更年期かも?イライラの原因と対処法
女性ホルモンのバランスが崩れると、体に様々な変化が起こります。更年期に入ると、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが急激に減少します。エストロゲンは自律神経にも作用しているので、呼吸や代謝、消化や血圧に影響がでてきます。
エストロゲンは体が生命活動をするのに、とても大切なホルモンです。それが急激に少なくなる訳ですから、分かりやすく体の変化も出てしまうということなのです。
自分の意志とは反して、身体が火照ってたり、イライラしてしまったり動悸や息切れがでるのも、これが原因です。症状には個人差がありますが、ひとつとは限らず重なっていくつもの症状が現れるケースもあります。
肌にハリがなくなったり、髪の毛にパサつきが出たり、高血圧気味になるのも女性ホルモンの減少が原因です。
更年期のイライラ、原因いろいろ
年齢や過程はそれぞれですが、年齢が上がるにつれて、定期的にあった生理もまばらになり、徐々に閉経を迎えます。閉経を迎えると女性ホルモンはほとんど分泌されなくなります。
女性ホルモンには、気分を落ち着かせる作用もあるので、不安感が強くなったりイライラしたりしてしまいます。そして更年期が現れる年齢は、人生においても大きな転機になっている時期でもあります。
例えば、子供の成人や、介護といった家庭環境の変化も多くあります。環境の変化はストレスになります。複雑に重なったストレスが自律神経のバランスを崩す原因にもなるのです。
卵巣の機能低下
女性は生まれた時から決められた数の卵細胞しか持っていません。卵細胞が減っていくのに伴って卵巣の機能も低下していきます。機能が低下していくと、卵巣が分泌していた女性ホルモンのエストロゲンも減少していきます。
閉経を迎えると言うことは、卵細胞がなくなって、エストロゲンが分泌されなくなると言うこと指します。呼吸や循環、代謝、消化にはたらきかけていたホルモンが分泌されなくなると、身体にも大きな負担になります。
これが原因で、更年期のいろんな障害が引き起こされるのです。
女性ホルモンの減少
先にも書いた通り、卵巣の機能が低下すると、卵巣が分泌していたエストロゲンが急激に減少します。エストロゲンには気分を穏やかにしてくれる作用があるホルモンなので、減少することで、不安感やイライラがコントロールしにくくなってしまうのです。
特に職場や家庭でストレスを感じやすい方は、ホルモンの減少による不安感やイライラも強い傾向にあります。ストレスを軽減する方法を見つけておくことが、更年期のイライラを抑えることにつながりますよ。
自律神経の乱れ
自律神経というのは、呼吸・循環・消化・代謝をつかさどる神経です。そして女性ホルモンのエストロゲンは、自律神経のバランスを保つのに大切なホルモンなのです。
つまり、卵巣の機能が低下して女性ホルモンの分泌も減少してしまうことで、自律神経のバランスが乱れてしまうので、動悸や、焦燥感、胸焼け、火照りといった症状が出てきてしまうのです。
ビタミン・ミネラルの不足
ビタミンやミネラルは、肌の調子を整えたりするためではなく、体にとりこんだ栄養素を、効率的にエネルギー源に変えてくれるという役割をします。
更年期障害は自律神経の乱れから、基礎代謝が低下してしまうことで、うまくエネルギーに変換ができなくて、倦怠感が出たり、体がだるくなるという症状も出てきます。
体の不調が現れているところに、輪をかけてビタミンやミネラルが不足していると、更年期の症状を重くしてしまったりします。ビタミンは体の中ではつくられないので、食事やサプリメントで意図的に取り入れる必要があります。
頭痛でイライラ!すぐできる更年期の対処法
更年期障害の中でも、不快な症状として代表的なのが頭痛です。ホルモンバランスが崩れると脳への血液のめぐりも悪くなるので頭痛が引き起こされるのです。こうした不快な症状も手軽な方法で和らげることができます。
アロマオイルでリラックス
香りというのは、脳からホルモンを調整する器官に伝わって、心と体に影響をすると言われています。アロマオイルは「西洋の漢方」とも言われていて、ホルモンバランスを整えるのにも有効です。
いい香りはリラックス効果も高く、苛立ちを感じた時や気持ちの落ち込みがあった時にも、気持ちを落ち着かせてくれます。アロマデフューザーで香りを楽しむのもいいですし、アロマオイルでマッサージをするのも心地よくリラックスできますよ。
太陽の光浴びる
太陽光で分泌が活発になるセロトニンという物質があるのは知っていますか?セロトニンとは別名「幸福ホルモン」と言われていて、苛立ちを抑えるのにも効果的なのです。
エストロゲンの減少と一緒に低下してしまうのですが、セロトニンは朝の太陽光を浴びると、活発に分泌されるようになるので、更年期のイライラ抑制に有効です。朝のウォーキングは、ストレス解消の運動とセロトニン分泌を促す、”理にかなった”更年期の対処法なのです。
食事で改善する
これまで卵巣から分泌されていた女性ホルモンが、ほとんど分泌されなくなるということは、女性ホルモンと似た働きをしてくれる成分を、外部から摂らなければならないということになります。
日々の食事で、バランスの良い食事を心がけることで、更年期の症状を軽減することも可能になります。イライラを和らげるには、イソフラボンやマグネシウムの含まれた食事をすると効果的です。
軽い運動を取り入れる
更年期に入ると、体の基礎代謝能力も低下します。基礎代謝能力が低下しても、体を動かすことで意図的に代謝を促すことができます。それに、加齢で衰えてしまった筋肉をつけることで、脂肪を燃焼して代謝能力を上げることができます。
更年期でもっとも警戒すべきは、生活習慣病のリスクが高まるということです。運動をすることで、生活習慣病予防や更年期によるイライラを抑えることにも繋がりますよ!何より、運動をすると気持ちがいいので、ストレスを溜めないためにもオススメです。
イライラする更年期に飲むべきサプリとは?
