冷えのぼせで赤ら顔に…適切な治療方法と漢方での改善方法まで |

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冷えのぼせで赤ら顔に…適切な治療方法と漢方での改善方法まで

冷え性の重い症状・冷えのぼせになぜなるの?

外よりも温度が高い室内にいると顔が真っ赤になってしまう。下半身が冷えているのに上半身だけが熱い・・。そんな症状に身に覚えはありませんか?これは“冷えのぼせ”と言われる冷え性の一つです。

簡単に言うと下半身は冷たいのに顔などの上半身はカッと熱くなりのぼせてしまっている状態を指します。本来下半身にいくはずの血が上半身に集まってしまうことによって顔が赤くなり、ボーっとしてしまったり顔が脂っぽくなってしまったりと様々な症状が現れます。

また、その症状から「プレ更年期」などと言われることもあるようですが、冷えのぼせと更年期は全くの別物。原因と対策方法をしっかりと理解して、症状を改善していきたいです。冷えのぼせの原因には次の3つが一般的に言われています。

血行不良

血行不良になると、まずは生理痛などの冷えからくる症状が見られます。このまま血行不良が続くと今度はリンパ管や静脈がうっ滞してしまい、体の末端がむくんできます。

一方で身体は本能的に頭の温度が下がらないように働きます。手足の先が冷えてしまっても頭を温めることを優先させます。このため、手足の末端と頭との温度差が大きくなり、冷えのぼせにつながってしまうのです

骨盤のゆがみ

骨盤がゆがみバランスが崩れてしまうと、血液の循環が悪くなってしまうことがあります。また、骨盤のゆがみによって周りの筋肉が不自然に引っ張られ、血流を圧迫するケースもあります。

姿勢が悪い人や、出産で開いてしまった骨盤が閉じていない人、長時間のデスクワークが多い人などは骨盤がゆがんでしまっている可能性が大です。また近年問題になっているのが、骨盤矯正をうたったガードルなどの矯正下着による圧迫で起こる血行不良です。

エアコンが効いた室内で長時間のデスクワークをし、毎日のように締め付けの強い矯正下着を着用している。思い当るところはありませんか?冷えのぼせが20代~30代の女性に多いのには、これらの理由があったのです。

ストレス

ストレスと血行は一見すると別ものですが、実は意外と重要なカギを握っています。ストレスが溜まっていくと自律神経のはたらきに影響を及ぼすことが分かっています。

自律神経のバランスが乱れると交感神経が優位となり、アドレナリンとノルアドレナリンの分泌量が増え、血管を収縮させてしまうのです。これにより血流が悪くなり、血行不良、そして冷えへとつながっていきます。

冷えのぼせで赤ら顔になるのはなぜ?

では、どうして顔が赤くなってしまうのでしょうか。赤ら顔とは、皮膚の中にある毛細血管が拡張して顔が赤くなる状態の事をいいます。

交感神経が優位にたった状態の時、緊張や興奮状態にある場合に顔に血流が集中し、赤くなってしまいます。怒った状態を「頭に血が上る」と言いますが、あれは本当に血流が頭部(顔)に集中しているんです。


赤ら顔を改善したい!冷えのぼせの治療法

小さい時は「りんごほっぺ」なんて言われたりしてかわいいイメージがありますが、大人になってからの赤ら顔は田舎者のように見られたり、コンプレックスに感じている人はとても多いです。

残念ながらすぐに治るものではありませんが、小さなことから改善につなげていきましょう。

血流を良くする

血流を良くするために日々とりいれられることと言えば、やはり食事です。皆さん知っての通り、食材には身体を温めるものと冷やすもの、温める食べ方と冷やす食べ方があります。

「野菜を食べましょう」と言われて、コンビニやスーパーで出来合いのサラダを買ってきたりしていませんか?サラダの定番食材であるレタスやキュウリ、トマトといった野菜は夏野菜で、生のまま食べると身体を冷やしてしまいます。せっかく食べてもこれでは逆効果。

今では一年中夏野菜が出回るようになっていますが、やはり夏野菜は夏に、冬は根菜などの冬野菜を加熱して食べるようにしましょう。

また、ねぎや生姜、とうがらしなどは身体を温める野菜の代表です。これらの野菜は一年中積極的に取りいれたい野菜ですね。どうしてもレタスやトマトが食べたい時は、生ではなくスープに入れるなどして温めたものを食べましょう!

骨盤のゆがみを治す

歪みを直す方法として次の4つがあります。

1.整体や整骨院などに通う
2.ストレッチ
3.座り方を直す
4.矯正ベルトなどの道具を使う

専門家の元で直すのも一つの手ですし、自力で歪みを取っていくことも可能です。インターネットや雑誌などでも骨盤の歪みを取る方法は多数紹介されているので、今日からすぐにスタートできますね。

ただ一つ言えるのは、一度歪んでしまった骨盤を直すにはかなりの時間がかかるということ。一度で直るようなものではなく、継続することが重要です。

普段の姿勢を良くする、脚を組むのをやめる、左右両方の手をバランスよく使ってカバンを持つ、などの日常的な動作からも歪みを防ぎましょう!

