普段の食べ物で摂れる?ビタミンEの効果とは
ビタミンEは普段食べている食事から摂取しやすい栄養素です。
美容や健康のために幅広い働きをしてくれる頼もしい存在です。
若返りビタミンと呼ばれるほどの抗酸化作用
ビタミンEはアンチエイジング効果の高さから若返りビタミンとも呼ばれています。その秘密は高い抗酸化作用。抗酸化作用とは、体内の細胞を錆びさせてしまう活性酸素を除去する働きです。
酸化はがんや動脈硬化などの生活習慣病の原因となるだけでなく、シミやしわ、たるみなど肌の老化の大きな原因ともなってしまう現象です。高い抗酸化作用のあるビタミンEは若々しく健康でいるためには欠かせません。
ホルモン代謝を促し更年期障害症状の緩和や不妊予防にも
ビタミンEが注目され始めたのは不妊の治療に使われ始めたのがきっかけといわれています。ビタミンEの科学名はトコフェロールといいますが、トコフェロールとは「出産する」という意味が込められた単語です。
女性ホルモンの分泌を調整してくれるため生理不順や不妊、更年期症状に対して高い効果を示すと考えられています。
血流改善で肩こりや冷え性も改善
ビタミンEには毛細血管を広げて血流をよくしてくれる作用もあります。血流が促進されると冷えや肩こり、頭痛などといった症状の改善に期待ができます。細胞の新陳代謝も活発になるので肌や毛髪も美しくなります。
ビタミンEの含有量が多い食べ物ランキング
ビタミンEは比較的食事から摂りやすい栄養素です。
その中でも多く含んでいる食べ物をランキング形式で紹介します。
1.ひまわり油などの植物油、加熱調理でもOK
100gあたり38.7mg含有
ひまわり油をはじめとした植物油にはたっぷりのビタミンEが含まれています。加熱調理をしてもビタミンEが壊れることはありませんので、様々な調理につかって効率よくビタミンEを摂取しましょう。サラダにかけてもおいしいですよ。
2.ナッツ類ならアーモンド、目安量は1日20粒
100gあたり31mg含有
豊富なビタミンEのほかに、コレステロール値を低くしてくれるオレイン酸も多く含みます。食物繊維もたっぷり含まれているので腸内環境の改善や美肌にも効果的です。
3.鮎やにじます、うなぎは含有量も高く摂取しやすい
あゆ1尾あたり4.4mg
魚介類もビタミンEを摂取しやすい食べ物の一つです。あゆやにじます、うなぎなどは含有量も多いのでおすすめです。火を通して通常どおり調理して食べましょう。内臓にも豊富に含まれています。
食べ物でビタミンEと一緒に摂りたいビタミンCとビタミンA
ビタミンEはほかのビタミンと一緒に摂取するとより高い効果を望めます。
ビタミンACEの抗酸化作用で、免疫力UP
ビタミンA・C・E(エース)を一緒に摂取するとお互いに作用し効果を高め合います。ビタミンAは粘膜を強化するので細菌の侵入を防ぎ、ビタミンCはウイルスの増殖を抑えます。
これらの働きにビタミンEの抗酸化作用が加わると免疫力がアップし、病気にかかりにくくなります。
ビタミンEの活性を高め、アルツハイマー病やシミ、貧血予防にも
ビタミンEは酸化しやすい物質のため、体内に取り込まれて活性酸素を除去するとパワーをなくして無力化してしまいます。ビタミンCは無力化してしまったビタミンEに電子を受け渡してくれるため、ビタミンEを活性化してくれます。
また、ビタミンCとビタミンEを同時に摂取するとアルツハイマーの予防に効果があるとアメリカの大学が発表していますし、美白効果と抗酸化作用によるシミの予防効果、鉄分の吸収をサポートする働きもありますので貧血の予防や改善にも期待ができます。
カボチャなどの緑黄色野菜のひまわり油炒めやヨーグルトにナッツやフルーツをプラス
にんじんやかぼちゃなど緑黄色野菜にはビタミンAが豊富に含まれています。これらの野菜とひまわり油で野菜炒めをつくればビタミンAとビタミンEを効率よく摂取できます。
ヨーグルトにはビタミンCが豊富に含まれているのでナッツを入れればビタミンEと一緒に取り入れられます。食べ方を工夫すれば手軽にビタミンA・C・Eを効率よく摂取できますね。