現在は、更年期障害の症状を緩和するサプリメントもたくさん出ています。更年期による体のの不調もサプリメントの助けで緩和できたり、気分を和らげる助けをしてくれます。
小林製薬/命の母A
命の母Aには、女性に不足しがちなビタミンや、葉酸やカルシウムといった13種類の生薬が含まれていて、ホルモンバランスを整えてくれます。自律神経を整えることで、更年期の火照りや苛立ち、倦怠感を根本的に改善する助けをしてくれます。
大塚製薬/エクエル
大豆イソフラボンのパワーの源であるエクオールを含んだ、女性の健康と美容をサポートするサプリメントです。40歳を過ぎて感じる体の不調の原因である、ホルモンバランズの乱れを改善する作用があります。
キッコーマン/からだ想い 基本のサプリ
大豆イソフラボンやぶどう種子ポリフェノールや葉酸を含み、更年期に入った女性に不足しがちな栄養素の補給ができます。体の変化が起きやすい40代からの女性向けに開発されたサプリメントなので、体の中で作られない成分を補うつもりで飲んでみるといいですよ。
漢方?薬?更年期のイライラは我慢せず受診を
体の変化や不調は個人差もあり、軽度で済む人から症状が重くなってしまう人もいます。症状がひどい時には、病院で診察してもらうこともできます。産婦人科や総合病院の更年期専門外来で診察を受けられますので、辛い時には一人で悩まずに、受診することをオススメします。
症状に合わせて、処方箋も出してくれることもあります。まずは、自分自身がどうゆう状態であるのか知るだけでも、心持ちも大きく変わりますよ。
症状別の漢方薬
更年期の症状に合わせて、漢方薬が利用されることもあります。漢方は、薬とは違って症状自体にはたらきかけるのではなく、体自体の調子を整えることで、その結果症状が改善されるという治療方法になります。漢方はより個人に寄り添った形で配合されます。
更年期症状(女性)に用いられる漢方薬
加味逍遙散(かみしょうようさん)・・・のぼせ、肩がこり、疲れやすい、不眠症など
温経湯(うんけいとう)・・・手足のほてり、唇がかわく、不眠など
五積散(ごしゃくさん)・・・冷え、頭痛など
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)・・・肩こり、頭痛、めまい、のぼせ、足冷え、肩こりなど
温清飲(うんせいいん)・・・皮膚がかさかさして色つやが悪い、のぼせ、神経症など
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・・・冷え症、貧血、疲労しやすい、むくみなど
女性ホルモンの処方も
卵巣の機能低下に伴って、女性ホルモンの分泌がほとんどされなくなるので、女性ホルモンを、飲み薬や貼り薬として服用することで、更年期障害のあらゆる症状を改善していきます。ただし、気をつけたいのが服用することでの副作用です。
女性ホルモンの処方による副作用は、だいたい服用の1〜2ヶ月後には自然と治るものがほとんどだと言われています。生理の時の症状に似た乳房や下腹部の張りや、子宮ガンのリスクについても報告されていますが、黄体ホルモン剤を併用するとこで、リスクも低くなると言われています。
どこでもイライラ!職場での更年期
働く女性にとって更年期障害は、場合によっては家庭や職場の人間関係にも影響が出てしまうこともあります。
例えば、些細なことでも、苛立ちが抑えきれずに、人につらく当たってしまったり、気分の浮き沈みが激しく、知らず知らずに周りの人に気を使わせてしまうなんてこともあります。
自分自身にとってはホルモンバランスの乱れであっても、外からは分からないので、単に人間関係をこじらせてしまうことにもなりかねないのです。
更年期障害の緩和に努めることは、自分のためだけではなくて、自分の周りにいる人のためにもなるということを覚えておいてくださいね。
更年期の人への対処法
更年期障害で、イライラや倦怠感に悩まされるのは、もともと、真面目で勤勉な人がなりやすい傾向にあります。突然以前と違う態度が見られたりしたら、更年期の影響の可能性もあります。そんな時は、腫れ物に触るような対応はしないようにしましょう。
そういった対応は本人にも伝わり、返ってストレスを与えることになって悪循環になってしまいます。本人でもコントロールができないで感情的になったりすることもあるので、それが本人の意思ではないと言うことを理解して受け流したり、フォローしたりできたらいいですね。
もし自分が更年期でイライラしたら
もしも、40代を迎えて自分の感情のコントロールがしにくいなと感じた時、イライラがうまく抑えられないと感じたら、それは更年期障害の現われかも知れません。まずは、リラックスできる時間を作ってストレスを溜めないように心がけてください。
サプリメントで必要な成分を摂ることで、イライラの改善ができたりもします。それでも自分でコントロールができないと感じたら、更年期専門外来のある病院で相談をしてみましょう。一人で抱え込まずに、相談できる場所を作ることも大切です。