そもそもエストロゲンやプロゲステロンって何??食品でも増やせるの?
エストロゲンやプロゲステロンとは代表的な女性ホルモンのことです。
この2種類の女性ホルモンは約28日~38日の月経周期にあわせて交互に分泌量を減少、増加を繰り返して女性の体のはたらきを正常にしたり、美と健康を保ったりします。
この2種類のホルモンは、妊娠や出産に関係するだけでなく、女性らしい体や美肌を保つために欠かせないホルモンなのです。
◆エストロゲン(卵胞ホルモン)・・・月経周期の安定・女性らしい体つきを保つ・美肌、美髪効果・月経の始まりから排卵期までが多く分泌される・更年期以降、月経が完全に止まると分泌が終了する
◆プロゲステロン(黄体ホルモン)・・・基礎体温を上昇させる・妊娠の維持・乳腺の形成・精神を安定させる・最もバランスを崩しやすいホルモン・排卵後から次の月経が始まるまで分泌される
年齢とともに女性ホルモンが不足してバランスが崩れると、体の不調などが起こります。できるだけ足りなくなってしまった女性ホルモンは食品から補うなどして、健康的な生活を送りたいですね。
エストロゲンとは?
エストロゲンの分泌時期は、月経周期の前半から増え始め、生理が終わる頃から排卵前にかけて多く分泌されます。基礎体温を下げるはたらきがあり、この時期は卵胞期と呼ばれます。
妊娠に備えて子宮内膜を厚くしたり、神経・皮膚・血管・骨・脳などのはたらきにまで幅広く作用するホルモンです。また、お肌や髪にハリや潤いを生み出し、女性らしい丸みを帯びた体をつくるのには欠かせないので、美人ホルモンともいわれています。
年齢を重ねていくと分泌量が少しずつ減っていきます。特に、40~50代になるとエストロゲンが不足しがちになるので、更年期障害特有の症状に悩まされることがあります。
プロゲステロンとは?
プロゲステロンの分泌時期は、排卵後から次の月経にかけて多く分泌します。基礎体温では高温を示し、この時期を黄体期といいます。妊娠を助け、継続させるはたらきがあります。
プロゲステロンは、ストレスや過食などで崩れやすいホルモンで、油断をすると不足しやすいホルモンです。個人差はありますが、中には肌荒れやむくみ、頭痛や腰痛などにも発展してしまうこともあり、体調不良の原因として表れることもあります。
プロゲステロンの分泌量が増えると、水分を体に溜め込みやすくなったり、皮脂の分泌を増やしたりするからで、極端に減ると太りやすい傾向があるので、注意したいですね。
また、プロゲステロンには精神を安定させるはたらきがあり、ます。自律神経を正常に保つための重要なホルモンなので、不足を食品などで外から補ってあげるのが大切です。
また、プロゲステロンには精神を安定させるはたらきがあります。自律神経を正常に保つための重要なホルモンなので、不足分を食品などで外から補ってあげたり、ストレスを減らしてホルモンのバランスを整えていきたいですね。
これは女性ホルモンと「自律神経」が、どちらも同じ大脳の視床下部でコントロールされているからです。つまり、女性ホルモンのバランスがくずれれば、その影響を受けて「自律神経」にも乱れが生じてくるのです。
引用:http://www.rakura.net/female/female_hormone.html
大豆イソフラボン
女性ホルモンと似たはたらきをする成分として、大豆イソフラボンは広く知られるようになりました。エストロゲンと化学構造が似ているので植物エストロゲンとも呼ばれています。
大豆イソフラボンは、体内で足りなくなったエストロゲンを補ってくれます。多すぎるエストロゲンに対しては分泌量を抑えてくれるなどの働きがあるので、健康や美容を保つのに役立ちます。是非とも更年期を迎える女性が摂取したい成分のひとつなのです。
大豆イソフラボンは大豆からできた食品に多く含まれています。納豆や豆腐、豆乳、きなこ、味噌、おからなどの大豆製品を毎日の食事の中に取り入れましょう。
食品で増えるエストロゲンが乳がんを抑えるってホント?
大豆の消費量が多いアジア諸国は、消費量の少ない欧米に比べて女性の乳がんの発症割合が低いという調査結果があります。これは大豆イソフラボンが乳がん予防の効果があると考えられるからです。
また、男性の場合でもエストロゲンが男性ホルモンを抑えるはたらきがあるので、前立腺がんの予防に役立つともいわれています!男女問わず食品からイソフラボンを摂取するのは健康維持に必要なんですね。
抗がん作用
女性特有のがんの中でも、乳がんと子宮がんは女性ホルモンの分泌異常が原因と考えられています。
乳癌の多くはエストロゲンを中心とします女性ホルモンに依存する癌である事も良く知られてます。すなわち正常の乳腺の細胞から癌細胞になる過程で女性ホルモンが大きな役割を果たすばかりではなく、乳癌患者さんの7−8割では女性ホルモンによって癌細胞の増殖が亢進したり・・
参考:http://pathology.or.jp/ippan/pdf/sasano.pdf
エストロゲンが乳がん細胞の中にあるエストロゲン受容体と結びつくので、がん細胞が増えて大きくなり乳がんを発症するといわれています。
大豆イソフラボンを摂取すると、エストロゲンよりも先にエストロゲン受容体と結びついてくれるので、乳がんを誘発するリスクを低下させてくれると考えられています。
子宮体がんは40代後半から増え始め、50~60代がピークになります。プロゲステロンの分泌がなくなり、エストロゲンによる子宮内膜の過剰な刺激が子宮体がんの原因と考えられています。
この場合、大豆イソフラボンの摂取は過剰なエストロゲンの分泌を抑制して子宮体がんのリスクを下げてくれます。
更年期障害にも有効
ほてり・発汗・イライラなど更年期障害の症状はさまざまあります。エストロゲンの分泌不足やバランスが崩れることで、自律神経の中枢にある視床下部がパニックになり自律神経が乱れてしまうというのがわかっています。
そのせいで、更年期特有の症状が表れるようになるのでエストロゲンの分泌を安定させていくのが改善のポイントになります。
大豆以外でエストロゲンを増やす食品ってなに?
