30代・これぐらいの物忘れは普通?チェックしてみよう
「20代の頃に比べて30代になってから、物忘れが増えた気がする…」と悩んではいませんか。
例えば、何かを取りに部屋を移動して、「あれ、何をしに来たんだっけ・・・?」と目的のものがある場所にいざたどり着いても、何をしに来たのか思い出せない・分からないというようなことです。他にも以下に書き出したようなことが最近増えたと凹んでいたりしませんか。
しかし、人間の脳はピークの20歳を過ぎると衰えていくものです。なので30代になって物忘れが増えたというのは至って普通のことで、誰もが経験することです。
50代や60代の時に起こる物忘れは認知症やアルツハイマー病の疑いがありますが、20代や30代の物忘れは、忙しい時や疲れて脳が悲鳴を上げて、ストレスがたまっていることが原因で起こります。
ストレスを解消したり、気分転換をすることで普通は改善しますが、ずっと続く場合は何かの病気の可能性があるので注意が必要です。
聞いたことをすぐに忘れてしまう
例えば、友達や家族と話をしていて、1つ前に出た話題の内容を忘れてしまう。仕事で上司に「その仕事が終わったら次は、この仕事とこの仕事を〇〇時までにやってね」と頼まれても1つ仕事が終わると次にどの仕事を何時までにすればいいのか忘れて怒られてしまう。
友達や家族間でしたら比較的問題はないですが、仕事の場合は信頼性に関わるのでメモが手放せなくなって困りますよね。
思ったことがすぐに言葉に出ない
今まではスラスラと受け答えができていたのに、言葉が出てこないで「えーと」や「あー」と言うことが増えた。頭の中ではなんとなくできあがっているのに何故だか言葉にして口に出せない。
とっさに言葉が出てこない、出てきてもスムーズに受け答えができないと自分に自信がなくなってしまいますね。意識しずぎて人と話すことが嫌になってしまうということも中にはあります。
「あれ」「これ」が多い
近頃「ちょっと、あれ取って」「あれってどれの事?!」「そこに置いてあるあれよ!」という会話をした覚えはありませんか。
頭の中ではどんな見た目で何に使うためのものか分かっているのに、肝心の名前が出てこない…言っている方も聞いてる方もとてももどかしい気分になります。
そんな時は「透明で四角くて紙を入れるやつよ!」等の様に見た目や使用目的などの情報を出して相手に「もしかしてクリアファイルの事?」と察してもらえるようにしましょう!
30代の物忘れ・最近多い若年性健忘症とは?原因と対策
若年性健忘症とは、20代や30代の働き盛りにも関わらず、人の名前が覚えられない・覚えてもすぐに忘れてしまう。物の置き場所を忘れてしまう。漢字をど忘れしてしまう。
などのように日常生活に問題が出てしまう記憶障害の一種です。
当てはまるものがあれば若年性健忘症かも
・「あれ」「それ」といった代名詞で表現する事が多い
・思うように言いたい言葉が出てこない
・友人や同僚たちと会話が続かず苦労する
・問題が起きてもマニュアル通りの解決しかできない
・待ち合わせ時間を忘れたり、間違えたりしてよく遅れる
・世の中の出来事や流行に関心がない
・テレビやラジオで言葉が分からないことが増えた
若年性健忘症になる原因
若年性健忘症になる原因の一つとして、自分で考えることが少なくなって脳への刺激が減っているというのがあります。脳への刺激が減っていくと脳の機能が衰えてしまいます。
現代は情報社会で、パソコンやインターネット検索に頼ればすぐに欲しい情報は得られますし、計算は電卓が一瞬で答えを導き出してくれます。便利な世の中ではありますが脳にとっては良くない環境です。
他にも長期的なストレスにさらされ続けていると、自律神経が乱れて脳にある物事を記憶しておく海馬と呼ばれる場所が縮んでしまい、物忘れが激しくなります。
また、何かの事故で頭にけがをしてしまったり、頭に何らかの衝撃が加わって海馬に損傷が出たということも原因の一つです。
若年性健忘症の対策
何事もパソコンやインターネット、電卓などの機械に頼らずに自分で考えて脳に刺激を与えることが若年性健忘症による物忘れに有効です。
脳の記憶力が低下するのは海馬の酸化によるものが原因のひとつです。なので抗酸化物質であるジプロピルトリスルフィドという名前の成分が含まれている、玉ねぎやニンニクを食事に取り入れましょう。
病気で物忘れ…30代でも起こる若年性認知症とは
