アメリカ産牛肉などは繁殖効率のためホルモン剤を使用
あなたは肉派ですか?それとも魚派ですか?機内食の「Beef?or Fish?」のような質問ですが、ほんの6%の差で肉派が多いというアンケート結果があります。そういえば土日の焼肉屋さんも家族連れで繁盛していますよね。
人気の肉ですが、国内で流通している肉の約半分は海外からの輸入であることは知っていますか?その割合は牛肉がいちばん高く、国内流通量の約60%、豚肉が約50%、鶏肉が約25%となっています。
また、オーストラリアからの輸入が半分以上を占めますが、約三分の一はアメリカからの輸入です。『アメリカ産の牛肉は危ない』という話は聞いたことがあるでしょう。アメリカでは繁殖効率のためにホルモン剤を使って肉牛を育てています。
ホルモンといっても焼肉屋さんにあるような牛の内臓のことではなく、牛の成長を速めるための『肥育ホルモン剤』なんです。このホルモン剤が肉に残留してそれを食べる人間に影響を与えているのです。
エサは遺伝子組み換えのトウモロコシ、成長促進のホルモン剤、病気予防の抗生物質
アメリカの牧場では牛の成長を速めるため、耳の後ろに埋め込んだ装置にホルモン剤を入れて90日から120日かけて投与していきます。さらに、エサに混ぜ合わせることが許可されているホルモン剤も一緒に与えて成長を促すのです。
エサは遺伝子組み換えのトウモロコシを与えます。遺伝子の安定しないトウモロコシである上、本来ならば牧草で育つはずの牛ですから、このような穀物を与えると病気になってしまう場合もあります。
そのため、病気予防の目的で抗生物質もエサに混ぜたり、飲み水に混ぜたりして肉牛に与えるのです。
国産の600倍の高濃度ホルモン剤が残留
北海道大学でアメリカ産牛肉に残留しているホルモン剤についての調査報告がありました。
北海道大学附属病院などで長くがん診療に当たってきた、公益財団法人北海道対がん協会細胞診センター所長の藤田博正医師らは、2007~12年、半田康医師とともに、食肉中のホルモンに関する研究を行った。09年に日本癌治療学会で「牛肉中のエストロゲン濃度とホルモン依存性癌発生増加の関連」を発表。その中で、半田医師は、市販されている米国産牛と和牛のエストロゲン濃度を測定して、比較した。牛肉は15カ所のスーパーやデパートで、同一の個体にならないよう時期をずらして複数購入して検体とした。調べた数は、和牛も米国産牛も、脂身が各40検体、赤身が各30検体。エストロゲン(エストラジオール)濃度の平均値は、米国産牛肉は和牛と比べ、脂身で140倍、赤身部分で600倍だった。
参照元:https://dot.asahi.com/aera/2014051900020.html
日本で流通している肉でこんな結果がでるなんて、考えてもみませんでした。
国内の輸入牛の99%は無検査、輸入規制なし
ホルモン剤は日本では使われていません。しかしアメリカだけではなく、カナダやオーストラリアでは肥育ホルモン剤の使用が認められています。輸入牛肉のほとんどすべてがこういったホルモン剤を使っているのです。
輸入品は検疫所で日本の残留基準値に適合しているかの検査を受けます。直近10年の検査結果でホルモン剤などの違反は見つかっていません。日本の基準はそれほどに低いのです。しかも、抜き取り検査でおこなうため、全品のチェックはしていません。
検査や輸入規制はあって無いようなものなのです。
特別な記載がない限りオージービーフや豚肉などにも使用されている
ホルモン剤は繁殖のための成長を促して速く育てるだけではありません。肉質がやわらかくなったり、肉の量が増えるといった作用ももっています。そのため、アメリカだけではなく、オーストラリアでも40%もの牛にホルモン剤が投与されています。
また、豚肉などにもホルモン剤は使われています。豚は繊細な動物ですので、狭い豚舎の中、ぎゅうぎゅうで育てるとストレスが生じて病気になってしまいます。その予防のための抗生物質も与えられているのです。
「抗生物質・ホルモン剤不使用」などの、特別な記載がない限り、輸入肉のほとんどに使用されていると覚えておく方がいいでしょう。
ホルモン剤や抗生物質の残った肉を食べるとどうなる?
