エストロゲンとイソフラボンの違いを比較
大豆などに含まれているイソフラボンですが、女性におすすめの成分として広く知られていますよね。その理由は、イソフラボンは女性ホルモンの一種であるエストロゲンと構造が良く似ているからなんです。
エストロゲンと似ているイソフラボンですが、効果には少し違いがあります。イソフラボンを活用したい人は、イソフラボンとエストロゲンの違いも知っておくといいですね。
女性にとってエストロゲンは大切なホルモン
イソフラボンと似た構造をしているのは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンというホルモンです。エストロゲンは、女性にとって大切なホルモンで、正常な月経や女性らしい体を作るのに必要なホルモンです。
正常な月経や妊娠といった女性らしい体を作る以外にも自律神経を整えたり、善玉コレステロールを増やすといった作用で女性の健康を支えています。エストロゲンが一番活発に分泌されるのは、月経が終わる頃くらいから、排卵前です。
その時期になるとお肌の調子がよかったり、精神的に安定してると感じることはありませんか?エストロゲンはお肌の調子や精神状態にまで大きな影響を与えているんですね。
イソフラボンは体に穏やかに作用
イソフラボンがエストロゲンと似ているのなら、体に大きな影響を与えたり、効きすぎてしまうんじゃないかと心配してしまいますよね。でも、イソフラボンは穏やかに作用するので副作用の心配があまりありません。
エストロゲンはレセプターと呼ばれる受容体に取り込まれることで初めて作用します。エストロゲンが不足しているときは、イソフラボンが代わりにレセプターにくっつくんです。イソフラボンはエストロゲンが不足しているときにだけエストロゲンの代わりをしてくれます。
エストロゲンと比べると効果もそれほど高くないので、副作用の心配が低いというわけです。
エストロゲンが不足すると?イソフラボンの働き
イソフラボンは、フラボノイドと呼ばれるポリフェノールのひとつで抗酸化物質という性質も持っています。老化を予防したり、美肌を助けたりとその効果はさまざまなです。
ストレスの多い生活環境では、女性ホルモンが乱れがちです。イソフラボンの作用や効果を知って、毎日の生活に取り入れてみましょう。
エストロゲンの低下は様々な不調がでる
エストロゲンは、妊娠や出産といった生殖機能以外にも女性の体に影響を与えています。閉経前の女性が体の不調を感じる更年期障害は、年齢とともに女性ホルモンが減少し体のバランスを崩してしまうからです。
脳や自律神経、心臓血管といった循環器、コレステロールや中性脂肪に関係する脂質代謝、乳房や皮膚、骨の代謝にまでエストロゲンは関係していて、女性の体の機能を整えているんです。
イソフラボンの摂りすぎに注意
不足しているエストロゲンを補ってくれ、穏やかに作用するイソフラボンですが、やはり取り過ぎには注意が必要です。特に、サプリメントで摂る場合は、過剰にとってしまいがちなので注意したいですね。
イソフラボンを過剰摂取すると、生理不順や子宮内膜症のリスクや高まるといった研究もあるんです。イソフラボンを食品から取る場合はたくさんとっても、1日に75mgほどにしておきましょう。
サプリメントといった健康食品で取る場合は、30mgが上限に設定されています。納豆1パックが65mgほどですので、食べ過ぎてしまうということは多そうですね。
エストロゲンとイソフラボンと乳がんの関係
女性の健康づくりには欠かせない女性ホルモンですが、過剰に出すぎても足りなくても体にとって良くありません。
女性ホルモンが過剰に分泌されると生理痛が重くなったり、乳がんや子宮内膜症の原因にもなってしまいます。イソフラボンは、不足したエストロゲンの代わりをするだけではなく、過剰に分泌したエストロゲンにも作用します。
イソフラボンがエストロゲンの害をブロック
エストロゲンが不足しているときには、イソフラボンがエストロゲンの代わりをしてくれるのですが、過剰なときは、エストロゲンがレセプターにくっつくのを邪魔するので、エストロゲンの害をブロックしてくれます。
エストロゲンの働きを抑えてバランスを整えてくれるイソフラボンは、乳がんの予防にも役立つんです。
欧米に比べると死亡率が低いのはイソフラボンのお陰?
和食には味噌や豆腐、納豆といったイソフラボンが豊富な食材が多いですよね。日本人はイソフラボンを多く摂取していますが、日本人が欧米人よりも病気が少なく長寿なのはイソフラボンが関係しているかもしれません。
アジア人は欧米人と比べると、イソフラボンによって乳がんのリスクを減らしやすい体質であるという研究もあります。欧米人よりも日本人の方が、イソフラボンの効果を実感しやすいというわけなんです。
イソフラボンを多く含む日本食は、日本人にぴったりのメニューと言えます。
子宮筋腫にも関係が?エストロゲンとイソフラボン
30代の女性が発症しやすい子宮筋腫という病気は、発症する原因が良く分かっていないものの、エストロゲンの働きが関係しているといわれています。
更年期に入ると小さくなる子宮筋腫
子宮筋腫は子宮の筋肉の中にできる良性の腫瘍で、できる場所や大きさによって月経不順や貧血、月経痛という症状を引き起こします。この腫瘍は卵巣ホルモンによって大きくなり、更年期に入ると縮小することが知られています。
子宮筋腫のある人はイソフラボンの摂取量に注意
子宮筋腫や子宮内膜症といった病気には、エストロゲンが関係しているため、こういった病気を抱えている人はイソフラボンの過剰摂取には注意しましょう。長期的にイソフラボンを摂取すると、体にどのような影響があるかについては分からないことも多いんです。
病気の定期検診をしっかり受けて、1つの成分をたくさん食べ過ぎるのではなくバランスよく食事をとることがやはり健康には大切ですよね。
プロゲステロンってなに?エストロゲンとイソフラボンの仲間?
エストロゲンという女性ホルモンのほかにも、プロゲステロンという女性ホルモンがあります。プロゲステロンも妊娠や出産にとても大切なホルモンで、排卵から2週間後までに多く分泌されるホルモンです。
プロゲステロンとエストロゲンのバランスが保たれていれば、高温期や低温期といったホルモンバランスが安定し妊娠しやすい体の状態になります。プロゲステロンも多すぎればよいというものではなく、過剰に分泌されればPMS(月経前症候群)の原因になってしまいます。
PMSは生理前になると、頭痛や腹痛が起きたり精神的に不安定になるといった症状が出てしまうんです。体質によっても違いがありますが、イソフラボンを適量摂取することで、ホルモンバランスが整えられpmsが改善することもあります。
しかし、イソフラボンの過剰摂取によってpmsがひどくなる人もいるので、やはりイソフラボンの取り過ぎは控え、体調が悪い場合は病院を受診して様子を見るということが大切ですね。