食べ物でビタミンEと一緒に摂りたい亜鉛
亜鉛はミネラル成分の一種で免疫力を向上したりホルモンが関係する症状の改善にも効果のある栄養素です。
ビタミンEを含む食べ物と一緒に摂取すると様々な相乗効果があります。
ニキビ予防・改善にはビタミンA・E・亜鉛が重要
ニキビを予防してくれるビタミンといえば肌の生まれ変わりを活性化させてくれるビタミンAと抗酸化作用のあるビタミンEですが、実は亜鉛にもニキビを予防する働きがあります。
亜鉛は肌の新陳代謝を活性化させてくれるだけでなく、ひどいニキビの炎症によって生じるケロイドの予防と改善効果があります。
ビタミンCや動物性タンパク質と同時摂取で吸収率UP
ミネラル成分は基本的に吸収率が悪いものが多く、亜鉛も同様です。食事で亜鉛を摂取してもそのうちの30%ほどしか吸収されないといわれています。そんな亜鉛の吸収率を助けてくれるのがビタミンCです。
ビタミンCは吸収されずにさまよっている亜鉛を吸着して吸収されやすくしてくれます。
カキやからすみ、小麦胚芽などが含有量豊富
亜鉛は肉類、魚類、穀類に多く含まれています。牡蠣(カキ)や牛肉、からすみ、小麦胚芽、大豆製品などに豊富に含まれています。1日の必要摂取量は15mgですが、牡蠣ならば2粒食べるだけで1日分の摂取量を補えます。
ビタミンEを食べ物で摂ることでしもやけが改善?
寒い時期になると手足や耳のしもやけに悩む人も多いでしょう。
実はビタミンEはしもやけの予防にも効果大なんです。
しもやけは寒さによる血行障害
しもやけは寒さが原因で体の末端まで血が流れなくなって起こります。手足など血管の細い末端部分に起こりやすいですが、頬や鼻の先、耳たぶなどもしもやけになりやすいです。ジンジンと熱いような痛みやかゆみを伴います
血管拡張作用で循環機能が改善し末端までしっかり血行を良くする
ビタミンEの働きは抗酸化作用のほかに、血管を広げる作用があります。血管が広がると血液の流れが良くなり、手足の先や耳の先など末端部分にもしっかりと血が巡るようになるためしもやけを防げるのです。
ビタミンEを食べ物で摂る時の注意点
ビタミンEは健康にも美容にも効果的な栄養素ですが、摂取には注意点があります。
過剰な摂取と栄養分の偏りには気を付けて摂取するよう心掛けましょう。
目安は成人女性6.5mg、上限は650mg
ビタミンEの摂取量目安は6~6.5mgと定められています。1日の許容量上限は650mgです。ビタミンEは脂溶性ビタミンですので多く摂取すると過剰症を引き起こす危険性があります。
過剰摂取は骨粗鬆症のリスクを高める
近年、ビタミンEの過剰摂取が骨粗鬆症を引き起こす原因となる可能性がある、と研究機関が発表しました。ラットに対する実験ですが、通常摂取量の5倍の量のビタミンEを2か月投与したところ骨量が減少したといいます。
通常の5倍の量を摂取することはなかなかないですが、こういったリスクがあるという点は頭に留めておきましょう。
塩分やカロリーなど他の面にも注意しながらバランスよく
ビタミンEを摂取するのは大事ですが、ビタミンEにだけ偏った食生活にならないよう注意しましょう。調理しても摂取しやすいビタミンですから、薄味を心がけ、塩分やカロリーが過多にならないよう気を付けましょうね。
今日から食べ物でビタミンEを意識的に摂ってみよう
ビタミンEが健康にも美容にも欠かせない栄養素であることがお分かり頂けたと思います。
特にビタミンEが持つ高い抗酸化作用は老化を防ぐためにはもちろん、加齢臭の予防にもつながりますし血行を促進するので薄毛にも効果があります。女性も男性も積極的に摂取したいですね。
ビタミンEは植物油に多いのでひまわり油や米ぬか油、べにばな油、菜種油などにも豊富に含まれています。油は料理する際の必需品ですので、様々な調理に使うことで手軽にビタミンEが摂取できます。
野菜と肉や魚をバランスよく摂るよう心掛けて健康で美しい体を維持していきましょう。