わさびの効能で若返り!アンチエイジングに効果がある理由
わさびは、刺身やお寿司、蕎麦の薬味やステーキなどにも使われますね。わさびには、食卓の名脇役として料理をおいしくしてくれるだけでなく、血液をサラサラにして肌のキメ・シワを防ぎ、若返りの美容効果があります。
わさびのツーンとした感じがやみつきな人も多いのではないでしょうか。美味しくわさびを食べて、美しくなる方法を紹介します。
わさびの成分
わさびの種類は、日本原産の本わさびと、ホースラディッシュとも呼ばれるヨーロッパ原産の西洋わさびの2種類あります。わさび独特の風味やツンとした辛みは本わさびのほうが強く、西洋わさびは本わさびに比べてマイルドです。
本わさぴは、一年中温度の一定したきれいな湧き水が流れ、日差しをさえぎるための落葉樹があるなど、いろんな条件がそろった土地でないと育ちません。長野県の安曇野市や静岡県の静岡市・西伊豆などがわさびの名産地として有名です。
西洋わさびは、あまり日差しが強くなく風通しの良い場所なら、本わさびに比べて簡単に栽培できます。日本ではわさび大根とも呼ばれ、ほとんどが北海道で栽培されています。
ヨーロッパでは西洋わさびが出回っており、香辛料としてすりおろして利用されるほかにも、根や茎を料理の付け合わせとして食べることもあります。日本でもわさびチューブやねりわさびで多く使われるのは西洋わさびです。
本わさびは栽培方法によって「沢わさび」と「畑わさび」に分けられます。 本来の生育環境である沢で栽培されている「沢わさび」と、品種改良されて畑で栽培されている「畑わさび」です。
同じ本わさびなので、成分の違いはありませんが、「畑わさび」は根が育つのに時間がかかります。「沢わさび」は主に根や茎をすりおろして薬味に使われ、「畑わさび」は葉っぱや茎を食べます。葉っぱの天ぷらや漬け物は程よく辛みが効いていて、ご飯にぴったりですよ。
「畑わさび」の葉っぱや茎も、わさびチューブやねりわさびの原料として使われています。わさびの成分は、カロリーは100ℊ当たり88kcal程度です。
お刺身を買ったときについてきたリ、回転ずしで用意してあるような小袋のわさびが2.5g/袋ですから、カロリーはあまり気にしなくて大丈夫です。
食物繊維やカリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、ビタミンCをはじめ数種類のビタミン類、マンガン、リン、亜鉛などの成分があります。
食べ物と一緒にわさびを食べることで、腸内に食中毒のもととなる細菌がふえるのをおさえ、魚介類の寄生虫をやっつけたり、血液をサラサラにして消化を促進し、老化をふせぐ抗酸化作用やがんを予防する効果があります。
わさびは野菜の中でもっとも抗酸化作用が強いといわれています。 また、ワサビの香り成分には抗菌、消臭、防カビ、鮮度保持、抗ストレス作用、精神安定作用があります。そして、わさび特有のツンとした辛みのもとは、「シニグリン」という成分です。
実は新鮮なわさびはそのままの状態では辛くなく、すりおろしたりしてわさびを傷つけると、この「シニグリン」という成分がわさびから出る分解酵素や空気と混じりあい、「アリルイソチオシアネート」という辛み成分と「ブドウ糖」に変化します。
「アリルイソチオシアネート」が出来ることではじめてわさびが辛くなり、「ブドウ糖」が出来ることでほのかな甘さがうまれ、深みのある味になります。
おろし金の目が細かいほど、わさびの多くの断面が酵素や空気に触れるため、香りや辛みが強くなり、わさびの健康・美容効果も高まります。
イソチオシアネート
わさびの「アリルイソチオシアネート」という成分はいろいろな健康効果があります。「アリルイソチオシアネート」はわさびの辛みのもとで、一般には「イソチオシアネート」と呼ばれています。
「イソチオシアネート」が多く含まれる食品は、わさびだけでなく、キャベツ、小松菜、だいこん、白菜、ブロッコリーなどがあります。
キャベツや白菜、ブロッコリーには辛いイメージがありませんが、「イソチオシアネート」の辛み成分が、加熱によって甘みに変わる性質や、ダメージを受ければ受けるほど辛みを増すという性質を持っているからです。