日常生活に支障が出るほどの記憶力低下と、認知能力の低下した状態を認知症と呼びます。
18~65歳未満の人が認知症と診断されると、若年性認知症と呼ばれるようになります。発症しても仕事の疲れやうつ症状、更年期障害と間違われ診断が遅くなるのが若年性認知所の特徴です。
当てはまるものがあれば若年性認知症かも
・同じことを繰り返し話したり聞いたりして「それさっきも聞いたよ(言ったよ)」と言われる
・通い慣れた道や通勤の道のりで迷ってしまうことがある
・物や親しい人の名前が分からくなった
・今日が何日で何曜日なのか分からなくなった
・探し物、忘れ物が多くなりいつも何かを探している
・理由もなく突然日課を止めた
・今日食べたものを思い出せない
若年性認知症になる原因
若年性認知症は、長年の高血圧症や糖尿病が原因の脳血管性型が一番多く、次に脳細胞の減少が原因のアルツハイマー型が多いです。
他には数は少ないですが、交通事故や頭に強い衝撃を受けて脳の損傷が原因の頭部外傷後遺症型やアルコールを多量に飲み続けた事により、脳梗塞を起こし、その結果発症するアルコール型認知症もあります。女性よりも男性が発症することが多い病です。
若年性認知症の症状
若年性認知症の初期症状としてプライベートや仕事で短期の物忘れ、長期の予定忘れ、過去の体験談を忘れるなどの記憶症状が挙げられます。また買い物などで迷子になる、季節や日付などが分からなくなる、人違いが増えるなどの見当識障害も良く起こります。また複雑な思考が難しくなるため、自動車の危険運転や部屋片付けができないなど、判断力や抽象能力などの障害を引き起こすこともあります。
若い年代で発症した場合は、高齢者と比べて病気の進行が早く、生活に大きな影響が出てしまいます。
若年性認知症の対策
脳血管性型認知症やアルコール型認知症の場合は、生活習慣を見直して高血糖、高脂質、高血圧に気を付けることで予防できます。
例えば、栄養バランスの良い食事をとる、糖質を取り過ぎない、DHAやEPAを取る、ややきつめの有酸素運動を1回30分以上、週に3回以上行う、タバコを吸っている人は禁煙をする、過度な飲酒はしない等が挙げられます。
30代の物忘れはうつ病が原因…理由と対処法
若年性健忘症や若年性認知症以外でも他の病気、例えばうつ病によって物忘れが起こることもあります。
うつ病で物忘れが起こる理由
うつ病によって物忘れが起きる理由は2つあります。
ひとつは、うつ病の無気力、思考制止と言った抑うつ症状が原因で物事が考えられなくなります。うつ病の症状のひとつに神経伝達物質のセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンの減少により、無気力になり頭の回転が鈍くなるということがあります。
うつ病の適切な治療をすれば、うつ病の改善と一緒に物忘れは改善されます。
もうひとつは、抗うつ剤などの薬の副作用で頭がボーッとしてしまうことです。うつ病で処方される薬は、精神を安定させて脳をリラックスさせるものが多いです。その結果、薬の副作用によって物忘れをしてしまうということです。
薬の副作用が原因の場合は、薬の服用を止めれば物忘れは改善されますが、勝手に断薬をするとうつ病の悪化にも繋がる危険性があるので、断薬をする場合は医師としっかり相談をしてください!まずは、うつ病を治療することを最優先してくださいね。
うつ病で物忘れにならないためには
うつ病と日照時間は密接な関係にあるとされており、太陽の光を浴びる時間が少なければ少ないほど、うつ病を発症させるリスクが高まると言われています。日中は部屋のカーテンをあけるようにしたり、散歩やスポーツの習慣をつけたり、日頃から太陽光を身体に取り込む生活を心がけることが重要です。
他にも、ストレスをため込まない、ため込んでもうまく発散させる、細かいことを気にせず楽観的になる、セロトニンを作るのに必要な栄養素であるトリプトファンとビタミンB6を含んだバランスの良い食事をするなど、うつ病を予防することでうつ病による物忘れは防ぐことはできます。
早めの対策!物忘れしない生活改善のまとめ
機械に頼らずに自分で考えて脳を衰えさせない、高血圧や高血糖に気を付けて適度な運動を行う、ストレスをため込まない、栄養のとれたバランスの良い食事を取ることが物忘れにとって重要です。
健康に気をつけて物忘れに悩まされない日々を送りたいですね!