疲れやすいのは病気?病院に行くべきパターン
仕事に精を出したり、運動を頑張ったり、少し睡眠を削ったりしたら誰しも疲れは感じるもの。しかし、質の良い睡眠をとっても、食事をしっかり食べても疲れがとれずなんだか体がだるいと感じる人は要注意!
十分な休息をとっているにも関わらず疲れがとれなかったり、倦怠感を感じる場合は何かしらの病気になっている可能性があります。
病院の前に疲れやすい原因を探る
自分自身の体は自分が一番よくわかっているものです。何か、疲れやすくなる原因は思い浮かびませんか?原因は思い浮かぶけど、何科にかかればいいか分からないとお悩みの方もいると思います。
40代の女性に多く見られる疲れの原因から何科にかかるべきなのかをまとめました。
貧血がある→内科
女性は男性に比べ多くの血を必要としますので、鉄分不足に陥りがちです。鉄分が不足すると赤血球を作ることができなくなり、貧血を起こします。貧血を起こすと疲れやすかったり、息切れやめまいを起こしたりと体に変調をきたします。
貧血かな?と思ったら内科を受診して血液検査を行いましょう。薬で鉄分を補給することで貧血を解消することが可能です。
更年期の症状がある→婦人科
更年期(45~55歳)の女性の約7割が日常的に疲労感や倦怠感を感じていると言われています。更年期による疲労はなかなか解消せず、長く続くことが特徴でとにかく体がだるく何もする気が起きないなどの症状がみられます。
この症状が起きる原因は女性ホルモンが急激に減少することによるものです。婦人科ではこの減少したホルモンを補充し症状の緩和・改善を目指す治療を行うことが可能です。
薬を処方され飲んでいる→かかりつけ医に相談
何かしらの理由で薬を処方されている人は、副作用などの影響で体が疲れやすくなっている可能性もあります。一度かかりつけ医に疲れがとれないことについて相談し、薬を変えてみると症状が改善することがあります。
動悸・息切れ→内科
疲れは内科の病気の前触れと言われています。ここにさらに動機や息切れがくわわる場合、自律神経が乱れている可能性があります。自律神経は自分でコントロールすることが出来ず、興奮に関係した交感神経とその作用を抑制する副交感神経から成っています。
特に興奮神経である交感神経に異常をきたすと動悸、発汗、息切れや疲労を感じることがあります。
朝の目覚めが悪い(無呼吸症候群?)→呼吸器科など
よく眠ったつもりなのに寝足りなかったり、目覚めが悪く疲れがとれた感じがしない場合は睡眠時無呼吸症候群かもしれません。潜在患者は300万人もいると言われている病気です。
イビキが大きかったり、太っていたり、寝ているときに呼吸が止まっていたと指摘されたことがある人は睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いです。治療すれば治る病気ですので、一度呼吸器内科に診察をお願いすると良いでしょう。
疲れやすいのは病院の何科に行くべき?
特に思い当たる原因が見当たらないのに疲れやすかったりだるけが凄い場合は、とりあえず一般内科で相談してみると良いでしょう。
だるさ以外に症状がないか、病院に行く前にいま一度確認しておくと原因が分かりやすいです。また、症状によって内臓に異常が見られそうな場合は採血検査が行われます。
採血の検査によって貧血や肝臓・甲状腺の病気ではないか、内部で炎症を起こしていないかを調べることができます。
血液検査をしてもらう
内科を受診すると、まず熱がないか、血圧や脈拍に異常がないかを見られます。そうしてから目視・触診で黄疸の有無や甲状腺の腫れのチェックを行います。腹部・胸部の聴診を行い体のどこに変調をきたしているのかを調べます。
そうしたチェックの後に重点的に調べるべき項目があった場合、血液検査を行います。血液検査では各臓器の障害や炎症の度合いを調べ、貧血の有無を見ます。結果によって疲れやすい原因をある程度特定することが出来ます。
血液の数値で異常が判明!