キャベツや白菜、ブロッコリーなど辛みを感じない野菜の場合、生ですりおろして食べる事があまりないので、体のなかで消化されるときにダメージを受けて辛み成分が作られ、食べるときには辛みを感じません。
人間が生きている限り全身の細胞で発生し続け、体の中の組織や肌などの表面の組織を酸化させ、200種類以上の病気の原因や、肌あれ・老化のもとになるものを、「活性酸素」といいます。
体に入り込んだ細菌をやっつけてくれたり、酵素の働きを促す働きがある「活性酸素」は、元々は体に必要なものですが、増えすぎると体を酸化し、鉄が酸化によって赤くさび付くように、体をさび付かせてしまいます。
体のさび付きを防ぐために、人の細胞には「活性酸素」を無害化する、抗酸化物質というものを作る仕組みがありますが、老化とともに働きが弱くなります。わさびの中の「イソチオシアネート」には、「活性酸素」の増えすぎをおさえる力(抗酸化作用)があります。
「イソチオシアネート」の抗酸化作用によって体の酸化がおさえられ、がんなどの生活習慣病の予防や、シミやシワ、くすみなどの肌あれによる、老化の予防に効果があります。
その他の効果は、血液のつまり(血栓)を予防して血液をサラサラにしたり、消化を促進し食中毒を予防したり、脳を活性化させる働きもあります。
スルフィニル
「アリルイソチオシアネート」の成分のひとつに、「スルフィニル」があります。 正式名称は「6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-MSITC)」で、一般には「わさびスルフィニル」と呼ばれています。
わさびの成分の中でも、特に老化を防ぎ若返りの美容効果が高いといわれているのが、この「スルフィニル」です。「スルフィニル」は、日本の本わさびの、特に根の部分をすりおろした時にだけほんの少しだけ取れる、とても貴重な成分です。
体内にはいると、人間が持っている抗酸化物質を引き寄せて活性化させ、身体の酸化を未然に防ぐ働きがあります。この”未然に防ぐ”ということが実はすごい事なんです。一度活性酸素が発生して細胞がさび始めてしまうと、まわりの細胞をまき込んでさびは広がっていきます。
体内の抗酸化物質や抗酸化作用のある食品で、少しずつ活性酸素を取り除くことはできますが、少なくとも一度はいくつかの細胞にダメージを受けてしまいます。
「スルニフィル」は、体内に「活性酸素」があるなしに関係なく、すりおろした本わさびを食べると抗酸化物質を活性化させます。活性酸素が少しでも増えすぎたときに、まわりの細胞にダメージを広げることなくすぐに取り除くことができ、体の美しさを保つことができます。
わさびのスルフィニルは若返り以外にダイエット効果などもあった!
わさびスルフィニルは、抗酸化作用でアンチエイジング・若返りに大きな効果がありますが、その他にもいろいろな効果や効能があります。
ダイエット効果
「スルフィニル」には、野菜の中でもトップクラスの解毒効果があります。食事や紫外線ダメージ、ストレスによって体内にたまった有害物質の解毒を促し、毒素や老廃物を体の外へ排出してくれるデトックス効果があります。
わさびの香りは唾液の分泌を促して食欲を増進させ消化液の分泌を促して、血の流れを良くする働きもあるとされています。
消化液が増えることで食べ物を消化する機能が活発になり、胃もたれや消化不良を予防するとともに、便秘を解消します。血の流れが良くなると代謝が上がり、むくみの解消や冷えの改善にもつながります。
そうして体内環境が整うことで脂肪が体にたまりにくくなり、ダイエット効果の高い痩せやすい体になることができます。
わさびは、体が酸化することを防ぎながら、ダイエット効果もあります。主食や主菜ではないので、毎日の食事に少しずつ取り入れやすく、続けやすいダイエットができますね。
解毒効果
気温や湿度が高い季節には、O-157、腸炎ビブリオ、ブドウ球菌細菌などの細菌が繁殖しやすいので、食中毒も多くなります。食中毒の予防には、食材を加熱することがもっとも効果的ですが、刺身やサラダなど、火を通せない料理の場合には食中毒のリスクが高くなります。
