岩盤浴でダイエットできるの?
あなたは岩盤浴、体験したことありますか?温められた天然鉱石の上に横たわって体全体を温めて汗を出す温熱浴で、「岩盤浴ダイエット」という健康法が少し前にメディアで多く取り上げられ話題になりました。
でも、「寝そべるだけ」のダイエット法なんて、本当に効果あるの?という疑問も沸きますよね。安心してください!岩盤浴の脂肪燃焼効果と代謝アップ効果は、専門家の間できちんと立証されているんですよ。
岩盤浴とサウナの違いは遠赤外線とマイナスイオン
大量の汗をかく美容・健康法としてはサウナと同じようにも思えますね。でも、岩盤浴とサウナは、汗をかくメカニズム=温め方がまったく違うのです。
まずはサウナから説明しましょう。サウナは80℃~100℃の室温とスチームで体の表面から温めていき、汗腺から大量の汗を出します。この汗は暑い夏や、お風呂に入った時に出てくる汗と同じで、ベタベタした気持ち悪い汗。
一方、岩盤浴は鉱石から発せられる遠赤外線やマイナスイオンによって、体の内側から温めて汗を出します。このときの汗は、汗腺ではなく皮脂線から分泌されるもの。汗腺から出る汗と違ってサラサラしています。
乱れた自律神経を整える効果もあり
岩盤浴に使われる鉱石から発生する「遠赤外線」は長い周波を持っていて体を芯から均一に温めます。また、岩盤浴の環境は室温42~45℃、湿度65~75℃という高温多湿。じっとしていても汗が出る環境ですね。
体を芯から温めて発汗すると、自律神経やホルモン系の活動が活発になることから、岩盤浴は自律神経失調症の治療方法としても注目されています。「運動しても汗をかかなくなり体温の調節ができない」という、自律神経の乱れの症状改善に有効なのです。
自己免疫力も高まる
あなたはNK(ナチュラル・キラー)細胞という言葉を知っていますか?生まれつきの殺し屋という名のとおり、常に体内をパトロールしながらウイルスに感染した細胞やがん細胞などを見つけ攻撃する頼もしい細胞です。
このNK細胞が「人間が本来持っている自分を守る力」つまり自己免疫力を高めるポイントで、岩盤浴にはNK細胞を増やし自己免疫力を高める効果があることが明らかになっています。
岩盤浴で代謝を上げて脂肪燃焼ダイエット
汗をかくと一時的に体重は落ちますが、水を飲めばすぐに元に戻ります。これではダイエットとは言えませんね。岩盤浴で出る汗がサウナの汗とは違う、ということは前に説明したとおりです。遠赤外線で体の内側から温める岩盤浴のダイエット効果を簡単にまとめてみました。
- 新陳代謝を高め老廃物を排出
- 脂肪燃焼効果を高める
- 食べても燃焼する力を体に覚えさせる
岩盤浴=減量ではなく、痩せやすい体に変えると考えて取り組んでくださいね。
デトックス効果が新陳代謝を上げる
新陳代謝アップのカギとも言える、岩盤浴の優れたデトックス効果について説明しましょう。デトックスは毒素排出という意味で、毒素には「体の外から入ってくる体外毒素」と「体の内部で作られる体内毒素」があります。
体外毒素とは、食物と一緒に体に入ってきた有害金属。水銀、カドミウム、アルミニウム、鉛といったものです。体内毒素とは、ヒトの日常生活の中で体の中にできる老廃物のこと。疲労物質の乳酸や尿素、尿酸、アンモニア、腸内で発生する臭い成分などもそうです。
体外毒素は水に溶けにくいという性質を持っていて、脂肪と結びついて「燃えない脂肪」となって体内に貯まります。このやっかいな燃えない脂肪を皮脂腺から排出してくれるのが岩盤浴の遠赤外線。さらにマイナスイオンが皮脂の酸化を防いでくれるので、皮脂腺の詰まりも解消します。
次に体内毒素について。尿酸や尿素の排出というと、本来は腎臓のしごとですよね。ところが、岩盤浴が腎臓の働きに大きく影響することが判っています。
冷えとむくみ改善で痩せ体質に
体の深層部の細胞に届き発熱作用をもたらしてくれる「遠赤外線」が、冷え性の改善に効果的なことはよく知られています。サウナのように高温に設定されていない環境なので、長時間遠赤外線を浴びることができるのです。
血流が良くなるとリンパの流れも良くなり、体内に滞っていた余分な水分や老廃物も排出も促されます。その結果、むくみも改善!という嬉しい結果に。冷えとむくみは、痩せやすい体質になるために必ず改善しなければならない症状です。
岩盤浴が「体の内側からきれいになる」ダイエット法であることはこれまで説明してきたとおりですが、結果として体の外側にも良い影響が現れるのです。
皮脂腺から出るサラサラの汗は肌を保護してくれるので、乾燥によるシワやシミの予防・改善が期待できます。また、皮脂の詰まりが改善されるので、ニキビ肌の改善にも効果的。
つまり、いろんな肌トラブルを解決し美肌に導いてくれるということ。女性には嬉しい効果ですね。
岩盤浴ダイエットが成功する効果的な入り方
温められた鉱石の上にタオルを敷いて寝ているだけで、もちろん汗は出るしデトックス効果もあります。でも、よりダイエット効果のある入り方があるのです。
水分の摂り方、呼吸方法など、岩盤浴ダイエットを成功させるための「入り方」を紹介しますので、参考にしてみてください。
水分補給は必須
サウナと同じように、水分の補給はこまめに行なってください。入浴中・休憩中はもちろんですが、岩盤浴に入る前に多めに水を飲むといいでしょう。また、汗をかくと老廃物だけでなく体に必要なミネラルも一緒に排出されます。
これを補うためには、水よりはミネラルウォーターがおすすめ。ただ、ミネラルウォーターは体への吸収があまり良くないので、高度の脱水状態で急いで水分を補給したいときには、少量の糖分と塩分を含んだスポーツドリンクを飲むようにしましょう。
入浴中に腹式呼吸を意識して代謝を上げる
入浴中の呼吸法を意識することも、ダイエット効果アップのための秘訣です。鼻からゆっくり長く息を吸ってゆっくり吐く「腹式呼吸」で、脳波がリラックスした状態のアルファ派になるように。そうすると、自律神経系への温熱効果もより高まります。
さらに、しっかり腹筋を使うのでお腹まわりの引き締めにも効果が期待できますよ!
