この脇汗は多汗症?漢方で改善する?
脇に汗による染みができているとなんだか恥ずかしいですよね。電車やバスのつり革を掴みたくても脇汗が気になり腕を上げることもできずに立ち尽くす…そんな経験はありませんか?
脇汗の原因はストレスや食生活、冷え、運動不足、肥満、ホルモンバランスなどです。主に生活習慣による影響と考えられるので、生活習慣の見直しをすれば改善するはずですが、忙しくてなかなか改善できないという場合もあります。
そんな時に役に立ってくれるのが「漢方」です。漢方は体質改善に効果があるものが多いので、ストレスや肥満、ホルモンバランスの乱れなどを改善へと導いてくれます。
病院で脇汗治療に漢方処方で保険適用
漢方は市販でも買えますが、病院で処方してもらえるので自分の症状に合った漢方が見つかりやすいです。また病院で処方してもらえる漢方には保険が効きますから高額な処方代がかかることもありません。
最初は皮膚科にかかることをおすすめします。汗は皮膚から湧き出てくるものですから、皮膚科で原因が無いか診てもらい、もし原因が心的なものなら心療内科や精神科への受診を勧められるでしょう。
また漢方目的なら漢方診療科が一番おすすめですが、日本ではまだまだ知られていない診療科なので、取り扱っている病院はごくわずかです。もしお近くの病院にあるなら受診することをお勧めします。
気になる料金ですが、だいたい初診で3000円~5000円、2回目以降2000円~くらいが相場のようです。薬の量や診察内容によって左右してしまうため、心配であればどのくらいの金額が掛かるのか病院に問い合わせてから受診するようにしましょう。
市販漢方薬で脇汗の改善ならツムラ
漢方を手っ取り早く手に入れるなら市販のものを買うと良いでしょう。一番有名な漢方はツムラから販売されているので、安心して利用したいならツムラの漢方をお勧めします。
ですが市販の漢方は自分で症状を見分けて飲用しなければいけません。そのため見当違いの漢方を選ぶと症状が一向に改善しない場合があります。もし市販の漢方薬を購入する際は薬剤師のいる窓口で買うようにした方が良いでしょう。
値段は脇汗の原因により変わりますが、だいたい1箱24包入り2500円~5000円くらいです。
【原因別】脇汗への効果がある漢方
脇汗の原因によって漢方を使い分けることで脇汗を改善へと導くことができます。注意してほしいことは、漢方の効き目は緩やかに現れるので急激な変化は期待できないということです。
また原因とは関係ない漢方を服用しても効果が出にくいので、きちんと原因に合った漢方を飲むようにしましょう。
肥満による汗には防己黄耆湯
肥満が原因であるなら防己黄耆湯(ボウイオウギトウ)がおすすめです。主に肥満体質や多汗症、肥満に伴う関節痛などの症状に処方・服用されます。疲れやすい体質の人にも効果が期待できるので、疲れやすく汗をかきやすいのであればこちらを服用してみてください。
ただ体力がない場合には処方されないこともあります。値段は24包で2500円+税です。
ホルモンバランスの変化からくる汗には加味逍遥散
ホルモンバランスにより汗が多く出てしまうのであれば加味逍遥散(カミショウヨウサン)がお勧めです。この漢方は主に更年期障害や月経不順、不眠症などの症状の際に処方・服用されます。
ツムラによると汗を抑える効果は記載されていませんが、ホルモンバランスが原因であればこちらの漢方が一番効果があるようです。値段は24包で3500円+税です。
精神的ストレスからくる汗には柴胡加竜骨牡蛎湯
精神的ストレスを強く感じているなら柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)が良いでしょう。この漢方は主に更年期神経症や便秘、驚きやすい体質などの場合に処方・服用されます。
こちらもツムラには汗を抑える効果は記載されていませんが、精神的ストレスが原因ならそれを落ち着かせることで改善が期待できます。汗を直接抑えるよりも、原因から改善した方が効果が高いでしょう。値段は24包で4000円+税です。
柴胡加竜骨牡蛎湯は自律神経緊張からの脇汗にも良い漢方
柴胡加竜骨牡蛎湯は精神的ストレスの他にも自律神経の乱れや緊張などの症状にも効果が期待できるので、更年期障害の改善などにも役に立ってくれます。ですが、柴胡加竜骨牡蛎湯は体力のない人には処方されにくい漢方です。
漢方によっては体力の有無で服用が制限されてしまうものもあるので、服用時はきちんと説明書きを読むようにしましょう。
更年期障害の改善にも
更年期障害の原因はホルモンバランスの乱れによる自律神経の乱れですが、柴胡加竜骨牡蛎湯は自律神経緊張にも効果があるといわれているので、これを服用することで更年期障害を改善へと導いてくれます。
更年期障害の症状は人によって異なりますが、主に精神的不安などのストレスや緊張による汗が気になる場合には柴胡加竜骨牡蛎湯を服用してみてください。少し値段は高いですが、精神的ストレスにはコレ(柴胡加竜骨牡蛎湯)!と良く紹介される漢方の一つです。
虚弱体質の人には向かない
虚弱体質とは身体が弱く体力のない人を指しますが、これらの人は柴胡加竜骨牡蛎湯の服用は避ける・控えるようにしましょう。虚弱体質の人が服用をしてしまうと副作用が出やすかったり、体調を悪化させてしまう恐れがあります。
漢方には虚弱体質でも服用可能な加味逍遥散や八味逍遥散などがあるため、そちらを服用するようにしましょう。もし自分が虚弱体質か不明な場合には自己判断で服用せずに、一度医師に診てもらってからの方が安全です。
漢方で脇汗だけでなく体全体を改善
脇汗や多汗症を抑える効果も期待できる漢方は私たちにとって身近なものです。脇汗が気になると、どうしても脇汗だけを止めなければ!という思考に陥りがちになってしまいますが、脇汗を引き起こしている原因から改善することで再発を防ぐことができます。
薬は症状に的確に効くというメリットがありますが、それ以外の症状には効果がないというデメリットを持っています。
それに対し漢方は、効果が現れるのが緩やかというデメリットがあるものの、比較的さまざまな症状を合わせて改善へと導くことができるというメリットを持っています。
脇汗だけでなく、体全体の症状に目を向けて改善するようにすると、脇汗や多汗症も解消していくでしょう。