ほど離れたところに背を向けて立ってみる
- そのまま後ろにゆっくりと下がり、頭・背中・お尻のどれかが触れるところでストップ
- 壁と背中、お尻、頭のすき間で姿勢を判断する
だけです。通常は壁と腰の間に腕がギリギリ入るくらいですが、姿勢が悪い・猫背だとすき間が大きかったり小さかったりします。空いたすき間に応じて猫背なのかを判断することができます。
横から見るとわかる「首猫背」
背中と腰は正常なすき間があっても、首や頭だけが壁とのすき間が大きい場合には「首猫背」です。
首がカクッと前に落ちている状態なので、横から見ると首猫背が丸わかりです。首を中心に丸くなっているので、腰や背中には異常がない人もいます。壁に沿って立ってみて、頭が付かないなら首猫背です。
日本人に多い「背中猫背」
日本人に最も多いタイプがこの背中猫背です。背中が丸まって肩が内側に入り込んでいるので肩が壁につきません。また壁からお尻が離れていたり、すき間が全くないのもこのタイプです。普段から足を組む癖があるなら背中猫背の可能性が高いです。
長時間座る事がつらい「腰猫背」
腰から曲がっているのが特徴の腰猫背はすき間が全くない、またはすき間が大きいです。
あぐらをかいていても長時間座るのが辛く感じ、姿勢を伸ばそうとすると痛みを感じます。また一見背中猫背のように見えますが、腰猫背ということもあるので、腰に痛みがある場合には腰猫背を疑ってみましょう。
お腹がポッコリと出る「反り腰猫背」
お腹がポッコリと出ている状態なので、お尻と背中の間のすき間が大きいのが特徴です。
骨盤が通常よりも前に傾いているので、背骨が極端なS字型になっています。S型猫背ともいい、女性に多い理由はハイヒールなど高さがある靴を履くと骨盤が歪むからです。また妊娠により骨盤が広がることによる歪みも関係しています。
猫背になってしまう原因は?
猫背の原因って単に背中を丸めていることだけが原因ではないんですよね。
猫背は私たちの普段の生活が大いに関係していますが、どれも意識を変えるだけで改善するものばかりです。猫背になってしまったら姿勢は元に戻らないと考えるよりも、姿勢を今よりも正すために原因を理解し、改善していくようにしましょう。
筋力低下による猫背が多い
悪い姿勢を続けていると筋力が低下するだけでなく、柔軟性も低下するのでより正しい姿勢を保つことができなくなります。
本来であれば、背中にある筋肉を動かすことにより姿勢がスッと伸びますが、猫背はこの筋肉が弱くなっているので正しい姿勢を保てずに背中が丸くなってしまいます。また姿勢を伸ばそうとすると柔軟性も失われているため痛みを感じることもあります。
猫背になると背中や腰の筋肉や関節が硬くなるので、意識して動かすことが大切です。
デスクワークやスマホのやりすぎ
デスクワークをしていると、長時間同じ姿勢でいなくてはいけないので、背中や肩の筋肉が強張ります。またスマホもずっと同じ体勢で操作していると、デスクワーク同様にさまざまな筋肉・関節が硬くなります。
下ばかり見るのが癖になるほか、長い月日の中でいくつもの原因が重なってしまい、結果として猫背に発展します。猫背を放っておくと、さらに腰痛やヘルニアといった腰の病気を引き起こすことがあります。
仕事中でも1時間に一度身体を動かすようにしたり、ストレッチをして筋肉を刺激するようにしましょう。
どんな種類の猫背もストレッチでスッキリ!
猫背になってしまっても、痛みなどが出ていなければちょっとしたストレッチでも姿勢が整う可能性があります。姿勢を治そうとすると、つい整形外科や整体に行かなくてはいけないと気が重くなりますが、自宅で行うストレッチでも効果があるので是非やってみましょう!
肩甲骨ストレッチ
- 手のひらを合わせる
- ゆっくりと上にあげて頭の後ろへともっていく
- 肩甲骨を寄せるように手を離し、手のひらを前に向けてゆっくり下ろす
- しっかりと肩甲骨を寄せるようにし、また手のひらを合わせる
- 10回繰り返す
壁付け腕回しストレッチ
- 壁に背中をしっかりとつける
- 足は軽く開き、両手をうえにあげる
- あげた手は壁から離れないようにする
- 腰は反り過ぎないように注意し、手を壁から離さないように腕を下におろしていく
- 下までおろしたら手が壁から離れないように上にあげていく
- 10回繰り返す
腕引き上げストレッチ
- 手を後ろで組む
- 身体を倒すと同時に腕をできるだけ上にあげる
- 自分の限界まで腕を上げたらそのまま20秒キープ
- ゆっくりともとに戻す
- 一度手を放してリラックスする
- 3回繰り返す
簡単なストレッチでも毎日行うことで改善していきます。時間を見つけて上記のストレッチを順に行ってみましょう!
姿勢を良くするコツ!
猫背に慣れているとついつい猫背が楽な姿勢と思ってしまいますよね。
しかし本当は正しく「いい姿勢」をとると、全身の筋肉や骨がバランスよく全身・体重を支えてくれるので、とても楽に感じるんです。猫背が楽といっても、同じ姿勢を続けていると辛く感じますよね?辛く感じてはそれが「楽な姿勢」とは言い切れません。
姿勢を良くすれば腰痛や肩こり、頭痛などの症状も改善していくので、自分にとっての「正しい姿勢」を見つけて、それを維持できるようにしましょう!
自分の「正しい姿勢」を見つける
正しい姿勢とは、背筋を伸ばして顎を軽く引き、前を見据えて頭の先から吊られているような感覚…と文で説明してもよく分かりませんよね。
正しい姿勢の間隔を掴むためにも、まずは床の上に膝立ちになってみましょう。膝立ちをすると自然と膝に力が入り、全身を支えようとします。人によってはグラグラとするかもしれませんが、そのまま背筋を伸ばして目線は前を向きましょう。
頭の先は上から糸で吊るされているように背筋を丸めないようにします。この感覚を覚えるようにしましょう。座ったままではついいつもの癖が出てしまいますが、普段あまりしない膝立ちをすると、膝で支えるので腰や背中がスッと伸びるようになります。
また意識できるなら骨盤もスッと伸ばしてみましょう。この感覚を覚えるまで何度も行いましょう。
感覚がつかめたらなるべくキープ
感覚がつかめてきたら、なるべく長い時間キープしてみましょう。始めは猫背に慣れているせいか辛く感じますが、背中の筋肉や関節が動くようになると正しい姿勢の方が楽に感じます。また最初は意識していても、次第に気をつけなくなることってありますよね。
そうした場合でも、「猫背になっているな」と気づいたらその時点で正しい姿勢に戻るようにしてみましょう。他にも一定時間で猫背になっていないかチェックすることで猫背から正しい姿勢へと変えることができますよ。
猫背はスタイルが悪くなるだけでなく、腰痛やヘルニアなどの原因になるので早めに改善していきましょうね!