40~50代になってくると、女性の多くがめまいを訴えることがあります。めまいは性別や年代を問わずだれでも起きるますが、更年期のめまいは普通のめまいとはちょっと違います。
更年期になると女性ホルモンが急激に減少することで、いろんな症状が出てきます。その中でもめまいが起こるメカニズムははっきりとは解明されていないので、決定的な治療法はありません。
めまいは人によって、または日によって頻度や症状が変わります。更年期の初期に起こりやすく、ほてりやのぼせや発汗と同じような時期に起こります。これらの症状が良くなるとめまいもおさまってきます。更年期のめまいの特徴と原因、対策についてまとめてみました。
普通のめまいと更年期のめまいのちがい
- 回転性のめまい・・・グルグル回る感じ
- 浮動性のめまい・・・フワフワ浮いた感じ
「回転性のめまい」の特徴としては、吐き気があって横になっていても天井がぐるぐると回っているような感じがします。わりと短い時間(30秒~60秒)治まりますが、まっすぐ立っていられないほどです。
回転性めまいは、主に耳が原因で起こります。耳の三半規管の中の「耳石」という炭酸カルシウムの粒が入り込んで症状が起こります。更年期は女性ホルモンが減ることでカルシウム不足になって、耳石がはがれやすいのでかかりやすいです。
「浮動性のめまい」の特徴としては、雲の上を歩いていてフワフワ浮いているような、船に乗ってユラユラ揺れているようなに感じるタイプのめまいです。
長時間繰り返し続く場合が多く、肩こりや首のこりを伴うこともあります。更年期のめまいとしてはこの「浮動性」がメジャーです。
私の妹がこの浮動性のめまいにかかった期間があり、普段は船酔いを起こしそうなくらい揺れを感じ、ときには布団から起き上がれないほどの揺れもあり、半年以上もこの症状が続いていたということがありました。
まだ、35歳の頃で、その少し前から妹は仕事と家事でかなりのストレスがかかるような生活をしていたので、その影響が突然やってきたようで、この時は仕事にも行けなくなり、姉が見ていてもほんとうに辛い症状でした。
このように、めまいが起きるのは、更年期障害だけが理由ではありません。脳や耳の三半規管の異常でもめまいは起こりますし、強いストレスなどからの自律神経失調が原因のめまいもあります。
検査をするにも、それぞれの科に行って、毎回違う検査をしなくてはいけないので、ただでさえストレスがかかるのに、検査に行くだけでも更なるストレスがかかってしまいます。
身近な人が助けてあげないと、めまいの症状は本当に歩くこともままならないことが多いので、周りの人の手助けも必要なんです。まだ、更年期障害からくるめまいなら、特に治療は必要ないので、心配は少ないのです。
時間がたてば自然と症状はよくなってくるケースも多く、逆に長期間続くようならメニエール病など他の病気の可能性があるので、きちんとした病院での判断が必要になってきます。
更年期のめまいの実態!めまいの原因と対策
女性の更年期とは一般的に閉経前後の5年間です。
40代になると卵巣の機能は低下し始めて、やがて閉経になります。更年期は人それぞれですが、だいたい平均的に40代半ば~50代半ばの時期を更年期と呼びます。
更年期になると女性ホルモンであるエストロゲンが減少し、自律神経が乱れて血流のコントロールがしっかりできなくなり、結果として脳の血行がうまく行かなくなって浮動性めまいが起きます。めまいが起きてしまったらどうしたら良いでしょうか?
めまいが起きたからと言って、慌てたりむやみに動き回らずに、静かにめまいがおさまるのを待ちましょう。横になれる場所がある時は、しばらく横になって安静にしましょう。近くに人がいる時は、めまいが起きていることを伝えるのも大切ですね。
対策など
更年期障害のめまいの原因は血流不足なので、血液のめぐりを悪くするようなものは控えましょう。血液のめぐりを悪くする代表的なものとしてコーヒーなどのカフェイン飲料やタバコがありますので、制限していったほうがいいでしょう。
また過剰な塩分摂取も控えて減塩していくのが大事です。積極的に摂って欲しいのは、大豆イソフラボンなどを含む大豆製品です。
大豆イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)と似た作用をするので、更年期で減少した女性ホルモンを補うのにいいでしょう。
毎日規則正しくとりたい人は、キッコーマンから出ている基本のサプリなら1日2粒で、理想的な大豆サポニンやポリフェノールなど更年期の女性に必要な栄養素がしっかりとれます。
大豆イソフラボンは植物のエストロゲンと呼ばれるほど、更年期女性のカラダに効果が期待できる栄養素なので、普段から、大豆類をしっかりいただき、ほかにも葉酸やビタミンDやポリフェノールを補給するようにしておくといいですね!
自律神経を調整する効果のある栄養を摂ったり、良い睡眠時間を確保するようにしてストレスをやわらげるのは、特に必要です。
- 食物繊維が多い食べ物
- すっぱいもの、辛い食べ物
- 発酵食品
- 水分をとる
食物繊維が多い食べ物としては、玄米、全粒粉、きのこ類、海藻、ごぼう、そば、西洋かぼちゃなどがあります。食物繊維が多い食べ物は、腸の中をゆっくりと進んでいきます。腸の中を食べ物が進む時間が長ければ長いほど、副交感神経が優位になります。
すっぱいもの辛い食べ物としては、お酢、レモン、とうがらし、わさび、しそ、梅干などがあります。すっぱい、辛い、苦いなど、体にいやなものが入ってくると、必死に排出しようとして副交感神経が働きます。でも食べすぎは逆効果なのでほどほどにしましょうね。
発酵食品なら、味噌、納豆、漬け物、キムチ、ヨーグルト、乳酸菌などがあります。腸内環境を整えて、免疫アップにも役立ちます。酵素も多く入っているのでも新陳代謝や体の回復もよくなります。
水分をとるなら、生姜湯、黒豆茶、紅茶、ウーロン茶、プーアル茶などがあります。水分をとると消化器系(泌尿器系)を刺激するので、自律神経を整えるのに効果的ですが、冷たいものではなく体を温めるものにしましょうね。
更年期障害からくるめまいは2種類ありますが、原因は女性ホルモンバランスと、自律神経のコントロールの乱れです。めまいが起こったら、まずは安静にしておさまるのを待ちましょう。
予防として大豆製品を積極的に摂ったり、血流を悪くすることをしない、良い睡眠を取ることが、更年期のめまいの症状をやわらげるのに有効です。めまいが長期間続くようなら、更年期障害ではなく別の異常の可能性もあるので、一度医師の診断を受けることも大事ですよ。