更年期障害で起こる頭痛の種類
更年期とは閉経を挟んだ前後10年くらいの期間のことですが、これに伴う障害のことを更年期障害といいます。日本の女性では平均45才~55才くらいに更年期を迎える人が多いです。
更年期障害の中でもよく症状が現れやすいのが頭痛ですが、実は頭痛にも種類があることは知っていますか?更年期の頭痛に悩んでいる人は、理由を知って少しでも症状を改善できるようにしましょうね。れから更年期を迎えるという人は予備知識としてこれからに備えましょう。
緊張型頭痛
急に頭全体が締め付けられるように痛むことはありませんか?締め付けられるような痛みを感じたら、それは緊張型頭痛の可能性があります。
緊張型頭痛の特徴として「きつい帽子か何かで頭全体をきつく締め付けられているような痛み・めまい・眼精疲労」などがあります。日々のストレスや肩こりによって引き起こされるモノで、酷くなると吐き気を伴うこともあります。
日頃デスクワークが多かったり、ストレスを溜めやすい人に症状が現れやすい頭痛です。夕方から夜に向けてピークを迎えるので、仕事終わりの人は特に緊張型頭痛に気を付けましょう。
片頭痛
片頭痛といえば更年期だけでなくどの年代の女性も体験したことはあるはずです。頭のどっちか片方あるいは両側がズキズキと痛みます。ズキズキとした痛みは片頭痛の特徴です。
音や強い光に異常に反応してしまう事が原因で時には吐き気を伴うこともあります。一時的なモノであれば市販の痛み止めで痛みを軽減できますが、慢性化している場合は病院に行き診察を受けた方が良いでしょう。
片頭痛には女性ホルモンが強く関係しているため、更年期での生理周期が近づくと片頭痛が起こる確率が高くなります。卵胞ホルモンである「エストロゲン」が強く関係していて、脳内物質の1つの「セロトニン」というホルモンに影響を与えます。
エストロゲンが減少するとセロトニンが正しく分泌されなくなってしまいます。片頭痛はセロトニンが正常に分泌されないために、脳血管の拡張によって引き起こされると言われています。
群発頭痛
頭痛の中では一番痛みが強いと言われているのが群発頭痛で、男性に多く見られる症状です。目の奥がとても痛いと感じることがあったらこの群発頭痛の可能性が高いです。
脳に栄養を送る血管が腫れてしまい神経を圧迫するために起こる頭痛で、症状は数か月続いたのちに症状が無くなり、また数か月後に再開するというケースが最も多い頭痛です。
群発頭痛がおこると数分から約3時間ほど強い痛みに襲われるため痛みに耐えられずに転げまわる人もいます。
更年期障害による頭痛の原因
更年期障害にはさまざまな症状がありますが、代表的なのは頭痛ですよね。ただでさえ更年期で身体が火照っていたりだるかったりと大変なのに、それに加えて頭痛なんて嫌ですね。頭痛を予防するには更年期障害による頭痛の原因を知ることがとても大切です。
ホルモンバランスの乱れによる原因
更年期になるとエストロゲンというホルモンの分泌が減少するため、ホルモンバランスの乱れが頻繁に起こります。
エストロゲンの分泌が減少すると脳の視床下部から「もっとエストロゲンを分泌して」と卵巣に命令が下るのですが、更年期を迎えた卵巣は機能が衰えているためエストロゲンをうまく分泌できません。
結果ホルモンバランスが崩れて片頭痛といった女性に多い頭痛の症状が出てきます。自律神経の乱れも血管機能をうまくコントロールできなくなり、更年期障害である頭痛を引き起こす原因になっています。
ストレスによる原因
更年期を迎えるとホルモンバランスが崩れるため不安や疲れをより強く感じるようになり、ストレスが溜まりやすくなります。
ホルモンバランスが崩れると情緒不安定になりやすく、意味もなく突然泣いてしまったり、イライラして周りに当たりやすくなったりと自分の変化についていけないこともストレスの原因です。