エストロゲンを増やす成分の代表的なものは大豆イソフラボンですが、それ以外にもエストロゲンと似たはたらきを持つ成分があります。
ボロンというミネラル成分はエストロゲンの分泌を活性化し、エストロゲンの血液中の濃度を上げる効果があります。骨粗しょう症の予防にも役立ちます。
また、ビタミンEやビタミンB6もエストロゲンの生成に関係する成分です。バランスを考えて毎日の食事にエストロゲンを増やす食品を取り入れていきましょう。
ザクロ
ザクロにはエストロンという成分が含まれています。エストロンとは、エストロゲンの1種で、エストロゲンと同じような作用があるといわれています。ところが最近の調査ではエストロンの含有量は微量で、エストロゲンと同じ作用はあまり期待できないと分かってきました。
しかし、ザクロにはたっぷりのビタミンB群や抗酸化作用のあるタンニンやポリフェノールが含まれています。摂取すれば美肌や美白・免疫力アップ・ストレス緩和など女性にとってうれしい効果があります。
すりおろしたごま
ごまの成分といえばセサミンが有名ですね。そのセサミンはゴマリグナンという成分に含まれます。ゴマリグナンは活性酸素を除去するはたらきの他に、エストロゲンと似たはたらきもあると最近の研究で分かってきました。
ゴマリグナンはごまの殻の中にあるので、そのままの状態ではうまく体に取り込めません。すりごまにして効率よく食べるのがポイントです。
卵
女性ホルモンの材料はコレステロールです。卵はエストロゲンの材料となる良質なコレステロールをたっぷり含んでいて、食物繊維とビタミンC以外の栄養素をすべて含んでいるという優れた食品です。
一度にたくさん摂取してもすぐに効果が表れるわけではないので、1日1個を目安に続けて食べましょう。
アーモンド
アーモンドに含まれる脂質はエストロゲンの材料となり、アーモンドに含まれるビタミンEが卵巣の老化を防いでエストロゲンの分泌を助けます。また、ビタミンEには抗酸化作用もあるので、アンチエイジングやお肌のトラブル改善にも役立ちます。
食品でエストロゲンを効果的に増やしたい!効果的な摂取量はどれくらい??
効果を早く実感したくて大量に摂取しても思うような結果がえられなかったり、過剰摂取によって逆に体調不良を引き起こしてしまう場合もあります。
美容と健康を維持するためにも摂取量はきちんと守って続けていくのが大切です。
1日40~50㎎が目安
ここ数年の日本人の食生活が欧米化した影響で大豆イソフラボンの一人当たりの1日の平均摂取量は18mgとかなり低くなっています。
吸収率に個人差がありますが、1日に40mg~50mgを目安に摂取していきましょう。食品安全委員会によると、一日のイソフラボン摂取の上限(大豆イソフラボンアグリコン換算値)は70~75mgとされていて、サプリメントでは、30mgと宣言しています。
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豆腐1/2丁
豆腐1/2丁(110g)で55.0mgのイソフラボンが摂取できます。
納豆1パック
納豆1パック(50g)で65.0mgの大豆イソフラボンが含まれています。
卵1個
卵は1日1個が摂取目安です。卵は加熱すると卵黄に含まれているビオチンの吸収率が高まるので、温泉卵などはおすすめです。市販のゆで卵は味付けが濃いものがありますので気をつけてくださいね。
摂り過ぎに注意!エストロゲンを減らす食品はこちら!
エストロゲンを増やす食品があれば、乱したり減らしたりする食品もあります。
これらの食品を完全に摂取しないのは難しいので、量を調節して摂り過ぎには注意しましょう。
緑茶
緑茶は適量であればトラブルは起こりません。しかし、過剰摂取すると緑茶に含まれるカテキンが影響してエストロゲンを減少させるという海外の研究実験が報告されています。
アブラナ系の野菜
アブラナ科の野菜には、キャベツ・芽キャベツ・ブロッコリー・カリフラワー・チンゲン菜などがあります。
これらの野菜は栄養価が高く控えるにはもったいないですが、アブラナ科の野菜に含まれる亜鉛が抗エストロゲン物質としてエストロゲンの分泌を妨げてしまいます。女性に人気の野菜が多いですが、食べる量を調節して過剰摂取には気をつけてください。
柑橘類
みかん・オレンジ・レモン・グレープフルーツなどの柑橘類にはd-リモネンというエストロゲンに解毒作用を持つ物質が豊富に含まれているので、エストロゲンの作用が弱くなります。ビタミン類を豊富に含む柑橘類ですが、エストロゲンを減らさないためには、摂りすぎないよう心がけましょう。
きのこ
きのこ類にもアブラナ科の野菜と同様に、エストロゲンの合成酵素(アロマターゼ)を阻害してエストロゲンの分泌量を抑える抗エストロゲン活性作用があります。エストロゲンの分泌を増やしたい更年期の女性は、きのこ類の食べ過ぎに気を付けたほうがよいでしょう。
しかし一方で、きのこ類のアロマターゼ活性を阻害する効果が、乳がん予防や再発予防に効果があるともいわれています。
また、きのこ類には免疫力を高めるはたらきもあるので、乳がんのリスク低減の目的ならば毎日の食事にきのこ類を摂取したほうがよいとも報告されています。