キヌアとアマランサスってどんな食べ物?
セレブやモデル、女優、美容と健康に意識の高い女性が注目しているスーパーフード。キヌアとアマランサスもその仲間です。
スーパーフードという言葉から、何だかスゴそうなイメージはありますね。それぞれどんなフードなのでしょうか?
■キヌアとは
南米アンデス原産地のキヌアの歴史は古く、4000年以上も前から存在していた食品です。ほうれん草やビーツと同じ仲間の種子で雑穀に分類されます。食べるときには水と一緒に炊いて食べます。
栄養価が高く、ハリウッドセレブ女優ミランダ・カーさんも愛用していますが、ダイエットフードとして利用している人も多いです。炊いたキヌアはそのまま白米のように食べても、サラダに混ぜたり、スープに入れてリゾット風にして食べたりしても美味しくいただけます。
■アマランサスとは
紀元前5,000年ころから栽培され食されていた、中南米ペルー原産のアマランサス。別名驚異の穀物、スーパーグレインとも言われているくらい、キヌアと同じで栄養価の高い食品として注目を浴びています。
日本では江戸時代頃から栽培され、「赤粟(あかあわ)」として食べられていました。アマランサスは、ふつうに食卓で食べられるだけでなく、癌や糖尿病などの治療用食品を製造する際にも使われることがあります。
また、アレルギー反応が出にくい食品としても知られているので、アレルギー疾患のある方も利用することができます。宇宙食として、アマランサスもキヌアと同じように利用されています。
アマランスは粒が小さめで、独特なにおいがあるので白米のようにそのまま食べずに、サラダに混ぜたり、雑炊に入れたりして他の食材と一緒に食べます。
■キヌアとアマランサスの共通点
- 栄養価が高い
- 美容や健康にいい
- ダイエットフードとしての利用ができる
- ご飯に混ぜて食べることができる
- アルカリ性食品
キヌアとアマランサスが注目されるその栄養価
キヌアとアマランサスは注目されているスーパーフードです。この2つの食品の持つ栄養成分がとにかくスゴイ!精白米も含めて栄養成分を比較してみました。
NASAも推奨!キヌアの優れた栄養成分
これはNASA専門誌に1993年に掲載されたキヌアに関する一部です。キヌアの優れている栄養成分についてNASAも認めていますね。さて、そのキヌアの驚くべき栄養価の高さですが、同等量の精白米と比較すると次のようになっています。
キヌア:カロリー368kcal
精白米:カロリー356kcal
キヌアに含まれている栄養成分(精白米との比較)
良質な脂質:5倍
たんぱく質:2倍
カルシウム:10倍
葉酸:23倍
食物繊維:8倍
鉄:8倍
リン:7倍
マグネシウム:7倍
カリウム:5倍
キヌアに含まれている、精白米と共通しているその他栄養成分にはビタミンB1,B2,B6、亜鉛があります。このうちビタミンB1は精白米の5倍もの量が含まれています。
また、キヌアには抗酸化物質としてケルセチンとケンペロール、サポニン、メチオニン、ビタミンEなども含み、老化現象抑制効果も期待できます。
■キヌアに含まれる抗酸化物質
・ケンペロール:ケールやパセリに多く含まれている成分
・サポニン:大豆や高麗人参に多い成分
・メチオニン:抗酸化作用をアシストする成分
・ビタミンE:抗酸化作用と言えばこの成分
どうでしょうか?キヌアの主な成分ということでピックアップしたものだけを見ても、1つの食品でこれだけの栄養成分と量が含まれているのには驚きです。NASAにピックアップされるだけありますね。
業界が流行を予測!アマランサスの栄養成分
キヌアに負けない栄養価のあるアマランサスですが、意外にもカロリーも同等クラスの食品でした。精白米との比較をしてみました。
アマランサス:カロリー358kcal
精白米:カロリー356kcal
アマランサスに含まれている栄養成分(精白米との比較)
良質な脂質:5倍
たんぱく質:2倍
カルシウム:32倍
葉酸:16倍
食物繊維:8倍
鉄:11倍
リン:7倍
マグネシウム:7倍
カリウム:5倍
アマランサスの栄養価も高いのが一目瞭然です。また、アマランサスがキヌアより優れているの栄養素は、鉄とカルシウムです。数値で見てみるとアマランサスの含有量の多さにビックリですね。
■鉄
キヌア:4.6㎎ アマランサス:9.4㎎
■カルシウム
キヌア:47㎎ アマランサス:160㎎
キヌアとアマランサスはダイエットや貧血予防にも