ストレスを感じると筋肉は緊張状態になってしまい頭痛が起こってしまうのです。自分はストレスなんかに負けないから大丈夫、なんて思っている人が実は一番危ないかもしれません。
更年期障害による頭痛だと気づかずに薬に頼り続けると、本当に命の危険のある頭痛が起こった時でも気づかない可能性があります。ストレスは日常のなかで少しずつ溜まっていきます。更年期が近くなったらストレスを溜めないように気を付けて生活しましょう。
つらい更年期障害の頭痛の対処法
つらい更年期障害の頭痛、なんとかしたいと思いますよね。仕事を続けている人にとっては集中できない原因になるし、主婦の人なら家事が手につかなくて家の中がごっちゃごちゃに…なんてことにもなります。
更年期によるものだから仕方ないと適当な薬に頼るのはよくありません。薬がきちんと自分に合っているかわからないし、薬を飲む前に対処法で痛みを軽減させることもできるのです。
薬を飲めば痛みを抑えることが出来ますが、なるべく薬に頼りたくないという人も多いはずです。更年期障害の頭痛が起こったらまずこんなことをしてみましょう。
自分に合った頭痛薬を見つける
薬を飲んでも痛みが治まらなかったり、痛みが再発するのが早かったりした場合にはその薬が自分の体質に合っていない可能性があります。
自分に合っていない場合には、効かないからと普通よりも多く薬を飲むことになり長期の服用では身体にとって負担になることもあります。薬を飲んでも改善しない、少し薬を飲む回数が多いと思ったときは医師の診察を受け薬を変えてみましょう。
薬を変えることで財布にダメージを負ってしまう人もますが、身体を壊すよりマシですよね。頭痛を治すつもりで飲んでいた薬が実は害になっていた、なんてことにならない為にも自分に合った薬を見つけるようにしましょう。
横になって安静にする
薬を飲んで痛みを抑えることも大事ですが、家で横になれる人はまずは安静にしましょう。頭痛の原因がストレスや自律神経の乱れから来るのなら、リラックスできるように身体を休めてあげましょう。
少し眠ってしまうのもいいと思います。緊張状態にある筋肉を休めてあげることで、痛みが和らぎ症状も治まりやすくなります。どうしても横になれないという人はリラックスできる体勢を取ってみてください。
少しでも息を吐いてリラックスしてみたり、軽く運動をしてみるのも頭痛を軽減することができます。我慢できないほどの痛みであれば薬を飲んでから横になっても構いません。
頭を氷などで冷す
痛い部分を氷などで冷やしてみるのも効果があります。注意点としては、冷やす部分は痛むところだけです。夏場などは暑いからとク身体全体が冷えてしまうと頭痛を悪化させるので、冷やすのであれば痛む部分だけに留めましょう。
特に下半身を冷やさないようにしましょう。血行が悪くなると血液がうまく循環しなくなり自律神経の乱れをさらに悪化させることになります。夏場などは暑いからとクーラーにプラスして痛い部分も、と考えてしまうかもしれませんが頭痛には逆効果です。
痛む部分だけでも冷やしすぎるのは止めましょう。痛みが引いてきたら冷やすのを止めるなどして適度に冷やすようにします。長時間氷などをあてていると血行が悪くなってしまいます。
脳の血管が拡がって痛む片頭痛には冷やすのが効果的ですが、緊張型の頭痛には蒸しタオルなどで温め、血流をよくしたほうが良いのです。自分の頭痛の原因を見定めて処置しましょうね。
音と光をシャットアウト
片頭痛は大きい音や強い光に敏感に反応して起こることがあります。周りが騒がしかったり光に当たり過ぎて目が疲れていたりするので、その場を離れてみたり目を閉じて光を遮断してみましょう。
