デキストリンは添加物?食品?危険性と体への影響 |

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デキストリンは添加物?食品?危険性と体への影響

デキストリンは食品添加物?食品の安定性を高める?

あなたはデキストリンを知っていますか?

あまり馴染みのない言葉だと思いますが、じゃがいもやとうもろこしなどのでんぷんから作られた成分で、カップスープ・スナック菓子・タレ・ドレッシング・スポーツ飲料・離乳食など、いろいろな食品に使われています。

デキストリンは、とろみをつける粉末を溶けやすくするツヤや照りを出すという働きをするので、あらゆる加工食品に幅広く使われています。

デキストリンは自然の食材から作られたものなので、一般的には食品になりますが、デキストリンの中にも種類があり、その種類によっては添加物にもあてはまります。

安全性だけでなく、粘性や甘みが低く熱や酸に対する安定性保存性などにも優れていて、加工食品には非常に多く使われています。

粉末を溶けやすくさせ、ツヤや照りを出す効果

粉末タイプのコーンスープや、粉末タイプの青汁、どちらか一つは飲んだことがあると思います。お湯や水に溶かすとき、だまになってきれいに溶けなかったことはないですか?

商品によって、溶けやすいものと溶けにくいものがありますが、成分にデキストリンが入っているとだまにならず溶けやすいのです。ほかにも添加物としてパンの表面のツヤや照りを出したりと、いろいろな食品に入っています。

離乳食にもとろみを出すために使用されている

離乳食は、赤ちゃんが飲み込みやすいように、トロっとした適度なとろみが必要です。デキストリンは、味を変えずにとろみをつけてくれるので、ほとんどの離乳食に入っています。

また、粉末をだまになりにくくして溶かしやすくするため、赤ちゃんのお世話をしながら、手早く用意するのに一役買っています。


食品添加物としてのデキストリンの原材料

デキストリンは、じゃがいもやとうもろこしのでんぷんを原材料として、酸、酵素、熱、その他の作用で加水分解することにより作られたものです。

でんぷんより分子量が小さく、体内で吸収されやすい状態になっています。分類としては多糖(炭水化物)になり、でんぷんはそのままでは水に溶けませんが、デキストリンは水に溶けやすい水溶性なので、加工しやすいのです。


デキストリンは製造用剤・沈降炭酸カルシウムの添加物にも

私たちの身の回りは、添加物を使用した食品であふれています。

デキストリン

食品添加物というと、危険性があるものと思いがちですが、一概には言い切れません。豆腐を作るときに、凝固のために欠かせないにがりや、中華めんの食感や風味を出すためのかんすいのように、使わなければその食品を製造できないものもあります。

また、胃酸を中和し、抑える働きをする沈降炭酸カルシウムは、石灰石を原材料とする一般的な炭酸カルシウムで、たくさんの食品や薬剤、入浴剤などに使用されていますが、デキストリンは、沈降炭酸カルシウムの添加物として使われていることも多く、苦味の緩和や粉末の安定性などの目的でも薬品に使われています。

豆腐を固める「にがり」や中華めんの「かんすい」と同じ分類

豆腐は、原料となる豆乳に豆腐用凝固剤の塩化マグネシウム(にがり)を使用して、豆腐の状態に固めています。

また、中華めんのコシや弾力、麺の発色を良くしたりするために欠かすことのできいない添加物のかんすいなど、機能や用途が多すぎるために分類が難しいものを、製造用剤と呼びます。

デキストリンは味に作用すると言うよりは食品の形や性質に関係する物質で、これら製造用剤と同じ分類になり、食品を加工する際に添加物として使用されています。

整腸剤「ビオフェルミン」にも使用されている

お腹の調子がすぐれないとき、整腸剤のビオフェルミンなどを飲みますよね。病院でお薬をもらうときも、胃を痛めないようにビオフェルミンとセットで処方されることも多いです。

錠剤などの薬は、飲みやすいように糖分を含んだ甘い膜で覆われていますが、デキストリンはその甘い膜やカプセルが溶けたときに、上手くこわれやすくする働きをするので、ビオフェルミンにも使用されています。


デキストリンの添加物としての危険性は?

デキストリンと聞くと、何やら複雑な化学物質のようで、怖い印象を受けます。どちらかというと食べ物とは無縁のような感じがしますが、実際は低分子化したでんぷんのことです。

でんぷんが麦芽糖に分解されるまでの、中間段階で生成された成分なので、普通に生活していて摂取する程度の量では危険性はありません。

低分子化の処理工程で安全性の高い操作が行われているか不安

デキストリンは、とうもろこしなどのでんぷんをアミラーゼ(食物として摂取したでんぷんを消化する酵素)で加水分解して作られる低分子量のでんぷんです。

その低分子化の処理工程は安全なのか不安に思われがちですが、実際のところ、安全は確保されているのでほぼ大丈夫でしょう。

遺伝子組み換えの原料が使用されている不安

デキストリンはじゃがいもやとうもろこしのでんぷんから作られています。特に、とうもろこしに関しては、原料が遺伝子組み換えである恐れがあります。

日本で使われているとうもろこしのほとんどは、アメリカからの輸入に頼っていますが、アメリカで作られているとうもろこしの9割が遺伝子組み換えなのです。

遺伝子組み換えの食品は、長く使用すると発ガンのリスクが高まるとも言われています。今のところ、遺伝子組み換えによる健康被害の報告は聞いたことはありませんが、なるべくなら必要以上の摂取は避けたいものです。


デキストリン添加物は培養液で作る?健康食品にも

でんぷんには、「糖質」と「食物繊維」の2種類の栄養素が含まれています。デキストリンは、じゃがいもやとうもろこしなどのでんぷんを原材料として、アミラーゼによって分解する途中で生成される、糖質の総称のことをいいます。

デキストリンの中には消化酵素で消化されない難消化性のでんぷんがあります。その分解物を精製・分離した水溶性の食物繊維を難消化性デキストリンといいます。デキストリンは「糖質」で、難消化性デキストリンは「食物繊維」で、どちらも食物から培養されて作られているのです。

「難消化性デキストリン」は健康食品にも

難消化性デキストリンは、不足しがちな食物繊維を補い、健康を維持することを目的で作られました。安全な食品素材と認定されていて、健康食品(サプリメント・粉末・ドリンク等)としても販売されています。

血糖値の上昇を防ぐ腸内環境を良くする中性脂肪や内臓脂肪をつきにくくする、などの効果があります。

「難消化性デキストリン」のみでも販売している

難消化性デキストリンは、原料の粉末でも買うことができます。無味・無臭で、水に溶けやすく粘度も低いため、普段飲んでいるコーヒーやお茶、味噌汁やスープといった毎日の料理などに加えて摂取することができるので、その手軽さからも粉末タイプの難消化性デキストリンは、健康食品として人気があります。


デキストリンと添加物の関係まとめ

デキストリンは、じゃがいもやとうもろこしのでんぷんが原材料になった物質です。人工的に作られた成分ですが、あくまで自然な食品素材のため、添加物には指定されていません。ですから、それほど怖がることはありません。

デキストリンと難消化性デキストリンは混同されやすく、原材料名では一括して「デキストリン」と表示されることもあるので、わかりづらいです。

難消化性デキストリンは食物繊維なので、摂取すれば便秘の改善が期待できますが、ダイエットの目的で過剰摂取になった場合は、お腹がゆるくなり下痢を引き起こして栄養不足になる可能性もあるので、注意しましょう。