スーパーフードのキヌアとアマランサスの2種類の食品の持つ栄養成分についてみる限り、2つともダイエット向きの食品だということがわかりますね。単品ダイエットとして使う食品ではないので、他の食品とのバランスを考えながらとり入れていくのがベストです。
また、2種類とも鉄分を多く含む食品なので貧血対策改善への効果も充分に期待できます。
どちらもダイエット中にうれしい低GI食品
GIは、Glycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、食後血糖値の上昇度を示す値のことです。食品には高GI食品―中―低GI食品と段階で分けることができます。
ダイエットに適しているのは、低GI食品で、食事を摂ったあとの血糖値を急激に上げることがなく、緩やかに上げていき、すい臓から分泌されるインスリンの量も適度な量なので、糖の吸収も穏やかにされます。キヌアとアマランサスも、この低GI食品にあてはまります。
また、キヌアとアマランサスは、精白米や食パンなどの糖質を多く含む食品を比べると低糖質の仲間に入る食品です。低IG食品でもあり低糖質食品でもあるので、食べても脂肪が蓄積されにくい食品だと言えます。
ダイエットで不足しがちな栄養が豊富
食事制限も入れてのダイエットでは、どうしても栄養のバランスが崩れてきてしまいがちです。RFCバランスと言われる三大栄養素バランス、たんぱく質(プロテイン)・脂肪(ファット)・炭水化物(カーポ)。
この3つの摂取バランスを考えながら食事内容を決めるのがベストな方法ですが、毎日となるとこれがなかなか面倒なことで続けられなく、単品になってしまったり、適当になってしまったりして、一日の必要量が足りてないことがあります。
どの栄養素が不足気味なのか、それを分析するのは大変なこと。一般的にダイエット中で不足がちとなるのは、食物繊維と鉄分、そしてカルシウムです。
スーパーフードのキヌアやアマランサスには、どの成分も豊富に含まれていますね。また、その他の栄養成分も含まれているので、ダイエット中のお食事に少しだけプラスして使ってみましょう。
貧血改善が期待できる成分が豊富
貧血に効果的な成分と言えば、鉄分ですね。鉄分には吸収率のよいヘム鉄と、吸収率の悪い非ヘム鉄があります。キヌアとアマランサスに含まれている鉄分は、非ヘム鉄で精白米の8倍も含まれています。
ヘム鉄と非ヘム鉄の吸収率がどのくらい違うのかというと、非ヘム鉄を1~6%に対してヘム鉄は10~20%も吸収率がいいんです。吸収率の悪い非ヘム鉄ですが、吸収率をアップさせる方法があります。
ビタミンCやクエン酸、たんぱく質をプラスして摂ることです。また、非ヘム鉄の吸収を阻害するカフェインやコーヒーや緑茶に多く含まれるタンニン、ほうれん草などに含まれるシュウ酸(アク)を一緒に摂らないようにしましょう。
そうすることでキヌアやアマランサスに含まれている豊富な非ヘム鉄の吸収をスムーズにすることができます。
貧血=鉄分補給で解決という方程式を思い浮かべる方は多いですが、それだけで終わらずに血を造り出す作用も活発化させることが大切です。これを造血作用といいますが、造血作用効果をサポートするのにビタミンB12やB6、葉酸を利用します。
キヌアとアマランサスには、そのうちのビタミンB6と葉酸2つの成分が含まれています。貧血の改善もして、造血作用もできてしまうとは、まさにスーパーフードですね。
便秘解消で腸内環境改善
便秘を解消するのに欠かせない成分は、食物繊維です。精白米の食物繊維含有量との比較では、キヌアもアマランサスも8倍の食物繊維を含んでいます。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があるのをご存知でしょうか?ワカメや昆布、リンゴなどは水溶性、サツマイモやゴボウなどは不溶性食物繊維にあたります。
スーパーフードのキヌアとアマランサスに含まれている食物繊維は、水溶性と不溶性の両方の働きのある食物繊維です。便秘を解消していくには、2種類の食物繊維の摂取バランスが大切ですから、キヌアとアマランサスは最良の食品と言えますね。
キヌアとアマランサスには女性にうれしい成分が豊富
■鉄分
女性には妊娠・出産・月経・更年期障害があります。血とは切っても切り離せない関係なんですね。意識して日頃から鉄分を補っていかないと不足がちになりやすく、立ちくらみや貧血に悩んでいる女性は多いです。
■ミネラル