できれば暗く静かなところで横になるのが一番良いです。更年期に入って頭痛がよく起こる人は、あまり騒がしい場所や光の点滅が多い場所には近づかないようにしましょう。
額、こめかみに湿布をは貼る
家にいるときは額やこめかみに湿布を貼ることも頭痛を和らげることに役立ちます。頭痛は血管が炎症して神経を圧迫し起こっている場合もあるので、炎症を鎮めるために湿布を貼ることは有効です。
湿布を貼りながら家事や仕事をすることも立派ですが、痛みを感じたらできるだけ休むようにしましょう。痛みを我慢しながら作業をしてもイライラしたり、首が凝ってしまうと頭痛を酷くする原因になるからです。
更年期障害の頭痛を対策、予防法
更年期障害による頭痛は起こってから対処することもできますが、起こる前から予防するもできます。頭痛の主な原因はホルモンバランスや自律神経の乱れ、ストレスからくるものなので、生活習慣を少し見直すだけでも対策や予防に繋がります。
身体を冷やさない
身体が冷えてしまうと筋肉が緊張して頭痛を引き起こします。血行が悪くなり炎症を起こしやすくなってしまい、痛みをさらに強く感じることにもなるので身体を冷やさないようにしましょう。
下半身が冷えてしまうと血の巡りが悪くなるので、下半身浴をしたり靴下を履いたりして冷えを防止しましょう。女性は特に冷え性になる傾向にあるので、クーラーをガンガンにつけたり冷たいものばかり食べるのはやめるようにします。
ストレスを溜めない
ストレスを溜めないようにすることが頭痛改善への対策でもあります。ストレス社会と言われる中でストレスを溜めないようにするのは難しいことですね。夫婦でケンカした時なんかは特にストレスが溜まりやすいものです。
ストレスを溜めても良いことはないので、適度に発散することが大切です。好きな音楽を聴いたり甘いモノを食べたり、スポーツに打ち込んだりと気分をリフレッシュできる方法を見つけておきましょう。
身体を動かすことは筋肉をほぐすことに繋がるので更年期障害の頭痛防止に繋がります。
漢方薬で予防
更年期の頭痛は薬が効きにくいこともあります。女性ホルモンが関係しているので、鎮痛剤ではホルモンバランスが改善されないからです。
漢方薬は鎮痛剤と違い身体の不調を整えてくれるため、更年期障害の頭痛を抑えてくれる働きがあります。漢方は身体の気や血から不調を探るので、頭痛の原因の一つの血行の不調によく効きます。
きちんと処方されたモノなら、体質に合ったように処方されるので効果は期待できますが、市販の漢方薬を使用する場合は身体に合わない場合もあるので効果を得たいなら病院で処方してもらいましょう。
サプリメントで予防
女性ホルモンに似た働きを持つ「ローヤルゼリー」「エクオール」という成分が含まれているサプリを飲むのも更年期の頭痛には効果的です。これらの成分が入ったサプリを飲むことで、減少した女性ホルモン「エストロゲン」の代わりを果たしてくれ頭痛を予防できます。
サプリなら薬を飲むことに抵抗がある人でも飲みやすいのではないでしょうか?他にも「大豆イソフラボン」「プラセンタ」「サポニン」といった成分が含まれるサプリメントも効果があります。
血行促進のためのストレッチ
更年期障害の頭痛の原因としてホルモンバランスの乱れ、女性ホルモンの減少がありますが、血行不良もその一つです。血が滞ってしまうと炎症を起こし神経を圧迫してしまうので、ほぐしてあげることで血の流れを良くしてあげます。
肩こりなどからくる頭痛も軽くストレッチをするだけで改善したり、肩こりを解消することで頭痛が起こりにくくなります。
デスクワークなどをしているとなかなか運動ができないといった環境もありますが、、軽いストレッチで構わないので実践してみましょう。つらい頭痛が和らぎますよ。