では、ホルモン剤や抗生物質の残った肉を食べるとどうなるのでしょうか?これらを使った肉が輸入され、家庭の食卓に並ぶようになって長い年月が過ぎました。体内に蓄積した残留ホルモン剤は様々な変化をもたらしています。
世界各国で、子どもの体毛が生えたり、初潮の始まる時期が非常に早くなっているのです。また、男性の女性化もホルモン剤の影響ではないかと囁かれています。
乳房や子宮など性ホルモン関連臓器に強く影響し、ガン化することも
フランスで、幼児の乳房が大きくなったという報告がありました。初潮の始まる時期も非常に早くなっています。さらには女児の子宮ガンや膣ガンが増加しているという報告もあります。
また、男性への影響としては、インポテンツの増加や髭が生えなくなったなどの症状が懸念されます。前立腺ガンの増加も深刻なものとなっています。このように、性ホルモン関連臓器に強く影響するのです。
影響を受けやすい女性の年代は初潮前と閉経後
初潮を迎え閉経するまでの間、女性ホルモンであるエストロゲンはたくさん分泌されているので、外部から多少のエストロゲンが入ってきたとしてもさほど変化はありません。
しかし、初潮前と閉経後は特にエストロゲンが少ない状態にあり、その状態で食肉に残留している肥育ホルモンが体内に入ると特に影響を受けやすく、乳ガンや子宮ガンといった女性ホルモン関連臓器のガンになりやすくなってしまうのです。
外食のハンバーガーや牛丼などの回数を減らすだけでもリスク減
外食用の肉、特にハンバーガーや牛丼などの安いものに使われている肉にはホルモン剤がたっぷりと残留していると考えられます。外で食べるのってなんだか気分が変わってさらに美味しく感じたりますよね。
でも、ちょっと待ってください。もしかしたらその肉、身体に大きな悪影響を及ぼしてしまうかも知れません。外食の回数を減らすだけでもそのリスクはかなり減らせるはずです。
ホルモン剤は肉だけではなく牛乳にも影響あり
実は、危険なのは肉だけじゃないんです。エサなどにしっかり含まれているホルモン剤、乳牛から摂れる牛乳を始め、牛乳が元になる様々なものに形を変えてふだん口にしてしまっています。
もちろん、発ガン性の危険性も十分ありますし、乳糖不耐症というリスクも負わなければなりません。
ホルモン剤投与は乳牛も同様、バターやチーズなどとして口にしていることも
ホルモン剤投与はエサに混ぜたりして、もちろん乳牛にもおこなっています。ホルモン剤を与えることによって妊娠している状態と同じ女性ホルモンが体内にあるので、より多くの牛乳を取ることができるからです。
当然のことですが、ホルモン剤の残留した牛乳が取れてしまいます。その多くを牛乳として飲んだり、加工してバターやチーズ・ヨーグルト・アイスクリームなどとして口にしていることも十分あり得ます。
EUでは発ガン性があるとされ、乳がんや大腸がんが増えるという研究結果も
EUでは1989年、残留ホルモン剤によって乳ガンや大腸ガンなどの発ガン性があるという研究結果をふまえ、アメリカからの牛肉の輸入を禁止しています。
その成果か、EU各国の乳ガン死亡率が大きく減少したという報告もあります。89~06年に、アイスランドで44.5%、ウェールズとイングランドで34.9%、ルクセンブルクで34.1%減少しました。
実は日本人の8割は乳糖不耐症、牛乳は「子牛にとって」素晴らしい飲み物
乳糖不耐症とは、牛乳に含まれる糖質(乳糖)の消化酵素の活性が弱いために、乳糖を分解消化できない状態のことをいいます。この症状、実は日本人の8割に該当するのです。牛乳を飲むとやたらお腹がごろごろして、下痢のような症状になってしまった経験、ありませんか?
生まれてすぐに飲む母乳は『初乳』といってとても栄養豊富で、赤ちゃんにとっては大切な飲みものです。これは人間も乳牛も同じことがいえます。そして子牛が成長するためにその後2週間くらいは必要な栄養素がたっぷりなのです。
まさに、子牛にとって素晴らしい飲みものといえます。
ホルモン剤不使用の肉にするだけでリスク減
ホルモン剤不使用の肉は、一般的なスーパーには出回りません。ネットなどの通販で売っていますのでじっくり探してみるといいでしょう。
ホルモン剤不使用と書かれたものや、牧草でのんびり育ったような牛や豚・鶏の肉を選ぶのがポイントです。その一手間で大きなリスクが減りますよ。
ホルモン剤や抗生物質不使用と書かれたもの
成長ホルモン剤不使用、遺伝子組み換えとうもろこし不使用、飼料には抗生物質不使用・無薬飼育といった言葉が並ぶ商品を選びましょう。また、子どもにも安心して食べさせられる肉は世界中の親の願いですよね。
穀物ではなく牧草で育った牛が安全
とうもろこしなどの穀物を食べて育った牛は病気になりがちです。そのため、抗生物質が必要になります。しかし、本来牛は放牧され、牧草を食べてのんびりと育つのが理想なのです。
そういった育て方をすればホルモン剤も抗生物質も遺伝子組み換えとうもろこしも必要なくなるのです。しかし実際には、広い牧草地が無く、大量生産を目的とするために狭い牛舎に押し込めて育てる現在の方法が主流となってしまうのです。
ホルモン剤使用肉かどうか見極める知識を
ホルモン剤や抗生物質を使用して育てた牛や豚・鶏などの肉には発ガン性があります。
ネットの通販でホルモン剤・抗生物質不使用の肉が売られていますのでそちらで購入すればガンのリスクは減ります。