女性ホルモンのバランスと女性の体の状態は連動することが多く、ミネラル不足にも陥ってしまいがちなんです。ミネラル不足になってしまうと、肩こり、便秘、不眠、冷え、生理不順、不妊、貧血、イライラなどありとあらゆる症状が出やすくなってしまいます。
妊娠したときにつわりの症状が酷い方がいますが、それは「あなたの体はミネラル不足ですよ~」という体からのSOSなんです。そして40代以降になってくると悩まされ始めるのが更年期障害です。
更年期障害の症状は女性ホルモンのバランスが崩れることで、ミネラルの吸収に影響が出てくることで起きています。ミネラルも女性には必須の成分です。
■亜鉛
亜鉛というと牡蠣に含まれている成分でご存知の方もいらっしゃいますね。
亜鉛の効能は主に7つあります。女性ホルモンの分泌量をアップ、胎児の成長に欠かせない、体内酵素の活性化、免疫力アップ、美肌&美白効果あり、美髪や抜け毛対策、抗酸化作用です。女性にとってはうれしい効果ばかりです。
■カルシウム
女性の体の状態は、女性ホルモンによってコントロールされています。30代後半から40代に入ってくると、徐々に女性ホルモンのバランスが乱れ、エストロゲン分泌量が減少します。
このときにバランスを取ろうと、足りなければ体の中にあるカルシウムが引っ張り出され、ホルモン量とのバランスを調整する役割を果たしてくれています。
女性ホルモンとカルシウムの2つの働きがあるからこそ、女性が高血圧や血液関連の病気にかかりにくいこともわかっています。
更年期に入ってくると、女性ホルモンは減少する一方ですから、それをフォローしようとカルシウムがたくさん使われるようになります。ここで心配になってくるのが骨粗しょう症という病気です。
キヌアやアマランサスに含まれているカルシウムの量は豊富ですから、カルシウム不足に陥らないようにすることもできるでしょう。
雑穀米や白米、パンに混ぜてもOK!キヌアとアマランサス食べ方レシピ♪
キヌアは炊いて食べるのがごく一般的な食べ方です。炊き上がりにトウモロコシを茹でたときのようなにおいがして気になるという方は、炊くときに料理酒を大さじ1程度入れて炊くとにおいが軽減されるので試してみてくださいね。
また、アマランサスはそのまま食べるよりも、他のものと混ぜて食べたほうが美味しくいただけます。
キヌアを使ったおすすめレシピ
■15分で完成!簡単サラダ
キヌア(茹でたもの)大さじ3
レタス 1/2枚
かいわれ大根 1/8パック
ポン酢 大さじ1
ゴマ油 小さじ1
<作り方>
・キヌアは10分程度茹でてざるにあげます。
・レタスとキヌアを盛り付けて、カイワレ大根をのせます。
・ポン酢とゴマ油をかけて完成。
あと一品欲しいというときに時短でできる簡単サラダです。
アマランサスを使ったおすすめレシピ
■アマランサス入り・ミルク白パン
強力粉 250g
ドライイースト 3g
バター 10g
砂糖 10g
塩 5g
アマランサス 大さじ1
牛乳 180㏄
<作り方>
・アマランサスは茹でて茶こしで水切りをします。
・牛乳はレンジで温めておきます。
・ホームベーカリーに全ての材料を入れてそのまま一次発酵。
・終わったら生地を取り出して形を整え、10分くらい生地を休ませます。
・8等分にして丸めます(切込みはお好みで)
・鉄板に並べて霧吹きをして二次発酵させます(温かい場所で)。
・180度に予熱したオーブンで13~15分程度焼いて完成。
パン生地に混ぜ込んたり、ご飯と一緒に炊いたり、お菓子作りでクッキー生地に入れたりして、アマランサスは混ぜて食べプチプチ食感を楽しんでみてください。
キヌアとアマランサス、迷ったら両方試してみてはいかが?
キヌアとアマランサス、どちらも栄養価が優れているスーパーフードです。低糖質、低GI食品、低カロリー、それでいて栄養成分が豊富という点が共通している2種類の食品で、どちらを選ぼうか迷ってしまいますね。そんなときは、両方試してみてはどうでしょうか?
アマランサスはそのままで食べるよりは、何かに添えたり混ぜて食べるのがおすすめなので、白米にアマランサスとキヌアを一緒に入れて炊いて、それを食べてもいいでしょう。
また、それぞれを別々で炊いて、キヌアはそのまま白米のように食べて、アマランサスはサラダに混ぜたり、パンを作るときに生地に混ぜて焼いたり、トッピングのような感じに他のお料理に添えて食べるのもおすすめです。
キヌアもアマランサスもどちらも栄養価が高い食品なので、毎日の食卓に賢く摂りいれていきたいですね。