血液検査の結果により貧血、肝機能障害、腎臓障害、甲状腺障害など様々な病気が分かります。その他にもコレステロール値などで生活習慣病のリスクをはかることも可能です。異常が判明したら、その異常を治療していく必要があります。
ホルモン異常や膠原病の可能性も
なかなか気づかれにくい原因の一つに甲状腺などのホルモン異常や膠原病があります。甲状腺の病気は女性の5~10人が抱えていると言われています。これらの病気の場合は甲状腺ホルモンの量をうまく調節することが大切です。
疲れやすい症状での病院の検査
病院にいって詳しいスクーリングを受け、血液検査も受けたのに異常が出ず原因不明となってしまう場合もあります。血液検査などで異常が出なかった場合、考えられる原因とは何でしょうか。
慢性疲労症候群
慢性疲労症候群は原因の分からない極度の疲労が長期間(6か月以上)続く病気です。症状はなんとか動けるレベルから寝返りを打てないほどひどい人まで様々。1990年頃から日本で症例が認められ、年々増加している病気です。
血液検査を行っても異常が見られないときにこの慢性疲労症候群が疑われます。症状の一つとして微熱、不眠と過労、筋肉痛などがあげられます。治療には薬物療法が一般的です。
ストレス性のもの
ストレスが原因で疲れやすい場合も、血液検査では異常が発見できないことが多いです。過剰なストレスを体にかけ続けると交感神経が緊張し、自律神経のバランスを崩したり免疫力の低下を招きます。
たかがストレスと甘く見ていてはいけません。様々な病気の原因になるとも言われていますので、ストレスを大きく感じることが多い場合はその原因の解消や休養を取る必要があります。
痛みなど他にも症状があれば相談を
疲れやすいという症状以外にも痛みを感じる場合は何か病気になっている可能性があります。甲状腺の異常であったり、ストレスによるものだと手のしびれや痛みを感じる場合があります。
また、全身の痛みが出る場合は線維筋痛症などの可能性もあります。一度病院で相談してみましょう。
無呼吸症候群のせいで常に眠くてだるい
睡眠時無呼吸症候群は空気の通り道が狭くなり、睡眠中に10秒以上呼吸が止まってしまう症状が繰り返される病気です。無呼吸になると体内の酸素が足らなくなるので体が酸素を補おうと必死で心拍数を上げます。
これにより眠っているのに脳が覚醒する状態が続き、熟睡することが出来ません。眠っているつもりでも体は全く休めていないというのが睡眠時無呼吸症候群の症状です。そのため、常に眠気を感じ疲れもとれません。
心が原因で疲れやすい?病院で相談を
血液検査で異常が出なかった場合、疲れやすい原因として考えられるのがストレスです。心のケアを怠ることで疲労をためこんでしまっている人が多くいます。日々のストレスをためこんだ結果、精神的な病気だけでなく臓器の疾患を引き起こすこともあります。
心療内科で相談を
心療内科は心身症を扱います。そのため、ストレスや環境などを考慮したうえで症状を見て、原因を診断することが可能です。一般内科で異常がなかった場合でも心療内科で相談すると原因が分かることもあります。一度受診してみましょう。
自律神経の可能性も
疲労の原因となる病気に自律神経失調症というものがあります。これは、ストレスによって自律神経を成している交感神経と副交感神経の働きに異常をきたすことから起こります。主に交感神経は活発な活動を司る神経で、副交感神経は体の休息を司る神経です。
ストレスによって副交感神経がうまく機能しなくなると、体は常に興奮状態に陥ってしまい上手に休息がとれなくなってしまいます。そのため、体がうまく休むことができず、疲れがたまってしまうのです。
ホルモンバランスの乱れ
女性の体にはエストロゲン、プロゲステロンという二種類の女性ホルモンが存在しますが、このホルモンはとてもデリケートです。ホルモンの分泌を行う脳の視床下部はストレスに非常に弱く、ストレスを多く感じるとホルモンバランスが乱れやすいと言われています。
ホルモンバランスが異常をきたすとだるさを感じたり、疲れやすかったりと体調の不調を招きやすいです。ホルモンバランスを崩さないためにもストレスと溜めないこと、規則的な生活をすることが大切です。
疲れやすいときは病院で受診を
なんだか毎日しんどくて、疲れやすいとお悩みの方は一度病院で診察をしてみましょう。疲れやすい原因は様々ですから、原因が分かって治療を行うことが出来れば体も心もすっきりとした毎日を過ごせるはずです。
病院の先生も親身になって診てくれるはずですから、臆することなく一度受診してみて下さいね。