ストレスをなくす

ストレスが血行に影響するメカニズムは先に書いた通り、自律神経のバランスによるもの。自律神経が乱れないようにするためにはストレスを溜めないことが重要です!

ストレス解消方法はみんなそれぞれの方法がありますが、多いのはウォーキングや軽めのランニング。人によっては「何もしない」なとういう場合もありますね。軽い運動はストレスをなくす以外にもたくさんのメリットがあるので、とても効果的です。

どんなストレス解消法も本人にマッチしていれば良いのですが、みんながみんな同じことでストレス発散になるとは限りません。いろんな方法を試して、自分にぴったりのものをみつけたいですね。

ただ、避けたいのは過度な飲酒や、喫煙です。せっかくストレスを解消できたとしても、別のところで影響が出てしまいます。特に喫煙は血管を収縮させてしまうので、血流を良くするには逆効果となってしまいます。

冷えのぼせに効くツボを押す

人の身体にはたくさんのツボがありますが、冷えやのぼせに効くツボもいくつもあります。今回はこの中でも代表的なものを3つご紹介!

1つ目は「血海(けっかい)」というもの。

このツボは血の海という名前そのもの、血が大量に集まるところを表しています。血行に関わる病気に効果があると言われ、冷えのぼせだけでなく婦人科系の病気にも効果があるツボです。場所は、膝のお皿から指3本分ほど上。そこを太ももの骨に対して垂直に押します。

2つ目は「三陰交(さんいんこう)」。

女性の生理一般に効果があり、知っている人も多いのではないでしょうか。場所は内くるぶしから指4本分ほど上の骨のきわにあります。押すと痛いと感じる人が多いツボです。

3つ目は「八風(はっぷう)」です。

このツボは親指から小指まで各指のつけ根にあり、左右あわせると8か所になります。

表と裏側の境目にあるので、親指と人差し指で指の間をはさみ、強めに押したり揉んだりしましょう。指先に向かって引っ張って離すのも効果的です。

また、足の指と指の間に手の指を奥まで差し込み、そのまま足首をぐるぐる回すと一度に4か所の八風を刺激することができます。指でつまむ場合は1か所10回程度を、指を差し込んでやる場合は片足10周を目安に行いましょう。

針治療

針治療は、その症状を根本から改善するために行います。冷えのぼせの原因は血流が悪いことが主な原因ですが、ではどうして血流が悪くなっているんでしょうか。

鍼灸院ではそういった原因の原因を突き詰め、根本から良くしていくことを目指す治療をします。今起こっている症状の原因は人それぞれです。個人に合ったツボを組み合わせ、冷えやのぼせを解消していきます。


冷えのぼせを改善できるおすすめの漢方は?

漢方薬で更年期障害対策

漢方では「(けつ)」と「」があり、この二つは常に体をめぐってバランスを調整していると考えます。

「血」の流れが滞ってしまうとバランスがかたより、温かいものは上へ、冷たいものは下へ行き、上半身がのぼせ、下半身が冷えるという“冷えのぼせ”がおきてしまうのです。
この状態を改善し、「血」と「気」を整えてくれる代表的な漢方が次の4つです!

冷えのぼせには当帰四逆加呉茱萸生姜湯

「とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう」と読むこの漢方は、手足の先が冷える人に効果的な漢方です。

生姜(しょうきょう)や当帰(とうき)、甘草(かんぞう)など9種類の生薬を配合したこの漢方は、身体を温め、熱をつくるサポートをします。まさに冷えのぼせにぴったりな漢方ですね!特に手足の冷えが強く体力があまり無い人に向いていると言われています。

冷えのぼせ+肩こりには桂枝茯苓丸

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は血のめぐりを良くさせる時に処方される代表的な漢方です。血行を良くしバランスを整えるはたらきをすることで、のぼせや冷えだけでなく肩こりにも効果的です。

この漢方は、どちらかというと女性向けといわれていて、体格がしっかりした赤ら顔の人に向いています。

冷えのぼせ+便秘には桃核承気湯

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)は血液循環だけでなく、便通も良くしてくれる漢方です。

この漢方には桂皮(桂皮)や甘草(かんぞう)以外に、血行をよくする桃仁(とうにん)や便通に効く大黄(だいおう)といった代表的な生薬が含まれ、これらがいっしょに働くことでさらに効果を発揮します。

冷えのぼせ+頭痛には五積散

五積散(ごしゃくさん)は血行や水分循環を改善します。この漢方には、血行をよくする生薬だけでなく痛みをとる働きをするものも含まれているので、冷えのぼせから来る頭痛にも効果的です。

ただ、体がひどく弱ってしまっている人や、汗を多くかく人には向いていないので要注意です。

冷えのぼせ+不眠には加味逍遥散

加味逍遥散(かみしょうようさん)は血液循環を良くして体をあたためると同時に、のぼせなどの上半身の熱を冷ます働きをします。さらにホルモンバランスを整える効果もあり、不眠にも効果的です。こちらの漢方も女性向けで、体が弱い人に向いています。

この他にも漢方はたくさんあります。ただし、漢方は人によって向き不向きがあるので、専門家に相談し、自分の体質に合った最適な漢方を見つけましょう!