「スルフィニル」には高い解毒作用があり、食中毒の原因菌に対しても有効です。料理と一緒にわさびを食べることで、食中毒を予防して健康を保つことが出来ます。
お寿司や刺身を食べる時にわさびを一緒に食べるのには、食中毒や寄生虫の害から体を守るという理由もあったんですね。
花粉症軽減効果
花粉がとぶ時期になると鼻水や目のかゆみなど、花粉症に悩む人も多いですね。日常生活に支障が出るほどひどい花粉症は、本当につらいですよね。
「スルフィニル」には、くしゃみなどの原因物質である「ヒスタミン」の放出をおさえる効果があり、鼻炎の症状や花粉症を軽減する効果があることが分かっています。
花粉症を薬で症状をおさえているひとも多いですが、花粉症の薬の難点は、飲むと眠くなってしまう副作用がある薬も多いという事です。わさびを食べることで鼻炎や花粉症が予防出来れば、毎年花粉の時期になるたびに憂鬱なる必要もなさそうですね。
花粉症対策向けのわさび成分配合の商品として、マスクに吹き付けて使用するスプレーや、リップクリーム、のど飴などが出ています。眠くならない花粉症予防におすすめです。
がん抑制効果
「スルフィニル」の強い抗酸化力・解毒作用は、将来的に抗がん剤に変わる存在になるのではというほどで、今世界中の科学者が注目しています。
がん細胞を死滅させて転移を防ぎ、発がん性物質を体外へ排出して、がんを予防する効果があります。乳がん、皮膚がん、胃がん、大腸がん、肺がんへの効果が証明されています。
チューブのわさびでも若返りには効果があるの?
「スルフィニル」は日本の本わさびの、主に根の部分をすりおろした時にだけできる成分です。チューブわさびやねりわさびの原料となるわさびは、西洋わさびや本わさびの葉っぱや茎なので、「スルフィニル」の効果はほとんど期待できません。
チューブわさびよりもサプリで摂った方がいいですよ。
若返りできるわさびの食べ方
わさびは美容や健康にいろいろ役立ちますが、若返り効果を高めるには、どのくらいの量を、どのように摂っていったら良いのでしょうか。
1日5g
アンチエイジングの効果を得るには、1日5グラム(小さじ1杯分)以上が目安です。中太のわさびの根茎を1.5センチほどすりおろしたものが5gです。
わさびは刺激が強いのでたくさん食べ過ぎると、頭痛が起きたり、下痢や腹痛、一時的に味が感じられなくなる味覚障害のような症状がでることがあります。効果を高めたいからといって、食べ過ぎることはひかえましょう。
熱を加えても大丈夫
わさびを傷つけた時に発生する辛み成分「イソチオシアネート」は、加熱するほど辛みが減り甘みが増すという特徴があります。また揮発性で、時間がたったリ長い時間加熱することでその栄養や効能は薄れていきます。
「スルフィニル」は、放置すると時間とともに増えていく性質があり、熱にも強く、加熱をしても問題ありません。生食ならどちらの成分の効能もありますが、辛い刺激が苦手な人は調理で熱を加えて食べてみましょう。
一番良いのは生のわさび
わさびの美容・健康効果を最大限いかすには、やはり生の本わさびを、サメ肌おろしで”のの字”を書くようにゆっくりとすりおろすのが良いでしょう。
食事の時に生わさびをすって使えると一番良いのですが、わさびのためだけにサメ肌おろしを買うのも、毎回食事のたびにわさびをするのも、なかなか大変ですね。辛み成分がとんでしまうので本来は長期の保存には向きませんが、わさびの保存方法を紹介します。
■冷蔵保存
水にぬらした新聞紙で包み、その上からラップやビニール袋で包んで冷蔵庫で保存すると1ヶ月位は保存できます。またはコップに水を入れて、その中に根茎を入れ、冷蔵庫で立てて保存します。
■冷凍保存
なるべく細かいおろし金ですりおろした後、すぐにラップに包んで冷凍庫で保存すれば、それほど風味は落ちません。食べる分づつ室温で解凍していただきます。冷凍・解凍の繰り返しは風味がおちるのでおすすめできません。
根茎をラップに包んで冷凍しておくと半年位はあまり鮮度も落ちないで保存できます。食べるときは冷凍のまますりおろすのがポイントで、残った根茎はすぐにまた冷凍庫で保存します。