入浴後のシャワーはもったいない!?
これは効果的な入り方として、ぜひ知っておいてほしいことですが、岩盤浴の場合は入浴後のシャワーは「NG」と考えてください。岩盤浴では、皮脂腺から分泌される新しい皮脂が健康な皮脂膜をつくり、皮膚の潤いを保ってくれます。
言わば自然の保湿剤。これを洗い流してしまうなんて、非常にもったいないこと。できればそのまま自然乾燥してほしいところですが、どうしてもシャワーを浴びたいという場合は、ボディーソープでゴシゴシ洗ったりせずに、軽く流す程度にしましょう。
入浴後のリンパマッサージやストレッチがおすすめ
岩盤浴で汗をかいて血流とリンパの流れが良くなったら、体が温かいうちにリンパマッサージやストレッチをするのがおすすめです。リンパマッサージサービスのある岩盤浴場もありますし、岩盤浴をメニューのひとつとして備えたエステサロンも増えています。
ただし、専門家にお願いするのは、費用も時間もかかるもの。リンパマッサージは力も要らないので、自分で行なうのもひとつの手ですね。また、日頃行なっているストレッチ運動も、岩盤浴直後に行なえばさらに効果的です。
岩盤浴ダイエットする場合のおすすめ頻度
最後に、「岩盤浴ダイエット、やってみよう!」という気分になったあなたのために。どのくらいのペース(頻度)で通えばダイエット効果が期待できるか、また、入浴時間はどれくらいの長さが適当なのかについて説明します。
1度の入浴時間はトータルで60~90分程度。15~20分おきに5~10分程度の休憩をとり水分を摂りながら2~3回入浴するのが一般的です。ダイエットが目的なら週に1~3回は通ったほうがいいでしょう。
以下に詳しく述べますが、生活スタイルや予算は人それぞれなので、あくまでも目安として参考にしてくださいね。
入浴時間は15~20分を休憩しながら数回
まずうつ伏せで5~10分、仰向けに体勢を変えて5~10分、その後5~10分休憩。これを2~3セット繰り返します。岩盤浴は、料理でいうところの「炭火焼き」のようなもの。
遠赤外線でじっくり体の中から温めるものなので、あまりコロコロと体勢を変えるのは好ましくありません。腰痛を改善したい人は「仰向け」を多めに、冷え性の人はお腹を温める「うつ伏せ」の割合を多めに、といった具合に、自分の体調によって体位を工夫してみてください。
頻度は週1~3程度でOK
通う頻度ですが、いくら天然の保湿剤が出るといっても、入りすぎは良くありません。岩盤浴ダイエットを成功させたいという強い意志があっても、週1~2回でじゅうぶん。多くても3回までにしておきましょう。
岩盤浴は、入りすぎると水分も体力も奪われます。また、あまり発汗しすぎると汗腺障害を引き起こす危険性もあるのです。効果的に、かつ安全に岩盤浴ダイエットを成功させるために。1回60~90分、頻度は週に1~3回、このペースを守ってくださいね。
体質改善が目的なので無理せず続けることが大切
岩盤浴ダイエットは減量ではなく、新陳代謝と脂肪燃焼効果を高めて「痩せやすい体」に体質を改善することが目的です。1回の入浴で即効果が現れるものではありません。
他のダイエット法と同じように、続けていく事が大切ですが、続けやすいということがメリットです。なんたって、鉱石の上に寝るだけですから。予算と時間と体調をよく考えて、無理のない範囲でトライしてみてください。
体質を改善しながら運動にも取り組めば、減量やシェイプアップもよりスピーディに実現するしリバウンドの心配も無くなりますよ!