漢方で期待できるデトックス効果
人は体内に入った毒素を汗・尿・便で体外へ排出させます。これらがスムーズに作動していないと体に毒素がたまっていきます。漢方には古くから解毒という概念があり、これがデトックスにあてはまります。
ほかにも漢方薬を使うと人間の本来持っている自然治癒力を高めます。さらに体のむくみの解消、冷え性改善、肩こり解消、便秘解消などの効果も得られます。
しかし、漢方薬の効果は人それぞれ異なるので、すぐに効果があらわれる人もいれば、そうでない人もいます。気長に行うのが成功する秘訣でしょう。
新陳代謝の活性化やリンパの流れ改善
冷え性やむくみ、生理痛、不妊症などは新陳代謝やリンパの流れが悪いからと考えられます。特にリンパには体に侵入した細菌を退治したり病気から体を守ったり、老廃物を運搬して排出させる役割もあります。
これが滞ると体が冷えて体調が悪くなりがちです。このような症状のときは漢方薬が効果的でしょう。
便秘解消で美肌効果
便秘だと顔に吹き出物ができたりしませんか。腸は皮膚に深く関係しているため、毒素を排便により体外に出し、腸内環境が整うと肌がきれいになります。デトックスして便秘を解消すると美肌効果が期待できます。
自律神経の正常化や免疫力アップ
漢方薬は自律神経の改善に効果があります。特に自律神経失調症などの西洋医学では治療の難しい症状は漢方薬のほうが効果的な場合があります。体の不調な部分の滞った「気」のめぐりを良くするのに漢方は効果的です。
またウイルスや菌に対して戦う免疫力を高めるのにも漢方は効果的です。何となく体調がすぐれない、検査を受けても問題がないときなど、漢方薬を試すと改善する場合があります。漢方でこれを「未病」と呼び、まだ病気になっていない状態を指します。
この段階で漢方は対処するので、免疫力を高め病気になりにくい体質改善に効果的です。
デトックスに効果的な漢方の使用方法
症状が同じでも全ての人が同じ漢方薬で効果があるかといえば、実はそうではありません。原因や部位などによって効果のでる漢方薬は違ってくるので、それぞれ不調がおきている原因の毒素を体から出すための漢方薬を利用します。
気を付けたいのは、漢方薬も薬です。デトックス効果もありますが、副作用についても考えておきましょう。漢方薬による純粋な副作用と、用量が過剰であるためにおこる副作用も考えられます。
このような危険を回避するために、信頼できる医師から処方されたものを服用しましょう。自己判断や専門家でもない人の意見で適当な用量を服用すると強い副作用が出る場合もあります。
食前もしくは食間
基本的に漢方薬はいつ飲んでもいいと言われていますが、効果を高めるには食前、もしくは食間に飲みましょう。これは、食後よりも食前や食間のほうが胃の中が酸性なので、生薬の吸収がスムーズに行われます。これは効き目の強い生薬を穏やかに効かせる作用をします。
しかし漢方薬の中には食後に服用したほうが効果的なものもあります。その場合、専門医の指示に従いましょう。
飲む場合は水か白湯
お茶やフルーツジュースなどで飲むと、生薬が反応してしまうことがありますので、水か白湯で飲むのをおすすめします。
体質に合った漢方薬を
漢方薬には副作用がないといわれることがあります。しかし体質に合っていないものを服用すると、胃のむかつき・アレルギーが出る・吐き気などの症状を引き起こすことがあります。
漢方薬は複数の種類を飲むことも可能なので、注意しないと飲みすぎになってしまうのです。専門医に相談して、自分の症状や希望、体質に合った漢方薬を服用しましょう。
こちらは煎じ薬の漢方薬です。粉薬や錠剤と比べて、取れる有効成分が多く、その方の体調に合わせた細かい調整が可能なので、効果の実感も早いです。#漢方 #鍼灸 #市川市 pic.twitter.com/lhdi7u2PSF
— 漢方薬・鍼灸の世珍堂@市川駅スグ (@sechindo) April 17, 2017
デトックスにおすすめの漢方
漢方医学では、大きく分けて私たちの体は陰陽、人体を「気・血・水」のバランスによってどのような体質かを判断します。
- 気(き)とは、生命活動の源やエネルギーです。これが滞ると、気滞といい、のど、胸、消化機能に影響します。
- 血(けつ)とは、血液です。これが滞ると生理痛、不妊症、更年期障害など女性特有の症状や肩こり、貧血などの症状があらわれます。
- 水(すい)とは、血液以外の体液です。これが滞ることを水毒といい、むくみ、頭痛、倦怠感、冷えなどに関係します。心筋梗塞も水毒が多くなってしまうことが原因です。
気・血・水が体内に滞ることは体調不良になる原因でもあります。漢方で未病の段階で治すことが大切です。
ホルモンバランスを整える桃核承気湯
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)には、(気・血)の流れを良くする効果があります。
生理前や生理中に起こりがちな便秘、不安やイライラ、足が冷える、のぼせなどの症状を緩和します。また、痛みを緩和する生薬を配合しているので、生理痛にも効果が期待できます。
余分な水分排出でむくみ解消してくれる防已黄耆湯
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)は、消化吸収を助けつつ余分な(水)をとり除き、全身の機能を高めます。胃腸(気)がきちんと機能すれば体に必要なエネルギーをつくり出し、消費ができるようになります。
また、余分な水分を排泄して体のひきしめや水太りやむくみの改善ができます。
最近脚のむくみ対策に防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)という漢方をしばらく飲んでたんだけど これ効く!昨日一日インソールスニーカーで立ってたり歩いてたりしてたけどふくらはぎつらくない!イェ〜イ!
— 槌田 (@zxvhjpcu) March 6, 2017
漢方便秘薬の大黄甘草湯
大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)は便秘解消の漢方薬です。これは2000年以上も前から中国で便秘解消に使われてきた漢方です。特に腸の運動が鈍くなって起きる弛緩性便秘に効果的です。
しかし痙攣性便秘(下痢と便秘を繰り返す)や直腸性便秘(直腸内に固い便がたまっている)にはあまり効果がありません。
大黄甘草湯を服用するとおよそ8~12時間で便意がおきます。就寝前に服用すれば、起床したときに便意がおきるので、朝の排便リズムを作り出す習慣の手助けとして服用しましょう。
肥満体質改善に向いている防風通聖散
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)はダイエット効果が高いといわれる漢方薬ですが、ダイエット薬ではありません。発汗作用で基礎代謝を高めたり、排便を促進、利尿作用がある漢方で特にデトックス効果が期待できます。
しかし体質により排便の促進効果が強く出過ぎることがあるため、お腹がゆるくなると思ったら服用を中断して医師や専門家に相談しましょう。
漢方の防風通聖散でダイエットしてたんだけど、なかなか効果ある。約一ヶ月で5キロ痩せた。
— 喜び組 (@off_tana) May 29, 2016
漢方でデトックスして自然治癒力アップ
漢方薬を服用するから病気の治癒力が上がるというわけではありません。薬というよりもその人が持っている自然治癒力によって病気を治しているのです。
未病というのは、まだ自然治癒力が残っている段階なのに、なかなかその力が発揮されていないときです。そのときに漢方薬を服用すると、より早く的確に自然治癒力を発揮できるよう促す働きをするのです。
また、漢方薬服用とともに、養生することも大切です。漢方薬・養生・自然治癒力が三位一体となることで免疫力を高めたり、病気から回復するのです。